TOKIDOKI 日記

日々のなかで、「へぇ~」「ふぅ~ん」と思った、
私につながるステキなコトやモノ、そしてヒトたちの記録です。

坪山/ツツジが彩る稜線

2011-05-10 | 写真日記

 ヒカゲツツジが見られる山と聞いて、
上野原から小菅村へ向かう途中にある坪山(1,102m)へ登ったのは4年前、
出発した時間が遅かったため頂上まで行かれずに引き返したものの、
稜線にはヒカゲツツジやイワウチワ、イワカガミなどが咲き、
また伸びやかな景色が広がる麓集落が
印象に残る山だった。

GWの最中、ここなら渋滞する高速を使わずに行けるというのもあり、
花も遅れ気味の今年は、ヒカゲツツジもまだ間に合うかもと出かけてみた。

R20上野原駅前通りにある「創業100年」とある風化した看板文字の酒饅頭屋さん、
ここを通りかかるたびお饅頭を買った店だが、いまは営業していないみたいだ。
店先でせっせと饅頭の皮をこねていたおじいちゃんはどうしたろう?
そんなことを思いながら町をぬけ、山間へとクルマを走らせた。

きれいに舗装された道路を快適に高度を上げていく。
やがて、すれ違う対向車の何台もがパッシング、反対側をしきりに指差してくれる
ドライバーもいて、ムムッ、ねずみ捕りやってるなとわかった。
いやぁ~親切な人ばかりありがたい
40km制限の道路、おしえてもらわなかったら袋の鼠よ。。。
帰り道は私も、対向車にせっせとパッシング
一人の犠牲者もだしてなるものか、か弱き市民の麗しき助けあい

 

さて、県道R18の道路ぎわで目を引くお人形たち。

    

4種類のファミリータイプがあって、どれも微笑ましい。
衣裳?やポーズが、それにおおらかな表情がいいですね

 

  

 

 

甲武トンネルへ向かう道との二俣を左折、棡原(ゆずりはら)小学校前を通過するとお宮があって、

その斜め前の道路脇スペースに駐車。 
クルマ10台ほどが置ける。 
ここから川に沿って進み、橋を渡ると前方に児童公園とトイレがある。

 登山口はトイレ横の細い道を上がっていく。

 

鉄棒の後ろにはニリンソウの群落 

川の土手、登山口までの畑道と、足元には春の花がいっぱい
花を見かけてはパシャパシャ、しゃがんでばかりでいっこうに足が進まない。

    

黄色い花と毛むくじゃらの蕾のクサノオウ(瘡の王)は、ケシ科でアルカロイドを含む有毒の
植物だけど、民間薬として鎮痛剤などに利用された薬草。

ハート型の花びらがキュート 
朝露をキラキラさせて咲くサクラソウ

 

    

エイザンスミレナガバノスミレサイシン、一段と大きな花をつけたたこのスミレは何だろう??

 うぶ毛がいっぱい、アカネスミレ

 

直径3、4cmほどの大振りな花をつけるイチリンソウ 
ニリンソウほど見かけないのでうれしい出会い

 

足元の花から目を移し、立ち上がって眺める山里の景色。
小菅へ向かう道路に沿って民家が並ぶ。

この眺めを後に左手の杉林に入る。
登山口は東と西のルートに分かれ、ここはツツジの多い西ルートを選ぶ。

芽吹いたばかりの緑にツクバネウツギがやさしい彩りを添え、

足元ではチゴユリが春風に揺れている。 

 

  登山口から5分ほどで丸木橋を渡り、

さらに登りつめていくと、いったん開けた場所に出るも、 
すぐに樹林となって急登がはじまる。
傾斜のキツイ登りが延々と続く西ルート。
 けど、5月の風は爽やかに体を吹きぬけ、

  芽吹いたばかりの緑はまばゆいほどの

美しさで、つらい登りも苦にならない。そして1時間ほど登ったところで、ヒカゲツツジの木が
多くなってくるけど、このへんは咲き終わっているものがほとんどだった。

でも~、坪山の花はヒカゲツツジばかりじゃない。

群生するイワウチワ、お行儀よく並んで咲く美人揃いの4人姉妹
葉が団扇に似ていることから名がついた。

こんなふうに登山道脇に点々と咲いている。 

 

 

  

岩と木の根が入り混じった急な尾根道には、お助けトラロープが設置されている。
ここまで上がってくると、ヒカゲツツジもまだたくさん咲いていて、
写真を撮るのに忙しくなってくる。

