山王 67
湘北 65
タイムアウトがあけた。
泣いても笑っても残り時間は5分とない。
山王のオフェンス。
「このタイムアウト後の1本は重要よ。両チームにとってね!」
「はっはい!!」
流川は、沢北への執拗なマーク。
だが、呼吸は乱れ、動きは機敏さを失われつつあった。
「はぁはぁ。」
(タイムアウト後だというのに、この呼吸。だいぶ、疲れているようだな。)
ここだと判断した沢北。
サイドからサイドへ。
コートを走った。
流川の追走が遅れた瞬間。
『パシ!』
矢のような加藤からのパスが渡った。
「4点差!」
沢北は叫びながら、ジャンプシュートを放つ。
『スパッ!』
「!!」
「やっぱり、沢北だーー!!!」
「やつを止めることはできないのかーー!!」
山王 69
湘北 65
「おい、相当疲れてんじゃねぇか!」
「・・・。」
「だが、手加減はしねぇぞ。」
「・・・。」
『キュ!!』
「!!!」
鋭いVカット。
流川は力を振り絞る。
一瞬にして、沢北のマークを外す。
『パシ!!』
「今度は流川君!!」
「そうこなくっちゃな。」
と仙道。
「打ちやがれ!流川!リバウンドは全て獲ってやる!!」
(外すか!)
『クイ!』
流川の強引なスナップシュート。
『ザッシュ!』
ボードにバンクし、ネットを揺らす。
「流川も負けてねぇーー!!」
「なんていう戦いだーー!!」
「凄すぎる!!」
「沢北さんに比べ、流川さんは少し強引ですね。」
と上杉。
「桜木の存在。」
と福田。
「桜木のリバウンドに信頼を寄せているんだろう。」
と田岡。
「あの2人が信頼ですか・・・。ないような・・・。」
と黒川。
(本当は認め合っているんだよな。お前らは。)
仙道は、密かに思うのであった。
山王 69
湘北 67
「今度はインサイドだーー!!」
加藤から直接河田に供給した。
『ドン!』
パワードリブル。
「ぐっ。丸男め。」
桜木を押し込む。
「ぐぐぐっ。」
耐える桜木。
『クルッ。』
河田は回転、ゴールを向いた。
その瞬間、桜木の体勢が崩れた。
「巧い!!!」
「打てー!美紀男!!」
『バス!』
河田のゴール下が決まる。
「また4点差!!」
「なんだ、このラン&ガンの展開は!!!」
山王 71
湘北 67
息もつけぬ乱打戦。
観客は、ヒートアップ。
冬だというのに、体育館は、燃えるような暑さになっていた。
『キュッキュ!』
流川への沢北の容赦ないディフェンス。
マークは外れない。
(流川へのマークが厳しい。いや、流川の運動量が落ちたか・・・。
となればここは・・・。負けっぱなしというわけにはいかねぇよな!花道!!)
山王同様に、宮城から1本のパスで桜木へと渡った。
「花道!仕返しだ!」
「おうよ!!」
「来い!桜木さん!!」
「良い度胸だ!丸男!!」
『キュ!』
「合宿シュート!!」
「!!」
「と見せかけて、庶民シュート!」
「!!」
「と見せかけて、クラッチシュート!!」
河田の腕を交わす、桜木のダブルクラッチが炸裂。
『スポ。』
「ハッハッハ!丸男ごときにこの天才は止められんぞ!!」
「まぐれ。」
「うるせー!」
「桜木のダブルクラッチ!」
「明らかに巧くなっている!!」
「うぉーー!!桜木さん、ダブルクラッチを完成させておる!」
「やるな。」にこ。
笑う仙道。
山王 71
湘北 69
残り3分30秒で2点差。
漂う緊張感は、観客にも伝わっている。
『ゴク。』
唾を飲むもの。
言葉が出ないもの。
食い入るように見つめているもの。
様々であったが、全ての人の視線が、コートに注がれていた。
山王のオフェンス。
「・・・。流川は、まもなく限界を迎える。」
堂本がいった。
同じく。
「ここまで、よく沢北と渡り合ってきたが、もう限界だ。」
田岡がいった。
『グッ。』
安西が拳を握る。
(流川君、あと少しです。踏ん張りなさい。)
容赦ない沢北のオフェンスが流川を襲う。
『ズバッ!!』
流川は思うように動かない足を懸命に前に出し、沢北に追走する。
だが、沢北は、カバーに来る白田とともに、あざ笑うかのようなスクープシュートを放った。
「決まった!」にや。
「!!」
「!!」
『ガン!!』
外れた。
「あちゃ!!」
『トン。』
こぼれたボールにしなやかな手が触れた。
「!!」
『ストッ。』
リバウンドをティップで追い込んだのは、跳び込んできた福原であった。
「しまったぁーー!!!オフェンスリバウンドを許してしまったーー!!」
憤慨する桜木。
「さっきのミスは、これで帳消しですね。」
「ふっ、生意気な。」
微笑む沢北。
山王 73
湘北 69
笑顔がこぼれる沢北。
疲労の表情を隠せない流川。
2人を見つめている桜木。
『スタスタ・・・。』
