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シルクの世界 (シルクは繊維の女王) 〔第2話〕

2017年04月29日 | 日本

それでは、蚕が作り出したシルクの特長をご紹介します。

 

シルクは真珠のような気品のある光沢を持ち、古くから高級品とされています。

真珠といえば白く高貴に輝く姿が、宝飾品の中でも特別な存在とされています。そんな『真珠』と姉妹と称されているのが、『シルク』です。シルクのツルンとした光沢ある輝きは、真珠に優るとも劣らない美しさです。

 

その高級感や貴賓に溢れた『シルクと真珠』の美しさの共通点はタンパク質です。お互いに18種類のタンパク質を含んでいるのです。『シルクと真珠』はそのままの美しさもさることながら、女性が身につけると女性の美しさを引き立たせるという部分においても共通しているといえるのではないでしょうか。

 

シルクの原料である絹糸の繊維(フィブロイン)は断面が三角形のプリズム状になっており、光を反射・屈折・分散・吸収する性質がある為、光が乱反射して、真珠のような光沢が生み出されています。

 

また、シルクの美しさは、染め上がりの美しさにもあり、いろいろな染料に美しく染まり、繊細な図柄を鮮やかに染め分けることができるのです。

 

シルクは繊維の女王と呼ばれています。

 

天然繊維の中でシルクは最も繊維が細くて長いので、薄くてしなやかな布地を自然に作ることができます。その秘密は蚕が作る吐く糸にあります。成熟した蚕は、繭を作るとき、S字形に糸を吐きます。これが糸口にうねりを与えるわけです。

 

シルクは太さの違う繊維が集まっているので、糸が弾力のある膨らみとなって、手触りが滑らかで柔らかく何ともいえない優雅な風合いをかもしだしてくれるわけです。肌触りがよくて、しかも見た目にも美しく、上品なシルクを着ると心も晴ればれ、着る者の気分を爽やかにしてくれるのは「繊維の女王」と言われる、絹糸の力なのでしょう。

 

シルクの魅力は、見た目の美しさだけではありません。天然素材であるシルクには、他の素材にはない優れた点が、たくさんあります。

 

ここでは、シルク製の下着が持つ特長や魅力を、5つに分けてご紹介します。

1.    夏は涼しく、冬は暖かく

絹の繊維には、細かい穴がたくさんあいていて、通気性や吸湿性に優れています。吸湿性は綿の1.3~1.5倍、放湿性は綿の1.5倍。夏は汗や水分をしっかり吸って外に出し、一緒に熱も発散するので、着心地はさわやかです。肌も清潔に保ってくれます。


また、絹は繊維の間に空気をたっぶり含んでいます。そのため保温性が高く、熱を伝えにくいのが特徴で、冬の冷たい外気を寄せつけません。着心地が軽いから、重ね着もOK。シルク下着は、夏は涼しくて冬は暖かい、まさに一年中使える肌着なんです。

 

2.天然素材ならではの優しい肌触り

いつもお肌に触れている肌着や下着は、肌触りの気持ち良いのが一番です。その点、シルクは優しい感触で、とても着心地の良い素材。化学繊維や毛糸と違って、チクチク肌を刺激することもありません。それに、絹は天然素材である上、繊維にほどよく水分を含んでいるため電気抵抗が小さくのです。冬のいやな静電気も起きにくく、チリやホコリも寄せ付けません。

 

3.    美しいお肌を守る

シルクの肌着は、美しい肌を保つお手伝いをしてくれます。
絹の糸はとても細く、じつに髪の毛の30分の1という細さ。しかもそれは、さらに細かい繊維が集まって出来ているものです。


この細かい繊維が皮膚とこすれ、肌表面にある汚れや細菌まで落としてくれることがわっかっています。古い角質をやさしく落としてくれます。しかも絹の主成分は、皮膚と同じくたんぱく質。お肌になじみやすく刺激が少ないので肌を傷めないのです。

 

かつて京都の美しい舞妓さんの間では、「舞妓さん、絹で作った珠の肌」という言葉が古くからあります。「絹の端切れは、捨てずに手に巻き付け、手足やうなじ、首筋をそおーっとこすると、キメが細かくキレイになって白粉のノリがよくなる」と伝えられています。まさに、絹で「あか抜け」するということです。そのような習慣があったそうです。

