井持浦教会堂

2019-05-31 06:27:59 |  五島列島と長崎
翌日は福江島を時計回りに巡る。
まずは日本最古のルルドがあるという井持浦教会堂。
ルルドってなんだろう。



正しくはルルドの泉と言うようで、その昔フランスのルルドという地に住まうある少女の前に聖母マリアが現れ、洞窟に湧く泉の水を飲むよう言ったという。
その水を不治の病と思われた人が飲むと治癒するという奇跡が起きたそうで、以来ルルドは巡礼地となった。



そのルルドを模した洞窟がここに造られたのだそう。
教会堂はちょっとした高台にあり、坂を上ると建物の左手にそれらしい場所を見つけた。
洞窟といっても窪みのある岩の壁という感じで、窪みにマリア像が祀られ、手前に祭壇が設けられていた。
岩の壁に生える緑がいい感じ。



教会堂の下に置いた車に戻ると、バス停が気になった。
ルルド前って名前になっていた。




ノルディスクビレッジ

2019-05-30 06:39:48 |  五島列島と長崎
この日の宿はノルディスクビレッジというところ。
廃校の教室をリニューアルし、校庭に売り物の大きなテントを張って宿にしている施設。



これまで朝早くから行動開始し、夜まで遊んで来たので、ちょっと疲れ始める頃。
早目にチェックインし、ゆっくりした。



学校の教室を分割した?部屋に宿泊。
教室部屋に泊まるのは我々だけとのこと。
大きなベッドが二つ入っていて部屋も広々。



ドアが引き戸でガラガラ音立てて開ける。
バス、トイレは共用なので、夜間にトイレに立つ時は気を使った。
校庭側にもドアが設けられ、部屋から外に出られる。



校庭のテントは大ぶりのもので、テントの中にはベッドが置かれて、寝袋で寝ないといけないと言うわけではない。
テントサイトにはタープの張られたテーブルセットがあり、希望すればバーベキューもできるようだ。



テントは夏は暑いんだろな。
なんか対策はあるのだろうか。
テントの方が人気のようで、夜になると全てのテントに灯が入って満室だった。



こういった施設は都会に作るのではなく、自然の只中に作るのがいいね。
車で目的地に到着して、山のキャンプ泊を特別な装備を揃えることなく楽しめる。
食住に関してはホテル並みの快適さを享受しつつ、自然の中で過ごす「雰囲気」を味わうのだ。



夜に外に出る労を惜しまなければ、星空も楽しめる。
まあここは自然の中といっても本当の山中ではなく、田畑の広がる里山にあるのだが。
ただしお値段は結構なものになる。
この旅で一番の贅沢となった。



食事は付属のレストランでコース料理をいただいた。
これも贅沢。
食事の心配をしなくていいというのは、良いものですな。



カエルの声がしていた。
前に住んでた部屋は近くに田んぼがあって春夏とカエルの声が聞けたが、今の住処は住宅街で今年はまだカエルの声を聞いていなかった。
田んぼに水を張る前にカエルが鳴いてるのを聞くとなんか不思議だ。
今が恋の季節で、田んぼに水が入る頃におたまじゃくしが泳ぐのかもしれない。




鬼岳

2019-05-28 06:27:06 |  五島列島と長崎
五島列島にやってきて、教会堂と海ばかり見てきたが、次は趣きを変えて山である。
鬼岳というとてもなだらかな山。
日本語間違ってはいない。
名前に似つかぬ丸い山なのである。
福江の町から福江空港の方へ車を走らせると、丸い山がふと眼前に現れる。
あれだなー。



山の麓というか中腹に駐車場とレストハウスがあり、そこから徒歩で少し上ると海や空港が見渡せる高台に出る。
山頂に向かって木は生えておらず、芝の斜面がずっと続く。
とても開放的で伸びやかな景色だ。



その日は鬼岳でバラモン凧あげ大会がある日で、とても見たかった。
年に一度の行事と旅程がたまたま合うなんてそうそうない。
最初はラッキーと喜んでいたのだが、時間にズレがあった。
日程的にはピッタリだったが、大会は午前中でその時間には間に合わないことが判明。
残念。



バラモン凧とは五島特有の凧でこんな感じ。


でも到着した時、まだ大会の名残は残っていて、大きなバラモン凧を持って降りてくる人や片付け中の人、普通の凧を揚げてる家族連れがいたりした。
山頂までは往復60分くらいらしいが、今回は山頂は目指さず、芝生に座ってのんびりした。




