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アガる

2010-11-04 09:12:47 | 日記
高校2年生になった春に、茨城から世田谷に転居した。前にも書いたが、近所には多くの女学生がいて、その中でいちばん気になった(話しかけたい)のが隣家のA子だった。茨城と異なって東京ルールのようなものがあるような気がして、簡単には声をかけられなかった。 アガってしまって無視されたらなんてことまで考えたが、何日目かに妙案が浮かんだ。叔父の妻である人に、「隣の女の子の制服わかりますか?」と訊いた。渋谷のZ高校だと教わって、翌朝の登校時に、「あの、Z学園でしょう?」と簡単に(スラスラと、アガることなく)声が出た。 一度話ができれば、16,7歳の男女の垣根が取れるのは当然の理であるが、きっかけは学校名というのが、昭和20年代らしいと言えるのではないか。 19歳のときに母と再会した。母から、私には妹と弟がいる(母は、私の父が早逝したので再婚している)と知らされた。何日か経って母の家に遊びに行ったとき、その妹が、中学校のセーラー服姿で帰って来た。当然に初対面であるが、私は咄嗟に言葉が出なかった。目の前にいる少女が自分の妹であるということが不思議だった。「こんにちは、僕はあなたの兄貴だそうですよ」という短文が出て来ない。 私は完全にアガッていたのだ。 私は吉田茂さんと握手したことがあって、そのときの緊張感も憶えているが、アガッてしまって言葉が出なかったのではない。 また私は、結婚披露宴の司会など、アガることなく、むしろ愉しみながら何度も務めさせてもらった。  妹との初対面だけが、アガッた経験の1番目というのも、これまた不思議の3文字に尽きる。

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