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ああ

2017-11-18 18:26:01 | 日記
「ああ旨い!」と小声が出る。湯上りの1杯目は、ぬる燗の日本酒になる。この「ああ」は、自然に出る。自然ではあるが、大げさに言えば、感動であり、感謝でもある。生きていることの実感でもあるだろう。ツマミのワサビ漬を一箸つまんで「ああ、これも旨いなぁ」と言う。普通のワサビ漬と少々違って粕が主力であって、カズノコも入っている。この「ああ」は賞賛である。

希望、絶望、落胆、歓喜、悲哀、快楽、愉悦、苦痛、憧憬、感動、感激、感心、感謝、立腹、激怒、困惑、後悔、反省、退屈…多くの場面で人は「ああ」を用いる。「ああ」がつきまとう。

私も認知症が進んでいるのか、「ああ忘れた」「ああ思い出せない」が増えて来た。数日前、高倉健さん主演の『君よ憤怒の河を渉れ』を録画で観た。制作・永田雅一とあった。懐かしい俳優さんがゾロゾロと出て来る。すでに亡くなった人が多い。西村晃さん、大滝秀治さんあたりは名前が浮かぶのだが、医師役の男性(悪人役)の名前が頭の中を泳いでいるのだが、浮かんで来ない。「あれ?誰だっけ?」が「ああ、岡田英次さんだ」となるまでに2日以上かかった。この場合の「ああ」は、安心になる。前に書いたかもしれないが、私における「あれ?誰だっけ?」が「ああ、そうだった」になるまでの最長記録は、浜畑賢吉さんである。要した時間は3日半だった。

晴れた空、そよぐ風、港出船のドラの音たかし…。戦後の日本を明るくした1曲であって、題名は『憧れのハワイ航路』。歌詞は3章あるが、終わりの部分はすべて「ああ憧れの…」である。70年前の日本人にとってハワイはまさに憧れだった。「ああ憧れの」の遠い遠い夢の地であった。家人も「一度行ってみたい」と言っているが、それは私の死後になる可能性が高い。「ああやっと」のあとになる可能性が高い。時々、わけもなく「あーあ」とため息まじりになるのは、そのこともあるのかもしれない。

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