中国の治安当局は、チベット自治区ラサの一部地域を封鎖した。ラサでは、厳しい警備の中、日本を含めた外交官のグループが視察に訪れていた。
それにあわせて、ラサの主要2寺院での新たな大規模な抗議デモが行われた様子である。
インド亡命中のチベット仏教最高指導者ダライ・ラマ14世は、ニューデリーで記者会見し、中国の胡錦濤国家主席は和諧(わかい)社会(調和社会)を唱えているが、銃や警棒で調和や団結は発展しないと語りチベット情勢への中国政府の対応を批判した。
またダライ・ラマは多数派漢民族のチベット自治区への移住政策も人口構成の変更による攻撃と呼んで批判。
漢民族の増加でチベット独自の文化遺産が根絶されようとしていると指摘した。
さらに真偽は未確認と断ったうえで「北京五輪後に100万人が移住するとの情報がある」と明らかにした。
活動方針については、チベットの分離独立ではなく自治権拡大を求める従来の中道路線の主張を繰り返した。独自文化を守れるだけの自治権が保証されれば「中国に残るほうが物質的発展の恩恵を受けられる」と語り、独立をめざす考えのないことを強調した。