映画とライフデザイン

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映画「鬼平犯科帳 血闘」 松本幸四郎&中村ゆり

2024-05-12 07:55:44 | 映画(日本 2022年以降 主演男性)
映画「鬼平犯科帳 血闘」を映画館で観てきました。


映画「鬼平犯科帳 血闘」は、池波正太郎の原作を映画化した松本幸四郎主演の時代劇。同じく、池波正太郎原作の「藤枝梅安2」のラストで、突如として松本幸四郎が登場し,次回「鬼平犯科帳」が映画化されることがわかった。

鬼平こと長谷川平蔵は実在の人物である。1780年代後半に放火犯や盗賊を取り締まる火付盗賊改方として活躍をした。歴史資料を見て注目したのが池波正太郎である。その原作をもとに松本幸四郎の伯父にあたる中村吉右衛門がテレビシリーズで人気を得た。昨年の「藤枝梅安」がよくこの作品の公開を楽しみにしていた。早速映画館に向かう。

長谷川平蔵(松本幸四郎)が若かりし頃に世話になった居酒屋の娘・おまさ(中村ゆり)が密偵になりたいと申し出て来る。平蔵はその願いを退けるが、おまさは平蔵が芋酒や『加賀や』の主人と盗賊の二つの顔を持つ鷺原の九平(柄本明)を探していることを知り、独断で探索に乗り出す。九平を探すうちに凶賊・網切の甚五郎(北村有起哉)の企みを知ったおまさは首尾よく網切一味の中へ入り込む。しかし、おまさは絶体絶命の危機に陥る。(作品情報 引用)


典型的な時代劇。でも,期待したほどではなかった。
お偉いさんでありながら,普段は民衆の中に入り込み一緒に遊ぶ。大衆的な奉行的人物を日本人は好む。鬼平が登場するとなると,映画館の中の年齢層が一気に上がる。下手すると最年少ではないかと、60代の自分が思う位だ。時代劇なので、娯楽として楽しめれば良い。夜に「火盗」という提灯を下げた男たちが出てチャンバラ劇を演じるのは楽しい。そう思うけど,「藤枝梅安」があまりに良かったので,逆に期待はずれだなあ。


鬼平こと長谷川平蔵がしゃべる言葉が極めてわざとらしいべらんめぇ調で喋ってるつもりだが、不自然だ。松本幸四郎お坊っちゃん育ちで,こんなセリフを話すにはちょっと場違いかもしれない。極悪な盗賊の頭が相手なので,剣の修羅場も多々ある。面倒な相手のところに,鬼平が1人で行くなんておかしいなと思ったり、こんな場面は現実にはありえないだろうな、と思う部分は多々ある。時代劇なので、それは仕方ないだろう。松本幸四郎の剣のさばきは決して悪いわけではない。ミスキャストだとも思わないけれども、響いてこない。

その一方で、中村ゆり,松本穂香,志田未来の3人の女性陣が良かった。特に中村ゆり腰が据わっている。度胸がある。そんな要素を備え、しかもこの美貌である。考えてみると,中村ゆりの近作はほとんど見ている。元々美形だが、40代になり見るたびごとにその魅力を増している。この作品での中村ゆりは特に美しい。銀座の高級クラブのママのような雰囲気と貫禄すら感じる。

自分を「引き込み女」と称する。引き込み女とは盗賊が強奪に入るお店に、事前に使用人として入り込んで盗賊の手助けをする女である。鬼平の若い時から、よく知っている居酒屋の娘おまきと言う女を演じている。おまきは、盗賊の集団に密偵として入る。最終的に危機一髪を鬼平が助ける構図である。


松本穂香,志田未来、いずれも民衆の着物姿が様になっている。しかもかっこいい。一瞬どっちがどっちだかわからなくなる位この2人が似て見える。美しい女性陣3人を見るだけでもいいと思って、映画館に向かうのも悪くないだろう。

CGであるが、江戸の浅草付近を俯瞰的に映すのは良い感じだ。仮に東京スカイツリーが江戸時代にあったらこんな感じに上から見えるだろうとする映像が出る。グルメだった池波正太郎を意識して、居酒屋の芋酒や軍鶏鍋も映す。馬による移動はあるかもしれないが、クルマのない時代にピンチになった鬼平を助けに助っ人がすぐさま到着する光景はありえないと思うけど、娯楽の時代劇だからいいんじゃない。
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