南海電鉄高野線

2021-11-30 06:31:53 | その他旅行き
高野山の麓にコーヒーを飲みに行くため、南海電鉄の高野線に乗る事になった。
難波駅から南海本線は使用したことがあるが、高野線は初めて。
まずは高野線の九度山駅まで行きたい。
調べてみると手前の橋本駅まで特急か急行で行って、各駅停車に乗り換え、九度山駅まで行くのが一般的らしい。
特急は「こうや」または「りんかん」というのが走っている。
特急券が必要な座席指定列車だ。
30000系というやつは1983年から走ってる年代物の車両らしい。
当日座席がまだ空いていたら特急に乗ろうと難波駅に向かった。



うーん、久しぶりだなあ。
地下鉄のあるフロアからホームのある階へエスカレーターで連れて行かれながら周りを見渡し思った。
改札横の切符売場で表示を確認すると、次便の「こうや」に空席ありとあった。
よしよし、特急券を購入だ。
よく利用した(コロナ禍の前の事だ)近鉄や新幹線の特急券はネットで買うようにしてたから、窓口で特急券を買うのは随分久しぶり。
「つぎのこうや、はしもとまで、おとなにまい」と必要な事項をかまずに言えてホッとする。



改札を入り高野線のホームへ行くと、いたいたいました、ネットで見た写真の「こうや」が出発を待っていた。
おー、この昭和な顔立ちが郷愁を誘う。
38年間も一線で現役とは素晴らしい。
乗り慣れた近鉄特急だと、予約座席が古い車両にあたったら不運と思ってしまうのだが、初めて乗る特急だとその古さに対する感慨が逆に働くのが面白い。



乗車して座席に座ると、シートは思ったよりしっかりしていた。
もっとフニャフニャポヨンポヨンな座り心地を予想してた。
その他内装も蛍光灯のデザインとか新しくはないが古くてボロボロということはなく、つるんとしている。
もう一度調べてみたら1999年に更新工事が行われたようで、それできれいなんだ。
それでももう20年を超えてるから、会社内ではそろそろ新型車両に交代という話も出てるに違いない。



発車時刻となった。
走り出しは滑らかで、スピードを出してからも変な揺れや振動、騒音もなく、現役バリバリ、問題なく走っていた。
車窓はミナミのごちゃごちゃした街並みを見下ろし、通天閣やハルカスを遠目に流れていく。
途中の停車駅で乗ってきたお客さんで座席は満席、みんなそろそろと旅に出だした感じだ。



車窓は段々と建物の背丈が低くなりまばらになり、都会から田舎へと移っていく。
難波駅から橋本駅までは45分くらい。
乗っているのにしんどさを感じる前に着いてしまう距離だ。
橋本駅で降りたのはお客さんの五分の一くらいだろうか。
「こうや」は高野山の下の極楽橋駅まで行くので、ほとんどのお客さんは高野山を観光するのだろう。
隣のホームの各停に乗り換え。
最前列のかぶりつきシートに座り出発した。
橋本駅から極楽橋駅までは急カーブと急勾配の連続で、車体の長い車両は走れず、車体の短い車両のみ走れる特別な区間だ。



九度山駅で下車。
今回のメインの目的であるジャパンコーヒーフェスティバルのチケットを駅横の窓口で購入。
(このフェスティバルの内容は前三回分の記事を参照)
フェスティバル参加者限定で、橋本駅から終点極楽橋駅までと高野山ケーブルの極楽橋駅から高野山駅までの区間、乗り降り自由の1日フリー乗車券を500円で購入できる。
高野山ケーブルの片道運賃が500円だから破格値である。
南海電鉄さんありがとう。



九度山駅からまずは一番奥のケーブル高野山駅まで行って、九度山駅へ引き返しつつコーヒーを飲む事にした。
昼食に駅のおむすびスタンド「くど」でおにぎりとお茶を購入。
電車を待ってたら、やってきたのは「天空」だった。
おやラッキー。
「天空」は橋本ー極楽橋間を走る観光列車。
でも「天空」車両に乗るには特急券が必要。
予約していなかったので、「天空」車両の後ろに連結されてる特急券不要の普通車両に乗った。



九度山駅まではカーブも勾配もそれほど急ではなかったが、ここから登山鉄道の本領発揮。
右に左にクネクネ曲がり、山肌を縫ってズンズン高度を上げていく。
車輪とレールが擦れるスキール音が辺りにこだまする。
最大50‰の勾配を力強く登り、ようやく終点極楽橋駅に到着。
ホームに降り、ケーブルカーの改札の方へ歩いていくと、ホーム端で「天空」と「こうや」が並んで止まっていることに気付いた。
みんな写真を撮りまくり。
私もその仲間入り。



高野山ケーブルのお話はまた次回。