海南 15
湘北 8
安西は、タイムアウトを取った。
「オヤジ、まだ早いんじゃねぇか?」
「ベストタイミングだ。」
と宮城。
安西がゆっくりと口を開く。
「7点差がつきましたね。このままだともっと点差がつきそうです。桜木君、誰の責任だと思いますか?」
(えっ!?普段、責任なんて問わない先生が・・・。)
少し驚く彩子。
「流川がひょろ男にやられたからだろう。」
と答える桜木。
(てめーのせいだ。どあほう・・・。)
「違いますね。ベンチにいた人はわかると思いますが、答えられる人いますか?」
桜木のせいだとはわかっていても、なかなか口に出せない選手たち。
「桜木が油断していたからです。」
「!!」
声を発するほうに、目を向ける選手たち。
「なぬ!!」
安田をにらみつける桜木。
「桜木が、自分より小さい相手に油断していたために、そこから攻め込まれていました。」
「こらぁー!ヤス、もういっぺんいってみろ!!」
「桜木君!!」
「ハッハルコさん!!」
「安田さんのいっていることは、正しいと思うよ。」
「そんなことは・・・。」
「その通りだ。花道が油断してたかは、俺たちにはわからねぇが、
花道のところから、攻め込まれていたのは確かだ。」
「桜木君。少しばかり、侮っていませんでしたか?」
『ギクッ!』
思い当たる節がたくさんある桜木は、安西の言葉に返す言葉が見つからなかった。
「やはり、ありましたね。試合前に、私が油断しないようにといっておいたにも関わらず。」
「ぬっ。」
(・・・。安西先生は、あえて桜木花道に責任追及することで、
ゴールを守る最後の関門としての自覚をさせようとしているのかも・・・。)
「桜木君!!」
晴子が声をかける。
「ハルコさん・・・。」
謝罪の言葉をいえずもがく桜木。
そのとき。
「悪いのは、花道だけじゃありません。
俺も少なからず油断をしていた部分もありましたし、キャプテンとして、花道に注意できなかった、俺の責任でもあります。
先生、みんな、申し訳なかった。」
宮城が頭を下げた。
「リョーちん!!」
驚く桜木。
「リョータ!!」
「キャプテン!!」
選手たちも同様に驚いた。
「そうですね。宮城君にも責任はあるかもしれません。桜木君、どう思いますか?」
「・・・。リョーちんは悪くねぇ。おっおっ俺が全て悪い。みんな、すまぬ。」
桜木は、赤い頭を深々と下げた。
「!!!」
更に驚く選手たち。
彩子と晴子はにこやかになっていた。
「ほっほっほ。では、これからやるべきことがわかりますね。宮城君、桜木君?」
「はい!試合だけじゃなく、選手一人ひとりの状況を把握する。」
「おっおうよ!!ゴール下は、俺が全力で守る!」
「よろしい。角田君、桜木君と代わってください。ここからが、本当の勝負です。」
「はい!!」
(リョータ。随分、大人になったわね。)
彩子は嬉しそうに笑った。
(桜木君。これでまたひとつ、大人になったかな。)
晴子も同様に笑った。
「いくぞ!!リョーちん!!湘北最強コンビの力をみせてやろうぜ!!」
「おう!!このQで逆転するぞ!!」
「足引っ張るなよ・・・。」
「てめーこそ、ひょろ男にやられるなよ。」
「ほっほっほ。」
(結果的に、桜木花道だけじゃなく、リョータにもキャプテンとしての自覚を再確認させた・・・。
先生は、計算済みだったのかしら・・・。)
彩子は、チラッと安西を見た。
「彩子君。彼らはもう大丈夫です。」
「はい。」
(愚問だったわね。)
「赤頭が出てきた!!」
「今度はしっかりディフェンスしろよーー!!」
『クルッ!』
突然、観客席に体を向けた桜木が叫んだ。
「ゴール下は、この桜木が全力で守る!!!!」
「おぉぉーー!!桜木君が叫んだ!!」
「どうやら、安西監督が桜木君の精神をコントロールしたようね。」
「なっ!?」
海南ベンチで驚く清田。
「ふっ。桜木らしいや。」
神は苦笑う。
「老いても名将は名将か。さすが、安西先生、このタイムアウトで桜木を支配したようですな。」
「単純だから、復活も早いってか。」
と清田。
『パタパタパタ・・・。』
「神、作戦変更だ。外から抜くぞ。」
「わかりました。」
その後、桜木は、声を出し、体を張り、懸命にゴール下を守った。
だが、海南はインサイドからアウトサイド主体にオフェンスを切り替え、
清田を中心に、ミドルシュートを確実に決めると点差は一向に縮まることはなかった。
第1Q終了。
「流川のやつ、大人しすぎるぜ。」
と清田。
「どうやら、ディフェンスに専念していたようだな。」
(お互い様だけどね。)にこり。
流川 4得点
神 3得点
両エースの刃は、いまだ鞘に入れられたままであった。
海南 23
湘北 18
