○特集俳句626・元号俳句1-10昭和4・和田知子03・2023-06-30(金)
○「軸足は昭和にありてはつたい粉」(→和田知子03)
○季語(はつたい粉・三夏)(「俳句研究年鑑2011」より引用)【→特集俳句-索引1・索引2・検索3・検索4・検索5】【→俳人一覧(あ・いい・いた・うえ・お・か・き・くけこ・さ・し・すせそ・た・ちつてと・な・にぬねの・はひ・ふへほ・ま・みむめも・や・ゆ~)】【→俳句結社索引】
【鑑賞】:「乾煎りした大麦やハダカムギを挽いて粉にしたもの」が「はつたい粉」。別名「麦こがし」。砂糖と湯で練って食べるのが昔懐かしい食べ方らしい。クッキーや団子などいろいろなレシピも。昭和に軸足を置いた子供達の食べ物である。昭和3句目。元号俳句終了。
○方法俳句626・抽象の物質化16・加藤あけみ01・2023-06-29(木)
○「螢の抜けたる闇を摑みけり」(加藤あけみ01)
○季語(螢・仲夏)(「『俳人年鑑』2004年版(北溟社)」より引用)【→方法俳句-索引1・索引2・索引3・索引4・索引5】【→俳人一覧(あ・いい・いた・うえ・お・か・き・くけこ・さ・し・すせそ・た・ちつてと・な・にぬねの・はひ・ふへほ・ま・みむめも・や・ゆ~)】【→俳句結社索引】
【鑑賞】:螢を手の中に捕えようとしたが逃げられてしまった。闇の虚空だけを掴んでしまった両の掌。Pickupで「摑」「掴」漢字使用俳句を挙げる。
○加藤あけみ(かとうあけみ)
○好きな一句「沈丁の香に躓ける思ひかな」02
○季語(沈丁・三春)(「→兵庫県現代詩協会」より引用)
【Profile】:1952年東京都出身。「ホトトギス」「花鳥来」「円虹」同人。
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■Pickup「摑」「掴」俳句5句(2023-06-29)
→01「紙一枚摑みそこねる春の夜」(塩野谷仁)
→02「春昼や肉屋は赤き肉摑み」(長嶺千晶)
→03「転ぶたび青空掴むスキーかな」(長山あや)
→04「掌に摑む秋蝶伝へ来る鼓動」(竹内弥太郎)
→05「トルソーの無い掌が摑む春の闇」(赤間倭子)
○色彩俳句626・紅26・川村杳平01・2023-06-28(水)
○「さくらんぼ紅き双子をひとつまみ」(川村杳平01)
○季語(さくらんぼ・仲夏)(「→俳句的生活(長谷川櫂のサイト)」より引用)【→色彩俳句-索引1・索引2・索引3・索引4・索引5】【→俳人一覧(あ・いい・いた・うえ・お・か・き・くけこ・さ・し・すせそ・た・ちつてと・な・にぬねの・はひ・ふへほ・ま・みむめも・や・ゆ~)】【→俳句結社索引】
【鑑賞】:さくらんぼの実の二つついた一茎を摘んでいる。色彩の「紅」は「べに」と読む句が圧倒的であるが「くれない」と「あか(き・く)」が混じる。Pickupで「紅(あか)」俳句を挙げる。
○川村杳平(かわむらようへい)
○好きな一句「どぜう喰ひ文学の毒ちらしけり」02
○季語(どぜう鍋・三夏)(「→わたしの俳句歳時記」より引用)
【Profile】:1949年栃木県出身岩手県盛岡市在住。「古志」「草笛」同人。
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■Pickup「紅を(あか)と読む俳句5句(2023-06-28)
→01「しどみ紅く滴りて服売りし金とどく」(小川一灯)
→02「沈黙の深さに紅き寒椿」(高橋謙次郎)
→03「海鳴りにものの芽紅く息むかな」(矢村三生)
→04「嘴紅く横浜の百合鷗」(『虚空』2022)(鎌田透次)
→05「木瓜紅く天に舞ひたる片草履」(加藤武)
○五体俳句626・唇(くち)6・折井眞琴01・2023-06-27(火)
○「螢火に男の唇の照らさるる」(『孔雀の庭』2007)(折井眞琴01)
○季語(螢火・仲夏)(「→増殖する俳句歳時記」より引用)【→五体俳句-索引1・索引2・索引3・索引4・索引5】【→俳人一覧(あ・いい・いた・うえ・お・か・き・くけこ・さ・し・すせそ・た・ちつてと・な・にぬねの・はひ・ふへほ・ま・みむめも・や・ゆ~)】【→俳句結社索引】
【鑑賞】:螢火が照らしているのは唇。しかも男の唇。取り上げた全句の中で「唇」「くちびる」を使用した12句をPickupで挙げる。
○折井眞琴(おりいまこと)
○好きな一句「田水張りつめ花道を帰るごと」(「岳」)02
○季語(田水張る・初夏)(「角川俳句大歳時記・夏」より引用)
【Profile】:1942年長野県出身松本市在住。「岳(たけ)」(→宮坂静生主宰)同人。
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■Pickup「唇(くちびる)・唇(くち)・くちびる俳句12句(2023-06-27)
→01「飢うる街あかい氷菓に唇汚す」(『水谷砕壷句集』)(水谷砕壷)
→02「夥しきOの唇爆音下」(『起伏』2013)(鎌田透次)
→03「唇にのす冷たさよ柏餅」(飯島みさ子)
→04「雨なめて早乙女の唇さめ居たる」(永尾宋斤)
→05「嘘ばかりいふ口唇に紅が冴え」(三笠しづ子)
→06「突き出した唇が迎へに行く冷酒」(『残光』2015)(鎌田透次)
→07「くちびるがいちばん昏くなる真昼」(『脱衣場のアリス』2001)(なかはられいこ)
→08「桜湯のくちびるに闇残りけり」(草子洗)
→09「はつなつの唇に落ちつく酒の枡」(『桔槹句集』)(森川光郎)
→10「唇痛きまで草笛を吹きけるよ」(坂間晴子)
→11「くちびるに冬陽あつめて菩薩かな」(野間口千賀)
→12「石仏の石のくちびる蕨餅」(脇本星浪)
○五感俳句626・振動覚6・大野利江01・2023-06-26(月)
○「点滅は胸の鼓動よ恋蛍」(大野利江01)
○季語(恋蛍・仲夏)(「→俳句季語一覧ナビ>点滅を使用した俳句」より引用)【→五感俳句-索引1・索引2・索引3・索引4・索引5】【→俳人一覧(あ・いい・いた・うえ・お・か・き・くけこ・さ・し・すせそ・た・ちつてと・な・にぬねの・はひ・ふへほ・ま・みむめも・や・ゆ~)】【→俳句結社索引】
【鑑賞】:「点滅」は視覚的で音が感じられないが「鼓動」にはどくどくと振動感がある。恋心を蛍の点滅と鼓動になぞらえた。
○大野利江(おおのとしえ)
○好きな一句「送り火の消えたる後の遠さかな」02
○季語(送り火・初秋)(「『俳句年鑑』2017年版(角川書店)」より引用)
【Profile】:1938年三重県出身伊賀市在住。「煌星」(→石井いさお主宰)同人。