きんちゃんの観劇記(ネタバレだよ)

思いつくまま、適当に。

第14回世界バレエフェスティバル<ガラ>

2015年08月16日 | バレエ・ダンス
■第1部■ 14:00~14:45
「ドリーブ組曲」
振付:ジョゼ・マルティネス/音楽:レオ・ドリーブ
リュドミラ・コノヴァロワ マチアス・エイマン

コノヴァロワは音に綺麗に乗って小気味好い。
エイマンはまだ未熟な面もあるけど
正当派のパリオペスタイル。
次代を担うスターだね。

「三人姉妹」
振付:ケネス・マクミラン/音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
サラ・ラム ワディム・ムンタギロフ

二人はこれが一番良かった。
踊りそのものを見せるより
芝居が入る方が二人に合うように思う。

 
「雨」
振付:アナベル・ロペス・オチョア/音楽:ヨハン・セバスチャン・バッハ
ヤーナ・サレンコ ダニール・シムキン

前回も見たよね。
弾ける雨粒。


「椿姫」より 第1幕のパ・ド・ドゥ
振付:ジョン・ノイマイヤー/音楽:フレデリック・ショパン
マリア・アイシュヴァルト アレクサンドル・リアブコ

Bプロと同じ。
できれば白が良かったけど、
そこまで望んじゃいけないね。
全幕の一部を切り取ったような、
血の通う芝居だった。


■第2部■ 15:00~15:50
「ヌアージュ」
振付:イリ・キリアン /音楽:クロード・ドビュッシー
ディアナ・ヴィシニョワ マルセロ・ゴメス

単品では官能的なのに
二人で組むとなぜか官能を超越し、
清涼剤的な爽やかさが発生する。
不思議。
「ヌアージュ」ってもっと湿気をはらんで
ヌメヌメしているイメージだったけど
この二人は夏の青空に浮かぶ白い雲のようだった。


「カルメン組曲」
振付:アルベルト・アロンソ/音楽:ジョルジュ・ビゼー/ロディオン・シチェドリン
ヴィエングセイ・ヴァルデス ダニーラ・コルスンツェフ

ネタはスペインでも、
踊りは厳格なロシアンスタイルでないと様にならないんだね。
コルスンツェフの精緻さが際立った。
粗くて決まらないヴァルデスのカルメンとの差は
物語にリンクすりけど、バレエ作品としてはどうなのか。
でもコルスンツェフのホセが見られたからいいか。


「ル・パルク」
振付:アンジュラン・プレルジョカージュ /音楽:ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト
イザベル・ゲラン マニュエル・ルグリ

官能的で、なおかつ「素」の愛。
全てを取り払って、魂で愛し合う二人が官能的、というのか。
とにかくルグリとゲランは合う。
ユレルとかバナとか迷走していた時期が合ったけど
おそらく最後のバレフェスでのルグリの相手役がゲランで良かった!!
ありがたや!!!


「さすらう若者の歌」
振付:モーリス・ベジャール/音楽:グスタフ・マーラー
オスカー・シャコン フリーデマン・フォーゲル

フォーゲルはベジャールにしては軽やかすぎ。
シャコンはほんのわずかの動きもベジャール。
この違いが異文化の衝突のようで面白く味わい深い。
ベジャール作品の伸びしろを感じた。
ただ、ビジュアル的なものなのかホモ臭い。
リゾラバに本気になった白人が定住しちゃったかんじ。


■第3部■  16:05~17:05
「ウロボロス」
振付:大石裕香 /音楽:ヤン・ティルセン、ヨハン・パウル・フォン・ヴェストホフ、アレックス・バラナウスキー
シルヴィア・アッツォーニ アレクサンドル・リアブコ

最初はオルゴール人形のようだったけど
それ以上はよくわからなかった。
「ウロボロス」は身喰い蛇ではなく、
単なる「環」なのかな。


「白鳥の湖」より "黒鳥のパ・ド・ドゥ"
振付:マリウス・プティパ /音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
マリーヤ・アレクサンドロワ ウラディスラフ・ラントラートフ

艶やかだった~。
こういう古典が盤石だと公演の質も上がるよね。
マーシャの32回転ははシングルだけど、
何回かは腕を上にあげて回っていた。


「ハムレット」
振付:ジョン・ノイマイヤー /音楽:マイケル・ティペット
アンナ・ラウデール エドウィン・レヴァツォフ

旅立つ男と、この先の不安をはらんだ残される女、かな?
のほほん男と神経質な女の対比が面白かった。

 
「シェエラザード」
振付:ミハイル・フォーキン/音楽:ニコライ・リムスキー=コルサコフ
上野水香 イーゴリ・ゼレンスキー

水香ちゃんは色気皆無だけど!
前回のポリーナちゃんより、さらに色気が無いけど!!
ゼレンスキーが奴隷様を踊るのが肝心なのよ!!!
ニジンスキーの系譜のダンサーが
(芸風で無くマリインスキーということね)
踊るのが大切なことなのよ。
それだけでいいのよ。
しかし、ゼレンスキー、大きいわ。
水香ちゃんが小柄に見える。


