ささやんの天邪鬼 座右の迷言

世にはばかる名言をまな板にのせて、迷言を吐くエッセイ風のブログです。

戦争の新しい形に

2024-03-25 15:50:49 | 日記
きょうの朝日新聞第1面のトップ記事は、次のようなタイトルだった。

(新世AI)変わる戦場、まるで『ゲーム』 薄れる抵抗感、広がる犠牲

記事本文には、こうあった。

AIは軍事分野に深く浸透し、AI兵器の誕生は火薬や核兵器に次ぐ、『戦争における第3の革命』とも呼ばれている。
『AI戦争の実験場』とも指摘されるウクライナは、ロシア軍の侵攻後、欧米の支援も受けてAI兵器を戦闘に本格投入し、新興技術の積極活用が大国にあらがう原動力にもなっている。

(朝日新聞3月25日)

AI兵器を使うのは、なにもウクライナ軍だけではない。AI兵器を使う点ではロシア軍も引けをとらない。記事は次のように続く。

昨年、前線の東部バフムート近郊などでウクライナ軍に従軍し、アフガニスタンなど25年近く戦地を取材してきた戦場カメラマンの横田徹氏は『日中は常に(ロシアの)ドローンが飛来し、位置を把握されると砲弾が飛んでくる。移動中は足元の地雷だけでなく、空も警戒した』と語り、戦場の変化をこう指摘する。
『AIとドローンの登場で、実際に引き金を引かずにモニター上で攻撃できる。人を殺傷する心理的ハードルが下がり、前線はかつてより悲惨さを増している』

(同前)

この記事の趣旨は、戦場カメラマン氏の

AIとドローンの登場で、実際に引き金を引かずにモニター上で攻撃できる。人を殺傷する心理的ハードルが下がり、前線はかつてより悲惨さを増している

という言葉に尽きている。

素人目からすると、双方がAI兵器を駆使して戦えば、戦いはAI兵器同士の潰し合いに終始し、兵士の損傷は最小限で済むと思われるが、そう簡単な話ではないのだろう。
時代遅れの小銃やロケット砲を携行する歩兵部隊は、敵のAI兵器によって殲滅される可能性を免れない。また、戦闘員ならぬ民間人にも多大の被害者が出る可能性は従来通りで、変わらない。兵器は進化しても、その兵器によって攻撃される側は、いつまで経ってもバルネラブルなままなのである。

そこで提案なのだが、今必要なのは、新型兵器の攻撃能力をしのぐような、強大な防御能力を持った防御装備品の開発ではないだろうか。
ロシア軍のドローンやミサイル攻撃によってウクライナの一般市民が住む高層マンションが破壊され、多くの死傷者が出たことを思えば、今後建設されるタワマンなどの高層建築物には、耐震基準だけでなく耐ドローンや耐ミサイルの防御基準を設け、この基準を充たすような建築を義務づけることも、早急に検討されるべきだろう。

備えあれば患いなし。AIなどの新技術は、今後はまずもって防御能力の向上のために使うべきではないか。
防衛産業というと、空軍の戦闘機や海軍の駆逐艦のような、軍隊による攻撃用の装備品を思い浮かべるが、攻撃能力が進化しつつある今は、民間向けの核シェルターや、それに匹敵する防御用建築物・装備品の開発も急務とされ、従ってそうした防御用装備品の販売も立派なビジネスになる。今はそんな時代なのだと思いを新たにした。


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