「おはようございます。」
「仙道!!のこのこ今頃、きおって!!」
「すいません。寝坊です。」
『ポリポリ。』
このパターンもいつもと同じある。
怒鳴る田岡。
寝坊と答える仙道。
途中から練習に入る彦一。
最大の犠牲者は彦一であり、仙道の遅刻は彦一の実力が上がらない最大の要因でもあった。
でも、本人は全く気付いていない。
(わいの脚力は、確実にアップしてるで!!ドリブルは一向にうまくならへんけどな・・・。)
「お疲れ様です!!」
一際大きな声で仙道に挨拶するのは、今年の新1年生、黒川大蔵。
坊主で浅黒く、がっちりした体格をしていた。
魚住が去った陵南では、センターを補強することが、この春、最大の課題であった。
陵南のチーム力アップの理由その2。
その課題を解消すべく、自称 神奈川のジュニアハンターこと田岡茂一が白羽の矢を立てたのが、
黒川大蔵であった。
彼もまた、神奈川県立常盤中学校 バスケ部出身の生粋のセンターであった。
幼馴染5名と平均的な5名と素人2名、計12名で構成されていた常盤中バスケ部。
ミニバス出身、監督不在、3on3を経験ということもあり、Cを除いて明確なポジションは、確定されておらず、
また器用な選手が多かったため、個々の能力に頼るフリーオフェンスを展開していた。
福原 快
上杉 海斗
上杉 空斗
柳 春風
GからFまでこなせる器用な選手たち。
黒川 大蔵は、センターしかできない不器用な選手であったが、
陵南にとって、問題はなかった。
なぜなら、1番から4番まで出来る器用すぎる仙道がいたから。
田岡の頭の中では、大きな構想が出来上がっていた。
「仙道-福田-魚住を超えるホットラインになるはずだ。」
(つまり・・・。今年は陵南が県、いや全国を制覇する!!ひっひっひっ!!)
田岡の眼はイっていた。
(やばい!監督がまた妄想にはいってる・・・。)
越野は声をかけられず、指示を仰げずにいるのであった。
この時期、神奈川のどのチームよりも完成されていた陵南は、実践的な練習が多かった。
ハーフの5on5。
PG仙道から、ゴール下に鋭いパスが供給される。
『バス!』
PF福田は、空中でキャッチし、そのままバックシュートを決めた。
『ザシュ!』
SF山岡、速いドライブから急ストップ、鮮やかにジャンプシュートを決める。
『シュパ!』
仙道がディフェンスを切り裂き、ダブルクラッチを決めた。
仙道、山岡、福田の三角パス。
『ドガァ!』
福田のダンクシュート。
「うわーー!!今日もフクさんはのってるでーー!!」
「うむ。この縦のラインはだいぶ板についてきたな。
だが、まだ私の目指すものではない。」
(ホットラインに翼をつける。それが、私の理想形。)
「黒川。菅平と変わってみろ!」
「なっ!」
驚く選手たち。
仙道は驚かない。
(そろそろ、いい頃かな。)
田岡は続ける。
「越野。上杉と変われ!」
「えっ!!」
黒川のときと同様、選手らは驚いたが、誰よりも越野自身が驚いていた。
(まじかよ。俺、キャプテンだぜ・・・。)
だが、納得している部分もあった。
(サイズ、跳躍力ではやつの方が上。正直、山岡と上杉のコンビも面白いかもな。でも、監督、俺は辛いっすよ・・・。)
「越野。すまぬが、試させてもらう。」
(まずは大蔵から。)
仙道から黒川へパス。
素早いワンドリで一気にゴール下へ。
菅平とPF嶋が囲む。
(そう簡単にスタメンを取られてたまるか!)
菅平の必死のディフェンス。
たまらず、ピボットで背中を向ける黒川。
(そこか!)
