うまがスラムダンクの続き

うまがスラムダンクを勝手にアレンジ。
スラムダンクの続きを書かせていただいています。

#202 【老いても名将】

2009-10-06 | #09 湘北 県予選編
海南 15
湘北 8




安西は、タイムアウトを取った。


「オヤジ、まだ早いんじゃねぇか?」

「ベストタイミングだ。」

と宮城。


安西がゆっくりと口を開く。

「7点差がつきましたね。このままだともっと点差がつきそうです。桜木君、誰の責任だと思いますか?」


(えっ!?普段、責任なんて問わない先生が・・・。)

少し驚く彩子。


「流川がひょろ男にやられたからだろう。」

と答える桜木。

(てめーのせいだ。どあほう・・・。)


「違いますね。ベンチにいた人はわかると思いますが、答えられる人いますか?」

桜木のせいだとはわかっていても、なかなか口に出せない選手たち。


「桜木が油断していたからです。」

「!!」

声を発するほうに、目を向ける選手たち。


「なぬ!!」

安田をにらみつける桜木。


「桜木が、自分より小さい相手に油断していたために、そこから攻め込まれていました。」

「こらぁー!ヤス、もういっぺんいってみろ!!」

「桜木君!!」

「ハッハルコさん!!」

「安田さんのいっていることは、正しいと思うよ。」

「そんなことは・・・。」

「その通りだ。花道が油断してたかは、俺たちにはわからねぇが、
花道のところから、攻め込まれていたのは確かだ。」


「桜木君。少しばかり、侮っていませんでしたか?」


『ギクッ!』


思い当たる節がたくさんある桜木は、安西の言葉に返す言葉が見つからなかった。


「やはり、ありましたね。試合前に、私が油断しないようにといっておいたにも関わらず。」

「ぬっ。」


(・・・。安西先生は、あえて桜木花道に責任追及することで、
ゴールを守る最後の関門としての自覚をさせようとしているのかも・・・。)


「桜木君!!」

晴子が声をかける。

「ハルコさん・・・。」

謝罪の言葉をいえずもがく桜木。



そのとき。



「悪いのは、花道だけじゃありません。
俺も少なからず油断をしていた部分もありましたし、キャプテンとして、花道に注意できなかった、俺の責任でもあります。
先生、みんな、申し訳なかった。」

宮城が頭を下げた。


「リョーちん!!」

驚く桜木。


「リョータ!!」

「キャプテン!!」

選手たちも同様に驚いた。


「そうですね。宮城君にも責任はあるかもしれません。桜木君、どう思いますか?」

「・・・。リョーちんは悪くねぇ。おっおっ俺が全て悪い。みんな、すまぬ。」

桜木は、赤い頭を深々と下げた。


「!!!」

更に驚く選手たち。


彩子と晴子はにこやかになっていた。


「ほっほっほ。では、これからやるべきことがわかりますね。宮城君、桜木君?」

「はい!試合だけじゃなく、選手一人ひとりの状況を把握する。」

「おっおうよ!!ゴール下は、俺が全力で守る!」

「よろしい。角田君、桜木君と代わってください。ここからが、本当の勝負です。」

「はい!!」


(リョータ。随分、大人になったわね。)

彩子は嬉しそうに笑った。

(桜木君。これでまたひとつ、大人になったかな。)

晴子も同様に笑った。


「いくぞ!!リョーちん!!湘北最強コンビの力をみせてやろうぜ!!」

「おう!!このQで逆転するぞ!!」

「足引っ張るなよ・・・。」

「てめーこそ、ひょろ男にやられるなよ。」


「ほっほっほ。」

(結果的に、桜木花道だけじゃなく、リョータにもキャプテンとしての自覚を再確認させた・・・。
先生は、計算済みだったのかしら・・・。)

彩子は、チラッと安西を見た。


「彩子君。彼らはもう大丈夫です。」

「はい。」


(愚問だったわね。)




「赤頭が出てきた!!」

「今度はしっかりディフェンスしろよーー!!」




『クルッ!』

突然、観客席に体を向けた桜木が叫んだ。



「ゴール下は、この桜木が全力で守る!!!!」




「おぉぉーー!!桜木君が叫んだ!!」

「どうやら、安西監督が桜木君の精神をコントロールしたようね。」




「なっ!?」

海南ベンチで驚く清田。

「ふっ。桜木らしいや。」

神は苦笑う。

「老いても名将は名将か。さすが、安西先生、このタイムアウトで桜木を支配したようですな。」

「単純だから、復活も早いってか。」

と清田。


『パタパタパタ・・・。』


「神、作戦変更だ。外から抜くぞ。」

「わかりました。」




その後、桜木は、声を出し、体を張り、懸命にゴール下を守った。

だが、海南はインサイドからアウトサイド主体にオフェンスを切り替え、
清田を中心に、ミドルシュートを確実に決めると点差は一向に縮まることはなかった。



第1Q終了。



「流川のやつ、大人しすぎるぜ。」

と清田。

「どうやら、ディフェンスに専念していたようだな。」

(お互い様だけどね。)にこり。



流川 4得点

神 3得点



両エースの刃は、いまだ鞘に入れられたままであった。



海南 23
湘北 18







続く。