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専門家

2017-03-05 11:01:19 | 日記
専門家は無口だが、訪問者はよく喋る…とは、祖母から教わった言葉だ。これは門と問の誤記が多いからで、特に訪問は、門を訪れるのだからということが頭に浮かんで門と書いてしまうことがあるからだ。

我が家には、月曜日と金曜日に専門家が来てくれる。訪問治療である。月曜日は指圧の重田名人だ。腰痛治療は毎回、まず足の先、足の裏を圧すことから始まる。たちまち痛くなる。予告通りである。「少し痛いですよ」というのは足だけではない。掌にもある。腕にもある。もちろん腰部にもある。「これも腰のためですか?」と私が尋ねると、「そうです、すべては腰の治療のためです」と答える。
「ケイバを当てるツボはありませんか?」「それがあれば、仕事を辞めて、毎日ラクに暮らします」、重田さんは指圧の専門家だが、無口ではない。訪問者だからよく喋る。あっという間に治療が終わる。少しめまいがする。血圧が下がるかららしい。ボンヤリする。ウットリする。これが治療というものだと思う。

金曜日には松平さんんがリハビリのコーチに来てくれる。リハビリは指圧と違って大半はわたしが自分で行うことになる。重田さんのような冗談は言わない。会話は少ない。私の息が切れるから雑談どころではない。今度は右手を話して左足に体重を移してください…というような指令が飛ぶ。松平さんは35歳の女性であり、いかにも健康そうな美人である。荒い呼吸の中でリハビリが終わる。お茶をのむ時間がある。「東方神起はまだ帰って来ませんか?」と私が訊く。先生は東方神起の大ファンであるが、彼らはいま軍役に服している。「ええ、まだ1年先です」、先生から普通の若い女性の顔になる。家人とも話す。話し好きである。金曜日の訪問者もよく喋る。理学療法の専門家は無口ではない。

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