映画とライフデザイン

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映画「パッション」 ブライアン・デ・パルマ

2014-07-13 07:47:38 | 映画(フランス映画 )
映画「パッション」はブライアン・デ・パルマ監督によるサスペンススリラー映画だ。
これが予想をこえて最高に面白い。

ブライアン・デ・パルマ監督は、恐怖と謎に満ちたエロティックサスペンスの傑作映画「殺しのドレス」を作り上げた後に「アンタッチャブル」「ミッションインポッシブル」といったヒット作も製作してきた。5年ぶりとなる待望の新作「パッション」を完成する。

ヒッチコックの後継者的存在であったが、ブライアン・デ・パルマ監督の作品の方が圧倒的にエロい。ヒッチコックは美人女優を登場させるが、ここまでエロくない。その監督がフランス映画ラブクライムをもとにつくった作品だ。ロードショウはタイミング合わなかったが、リメイクにしては珍しく、原作の出来を大きく超えるスリラー映画にしている。
幻惑に満ちたストーリー運びは実に見事であり、最後まで目が離せない。

クリスティーン(レイチェル・マクアダムス)は、若くして世界的な広告会社の重役の地位にのぼりつめ、現在はベルリンの支局にいた。クリスティーンは、野心を隠さず仕事でもプライベートでも活発な女性である。
部下のイザベル(ノオミ・ラパス)は、クリスティーンの依頼でロンドンに出張することになった。イザベルの力量を評価してのの出張であったが、クリスティーンの恋人(ポールアンダーソン)も同行していた。イザベルはロンドンの会議でスマートフォンCMのアイデアを発表し、評価される。しかし、クリスティーンは、従順な部下のイザベルが考案した手柄を横取りする。

しかしイザベルと組んでいたダニ(カロリーネ・ヘルフルト)はクリスティーンの態度がおもしろくない。

広告を動画にアップロードする。すると動画が大反響で、本社からイザベルが称賛を浴びる。イザベルが引き立てられることは、クリスティーンには面白くない。強烈な反撃を起こす。ロンドンでクリスティーンの恋人との情事を動画に取られていた。それを見せつけられる。かっとなり駐車場内で車をぶつけしまうが、その映像を他の社員のいる前で発表される。

2人の関係は次第に悪化していった。。。
その後、クリスティーンが突如何者かにより殺される。2人が仲たがいしていることがわかり、イザベルのもとを警察が訪ねてくるのであるが。。

1.ブライアン・デ・パルマ監督
人をビックリさせるのが大好きな監督だ。観客にとってはたまらない。
殺しのドレスでは、奇妙な変装をした連中が我々を恐怖に陥れる。
この後、長きにわたって同じような映画は撮っていない。、映画ファンはブライアン・デ・パルマのスリラーが大好きだ。

(監督のインタビューを引用)
「この映画は何が真実で何が違うのか、目覚めるまでわからない夢を見ているような感じだ。それに犯罪の手順を、非常に洗練された夢の世界に織り込んでいくことで楽しさが倍増するんだ」その楽しさの一部は、最後のシーンまでパズルのピースを完成させていない状態に観客を置いておくことだった。

2.バレエの映像と殺人現場
このバレエのシーンは原作にはない。これが極めて幻想的で狂喜にあふれる。
その画面にクロスカッティングして、クリスティーンの部屋を映しだす。仮面をした人間が忍びこむシーンだ
そこにイザベルの目のカットまで重なる。
アドレナリンが高まる。何が起きるのか、ドキドキしてみてしまう。

すごいなあと思い、撮影者を確認した。ホセ・ルイス・アルカイネはスペインの巨匠ペドロ・アルモドバル監督作品で撮影を担当している。「私が、生きる肌」「ボルベール」いずれも独特の映像美だ。ブライアン・デ・パルマ監督もなかなかいい撮影者を起用している。

3.恐怖の終盤
それまでのイジメを考えれば、当然犯人は予測できる。実際に死体発見後、すぐに警察はイザベルのもとを訪れて連行する。しかも、すぐに殺しを自白してしまうのだ。何で?と思いながら、すぐ後にそれ自体睡眠薬による悪夢だと言って自白を撤回して、アリバイ証拠を探しだす。するとアリバイが見つかってしまう。それでもなお怪しい。
「完全に謎が解明するまで、誰が殺人に成功したのかわからないように組み立てた。それこそがミステリーのあるべき姿だからね」  (監督のインタビューを引用)
完全犯罪とするべきところに、まだまだ終わっていないよとブライアン・デ・パルマが波状攻撃をかける。
これは本当に背筋がぞくぞくする。

強烈な刺激に、色彩設計が視覚を錯乱させ、音響効果も怖さを増長する。
これは凄いサスペンススリラーだ。
今年見た中では一番ドッキリしたしれない。

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