草履で歩きながら考える

笑う門には福来たるで、マイペースでやりたいこと やってみよう♪基本PTAブログですが、日常やがんのことも綴ります。

PTAに関係する個人情報保護法改正のポイントと、PTAが守らなければならないこと<病歴の収集はNG!⇒私は非推奨>

2020年01月29日 | PTAの基本

2017年1月29日に、個人情報保護法改正が、どうしてPTAに関係するか、PTAはどういうことに気をつけなければいけないかを、まとめてみました。(追記修正がいろいろあります。)

まずは、どうしてPTAに関係するか。

旧法ではいわゆる「5,000人要件」というものがあります。

それは、旧法では個人情報保護法を守らなければならない民間団体(会社とか)は、5,000人以上の個人情報を集めるところと規定されていたのでした。もちろん、5,000人以下の個人情報を所有している民間団体だって、個人情報保護法を守ってもよいわけです。

この「5,000人要件」が、新法では撤廃されました。

法律でいう個人情報とは何か?法律で規制される個人情報をとりあつかう事業者はどんなものか?という決まりは、下記です。

個人情報の保護に関する法律(リンクは現行バージョン:下記は改正後)

(定義)
第二条  この法律において「個人情報」とは、生存する個人に関する情報であって、次の各号のいずれかに該当するものをいう。
一  当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述等(文書、図画若しくは電磁的記録)(後略)
二 個人識別符号が含まれるもの 

(第2項 省略)

3 この法律において「要配慮個人情報」とは、本人の人種、信条、社会的身分、病歴、犯罪の経歴、犯罪により害を被った事実その他本人に対する不当な差別、偏見その他の不利益が生じないようにその取扱いに特に配慮を要するものとして政令で定める記述等が含まれる個人情報をいう。

(第4項 省略)

5  この法律において「個人情報取扱事業者」とは、個人情報データベース等を事業の用に供している者をいう。ただし、次に掲げる者を除く。
一  国の機関
二  地方公共団体
三  独立行政法人等(後略)
四  地方独立行政法人(後略)
(五は改正で削除 : その取り扱う個人情報の量及び利用方法からみて個人の権利利益を害するおそれが少ないものとして政令で定める者)

PTAは上記第5項、一~四のどれにもあてはまりません!…というわけで、PTAも、個人情報保護法を守る必要がでてくるのです。

ですから、PTAは個人情報を扱うにあたって、下記のことを守らなければなりません。 

  1. 個人情報の利用目的をはっきりさせる
  2. 個人情報を取得するときは、その利用目的を本人に知らせる(公表する)
  3. 病歴を収集してはならない(170705追記:本人の同意を得れば法的にNGではないけれど、私個人としてはおススメしません)
  4. 差別につながる情報を収集してはならない(170705追記:同上)
  5. みだりに利用目的を変更・拡大してはならない
  6. 利用目的を変更・拡大したときは、本人に知らせる(公表する)
  7. 個人情報のデータは、最新かつ正確に保つ
  8. 個人情報をとりあつかう人は、データの安全管理のため勉強する
  9. 法令に定める場合をのぞき、勝手に個人データを関係ない人に渡してはいけない
  10. 偽りその他不正な手段によって個人情報を取得してはならない
  11. 個人データの内容照会に応じる
  12. 個人データの訂正に応じる
  13. 個人データの削除に応じる
  14. 苦情に対応する 

上記は、法律の文言をもとに、私が言葉をいいかえて説明したものです。ざっくりとした説明で、法律の素人がこんなことをして申し訳ないです。詳しく知りたい方は、同法 「第四章 個人情報取扱事業者の義務等」をご覧ください。同法の新旧対応表は首相官邸サイトからアクセスできます。

もっとも私が声を大にして言いたいのは、病歴を収集してはならない、です。

PTAあるあるの、「病気で役員委員を断るなら診断書をもってこい」、ということは法律違反になります(注:猫紫紺判断、詳細は6/4の追記参照)はなりませんが、人道的にどうでしょうか。少なくとも、本来のPTAの精神からは外れることだと思います。

いただいたコメント「親切心ではじまったはずが… (ちゃいんこ)2017-06-14 16:34:17」をご覧ください。こちらは診断書ではありませんけれど、重い個人の事情をPTAが集めてしまった結果、PTA本部のひとの精神的負担がとても大きかった、というケースです。引用します。

