その日・その時、カマクラ、
よしのやま
みねのしらゆき
ふみわけて
いりにしひとの
あとぞこいしき
「いっしょに行きたかった」
ヨリトモは、
「おのれ シズカめ のろけおって」
「ぶった切ってやる」
かたわらの政子、
「歌わせてください 歌わせてください」
「・・・」
「戦いがおとこのいのちならば 恋はおんなのいのちなのです」
「・・・」
「歌わせてくだし 舞わせてください」
「静は 静は いのちをかけているのです いのちをかけているのです」
鬼をも恐れぬカマクラのもののふが、袖でナミダをぬぐう。
「昭和の天皇は このエピソードを知っていたのかもしれない」