堂崎天主堂

2019-05-27 06:28:46 |  五島列島と長崎
福江港でまたレンタカーを借りた。
ここでもトヨタレンタリース。
なんでか福江店の場所の確認を事前に漏らしていて、現地で調べたらあら大変。
港から随分離れた場所にある。
お店に電話したら迎えに来てもらえたので事なきを得た。
借りた車に乗って近くのお店でお昼を食べ、次の目的地、堂崎天主堂へ。
天主堂の結構手前に車止めがあり、その横にある駐車場に車を止め歩き出す。



これまで見てきた五島列島の教会堂でここが一番観光客が多い。
だからか手前にカフェが二つあった。
そのうちひとつはお休みしていたが。
稼ぎ時のGWに閉めてるなんて、マイペースな店主なのかもしれない。

<こんなに看板出してるのに、閉店中>


<こっちは営業中>


堂崎天主堂は重厚な煉瓦造り。
中がキリシタンの歴史を伝える資料館になっていて、入場料が必要である。
隠れて信仰していた時のマリア観音像や、踏み絵の陶盤などが展示されていた。
禁教が解かれた後の明治期には写真が残されていて、当時の様子を伝えていた。















教会堂以外に目を引いたのが海。
教会堂への道のすぐ横は海なのだが、干潮時なのか干上がったみたいな感じで、浜?が広く広がっていた。
まん丸の岩があったり。
目の前の島まで歩いて行けそう。
浜の緑色はたぶんアオサである。
降りてみると小さな巻貝がたくさんいて、潮の満ちるのを待っていた。
夏場にこんな感じで水の覆いがなかったら、暑くてみんな死んじゃうんでないか?
こんなとこに住んでて大丈夫なんだろうか。
心配になった。










旧五輪教会堂

2019-05-26 08:09:22 |  五島列島と長崎
奈留港で待っていた船に再び乗り込み、次は久賀島へ。
久賀島では旅客港ではなく、見学先の旧五輪教会堂の目の前にある漁港で降ろしてもらった。
島内を移動する時間が不要で、非常に効率的。
個人で見に来ようと思ったらこうはいかないな。



旧五輪教会堂は廃堂となった教会堂で、建物は文化財として残されているものだそうである。
長崎では大浦天主堂の次に古い教会堂で、その昔老朽化したため取り壊して新しい聖堂を建てようとしていたところ、県だか国だかの調査が入り文化財に指定され、保護されてきたものらしい。
それが今や世界遺産の構成資産の一部である。



信徒の間では実用的な聖堂が必要ということで、隣に新しく新五輪教会堂を建設。
その話を聞いて、頭につく「旧」の意味が分かった。
ずっと「旧五輪」と言う地名かなにかの名称だと思っていた。
旧五輪教会堂の中に入ると、ガランとしている。
後から気づいたのだが、他の教会堂には並べてあった机と椅子がなかったのだ。
それは現在礼拝に使用されていない教会堂だからで、信仰の場では無くなったため堂内の撮影をしても良いのだそう。



それを聞いて皆んな写真を撮り出す撮り出す。
私も撮る撮る。
ようやく堂内の状態をお伝えできる。
正当な?教会堂の建築様式を使用しているらしく、いろいろ説明してくれたけど覚えられない。
ガイドブックでよく読んだのがリブ・ヴォールト天井。
こんなの。












見学時間が終わり、漁港に戻る。
やっぱり海がきれいだ。
時間があれば漁村の風景なんか撮影したいところだが、こういう時はツアーの時間割が足枷になる。
旅客港じゃないから舷側から乗り込めず、船の舳先を岸壁に押し付けてもらっているところから乗り降りする。
ちょっとスリリング。



これにてクルージングツアーの見学対象は全て見学終了。
あとは福江島へ渡るだけ。
福江島への船内でもガイドさんが何やら説明してくれていたが、マイクの音量より船のエンジン音の方が大きくほとんど聞き取れず。
半分眠って福江島は福江港に到着。
港の事務所でツアーの料金を支払って(なんと後払い)解散である。


江上天主堂

2019-05-25 18:47:39 |  五島列島と長崎
クルージングツアー二つ目の見学先は奈留島の江上天主堂。
奈留港で船を降りると、小さめのバスが待っていて乗り換えた。
ここからガイドさんがついてくれて、いろいろと説明をしてくださる。
有川から若松港まで送ってくれたタクシー会社のマイクロバスの運転手さんも、所々で見ものの説明をしてくれたが、こうしたツアーは時間は自由にならないが、ガイドブックに載っていないような逸話や関連事項、はたまた観光とは関係ないその土地の環境の話しなんかが聞けて、それはそれで面白い。