春の委員決めでは、配慮の必要な方は事前申し出るシステムにしたのですが、大量の深刻な情報が集まり
恐ろしく感じました。
役員メンバー全員、正直知りたくなかったな、という感想。
委員決定後に大急ぎでシュレッダーにかけました(汗)

ちなみに、私はこんな重い事情の紙を一枚みただけで、暗~い気持ちになったことがあります。「正直知りたくなかったな」という感想は、とってもよくわかります。そんな気持ちにさせる紙が、束になってやってきたとしたら…たまりません。

そしてもういっこPTAあるあるの、会員のPTA活動履歴を収集して「やっていない人に役を押し付ける」材料にすること、これだって問題だ法に触れる可能性がおおきいと、私は思います。

本人の同意を得たうえで、会員のPTA活動履歴を収集することは、法にはふれません。けれど、収集した情報を「やっていない人に役を押し付ける」材料にすること、これはどうでしょうか。この状態が、あるPTAという任意団体の方針でみなが承知しているならば法に触れないそうです。しかし、私は個人情報保護法の外のなにかの法律、あるいは人道的に問題だと考えています。(青字170705追記修正)

***

なお、首相官邸サイトで見つけた個人情報保護法改正のポイントに、リンクいたします。これ、全体的な変更点がわかりやすいです。

***

■170204追記します。

過去にこんな記事を書いていましたので、ご参考にリンクします。

学校が収集する個人情報の扱いについて、最低限の断り書きがしてあります。

■170208追記します。

1/29に書いたこのエントリは、当分トップへおいておきます。

なお、こんな記事も書いていましたので、リンクします。

■170604追記します。

私がPTAは「病歴を収集してはならない」と言い切ったことについて、「通りすがりのPTA改革中の会長」さんからコメント欄で誤った認識だとご指摘をうけました。

"本人の同意なしに"要配慮個人情報を収集してはならないということであって、ただちに収集を禁じているわけではありません。

このように要配慮個人情報のことを解説している、弁護士事務所のサイトがあることは承知しています。ただし、これは、一般企業を念頭に置いた解説です。あとは、病院など要配慮個人情報のかたまりをあつかう機関のために改正法17条第2項が定められたときいています。

(適正な取得)
第十七条 (1項 略)
2 個人情報取扱事業者は、次に掲げる場合を除くほか、あらかじめ本人の同意を得ないで、要配慮個人情報を取得してはならない。
 一 法令に基づく場合
 二~六 新旧対照表の14ページ参照

確かに、第十七条だけを読むと、ご指摘の解釈がなりたつと思います。ただ、以下の第三条に注目してください。

(基本理念)
第三条  個人情報は、個人の人格尊重の理念の下に慎重に取り扱われるべきものであることにかんがみ、その適正な取扱いが図られなければならない。

基本理念をあわせて考えることは重要です。第三条と第十七条の時点で、要配慮個人情報をあつめることは、一般的にいって極力さけるべきことだ、と私は判断しました。

さらに、PTAの運営実態をかんがみたとき、PTAに要配慮個人情報を渡すことは、会員にとって人格尊重とはいえない、と考えます。要配慮個人情報をうけとるPTA本部側だって、扱いに困ると思います。双方不幸になるだけ。

したがって、「PTAは要配慮個人情報を収集してはならない」、と私は解釈します。

※もっとも、これはあたらしく施行された法の解釈問題ですから、これから事例が蓄積されて、解釈がまとまっていくものと考えられます。現時点の手持ちの資料でこれだけ書きましたが、大事なことなので、じっくり調べてゆきたいと思います。

■170705追記します。

知り合いの法学博士にこのエントリを点検していただき、誤りを3点指摘していただきました。それに伴い、該当部分を追記修正しました。本文中の追記は、この濃い青文字にしてあります。


Twitterでコラボした、PTA宣言

2017年11月26日 | PTAの基本

今日、Twitterで、とてもわかりやすいPTA宣言を考えた方がいらっしゃいます。その方の許可を得て、宣言を紹介いたします。リンクはこちら。

*** 引用ここから ***

それこそ小学生みたいに、各単pでこういうのを宣言にして掲げればいいな。
【まる小PTA宣言】
1 私たちは、入退会が自由な任意団体です
2 私たちは、役員の押しつけあいをしません
3 私たちは、活動のための活動をしません
4 私たちは、任意団体であることを自覚し、学校の授業・行事に関与しません

