ささやんの天邪鬼 座右の迷言

世にはばかる名言をまな板にのせて、迷言を吐くエッセイ風のブログです。

ショーヘイの謎

2024-03-24 11:49:20 | 日記
ウソをつくのはよくない。ウソをつくことは道徳的に許されない行為だ。逆にいえば、正直であることは道徳的に美徳とされ、多くの場合は称賛の対象になる。

だが、そうでない場合もある。「嘘も方便」と言われるように、ウソをついたほうが却って物事が円滑に進み、他人を傷つけないで済むこともある。

「あなたのお子さんは膵臓がんで、余命はあと半年です」と医者から告知を受けたあなたは、「お父さん、お医者さんは何て言っていたの?」と息子から問われたとき、正直にそのまま医者の言葉を伝えるだろうか。
「うん、大丈夫だよ。すぐに治るから、心配はいらないって」とウソをついたほうが、あなたの息子は心穏やに残された時間を過ごせるだろう。
こういう場合に正直にふるまうことは、愚かなふるまいとされ、「馬鹿正直な奴」と軽蔑されることになる。

処世の面から見ても、「正直は一生の宝」と言われるように、プラスの面を持つことが多いが、反面、「正直者は馬鹿を見る」と言われるように、正直が世渡りの大きな障害になることもある。

さて、我らがショーヘイの場合はどうだろうか。次のニュースを目にしたとき、私は呆気にとられ、思わず「馬鹿な・・・!」と声を上げてしまった。

米スポーツ専門局ESPNは23日、取材内容を元に今回の事件を時系列にして報じた。
 ▼日本時間19日午前9時30分 大谷翔平サイドから雇われたばかりの危機管理担当広報は『大谷翔平は水原一平の借金を肩代わりした。大谷のバレロ代理人が問い詰めたところ、ようやく水原氏が口を割り、それが真実だと語った』と明かした。さらに、同広報によれば『大谷は「ええ、何度か大金の送信をしました。送れる最大限度額でした」と言った』。

(中日スポーツ3月23日配信)

ショーヘイは今、自分の選手人生を棒に振りかねない重大な岐路に立たされている。イッペイが違法賭博で背負い込んだ借金を肩代わりして、その分をブックメーカーに振り込んだとしたら、ショーヘイは違法賭博に関与したとされ、何年間かの出場停止処分を受けることになる。下手をすると、(MLBからの)永久追放処分を受ける可能性だってなくはないのだ。

ショーヘイは、自分がおかれたこういう立場をよく知っているはずだ。ブックメーカーへの送金が事実なら、厳しい処分が待っている。それなのに彼は、なぜ自ら送金を認めるような発言をしたのか。なぜ墓穴を掘るような発言をしたのか。

ウソはつきたくない。正直でありたい。スポーツマンシップとはそういうものだ。自分はメジャーリーガーとして、どこまでもスポーツマンシップに忠実でありたいのだ。

ショーヘイがそう思っているとしたら、スポーツマンシップに忠実であろうとする彼は、その結果、自らスポーツマンの道を、メジャーリーガーの道を断とうとしているのだ。これは皮肉以外の何ものでもない。こういうのを「馬鹿正直」というのではないだろうか。

う〜む。ショーヘイの気持ちがよくわからない。


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