奈留港から江上天主堂までは少し距離があるので、バスの中で奈留島のお話をいろいろとお聞きした。
断片的にしか覚えていないので、その場限りのお楽しみで終わってしまって、ガイドさんには申し訳ないが。
トンネルを潜って海への坂道を下ると江上天主堂はあった。
海岸から少し奥まった平地に、木々に隠れるように建っていた。



今回見た教会堂で一番かわいい建物なのではないか。
木造でアイボリーホワイトの壁に水色の窓枠がなんでか甘いお菓子を連想してしまう。
そんな建物にはいろんな工夫が施されているそう。



山のすぐ麓にあるので、雨が降ると流れてくる水に建物が浸かってしまうため高床式である、とか。
雨どいは木々の葉っぱがすぐに詰まって水が溢れてしまうため(だったと思う)付けておらず、そのため屋根から流れ落ちた水滴が地面の土を跳ね上げて建物を汚してしまう。
それを防ぐため雨垂れが落ちるところに石を敷き詰めている、とか。
軒下に見える十字の模様はただの飾りでなくて、十字の形に穴が開けてあり、屋根裏の通気性を良くしている、とか。
堂内の柱に木目があるのだが、それは全て手書きで描かれた模様である、とか。



教会堂の屋根や尖塔には十字架が付いているが、江上天主堂には付いていない。
代わりに?建物の裏手の軒先のすぐ下に、十字架の形に穴を開けたボードが取り付けられていて、太陽の光が当たると壁に光で十字架が描かれる仕組みがあった。
そういうのをなんとか言うのだそうだが忘れてしまった。
教会堂の裏手の木々が繁茂して、光の十字架ができる時はだいぶ限られてきているそうだ。


キリシタン洞窟

2019-05-24 06:24:29 |  五島列島と長崎
翌日は上五島から福江島へ船で移動しつつ、途中の奈留島、久賀島にある教会堂を見学するクルージングツアーに参加する。
その名も「五島列島キリシタン物語〜縦断クルーズ編〜」。
参加者は中通島の有川で集合して、タクシーに乗り合わせ若松島の若松港へ向かう。

<集合場所>


そこから海上タクシーというのか、40人乗りくらいの船で奈留島へ。
奈留島では江上天主堂を見学し、また船にのり久賀島へ渡り旧五輪教会堂を見学。
そして福江島で解散するというもの。
福江島は今回の五島列島観光の二つ目の目的地。
単に福江島へ移動するだけでなく途中の島の遺産も見学できるという、一石二鳥なツアーである。

<船内>


さて、集合場所にはタクシー会社のマイクロバスが2台やってきた。
名前を確認され、指定の車に分乗し移動開始。
前日、若松島から若松大橋を渡り、有川港を越え頭ヶ島にレンタカーで走った道をそのまま戻った。
若松港で船に乗り換え出港。
最初の見学地は若松島にあるキリシタン洞窟。
明治の始め、最後のキリシタン弾圧があったころ、島の海岸にある洞窟に信者が隠れ住んだ所。
海から洞窟の入口は見えず、格好の隠れ家だったが、炊事の煙を見つけられて捕まり、拷問を受けたそう。
陸側から見に行ける道はないため、こうして海上から見学するしかないところ。

<像の下に入口があるそうだ>



有川の夜

2019-05-23 06:27:18 |  五島列島と長崎
有川港は九州本土への船が出入りする港で、付近は中通島のなかでも開けた街のひとつである。
でもガソリンスタンドは18:00で閉まる。
レンタカーのガスを満タンにして返そうと18:30頃ガソリンスタンドに行ったのだが、どこもかしこも閉まっていた。
ちょろっと乗っただけのレンタカーだからいいものの、自分の車でそろそろガソリン入れねばって時にこんな事になったら大変だ。
昔そんな事態があったのを思い出した。



レンタカーは燃費精算してもらった。
しかしトヨタレンタリース有川店のアフターサービスは素晴らしい。
返車後、宿か夕食をとるお店まで送ってくれる。
我々は夕食後のチェックインを予定していたので、ガイドブックで調べていた第一候補のお店に連れて行ってもらうことに。
しかし送ってくれるお兄さんは、予約してないといっぱいかもしれないですよ、とおっしゃる。
行ってみると果たして満席だった。
それでお兄さんオススメのお店を教えてもらい、連れて行ってもらっては確認するが、全て空きなし。
合計4店も回ってもらった。
限られたお店しかないところにGWで観光客がたくさん来るとこうなるんだな。
結局空いてる店は見つからず、宿まで送ってもらった。
お兄さん、ご親切にありがとう。



