選抜県予選 準決勝 第2試合
海南大附属 × 湘北
センターラインを境に10名の選手が並ぶ。
「湘北の2人はちっちぇなー。」
「赤いのと並ぶと大人と子供だな!」
170cmの宮城と柳に、野次が飛ぶ。
「うるせー。バカ!」
「だまって、みてろ!」
「ぬっ。」
「なっ。」
「今日は気が合いますね。宮城さん!」
「あぁ。俺たちのバスケを見せてやろうぜ!」
「はい!」
「野猿!」
「気安く声をかけるな!」
「また小さくなったんじゃねぇか?」
「バカ!去年から、2cm伸びてらぁ!」
「その程度か?さすが、猿代表。ハッハッハ!」
「何!?」
「この天才桜木は、いまだ成長し続けている!ハッハッハ!!」
(ぬっ。確かに・・・、またデカくなってやがる・・・。)
桜木は、入部当時より7cm伸び、県内において、翔陽C宮田に次ぐ、高身長となっていた。
「春風。夏の借りは返させてもらう。」
「俺は、お前も、空斗も大蔵も、快も倒して、てっぺんに立つ!」
「俺も同じ気持ちだ。今日は宜しく頼むぜ。」
「あぁ。こちらこそな。」
流川は静かに試合開始を待つ。
(大人しくしているつもりのようだけど、気合がにじみ出ている。仙道に触発されたかな。)
にこやかな表情で流川を見つめる神。
(んっ。何にやついてやがる・・・。)
流川は神を睨み返した。
センターサークルに足を踏み入れる桜木と大泉。
「チビ丸君には負けん!」
「チビ丸・・・。」
試合が開始される。
『シュ!』
審判からボールが放たれた。
『バチーン!!』
「ハッハッハ!敵なし!!」
大泉にボールを触れさせることなく、桜木がボールを叩く。
ボールは、白田へ。
白田から、前を走る宮城へ供給される。
「出たーーー!!湘北の速攻ーー!!」
「海南でも止められない!!」
「わかっていても止められない!!」
宮城が柳を囮に、2線目の流川にバックパス。
『シュパ!』
流川が冷静にレイアップを決めた。
桜木ジャンプボール→白田→宮城・柳の速攻は、湘北のお決まりパターンであった。
前線の2人が抑えられても、流川が流れ込み、必ず2得点を奪っていた。
湘北十八番の電光石火の速攻。
「湘北の速攻は、他のチームとは比べ物にならないくらいに速く、確実だ。
まずは、速攻を出させないように、速く戻ろう。」
「はい。」
神の的確な指示。
「湘北の速攻は、今ので最後にしてやるぜ!かっかっか!」
海南のオフェンス。
湘北はハーフコートマンツーで対抗する。
清田に宮城、上杉に柳、神に流川、小菅に白田、大泉に桜木がついた。
「来い!海南!!」
「おぉー!!桜木君、今日はかなり気合がはいっていますね!」
「裏目に出なきゃいいけど・・・。」
弥生の予感は的中することとなる。
C大泉以外の4人が大きく外に開く。
「海南の4アウトだーー!!」
「いや、いつも以上に外に開いている!!」
結果、フリースロー付近にいるのは、桜木と大泉のみ。
その大泉に、清田からパスが通る。
『バシ!』
大泉と桜木の1on1。
「来なさい!チビ丸君!!」
桜木が両手を開き、どっしりと構える。
『シュッシュ!』
大泉の2つのフェイント。
「甘いわーー!!」
引っかからない桜木。
慌てた大泉は、シュートの体制。
「打たせーーーん!!ゴリ直伝ハエタタキ!!」
(天才との差を思い知らせてやる!)
桜木が渾身の力を込めて飛ぶ。
「高い!!」
「すげー!!ジャンプ力!!」
だが、大泉はシュートを打たなかった。
「さすが、高砂さん直伝。」にこり。
神が笑う。
冷静な大泉。
慌てた素振りを見せただけだった。
大泉は、ステップを踏み、落下してくる桜木に接触するようにジャンプシュートを放つ。
『ザッ!』
ネットを揺らすと音ともに、審判の笛がなった。
「バスケットカウントーー!!」
「うわぁぁーー!!!」
「何やってんだーー!!!」
「開始1分で、いきなりファウルかよ!!」
「花道!!」
「先輩!」
(どあほう。)
「しっしまったぁ!!チビ丸君相手に・・・。庶民フェイクにひっかかるとは・・・。」
憤慨する桜木を尻目に、神らが大泉のプレーを称える。
「大丸。まるで高砂さんみたいだったぜ。」
「ありがとう。清田。ドンドン、俺にパスを回してくれ、このQで桜木を追い出すぞ!!」
「任せたぜ。」
大泉は、ボーナススローをきっちり決めた。
「・・・・・・。」
無言の安西。
(おのれ、チビ丸君め。だがしかし!いいハンデだ。庶民にはこれくらいやらんとな!ハッハッハ!)