「ヴォヤージュ」
振付:レナート・ツァネラ /音楽:ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト
ウラジーミル・マラーホフ

ファンによると振付が若干変わっていて
ジャンプが無くなっていたそうです。
旅はまだまだ続きそうだね。
前向きに踏み出すもう一歩、に見えた。


■第4部■ 17:15~18:00
「ジゼル」
振付:ジャン・コラーリ、ジュール・ペロー /音楽:アドルフ・アダン
アリーナ・コジョカル ヨハン・コボー

幻想的な雰囲気で良かった。
コボーが若干、なんというか、衰えを感じた。
寂しい。


「タンゴ」
振付:ニコライ・アンドロソフ /音楽:アストル・ピアソラ
ウリヤーナ・ロパートキナ  

サテン生地っぽい黒シャツに黒パンツに黒ソフト帽。
短髪で踊る姿は宝塚男役。
振付自体もなんとなく羽山チック。
こういう踊りが来るとは。
白じゃないのは珍しいし、
切れ切れの踊りは合っていたからいいけど。
でもダンサーの男役トップが
サヨナラ公演のショーで踊るソロみたいなかんじだよねー。


「椿姫」より 第3幕のパ・ド・ドゥ
振付:ジョン・ノイマイヤー/音楽:フレデリック・ショパン
オレリー・デュポン/エルヴェ・モロー

ロホ組を見た後だと、これだよ!
と思う。
ビジュアルも素晴らしく美しい。溜息。
セットが無いのはなぜ?
舞台転換の都合?


「ドン・キホーテ」
振付:マリウス・プティパ/音楽:レオン・ミンクス
ヤーナ・サレンコ スティーヴン・マックレー

二人とも白い衣装。
ガラのトリとしてはもう少しなにか欲しいけど
今回のプログラムの中では一番あざとかったから、まあ、満足。



指揮:ワレリー・オブジャニコフ、ロベルタス・セルヴェニカス  
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団
ピアノ:フレデリック・ヴァイセ=クニッテル (「三人姉妹」、「椿姫」、「ル・パルク」)


15分押しぐらいで第4部が終わる。
NBSの高橋さん登場。
踊り足りないダンサーが芸術の高みを目指し踊ります。
オケの皆様ありがとうございました。
予算の都合でカーテンコールは録音を使います。
三年後もお願いします。
バレフェスはバレエのオリンピックと言われているので
東京五輪の2020年に特別篇を開催したい。
などなど、繋ぎのお話が前回より滑らかになっていました。

第5部

「エスカミーリョ」はヒゲ付きヴァルデス。
9割シリアス1割お笑い。

「瀕死の白鳥」はコルスンツェフ。
後ろ向きで下手から登場。上手にIN。
さらに上手から下手へ。
袖に入ろうとしたらレヴァツォフに押し戻される。
やってられんわー!とばかりに、
舞台中央でポアントを脱ぎ袖に投げ入れる。
上手から紐が投げ入れられる。
引っ張ったら、台が登場。
小型のハープを弾く、天使の羽と輪を付けた
オブジャニコフ氏が乗っていました。
最後はマエストロが白鳥を撃ち、終了。

「ならず者」はもちろんお嬢さんがラントラートフ。
可愛すぎるよ!
マーシャも短髪のカツラをかぶり、
ノリノリでならず者を踊っていました。

「こうもり」は、ヴィシが女中役(私服)。
黒電話の代わりにタブレット。
ウルリックは肉布団を入れたアイシュヴァルトが芝居担当
コノヴァロワは最後の回転担当。
両者ともヒゲあり。
白いガウンを脱いだ後のマラーホフ、
黒ビスチェは体型カバー。
背中に羽有り。

次の白鳥は8羽バージョン。7人は白鳥。
シムキンくんはチュチュの裾だけ縫い付けた
ピカチュウの着ぐるみ。
可愛かった。似合っていた。
8人が、ある時は揃い、ある時は思い思いに踊っていました。

ラストはゴメス。
特注チュチュじゃなかろうか。
ローズアダージオの後のソロ。
豪快なマネージュの前を行く
小姓姿のアッツォーニとサレンコが悲鳴を上げ逃げ惑う。


あっさりさっぱり短くまとまった今回でした。
導入部はいつものスクリーンにいつもの音楽(録音)に
「第5部」として演目と出演者が投影されました。
コメント
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