宿の方に、夕食難民なんです、と食事処をお聞きしたが、この時期はどこもいっぱいでは、と同じ回答。
少し時間をずらして第一陣が食べ終わる20時頃の予約を試みて、ようやくお店が決定。
宿で少し時間を潰して出かけた。



お店は五島牛の焼肉を食べさせてくれるところ。
隣と仕切られた座敷席についてあれこれと注文した。
焼肉なんて久しぶりだな。
ここの網は太い鋼鉄製で網目が焼き跡について美味しそう。



大きなお店ではないので、注文はすぐに通って酒も料理もストレスなく飲み食いできていいところ。
最近はいろんな土地でブランド化が進み、牛肉にもいろいろある。
五島牛がどれほどのものなのかは知らずに食べたが、柔らかく美味しかった。
ロースだったかカルビだったか、思ったのはレア気味なのがジューシーでよかったな。



最後に注文した焼酎のロックが、思った以上の量でやってきてびっくり。
これは飲みきれないなと分量を聞いて頼めばよかったと後悔したが、食べるものも終わりかけていたのにいつのまにか空けてしまっていた。
なはは。
いい気分で店を出て、宿までぶらぶらと歩いて帰った。




蛤浜海水浴場

2019-05-22 06:30:02 |  五島列島と長崎
青砂ヶ浦天主堂の見学を終え有川の町へ引き返す際、レンタカーを返すまで少し時間の余裕ができたので、気になる場所に寄ることに。
昼寝をした入江は蛤浜海水浴場だと思っていたのだが、青砂ヶ浦天主堂への道の途中、離れた場所で蛤浜海水浴場入口の看板を見つけていたのだ。
昼寝した場所は砂浜があったとはいえ、漁船が停泊し砂浜も海水浴場という感じではなかった。
その看板を見て間違ってたとしか思えなくなってきたのだ。



気になる看板を再び見つけ、海の方へ入ってみる。
すると道は昼寝した浜とは全然違う場所へと繋がっていて、砂地に浜辺の草が生える空き地があった。
そこに車を止めて更に海へと歩くと、シャワルームの表示があって広い砂浜にでた。
やっぱり間違ってたか。
もう広さが全然違うじゃない。
あの小さな浜を海水浴場と思うんだから、よっぽど眠かったんだろうな。



ガイドブックの写真は青い海だったが、夕刻だったので青くは見えなかった。
でも水はとてもきれいだ。
見るからに遠浅の浜だ。
潮が引いてる時だったのだろう、波打ち際の浅さは尋常ではなかった。
どれくらい沖まで行かないと泳げる深さになるのか分からない眺めだ。
どこだったか南の国のリゾート地で見たみたいに、テーブルと椅子を海の中に持ち込んで、パラソルの下トロピカルドリンクを飲ませるサービスをしたらウケるのではないか?




青砂ヶ浦天主堂

2019-05-20 23:44:38 |  五島列島と長崎
まだ二日目なのに、ここにきて旅の疲れが出てきた。
疲れ?いやそんな訳はない。
昨晩枕が変わってあまり眠れなかったのが響いてるんだろう。
上五島空港から次の目的地の蛤浜海水浴場に車を走らせていたら、断続的に眠気に襲われた。
なんとか海水浴場に到着し(実は違うのだが)すぐ横の漁船を繋げた岸壁に車を止め、シートを倒して午睡した。
窓から差す西日が暑く寝苦しい…。


1時間程して起き出した。
レンタカーを返す時刻が決まっているから、眠った分だけこの後の予定を変更せねば。
赤ダキ断崖という火山地形を見に行くつもりだったが、距離が少しあるので行っても見学時間が取れない。
早めに返車して宿でゆっくりするか連れに相談したが、折角来たのだからと目的地を近場に代えることになり、青砂ヶ浦天主堂を見学することにした。



今度も見つけるのに少し苦労したが、行きすぎることなく駐車場に車を入れる事ができた。
時間が遅かったので堂内の見学はできないことは分かっていた。
でも駐車場には何台か車が止まっていて、でも見学者は見当たらない。



不思議に思っていたら中から声が聞こえた。
教会堂側面の窓を見ると中の灯りがついている。
なるほど、礼拝の時間だったんだ。



漏れ聞こえる神に祈りを捧げる声をBGMに、建物を見学した。
壁はレンガ造りでこれまで見た中で一番大きい。
屋根はやはり瓦葺きだ。
歴史ある建物だからか、この辺のアンマッチ感がアンマッチでないようにも見え面白い。



この教会堂はステンドグラスも美しいらしい。
ちょうど西日が当たる頃で、きっと堂内には色とりどりの光が差しているのだろう。
不審者のように建物の外回りをウロウロした。