菅平が目線をそらせた瞬間、アンダーのノールックパスがゴール下に供給される。
『スパ!』
仙道のシュートが決まった。
「わっ!すごいパスやで!!」
「ナイスパス。」
「仙道さん!」
(やはり、視野は相当広いな。味方を生かすことのできるセンターは、波が少ない。計算できるな。)
納得の表情を見せる田岡。
(パスの前に、福田に目線を送ることによって、菅平を誘ったか。
顔に似合わず、小技もきいているな。)
仙道も黒川を評価していた。
続いて。
『バチィン!!』
菅平のゴール下のシュートを、黒川が激しく叩く。
「よっしゃ!!」
「ぐっ!!」
(黒川は、すでに高校クラスの実力か。あとはスタミナをつけてやれば・・・。
魚住にしてやった地獄のフットワークを思い出すわい。)
田岡はにやついている。
(ふーー。先輩への遠慮はなしね。意外と強気。)
仙道は苦笑いをしていた。
続く。
「仙道!!のこのこ今頃、きおって!!」
「すいません。寝坊です。」
『ポリポリ。』
このパターンもいつもと同じある。
怒鳴る田岡。
寝坊と答える仙道。
途中から練習に入る彦一。
最大の犠牲者は彦一であり、仙道の遅刻は彦一の実力が上がらない最大の要因でもあった。
でも、本人は全く気付いていない。
(わいの脚力は、確実にアップしてるで!!ドリブルは一向にうまくならへんけどな・・・。)
「お疲れ様です!!」
一際大きな声で仙道に挨拶するのは、今年の新1年生、黒川大蔵。
坊主で浅黒く、がっちりした体格をしていた。
魚住が去った陵南では、センターを補強することが、この春、最大の課題であった。
陵南のチーム力アップの理由その2。
その課題を解消すべく、自称 神奈川のジュニアハンターこと田岡茂一が白羽の矢を立てたのが、
黒川大蔵であった。
彼もまた、神奈川県立常盤中学校 バスケ部出身の生粋のセンターであった。
幼馴染5名と平均的な5名と素人2名、計12名で構成されていた常盤中バスケ部。
ミニバス出身、監督不在、3on3を経験ということもあり、Cを除いて明確なポジションは、確定されておらず、
また器用な選手が多かったため、個々の能力に頼るフリーオフェンスを展開していた。
福原 快
上杉 海斗
上杉 空斗
柳 春風
GからFまでこなせる器用な選手たち。
黒川 大蔵は、センターしかできない不器用な選手であったが、
陵南にとって、問題はなかった。
なぜなら、1番から4番まで出来る器用すぎる仙道がいたから。
田岡の頭の中では、大きな構想が出来上がっていた。
「仙道-福田-魚住を超えるホットラインになるはずだ。」
(つまり・・・。今年は陵南が県、いや全国を制覇する!!ひっひっひっ!!)
田岡の眼はイっていた。
(やばい!監督がまた妄想にはいってる・・・。)
越野は声をかけられず、指示を仰げずにいるのであった。
この時期、神奈川のどのチームよりも完成されていた陵南は、実践的な練習が多かった。
ハーフの5on5。
PG仙道から、ゴール下に鋭いパスが供給される。
『バス!』
PF福田は、空中でキャッチし、そのままバックシュートを決めた。
『ザシュ!』
SF山岡、速いドライブから急ストップ、鮮やかにジャンプシュートを決める。
『シュパ!』
仙道がディフェンスを切り裂き、ダブルクラッチを決めた。
仙道、山岡、福田の三角パス。
『ドガァ!』
福田のダンクシュート。
「うわーー!!今日もフクさんはのってるでーー!!」
「うむ。この縦のラインはだいぶ板についてきたな。
だが、まだ私の目指すものではない。」
(ホットラインに翼をつける。それが、私の理想形。)
「黒川。菅平と変わってみろ!」
「なっ!」
驚く選手たち。
仙道は驚かない。
(そろそろ、いい頃かな。)
田岡は続ける。
「越野。上杉と変われ!」
「えっ!!」
黒川のときと同様、選手らは驚いたが、誰よりも越野自身が驚いていた。
(まじかよ。俺、キャプテンだぜ・・・。)
だが、納得している部分もあった。
(サイズ、跳躍力ではやつの方が上。正直、山岡と上杉のコンビも面白いかもな。でも、監督、俺は辛いっすよ・・・。)
「越野。すまぬが、試させてもらう。」
(まずは大蔵から。)
仙道から黒川へパス。
素早いワンドリで一気にゴール下へ。
菅平とPF嶋が囲む。
(そう簡単にスタメンを取られてたまるか!)
菅平の必死のディフェンス。
たまらず、ピボットで背中を向ける黒川。
(そこか!)
菅平が目線をそらせた瞬間、アンダーのノールックパスがゴール下に供給される。
『スパ!』
仙道のシュートが決まった。
「わっ!すごいパスやで!!」
「ナイスパス。」
「仙道さん!」
(やはり、視野は相当広いな。味方を生かすことのできるセンターは、波が少ない。計算できるな。)
納得の表情を見せる田岡。
(パスの前に、福田に目線を送ることによって、菅平を誘ったか。
顔に似合わず、小技もきいているな。)
仙道も黒川を評価していた。
続いて。
『バチィン!!』
菅平のゴール下のシュートを、黒川が激しく叩く。
「よっしゃ!!」
「ぐっ!!」
(黒川は、すでに高校クラスの実力か。あとはスタミナをつけてやれば・・・。
魚住にしてやった地獄のフットワークを思い出すわい。)
田岡はにやついている。
(ふーー。先輩への遠慮はなしね。意外と強気。)
仙道は苦笑いをしていた。
続く。
ショーヨー(漢字ド忘れ)はどうなるのかも楽しみですわ!
田岡監督やっぱ面白い。妄想は誰でもしちゃいますよね。監督だけじゃなくて。わたくしも、例外じゃありません。
仙道もスターなのに、いい新人がはいりましたね。神奈川はどこが強いんでしょう!?
陵南は補強大成功です。これも仙道の人柄によるものですね。器が大きいところには、いい人材が集まるものです。
翔陽は・・・。神奈川3強時代に突入かな(苦笑)
ちなさん
妄想だと誰もが主役であり、思いのまま。俺も大好きですね。
神奈川で1番強いところは・・・どこでしょう?これだけはいえるのが、どの高校も全国クラスです!