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神や偉人の歴史を消し去ろうとする左翼史観(後編)

2020年07月16日 | 日本
(左翼史観には「偉人や英雄・神仏」を認めない心がある)
気をつけなければいけないのは、左翼史観のなかに、「人間というのは、みな平凡で、変わらないものだ。給料も一律、寿命も一律、家の大きさまで一緒で、“美人でない”奥さんも同じようにもらわなくてはいけない」というような、原始共産主義のような感じの“民主主義”がまかり通ってくることです。

ただ、もしそうであれば、これほど多くの人間が住む必要はありません。
それは、人間社会を蟻(あり)の社会のように見ているということでしょう。確かに、軍隊蟻の社会であれば、どの蟻を見ても、その違いをわれわれの目で見抜くのは大変だと思います。いったい、どこに違いがあるのか分からないですし、「体の大きい蟻と小さな蟻とがいる」というのは、たまに分かっても、だいたい同じような動きをしているからです。

しかし、人間社会をそのように見るのは、自らを卑下(ひげ)する行動にもなっているのではないでしょうか。私は、優れた人物は過去にいくらでもいたと思うし、そうした「偉人や英雄を否定する心」は、やはり、「神や仏を否定する心」に完全につながっていくものだと思うのです。

そういうものを否定して、「自然に“空気”で民衆が動き、革命が起きて、国が変わってきたのだ」というようなことを言う人が、だいたい左翼史観であるわけですが、やはり、その底には、優れた人を認めたくない心や、「人間の力を超えた、大きな力が働いている」ということを認めたくない心があるように思えます。

(神社・仏閣を否定することが「科学的」「合理的」なのか)
神社・仏閣(ぶっかく)を否定することが科学的で合理的であるとは言えないと思います。もし、否定することが科学的で合理的であるならば、伊勢神宮が三重県にあり、隣の奈良県に行けば、橿原(かしはら)神宮があり、島根県の出雲(いずも)に行けば、出雲大社があり、さらには、全国各地に神社・仏閣がこれだけたくさんあることを、どのように考えればよいのでしょうか。これは、「神様・仏様が存在することを、国民が認めている」ということでしょう。

これが全部インチキで、詐欺(さぎ)であり、神も仏もないのなら、神社・仏閣は打ち壊(こわ)さなければいけません。「国民全体がみんな詐欺に引っ掛かっている」ということであれば、そうした非合理的なものは全部壊すべきです。そして、「風呂の焚(た)き付けにする」と言ったら古すぎるので、「焚き火の材料ぐらいにすればよい」ということになるでしょう。

神社・仏閣は全国にあるわけで、いったい幾つあると思いますか。ものすごい数だと思います。
実は、全国のお寺の数はコンビニの数より多いのです(2010年調査時点で、お寺の数は74,025軒、コンビニは43,270店舗。お寺はコンビニの1.7倍も存在します)。

コンビニは便利だと思っている人はたくさんいると思いますが、その数よりお寺は多くて、それだけの数のお寺が、今、現実に、まだ潰(つぶ)れないで存在しているわけです。

つまり、インドや中国など、いろいろなところから入ってきた「お経(きょう)」と「修行(しゅぎょう)」を伝えるだけで、現在それほどのお寺があるということでしょう。また、日本神道の歴代の神々を祀(まつ)る社(やしろ)もたくさん存在しているのです(神社は全国で約85,000社あります)。

やはり、こうした現実を見るかぎり、例えば、現代の教育学において、神仏や神話の時代を否定したり、すべて左翼史観で見たりすることは可能だとしても、それはおかしいと言わざるをえません。

また、国宝になっているものを見れば、その多くは古い神社・仏閣であったり、彫刻の仏像や神像、例えば、大日如来像だったりします。尊(とうと)いものは、ほとんどみな宗教絡(がら)みのものばかりです。

あるいは、歴史を見れば、偉人のなかでも天才的な偉人というと、ほとんどが宗教家でしょう。宗教家ばかりが出てきます。やはり、「宗教家は神様に近い」と、みな思っているのです。

こういうことに対し、全部、目に蓋(ふた)をして、つまり、「現在ただいま、自分は見ていない」というだけの理由で、見ないことにして、「存在しない」と言うのは、残念ながら、「自分に引き合わせて全部を見ている」ということだと思います。ある意味においては、傲慢(ごうまん)になっているのではないでしょうか。

---owari---
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