桜木に忍び寄る暗雲。
本人は全く気付いていない。
海南 3
湘北 2
続く。
海南大附属 × 湘北
センターラインを境に10名の選手が並ぶ。
「湘北の2人はちっちぇなー。」
「赤いのと並ぶと大人と子供だな!」
170cmの宮城と柳に、野次が飛ぶ。
「うるせー。バカ!」
「だまって、みてろ!」
「ぬっ。」
「なっ。」
「今日は気が合いますね。宮城さん!」
「あぁ。俺たちのバスケを見せてやろうぜ!」
「はい!」
「野猿!」
「気安く声をかけるな!」
「また小さくなったんじゃねぇか?」
「バカ!去年から、2cm伸びてらぁ!」
「その程度か?さすが、猿代表。ハッハッハ!」
「何!?」
「この天才桜木は、いまだ成長し続けている!ハッハッハ!!」
(ぬっ。確かに・・・、またデカくなってやがる・・・。)
桜木は、入部当時より7cm伸び、県内において、翔陽C宮田に次ぐ、高身長となっていた。
「春風。夏の借りは返させてもらう。」
「俺は、お前も、空斗も大蔵も、快も倒して、てっぺんに立つ!」
「俺も同じ気持ちだ。今日は宜しく頼むぜ。」
「あぁ。こちらこそな。」
流川は静かに試合開始を待つ。
(大人しくしているつもりのようだけど、気合がにじみ出ている。仙道に触発されたかな。)
にこやかな表情で流川を見つめる神。
(んっ。何にやついてやがる・・・。)
流川は神を睨み返した。
センターサークルに足を踏み入れる桜木と大泉。
「チビ丸君には負けん!」
「チビ丸・・・。」
試合が開始される。
『シュ!』
審判からボールが放たれた。
『バチーン!!』
「ハッハッハ!敵なし!!」
大泉にボールを触れさせることなく、桜木がボールを叩く。
ボールは、白田へ。
白田から、前を走る宮城へ供給される。
「出たーーー!!湘北の速攻ーー!!」
「海南でも止められない!!」
「わかっていても止められない!!」
宮城が柳を囮に、2線目の流川にバックパス。
『シュパ!』
流川が冷静にレイアップを決めた。
桜木ジャンプボール→白田→宮城・柳の速攻は、湘北のお決まりパターンであった。
前線の2人が抑えられても、流川が流れ込み、必ず2得点を奪っていた。
湘北十八番の電光石火の速攻。
「湘北の速攻は、他のチームとは比べ物にならないくらいに速く、確実だ。
まずは、速攻を出させないように、速く戻ろう。」
「はい。」
神の的確な指示。
「湘北の速攻は、今ので最後にしてやるぜ!かっかっか!」
海南のオフェンス。
湘北はハーフコートマンツーで対抗する。
清田に宮城、上杉に柳、神に流川、小菅に白田、大泉に桜木がついた。
「来い!海南!!」
「おぉー!!桜木君、今日はかなり気合がはいっていますね!」
「裏目に出なきゃいいけど・・・。」
弥生の予感は的中することとなる。
C大泉以外の4人が大きく外に開く。
「海南の4アウトだーー!!」
「いや、いつも以上に外に開いている!!」
結果、フリースロー付近にいるのは、桜木と大泉のみ。
その大泉に、清田からパスが通る。
『バシ!』
大泉と桜木の1on1。
「来なさい!チビ丸君!!」
桜木が両手を開き、どっしりと構える。
『シュッシュ!』
大泉の2つのフェイント。
「甘いわーー!!」
引っかからない桜木。
慌てた大泉は、シュートの体制。
「打たせーーーん!!ゴリ直伝ハエタタキ!!」
(天才との差を思い知らせてやる!)
桜木が渾身の力を込めて飛ぶ。
「高い!!」
「すげー!!ジャンプ力!!」
だが、大泉はシュートを打たなかった。
「さすが、高砂さん直伝。」にこり。
神が笑う。
冷静な大泉。
慌てた素振りを見せただけだった。
大泉は、ステップを踏み、落下してくる桜木に接触するようにジャンプシュートを放つ。
『ザッ!』
ネットを揺らすと音ともに、審判の笛がなった。
「バスケットカウントーー!!」
「うわぁぁーー!!!」
「何やってんだーー!!!」
「開始1分で、いきなりファウルかよ!!」
「花道!!」
「先輩!」
(どあほう。)
「しっしまったぁ!!チビ丸君相手に・・・。庶民フェイクにひっかかるとは・・・。」
憤慨する桜木を尻目に、神らが大泉のプレーを称える。
「大丸。まるで高砂さんみたいだったぜ。」
「ありがとう。清田。ドンドン、俺にパスを回してくれ、このQで桜木を追い出すぞ!!」
「任せたぜ。」
大泉は、ボーナススローをきっちり決めた。
「・・・・・・。」
無言の安西。
(おのれ、チビ丸君め。だがしかし!いいハンデだ。庶民にはこれくらいやらんとな!ハッハッハ!)
桜木に忍び寄る暗雲。
本人は全く気付いていない。
海南 3
湘北 2
続く。