光の風☆★

~画家すずきゆきおの世界~
 夢と希望に癒しの芸術を
生み出す画家の日々の、つぶやき

雑感142(原点?)

2016-10-24 | 日常
最近、しきりに自分の原点を考えている。
生まれた時の原点ではなく、
自分の画業の原点です。

何故に画家になろうと思ったのか?
才能があると確信したからなのか?

そんな事はない。

私は幼い時、絵を習いに行かされた。
女性の画家さんの家に行って絵を描くのが、
とにかく楽しかった。

敗戦後、間もないその頃は社会全体が
今とは比べようがないほど貧しかった。
子どもの習い事は今のように盛んではなかった。

豊かでない、
ごく普通の庶民の我が家であったのに、
生母は私に絵を描かせた。

誰かれなく絵が上手いと褒められるのは、
気持の良いものだった。

しかし、
七歳の時に母と別れた後、
私は絵が描けなくなってしまった。

その10年後の17歳。
才能があるかどうかは分からないが、
ともかく画家になりたいと思うようになった。

絵はほとんど
描かなくなっていたのに、
いきなり画家になりたいと思った。

生計が成り立つかどうかを考えることもなく、
無謀にも画家になりたいと思ったわけです。

古希になった今だからこそ分かることがある。

17歳の時、
また絵を描きたいと痛切に思い始めたのは、
たぶん生母への思いだったことを。

若いその時分は、
そんな母への思慕なんて意識では否定していた。
現実問題として50歳で母と再会するまでは、
むしろ憎みさえしていたのですからね。

7歳で母と別れた後から、
埋めようもない心の中に空洞が生じていて、
その空洞を無意識にでも埋めるために、
母の思い出、かつて有った絆を取り戻すために、
また絵を描きたいと思ったのに違いない。

母と子の問題は根源的なもので、
幾つになっても深く尾をひいて心身に影響を及ぼすようだ。

ともかく画業の原点は、
このあたりにあるようです。

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雑感141(試行錯誤も必然といえる)

2016-10-10 | 絵画
気がついたら、ほぼ一ヶ月ブログの更新をしていなかった。
書かなければと思いつつ日にちが経っていた。

絵画の制作は日々休みなくすることによって、
制作が呼び水となって滾々とイメージが出てくるものです。
ブログの文章も、
まったくそれと同じなんだと痛感している。

最近、思うことがあって、
旧作の整理をしていた。

梱包して仕舞ってあったものを取り出して見て、
もう残したくないものは、
思い切りよく処分していた。

展覧会に出すようになる以前、
個展をし始める前の作品は、
一言でいえば習作のものですから、
恥ずかしくて即処分とした。

ドローイングも同じ運命です。

画家として自立するまでの習作は、
作風以前の、
試行錯誤のものばかりです。

いろんな試みをしたものです。
試みの多様さに自分で驚いてしまう。

二十歳前後のものは特にそうでした。

もっと、なだらかな一本道を行けば良いのにと、
思ったりしたが、
これで良かったのだと思いなおしている。

経験が乏しい若い時だからこそ試行錯誤は必要だったし、
いろんなテクニックを試したり、
油彩だけではなく塗料を使ってみたり、
エアーブラシも使ったりした。
出始めのアクリルも試みた。

試行錯誤の道を多彩にしたから、
曲りなりにも画家として自立出来たのかもしれない。
試行錯誤は必然だったのでしょう。

若いからこそ出来たのかもしれないが、

習作の頃を振り返ってみると、
なんと青臭く生意気だったのかと恥ずかしくも懐かしい。

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