*** 引用ここまで ***

そこに、私が5番を考えて、その方からご支持をいただきました。

5 私たちは、「一人一人が違う」ことを認め、みんな一緒を押し付けません

ということで、PTAだよりとかで使っていただければうれしいです。


PTAに必要なもの「相互の意思を尊重する、というベース」:ぶきゃこさんのブログより

2015年11月05日 | PTAの基本

愛読している、ぶきゃこさんのブログ『無理目か~さん日記』「新説!?登場」エントリより、響いた言葉があったので引用します。

*** 引用1 ***

保護者のつながりが、ないよりあったほうがいい、というのは私も同意であるが、相互の意思を尊重する、というベースが欠けた発想で生まれた活動に本当の親睦があるだろうか?と疑問符をつけざるを得ない。

*** 引用2 ***

手伝いを指示するプリントを、来ない家庭の児童めがけて何度も再配布する、という行為に私は「親同士、仲良くしようよ」を感じない。
サイレントによるノーの意思表示、と、単に手紙が届いていない、の違いがわからないのは、「参加しません」の選択肢が無いとか、問い合わせ先の記載が無いとかの、PTA文書によくありがちな書式不備が原因なのではないだろうか?

***

私は、この社会では、個人の自由意思が尊重されるべきだと考えています。意思は自由。行動の自由は、公共の福祉に反しない限りにおいて保証されます。

これは憲法第十三条に書いてあることですけれど。

日本は民主主義にのっとった法治国家ですから、当然、憲法や各種法律が日常の暮らしに生きています。

PTAだってそうです。運営には法の精神を生かすことが必要です。文書だって、強制色がでないよう細心の注意をはらうべきと考えます。

ぶきゃこさんの引用を再度まとめます。

PTA運営に必要なもの

  • 相互の意思を尊重する、というベース

PTA文書に必要なもの

  • 「参加しません」の選択肢
  • 問い合わせ先の記載

本当!PTA文書には問い合わせ先がないんですよ。都合が悪い時・何か聞きたい時は、いったい誰にどうやって連絡すればよいのでしょう?

これは文書ではないんですが、例えば 、PTA室に「印刷機のインクが切れたら、発注に時間がかかるので、ラストのストックを開封したときは必ず会計迄ご連絡ください」と書いてあったとします。でも、会計の氏名もお子さんのクラスも連絡先も書いてないんです。これ、どう思います?

多分、最後のインクを開封した人は、何かの委員会などに所属しているでしょうから、下記の連絡の流れになると思われます。

インク開封者 ⇒ 所属委員の委員長 ⇒ 所属委員担当副会長(役員) ⇒ 会計(役員)

こんなん、PTAに詳しくないとわからんわ!って思いませんか?しかも、こんな用事でいちいち煩わされる中間の方々もかわいそう。メールがぐるぐる回ってやっと発注。なんて、非効率的。

しかし一方で、会計さんが、個人情報である自分のメールアドレスをさらしたくない気持ちは痛いほど分かります。

役員共用メールアドレスを取得して、連絡先をオープンにするアイデア、いかがでしょうか?


これって失礼じゃない?―PTAは任意、を周知しないことについて―

2015年06月10日 | PTAの基本

これまでの調査や、行政(内閣、文部科学省、地元教委)とのやりとりとから、確実に言い切れること。それは、「PTAが任意、という点は、議論の余地がない」、ということです。

では、数多のPTAが「PTAは任意、を周知しないこと」について考えてみます。

PTAは会員からお金をとり、労働力を提供させる団体です。ですから、そんな団体にお誘いする人に対して、なにも説明しないということは、会員候補者にたいして、大変失礼、なことだと思います。

(思う、というのは「頭と心で考えること」だそうです。娘の小2の教科書より)

任意、を周知しないPTAを運営している方々は、失礼をうけて、失礼をお返ししている人たちになります。あなたは、そんな大人になりたいですか?


PTAは、民主主義の演習場として、設計されている

2012年05月24日 | PTAの基本

長年の疑問が、最近、やっとわかって来たような気がします。

 

行政が、各学校のPTAに対して「指導ができない」と言い張るのはなぜか?

