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米英の【中国悪魔化】情報戦が進んでいる

2020年01月19日 | 政治・経済
今日も国際関係アナリスト・北野 幸伯さんのメルマガからお伝えします。

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全世界のRPE読者の皆さま、こんにちは! 北野です。

皆さん、「世界で何が起こっているか知りたい」と考えておられることでしょう。
その為にもっとも必要なことは何でしょうか?
一つのフレーズを、頭の中に叩き込んで、忘れないことです。

そのフレーズとは何でしょうか?

【 米中覇権戦争が起こっている 】
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です。

特に、「戦争」という言葉が重要。
これ、「たとえ話」ではありません。
「ほんまもんの戦争」が起こっている。

アメリカも中国も「核大国」。
だから、「戦争」といっても、大規模な「戦闘」は起こりにくい。
それで、「別の形態」の戦争が起こる。

・情報戦
・外交戦
・経済戦
・代理戦争

今、世界では、これらの戦争が起こっている。
「関税引き上げ合戦」「ファーウェイ問題」など経済戦ばかりに目が行きがちですが。
実をいうと、情報戦も非常に大事です。

というのは、情報戦なら、アメリカは圧倒的に有利だから。
なぜ?

中国には、「情報戦のネタ」がゴロゴロしている。
中国は、共産党の一党独裁国家である。
中国は、神様を否定している。(これ、キリスト教が強い欧米では特に重要。イスラム圏にもアピールできる。)

中国には、信教の自由、言論の自由、結社の自由がない。
中国は、チベット人120万人を虐殺した。
中国は、ウイグル人100万人を強制収容所に閉じ込めている。

これらの事実は、世界中の人が知っていることです。
しかし、2018年7月に米中覇権戦争が勃発するまで、ほとんど注目されていなかった。

なぜ?
皆、「チャイナマネー」が欲しい。
だから、「人権」「民主主義」などにうるさい欧州もアメリカもだまっていた。
欧米は、明らかに、金 >>> 人権        
だったのです。

日本だって他国のことはいえません。
1990年代、2000年代、日本企業は、こぞって中国に進出していった。

これらの企業は、中国がひどい人権侵害国家であることを知らなかったのでしょうか?

もちろん知っていたでしょう。
ですが、数十分の1という賃金水準、13億人の市場という【 大金 】を前にして、人権という言葉は全然意識されなかったのです。

▼米英は、真剣に中国【悪魔化】に取り組み始めた
情報戦の目的は何でしょうか?
そう、敵国を【悪魔化】することです。

なぜ?

「悪魔化」すると、国々は「悪魔のような国とはつきあいたくない」と思うでしょう。
要は、「村八分」にする。
敵国を「孤立」」させる。

国内むけの理由もあります。
敵国を「悪魔化」させることで、たとえば敵国に経済制裁するのも「やむなし」と国民に納得してもらう。

日本も、米中に「情報戦」でやられた過去があります。
日本の世界支配計画書「田中上奏文」が拡散され、「世界支配を画策する悪の帝国」にされてしまった。

今、アメリカは、かつて日本にしたのと同じことを中国にしている。
違いは、「日本には世界支配計画はなかった」ですが、中国は実際に100万人のウイグル人を強制収容していること。(これは、国連も認めている事実です。)

▼情報戦の主戦場はウイグル
さて、ウイグル問題。
中国は昔からウイグル人にひどい人権侵害を行ってきましたが、ほとんど問題視されていませんでした。しかし、米中覇権戦争がはじまったので、情報戦に使われるようになり、注目されるようになった。

そして、イギリスは、積極的に情報戦でアメリカの味方をしています。
イギリスBBCが旗振り役になってウイグル問題を盛り上げている。

なぜ、イギリスは、反中になったのでしょうか?
この国は2015年3月、親米国家の中でいち早くAIIBに参加し、アメリカを裏切ったのに・・・。
実をいうと、イギリスは、中国がウソをついたことに激怒している。

どんなウソ?

