遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

辺野古移設和解の舞台裏 早くも逃げ道造りの翁長

2016-03-15 23:58:58 | 日本を護ろう
 普天間基地のキャンプシュアブへの統廃合を巡っては、沖縄県と国とが訴訟合戦を展開していました。国の勝訴と観るのが大勢でしたが、福岡高裁が和解案を提示し、二度目の修正案で県も国も受け入れることになり、その和解案に沿った国と県の行動が進められています。
 国の勝訴が見込まれていたのに、和解案が示され、それを受け入れた政府の舞台裏についての産経の記事がありました。
 和解案が、3つの訴訟をひとつにまとめたうえで、県側の敗訴が濃厚なものと悟った翁長知事は、早速逃げ道の喧伝を開始している様ですね。
 

辺野古移設 想定外の和解、舞台裏は 首相、官僚集め「アイデアを」 (3/15 産経)

 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古移設をめぐり、沖縄県が代執行訴訟の和解に従い国の是正指示を不服として国地方係争処理委員会に審査を申し出たことで、国と県の争いが再び法廷に持ち込まれることが濃厚となった。政府が4日、抵抗の強かった移設工事中断を含む和解を受け入れた背景には、回り道をしてでも司法による“最終決着”を目指した安倍晋三首相の判断があった
。(小川真由美)

◆菅長官も「驚いた」
 「何かいいアイデアを考えてほしい」
 首相は2月2日、福岡高裁那覇支部(多見谷寿郎裁判長)が1月29日に和解案を示したことを受け、官邸に外務、防衛、法務各省の幹部を集めこう指示した。
 首相は「全体的な状況を知りたい」と各省の報告を聴取。
和解案を即刻拒否する意見もあったが首相は新たな道を探ることにした

 福岡高裁が示した和解案は、辺野古移設を前提に国が基地返還時期などを米国と交渉する根本案と、国が工事を中断し再協議する暫定案の2つだった。
 そもそも福岡高裁による
和解案は政府にとって想定外。普段は危機管理で冷静な対応が目立つ菅義偉(すが・よしひで)官房長官も「驚いた」と周囲に漏らした。「裁判なら99%勝つ」(政府高官)と強い自信があった
からだ。

◆負けるリスク現実味
 
過信は裏目に出た。法曹関係者は、国が代執行訴訟に出た手法を「あらゆる法的措置を尽くした後の最終手段で強引」と指摘。高裁の和解案で残り1%の「負けるリスク」(政府筋)が現実味を帯び始めた


 首相が和解案への対応で最も懸念したのは「国の対応が世論に悪く映ること」(関係者)だった。
敗訴すれば政権へのダメージは大きく、強引な印象は夏の参院選への悪影響
にもつながりかねない。
 法務省は、環境対策や土砂運搬などの工事過程で「訴訟が10年続く可能性もゼロではない」などと首相に進言した。

◆少数スタッフで調整
 2月下旬。
首相は、菅氏に「急がば回れだ」と、政府としての和解策を提示するよう指示
した。
 「首相がおっしゃるなら」
 これまで強気の交渉姿勢だった菅氏は一瞬ためらったが、首相の力強い言葉にうなずいた。県との
和解に応じれば、3つの訴訟が取り下げられ、翁長雄志県知事の埋め立て承認取り消しの是非を争う訴訟に一本化されるというメリット
があった。
 菅氏は自室に岸田文雄外相を呼び、首相の考えを伝達。外務省の森健良北米局長を米ワシントンに派遣し米政府に内々に説明するよう指示した。中谷元(げん)防衛相にも首相方針を伝え箝口(かんこう)令を敷いた。首相と菅氏はごく少数のスタッフで調整し今月4日の和解を導いた。

 ただ、
和解条項は法的拘束力がない“紳士協定”にすぎない。翁長氏の出方次第では辺野古移設が停滞する懸念もくすぶる。

 裁判合戦には政府が勝つとの声が多数を占めていましたから、遊爺は安心して展開を眺めていましたが、政府も99%勝つと自信を持っていて、高裁が和解案を提示してきたときは、菅官房長官も「驚いた」のだと。
 諸兄がご承知の様に、当初の和解案は、県側の主張に配慮したものと、国側に配慮したものの2案。当然一本にしぼりこむことが出来ず、修正案が提示されることになりました。
 和解案に拘る高裁には、過信し、拙速かつ強引に進める国の姿勢への批判の声が背景に。99%勝つと自信を持っていた国でしたが、残りの1%の可能性が浮上し、急きょ対応を検討したと言うのですね。
 3つの訴訟が、1本に統合されること。参院選・県議選を控え、和解に応じることで、強引と観られている姿勢の修正が必要であることと、万に一つも負けられない政権の安全保障政策に係る裁判であることから、急がば廻れとの首相判断があったのですね。
 