 

社会教育法のPTA関連条項をひもといてみましょう。

***

  第三章 社会教育関係団体

(社会教育関係団体の定義)
第十条  この法律で「社会教育関係団体」とは、法人であると否とを問わず、公の支配に属しない団体で社会教育に関する事業を行うことを主たる目的とするものをいう。


(文部科学大臣及び教育委員会との関係)
第十一条  文部科学大臣及び教育委員会は、社会教育関係団体の求めに応じ、これに対し、専門的技術的指導又は助言を与えることができる
2  文部科学大臣及び教育委員会は、社会教育関係団体の求めに応じ、これに対し、社会教育に関する事業に必要な物資の確保につき援助を行う。


(国及び地方公共団体との関係)
第十二条  国及び地方公共団体は、社会教育関係団体に対し、いかなる方法によつても、不当に統制的支配を及ぼし、又はその事業に干渉を加えてはならない

***

この第十条から第十二条までの関係が、いまだに謎です。

赤字部分、なんだか矛盾していません?

デリケートな法律の解釈問題が内包していそうです。

 

教育委員会に電話相談して、たらい回しに、わたしも遭った事があります。
「指導はできない」といいつつ、裏ではしっかり糸を引いているのが教育委員会のような気がします。
だって、うちの在住区なんて、「世小P」のサイトに、堂々と、「顧問」として教育委員会の名が載っています。
もっとも、識者によると、団体は顧問になれないそうなんですが。

 

その理由はなぜか?
と、わたしは、ずっと考えてきました。

ひとつの説にたどり着きました。

PTAは、民主主義の演習場として、設計されている、ということです。


お上に頼らず、自分たちのアタマで考えて、自分たちで決めて、世の中を変えて行けや、との含み。

 

これは、国会図書館へ行って、GHQの資料をあたって、実感した事です。
まだ、エビデンスを押さえるところまで至っていないので、また国会図書館へいくつもりです。


PTAだよりの差出人表記で、学校を騙るか騙らないか

2011年05月11日 | PTAの基本

先日来、しこしこと、PTAから出す運営委員会だよりを
作成しています。
会長が指摘してくれて、気がついたこと。

PTA便りの右肩に、差出人や組織名を書くところがあります。

ここが、

  「○○区立△△小学校
    PTA会長 誰野誰兵衛」

と、

  「○○区立△△小学校PTA
       会長 誰野誰兵衛」

とが、今年度の文書と、今作っている文書で混在しているのですね。
さらにいうなら、前年度の文書でも混在していました。

自校で、綿々と引き継がれてきたフォーマットは

  「○○区立△△小学校
    PTA会長 誰野誰兵衛」

というタイプでした。
このフォーマットのまま、気づかずに、この間
関係者に指示文書を配布してしまいました。

よく考えてみると、このフォーマット、変!!

文書を出す主体が

  「○○区立△△小学校」

となり、PTAが学校を騙ってしまいます。
まるで、PTAは学校の一部のようで、公権力をまとっているような
印象を与えてしまいます。

PTA ニアイコール 学校、という印象が
このような表記にさせてしまったのでしょうか。

  「○○区立△△小学校PTA」

という主体で

  「○○区立△△小学校PTA
       会長 誰野誰兵衛」

という表記にしないと、おかしいですよね。

PTAは任意の社会教育関係団体で、学校とは
一線を画す存在なのですから。

あなたのPTAでは、どんな表記がされていますか?


PTA創設直後から、強制加入は問題視されていた!:とまてさんのブログより

2010年02月24日 | PTAの基本

とまてさんが、ものすごい資料を
図書館から借りていらっしゃいました!


『PTA読本』(文部省内PTA研究会、時事通信社共編1948)
http://ameblo.jp/yodandesu/entry-10466221937.html



昭和23年8月の本なのですが、

  どやねんっ!文部省が一般市民向けにPTAのあり方を啓蒙してたんだぜぃ!(by とまてさん)

ということが、一つのキモ。
ぜひご覧下さいまし。

      




さらに、当時から問題視されていたのが

会員に強制加入が多い。従って、PTAの趣旨、目的を理解していない人が多い。

ということ。
PTAの趣旨、目的を理解せずに活動を続けていれば、
そりゃ、ゆがみもするわ~・・。