草履で歩きながら考える

笑う門には福来たるで、マイペースでやりたいこと やってみよう♪基本PTAブログですが、日常やがんのことも綴ります。

『僕の妻はエイリアン-「高機能自閉症」との不思議な結婚生活』泉 流星:著

2010年10月11日 | 本棚
図書館の本棚で一目惹かれた本書。
発達障害について知りたいわたしは、
1も2も無く借りました。

高機能自閉症・アスペルガー症候群に関わる方に
お薦めしたい本です。


  『僕の妻はエイリアン-
  「高機能自閉症」との不思議な結婚生活』

  著:泉 流星
  新潮社、2005年
  新潮文庫、2008年


「異星人」を自称する高機能自閉症の妻のことを、
夫の視点から描いた渾身の一冊。

夫の視点から、

妻の困ったところや問題行動、
言葉は豊富なのにズレがちなコミュニケーション
といった、普段の生活ぶりから、

妻から見た世界、

非常な努力をして社会にとけ込む妻の様子

などが、当事者の視点から事細かに描写されていて
非常に勉強になりました。


  わたしは、実は精神科医が書いた
  大人のアスペルガー症候群(高機能自閉症の一種)の
  本を読んだことがあるのですが、
  あまり実感を伴っては来ませんでした。

  当たり前といえば当たり前ですが、説明が
  大枠の、概念や診断、特徴の一般論的なもので
  当事者の感情・気持ちに寄り添ったものでは無かったからです。
  

本書は、夫婦のエピソードと会話が中心です。

高機能自閉症の2次障害にまで至るほど
苦悩なさった当事者である、妻の言葉がふんだんに出てきます。

実感を伴った言葉です。

ご自身が困られたこと、
あるいは鋭敏な感覚の描写
診断を受けてからいい方に変わったこと。
ご夫婦で取り組まれてきた、うまくいく為の工夫。

わたしは、妻のお力に舌を巻きました。

周囲の状況、ご自身を客観的に観察できること、
ご自身に起こったことを的確に分析できること。
言いたいことを論理的に語彙豊富に説明できること。

最後までお読み頂けるとわかるのですが
わたし、度肝を抜かれてしまいました。
とても、チャレンジングな本だと、思います。


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