雨過天晴

ジャズとホークスとファッションなどなど
興味のあることには片っ端から手を出して
そして時々飽きます

ポートレイト・イン・ジャズ

2005-05-02 | 


村上春樹氏の小説は何冊もベストセラーになっているにもかかわらずほとんど読んだことがありません。 理由はまったくわかんないんですが、あえて言うなら「あまり惹かれなかった」というところでしょうか。書評など見てもあまり興味を示さなかったから、という感じです。 ただ彼が相当なJazzファンで、Jazz喫茶をやっていたということは知っていました。 なのでこの本の存在を知ったときは「是非読んでみたい」と思っていました。 内容はありきたりなアルバム紹介やプレイヤー紹介ではありません。 彼自身がそのプレイヤーから得た感動や感情、またその時代の自身への影響など淡々と記されていて、その冷静な文面が逆にJazzへの愛着の強さを物語っているように思えます。 またプレイヤーも普通楽器演奏者がわりとメインに持っていかれますが、この本ではボーカリスト、しかもあまり陽の当たらない男性ボーカリストがかなり多いと感じました。 それだけでも目からうろこ状態です。 また挿入されているアーティストの絵がかなりいい感じです。 和田誠氏の絵ですが、実に味のある絵です。 個人的にはホレス・シルヴァーが大好きです。 (キャノンボール・アダレイは笑っちゃいました。) 「Jazzとは」なんて気取った文句や小難しいことは抜きにして、流れてくる素敵な音楽を鑑賞しましょう。 そんな感じです。