 

4.    紫外線をばっちりカット

シミやソバカス、お肌の老化の原因となる紫外線は、女性の大敵です。
実はシルクには、UVカットの効果もあります。シルクの衣類が日光に当たると変色しやすいのは、紫外線を吸収するからです。この絹のうれしい働きは、蚕が繭の中で紫外線の影響を受けずに育つように、備わったものだそうです。

 

5.    皮膚の健康を守る

シルクは人間の肌にもっとも近い繊維と言われ、肌に優しい繊維です。また、シルクは吸湿・放湿効果が高く、皮膚をいつも清潔な状態に保ってくれます。
抗菌性もありますので、細菌の繁殖を抑えてくれ、特にアトピーや皮膚病、床ずれなど、お肌のトラブルを抱えている方には、シルクの肌着がおすすめとなります。

 

絹石鹸がお肌にいいと知っていても、なかなか使っている人は少ないようです。なぜ絹石鹸がお肌にいいのか。それは、石鹸に限ったことではなく、シルクの持つ18種類のアミノ酸の力によるものです。抗菌性に優れ、皮膚に余計な雑菌が付くのを防ぐからです。

 

また、シルク製品が多方面にわたっていることはご存知でしょうか?

例えば、シルクは化粧品であったり、食品、医療器材、ヘアー用品寝具など幅広い分野でも活躍しています。

 

それには素材としてのシルクにたくさんの魅力があるからです。シルクの魅力、それは良質のタンパク質であるというところにあります。私たちの筋肉や皮膚、毛髪などの原料であり、生命活動を行うために活躍している酵素もタンパク質です。

 

生物が生きていくために必要なタンパク質。大切なタンパク質ですが安易に合成できるものではなく、自然界に存在するタンパク質を利用し私たちの暮らしに役立てています。

 

シルクの繭糸の成分は90%以上がタンパク質なので、利用され易いところに、注目される一つの理由があるのです。シルクの成分は、人間への抵抗が非常に低く、トラブルの多い現代人の肌や、体へ働きかける素材として注目されています。そのため、医療や美容方面での活躍が更なるシルクの魅力を生み出しているのです。

 

シルクは処理を施せば、食べることもできます。

パウダーにしたシルクは人体に取り入れても問題ありません。むしろ、吸収が良いシルクアミノ酸を食することで、体内で素早く必要なタンパク質へと変化し、エネルギーの維持ができたり、肝機能を調えたり、血糖値やコレステロール値をコントロールしたり、有害な物質を体から排泄する解毒作用などの効果が期待されています。

 

もともとシルクは牛乳や卵にくらべても必須アミノ酸を豊富に持っています。さらに脂肪や炭水化物が少ないため現代人の食生活に合った栄養食になるのでは、と考えられてきました。シルクが持つアミノ酸の成分は、生活習慣病などのさまざまな症状への効果があるといわれています。

 

セリシンは体の内側を酸化して老化させる原因の「活性酵素」を抑える抗酸化作用があります。つまり細胞の老化を抑制することから、ガン細胞も抑制できるのではないかと期待されています。

 

化学繊維の服が燃えると繊維が溶けて皮膚に引っ付きケロイド状になりますが、シルクはなりません。シルクは焼け焦げますが、燃え上がる事はありません。よって火事の現場でもシルクの衣服には火が付きません。これって凄い事なのです。

 

魔法の繊維のように言われていますが、実は弱点もあります。

シルク繊維の弱点は、一言でいうと「摩擦に弱い」ということです。 衣服は着用していると知らず知らずのうちに擦れて毛羽立ち、ひどくなると布地が破けてしまいます。 衣服の耐久性を左右するこの性質を耐摩耗性、または摩耗強度と言いますが、絹は他の繊維に比べ、この摩耗強度が少し悪いのです。

 

その他、最近では丸洗いの出来る絹製品が出回ってきていますが、洗濯に対しての弱さもあります。一回洗濯したら縮んだとか、生地が破れたとか、縫製がほどけた!なんて事もよくあります。 しかし、このような事は「絹の洗濯方法」をちゃんと守ることで、簡単に改善が出来るのです。

 

このあとは、第3話「シルクの歴史」へ続きます。

 

---owari---


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