 

            

淡い黄色の花は傷みが目立ちやすく、咲いたばかりの綺麗な状態の花を探してパシャパシャ。

 

標高が上がるにつれ花の数も増え、きれいに咲いているヒカゲツツジが楽しめる。

 

ヒカゲツツジに囲まれた登山道 

 

  咲き始めたばかりのミツバツツジ

足元にはイワカガミが咲いているまだほとんどが蕾だけどね。

 

日当たりのいい場所では咲いているのも  

イワカガミとイワウチワは同じ仲間のイワウメ科で、葉もよく似ている。
ツヤツヤした光沢のある葉を鏡に例えて名がついた。

 

さて、山頂が近くなってくると登山道はさらに勾配を増し、ものすごい急坂。
しかしありがたいことに、ここは両サイドにお助けロープがあるので、ロープを掴んで
エッサカ登る。登り終えると山頂に飛び出した。
写真を撮りながらゆっくり登っても2時間で着いた。

あまり広くない山頂はすでに人がいっぱいで腰を下ろすところもないくらい。
登ってきた樹林は休んでいると寒いくらいだったけど、
陽射しがあふれる山頂は暑いくらいで、アゲハチョウがたくさん飛んでいた。
五月晴れの山、爽やかなり~

連休の好天なので山もさすがに人が多い。長居は無用と下山にかかる。
下山は尾根伝いに、びりゅう館・阿寺沢方向に進むことにした。

西尾根コースより歩きやすいが急坂なのは変わりなく、ロープが設置されている。
ヒカゲツツジを見ながら登ってきた尾根、反対側はミツバツツジが咲いて雰囲気が違う。

 


淡い緑のなかを散らすようにしてピンクのツツジが彩る芽吹きの森、

 
  

何度も立ち止まっては花を眺めて、、、春の山はステキだなぁ~って。。。

 

アップダウンを繰り返しながら尾根道を進んで、P995m地点の少し先に分岐があった。
地図を見ると、右は阿寺沢とびりゅう館へ、左は一の宮神社前の川っぷちに出る。
クルマを止めた場所に近いので、左の道を行くことにした。
ここを下る人は少ないらしく、細く頼りない踏み跡が薄暗い森の中へと続いている。
びりゅう館へ向かう登山道は、手入れの行き届いたなだらかな道らしいが、
このショートカットコースは、落ち葉に埋もれた急坂が休む暇なく続いていた。
誰も歩いてこないだけに森はやたら静かで、鳥たちの歌声がよく響く。

滑り落ちないよう気をつけながらどんどん下る。
岩場でザレたところが一部分あったけど、ここを注意して通過すれば危険箇所はない。
お宮の前で野菜を販売していたおじさんが店じまいしてるところを通りかかると、
「あそこを下ってきたのかい!」と驚いた顔で声をかけてきた。
ま、たしかに、のんびり歩ける道じゃないわ。

そうそう、お宮前に野菜の直売所があって、朝採ってきたばかりの新鮮野菜や
味噌、きび餅、鉢植えなど売っている。 どれも新鮮で安いのが魅力。
午後には完売して店じまいとなる。

 

  

ミヤマキケマン(左)とヤマタツナミソウ(右)、神社横の林の縁に仲良くならんで咲いていた。
タツナミソウの仲間は20種類もあり、見分けるにはヤマタツナミソウは花が茎から60度の角度で出るそうで、
なるほど言われてみればそのとおりだった。

 

   

道路脇の畑に咲いていたスミレを撮っていると、畑仕事していたおばあちゃんが
「持っていきなさい。庭に植えておくと増えるよ」と、数株とってくださった。
「ここは良いところですね~」と私が言うと、「な~に、こんな山ん中、、」と、ばあちゃんは言ったけど、
まんざらでもなさそうだった。 移り変わる四季の変化を肌で感じながら、そっと自然に寄り添うように
生きていく、山に咲く花のように、、、それもいいなぁ~
           

                         


歩きはじめから終わりまで、たくさんの花に出会えた坪山、春の山を満喫することができた。
淡い緑に色づく山肌のところどころに山桜の薄紅色が軽やかなアクセントになって映えるなか
やわらかな陽射しと清々しい大気に包まれて歩く山は心地いい。
春が山を駆けのぼっていく5月は、花に緑にと低山歩きが楽しい季節。
どんどん お山へ~