1997年、イギリスから中国に、香港が返還された。
その時中国は、「50年間は一国二制度を維持する」と約束した。
それで、イギリスは、いろいろな基盤を香港に残した。

ところが、中国は、この約束を破っている。
昨年7月、イギリスは、約束を守らないと「重大な結果」がもたらされると警告していました。
(AFP=時事 7月4日)

<【AFP=時事】中国の特別行政区・香港での大規模な抗議行動をめぐり、中国と英国の関係が急速に悪化している。
中国は3日、英国に対し「さらなる介入を慎む」よう求め、英国は駐英国の中国大使を呼んで抗議した。>

<英国のジェレミー・ハント(Jeremy Hunt)外相は中国に対し、抗議行動を「抑圧の口実」にしないよう要請。中国が22年前に英政府と交わした約束に違反することがあれば「重大な結果」がもたらされると警告した。>

もちろん中国は、その後も約束を破りつづけた。
結果、イギリスが、アメリカの側に立って反中情報戦に参戦してきたのです。
情報戦の主戦場は、香港とウイグルです。

イギリスの公共、国営メディアBBCは、何を報じているのでしょうか?

たとえば、
<後頭部に電気ショックを……中国のウイグル人収容所で
BBC News Japan 11/25(月) 16:56配信↓ 

収容所でひどい人権侵害が行われていることが報じられています。
是非ごらんください。

さらに。

<中国政府、ウイグル人を収容所で「洗脳」 公文書が流出
BBC News Japan 11/25(月) 13:12配信
中国政府、ウイグル人を収容所で「洗脳」 公文書が流出
中国西部の新疆ウイグル自治区にある、高度の警備体制が敷かれた収容施設で、中国政府がイスラム教徒のウイグル人を何十万人も組織的に洗脳していることが、流出した文書によって初めて明らかになった。>

<収容施設は過去3年間に、新疆ウイグル自治区内で建設されてきた。
イスラム教徒のウイグル人を主体に、100万人近くが裁判を経ずに施設内で拘束されているとみられている。>(同上)

<別の文書からは、ウイグル人の拘束と収容の規模がわかる。
ある文書は、2017年のわずか1週間の間に、新疆ウイグル自治区の南部から1万5000人が収容施設に入れられたとしている。

国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウォッチの中国担当責任者ソフィー・リチャードソン氏は、流出文書は検察当局に活用されるべきだと話す。

「これは訴追に使える証拠で、甚だしい人権侵害が記録されている。
収容者は全員、少なくとも精神的拷問を受けていると言っていいと思う。
自分がいつまでそこにいるのか、まったく分からないからだ」>(同上)

これらの報道を受けて、ポンペオさんは、中国政府に強く抗議しました。
<米長官、新疆の弾圧即時停止を ICIJ入手のウイグル文書受け11/27(水) 8:41配信
【ワシントン共同】中国政府が新疆ウイグル自治区でイスラム教徒の少数民族ウイグル族らを監視する大規模システムを運用していたことが報じられたのを受け、ポンペオ米国務長官は26日の記者会見で
「恣意的に拘束された人々を即時解放し、自国民への弾圧をやめるよう中国政府に求める」
と訴えた。>

▼ナチについて負けた日本は、中国についてまた負ける?!
1939年9月1日、第2次世界大戦がはじまりました。
それから1年後、1940年9月27日、日本は、こともあろうに、ナチスドイツ、イタリアと「日独伊三国同盟」を結びます。

それから80年後の2019年、今度はアメリカと中国の覇権戦争がはじまっています。
日本は、いままでずっと「戦勝国側」にいました。
ところが、なぜか「米中覇権戦争」がはじまった直後から、敗戦国になることが確実な中国に急接近しています。

日本は、第2次大戦がはじまった1年後、ナチスドイツと同盟し、必然的に敗北しました。
日本は、米中覇権戦争がはじまった1年後、ウイグル人100万を強制収容している国のトップを国賓として招きました。

「歴史は繰り返すよな~」と思えるのは私だけではないと思います。

私たちは、日本政府が、「またバカな決断」をして、「また敗戦国」になるのを阻止しなければなりません。

ユダヤ人絶滅を企てたナチスドイツの同盟国になるのは愚か。
ウイグル人100万人を強制収容している中国のトップを国賓としてくのは愚か。

安倍総理は、2015、2016、2017年まで非常に立派な外交をされてきました。
日米、日ロと強固な関係を築き、世界一の戦略家ルトワックさんからも、

「安倍総理は稀に見る戦略家だ」

と絶賛されていた。
ところが、米中戦争がはじまった2018年から中国に急接近し、
日本国を間違った方向に導いています。

安倍総理は、「日本をまた敗戦させた残念首相」として歴史に悪名を残すのでしょうか?
それとも、「敗戦国だった日本を戦勝国に転換させた偉大な総理」として歴史に名を残すのでしょうか?

今、総理も日本国も、歴史的な岐路に立たされています。

---owari---
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