続く。
湘北 8
安西は、タイムアウトを取った。
「オヤジ、まだ早いんじゃねぇか?」
「ベストタイミングだ。」
と宮城。
安西がゆっくりと口を開く。
「7点差がつきましたね。このままだともっと点差がつきそうです。桜木君、誰の責任だと思いますか?」
(えっ!?普段、責任なんて問わない先生が・・・。)
少し驚く彩子。
「流川がひょろ男にやられたからだろう。」
と答える桜木。
(てめーのせいだ。どあほう・・・。)
「違いますね。ベンチにいた人はわかると思いますが、答えられる人いますか?」
桜木のせいだとはわかっていても、なかなか口に出せない選手たち。
「桜木が油断していたからです。」
「!!」
声を発するほうに、目を向ける選手たち。
「なぬ!!」
安田をにらみつける桜木。
「桜木が、自分より小さい相手に油断していたために、そこから攻め込まれていました。」
「こらぁー!ヤス、もういっぺんいってみろ!!」
「桜木君!!」
「ハッハルコさん!!」
「安田さんのいっていることは、正しいと思うよ。」
「そんなことは・・・。」
「その通りだ。花道が油断してたかは、俺たちにはわからねぇが、
花道のところから、攻め込まれていたのは確かだ。」
「桜木君。少しばかり、侮っていませんでしたか?」
『ギクッ!』
思い当たる節がたくさんある桜木は、安西の言葉に返す言葉が見つからなかった。
「やはり、ありましたね。試合前に、私が油断しないようにといっておいたにも関わらず。」
「ぬっ。」
(・・・。安西先生は、あえて桜木花道に責任追及することで、
ゴールを守る最後の関門としての自覚をさせようとしているのかも・・・。)
「桜木君!!」
晴子が声をかける。
「ハルコさん・・・。」
謝罪の言葉をいえずもがく桜木。
そのとき。
「悪いのは、花道だけじゃありません。
俺も少なからず油断をしていた部分もありましたし、キャプテンとして、花道に注意できなかった、俺の責任でもあります。
先生、みんな、申し訳なかった。」
宮城が頭を下げた。
「リョーちん!!」
驚く桜木。
「リョータ!!」
「キャプテン!!」
選手たちも同様に驚いた。
「そうですね。宮城君にも責任はあるかもしれません。桜木君、どう思いますか?」
「・・・。リョーちんは悪くねぇ。おっおっ俺が全て悪い。みんな、すまぬ。」
桜木は、赤い頭を深々と下げた。
「!!!」
更に驚く選手たち。
彩子と晴子はにこやかになっていた。
「ほっほっほ。では、これからやるべきことがわかりますね。宮城君、桜木君?」
「はい!試合だけじゃなく、選手一人ひとりの状況を把握する。」
「おっおうよ!!ゴール下は、俺が全力で守る!」
「よろしい。角田君、桜木君と代わってください。ここからが、本当の勝負です。」
「はい!!」
(リョータ。随分、大人になったわね。)
彩子は嬉しそうに笑った。
(桜木君。これでまたひとつ、大人になったかな。)
晴子も同様に笑った。
「いくぞ!!リョーちん!!湘北最強コンビの力をみせてやろうぜ!!」
「おう!!このQで逆転するぞ!!」
「足引っ張るなよ・・・。」
「てめーこそ、ひょろ男にやられるなよ。」
「ほっほっほ。」
(結果的に、桜木花道だけじゃなく、リョータにもキャプテンとしての自覚を再確認させた・・・。
先生は、計算済みだったのかしら・・・。)
彩子は、チラッと安西を見た。
「彩子君。彼らはもう大丈夫です。」
「はい。」
(愚問だったわね。)
「赤頭が出てきた!!」
「今度はしっかりディフェンスしろよーー!!」
『クルッ!』
突然、観客席に体を向けた桜木が叫んだ。
「ゴール下は、この桜木が全力で守る!!!!」
「おぉぉーー!!桜木君が叫んだ!!」
「どうやら、安西監督が桜木君の精神をコントロールしたようね。」
「なっ!?」
海南ベンチで驚く清田。
「ふっ。桜木らしいや。」
神は苦笑う。
「老いても名将は名将か。さすが、安西先生、このタイムアウトで桜木を支配したようですな。」
「単純だから、復活も早いってか。」
と清田。
『パタパタパタ・・・。』
「神、作戦変更だ。外から抜くぞ。」
「わかりました。」
その後、桜木は、声を出し、体を張り、懸命にゴール下を守った。
だが、海南はインサイドからアウトサイド主体にオフェンスを切り替え、
清田を中心に、ミドルシュートを確実に決めると点差は一向に縮まることはなかった。
第1Q終了。
「流川のやつ、大人しすぎるぜ。」
と清田。
「どうやら、ディフェンスに専念していたようだな。」
(お互い様だけどね。)にこり。
流川 4得点
神 3得点
両エースの刃は、いまだ鞘に入れられたままであった。
海南 23
湘北 18
続く。