 和解案は、仲井眞前知事が承認したキャンプシュアブ沖の工事を、翁長知事が承認取り消しをし、国が不服として提訴した時点に話を戻して、県と国は協議しなさいと言うもので、話を元に戻して仕切り直しというだけのものです。
 翁長氏は、工事が止まって時間を経過させることで、支持政党・団体に面子がたてばなんでもいいので合意。国は、仕切り直しで、3本の訴訟を、1本化し敗訴の懸念の払しょくと選挙対策で、イメージ作り。

 そして、和解案に沿って、工事を一旦停止し、知事の工事承認取り消しに対する、国の是正指示。その国の指示に対する県の「国地方係争処理委員会」に審査申し出と言ったプログラムが進められています。
 並行して、県と国との協議が進められることとなっていますが、それは一度辿った道の繰り返しですから、合意はなく、「国地方係争処理委員会」の審査の結論も見え見えですから、県が再度裁判に持ち込むことになるのですね。
 その裁判は、国の勝訴。
 そして、その判決には、県も国も従うというのが、和解案の主旨。

 このまま進めば、県の敗訴が判っている翁長氏は、紛争を長期化する為の逃げ道を唱え始めました。
 法務省が懸念していた、環境対策や土砂運搬などの工事過程での妨害や訴訟。記事が危惧していた「和解条項は法的拘束力がない“紳士協定”にすぎない。翁長氏の出方次第では辺野古移設が停滞する懸念もくすぶる。」との予測がズバリ的中。つまり、翁長氏は紳士ではないということ。支持政党や団体の手前、なりふり構わず、基地の統廃合反対策を続けねばならないのですね。
 

普天間移設 和解解釈 国・県ズレ 是正指示 沖縄 審査申し出 (3/15 読売朝刊)

 沖縄県の米軍普天間飛行場(宜野湾市)移設を巡り、県は14日、移設先の名護市辺野古沿岸部の埋め立て承認取り消し処分に対する国の是正指示を不服として、総務省の第三者機関「国地方係争処理委員会」に審査を申し出る文書を送った。移設を巡る訴訟で国と県が合意した和解手続きの一環で、最終的に県は国を相手取り訴訟を起こす
見通しだ。国側は勝訴すれば、沖縄県が移設計画に協力すべきだとの立場だが、判決確定の効力に関する双方の解釈は食い違っており、対立が再燃するのは必至だ。
 翁長雄志知事は14日、県庁での記者会見で、係争委の審査について「中立、公正な審査、判断を」と注文をつけた。和解に基づく国と県の協議を今月23日に開く方向で調整していることも明らかにした。
 係争委は、90日以内に審査し、結果に不服があれば、県は高裁に是正指示の取り消しを求めて提訴する。
和解条項では判決確定後、判決の趣旨に従い、「互いに協力して誠実に対応する」ことを求めているが、双方の解釈は一致していない。
 国側
は、「和解条項は、県が敗訴すれば、移設計画を受け入れることを確約したものだ」(政府関係者)との立場だ。菅官房長官は14日の記者会見で「和解条項に書いてあることがすべてだ」と強調した。
 一方、
県側敗訴しても埋め立て承認以外なら、知事権限を行使できるとの考えだ。移設工事の再開後に必要となる設計変更の承認や、移設作業の前提となる岩礁破砕許可などが念頭にあるとみられる。


 和解案が、和解の内容のない、流れを元に戻して乱発された訴訟を一本化しようとして再スタートしただけのものですので、想定通りの展開ですね。
 埋め立て承認取り消しの是非に一本化された裁判になるので、そこで負けても、承認取り消し以外なら知事の権限は行使するという翁長氏の主張。
 これまでの泥仕合を水に流しての再協議(実質は仕切り直し裁判)なので、工事の承認=移設(統廃合)計画承認がなされるべきとの国の主張。
 両者のどっちが、裁判所が求める"紳士協定"の主旨に沿うのかは明白ですね。
 答えを決めるのは、沖縄県民の方々と、参議院選の全国区では全国国民の意志も加味されることになります。

 以下で書いた様に、中国の尖閣への攻勢が強まってくる様子です。
 中国の「冊封」の象徴の「龍柱」建設をすすめ、琉球王の地位を狙う翁長氏の偽称する「オール沖縄」一派を支持するのか、日本にとどまるのか。沖縄県民の方々の、選挙での意思表示に注目です。

 中国が尖閣に司法管轄権の実績主張 - 遊爺雑記帳



 # 冒頭の画像は、「国地方係争処理委員会」に審査を申し出文書を発送し、記者会見する翁長知事






  ヤナギハナガサと蝶


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