流川に詰め寄る桜木。
『ドガッ!』
流川を蹴り跳ばす桜木。
「さっ桜木君!!」
『バコッ!』
仕返す流川。
「流川君!!」
(また始まった。)
呆れ顔の宮城。
「元気あるじゃねぇかよ。」
「ったりめーだ。てめーこそ、リバウンド取られてるじゃねぇか。」
「なぬ!元はといえば、てめーが小坊主にシュートを打たれるからだろ!!」
いつもと変わらぬいい争い。
だが、桜木の不器用な激励が、再び流川に力を与える。
そして、桜木はある選択をする。
変わらない4点差。
山王 73
湘北 69
続く。
湘北 65
タイムアウトがあけた。
泣いても笑っても残り時間は5分とない。
山王のオフェンス。
「このタイムアウト後の1本は重要よ。両チームにとってね!」
「はっはい!!」
流川は、沢北への執拗なマーク。
だが、呼吸は乱れ、動きは機敏さを失われつつあった。
「はぁはぁ。」
(タイムアウト後だというのに、この呼吸。だいぶ、疲れているようだな。)
ここだと判断した沢北。
サイドからサイドへ。
コートを走った。
流川の追走が遅れた瞬間。
『パシ!』
矢のような加藤からのパスが渡った。
「4点差!」
沢北は叫びながら、ジャンプシュートを放つ。
『スパッ!』
「!!」
「やっぱり、沢北だーー!!!」
「やつを止めることはできないのかーー!!」
山王 69
湘北 65
「おい、相当疲れてんじゃねぇか!」
「・・・。」
「だが、手加減はしねぇぞ。」
「・・・。」
『キュ!!』
「!!!」
鋭いVカット。
流川は力を振り絞る。
一瞬にして、沢北のマークを外す。
『パシ!!』
「今度は流川君!!」
「そうこなくっちゃな。」
と仙道。
「打ちやがれ!流川!リバウンドは全て獲ってやる!!」
(外すか!)
『クイ!』
流川の強引なスナップシュート。
『ザッシュ!』
ボードにバンクし、ネットを揺らす。
「流川も負けてねぇーー!!」
「なんていう戦いだーー!!」
「凄すぎる!!」
「沢北さんに比べ、流川さんは少し強引ですね。」
と上杉。
「桜木の存在。」
と福田。
「桜木のリバウンドに信頼を寄せているんだろう。」
と田岡。
「あの2人が信頼ですか・・・。ないような・・・。」
と黒川。
(本当は認め合っているんだよな。お前らは。)
仙道は、密かに思うのであった。
山王 69
湘北 67
「今度はインサイドだーー!!」
加藤から直接河田に供給した。
『ドン!』
パワードリブル。
「ぐっ。丸男め。」
桜木を押し込む。
「ぐぐぐっ。」
耐える桜木。
『クルッ。』
河田は回転、ゴールを向いた。
その瞬間、桜木の体勢が崩れた。
「巧い!!!」
「打てー!美紀男!!」
『バス!』
河田のゴール下が決まる。
「また4点差!!」
「なんだ、このラン&ガンの展開は!!!」
山王 71
湘北 67
息もつけぬ乱打戦。
観客は、ヒートアップ。
冬だというのに、体育館は、燃えるような暑さになっていた。
『キュッキュ!』
流川への沢北の容赦ないディフェンス。
マークは外れない。
(流川へのマークが厳しい。いや、流川の運動量が落ちたか・・・。
となればここは・・・。負けっぱなしというわけにはいかねぇよな!花道!!)
山王同様に、宮城から1本のパスで桜木へと渡った。
「花道!仕返しだ!」
「おうよ!!」
「来い!桜木さん!!」
「良い度胸だ!丸男!!」
『キュ!』
「合宿シュート!!」
「!!」
「と見せかけて、庶民シュート!」
「!!」
「と見せかけて、クラッチシュート!!」
河田の腕を交わす、桜木のダブルクラッチが炸裂。
『スポ。』
「ハッハッハ!丸男ごときにこの天才は止められんぞ!!」
「まぐれ。」
「うるせー!」
「桜木のダブルクラッチ!」
「明らかに巧くなっている!!」
「うぉーー!!桜木さん、ダブルクラッチを完成させておる!」
「やるな。」にこ。
笑う仙道。
山王 71
湘北 69
残り3分30秒で2点差。
漂う緊張感は、観客にも伝わっている。
『ゴク。』
唾を飲むもの。
言葉が出ないもの。
食い入るように見つめているもの。
様々であったが、全ての人の視線が、コートに注がれていた。
山王のオフェンス。
「・・・。流川は、まもなく限界を迎える。」
堂本がいった。
同じく。
「ここまで、よく沢北と渡り合ってきたが、もう限界だ。」
田岡がいった。
『グッ。』
安西が拳を握る。
(流川君、あと少しです。踏ん張りなさい。)
容赦ない沢北のオフェンスが流川を襲う。
『ズバッ!!』
流川は思うように動かない足を懸命に前に出し、沢北に追走する。
だが、沢北は、カバーに来る白田とともに、あざ笑うかのようなスクープシュートを放った。
「決まった!」にや。
「!!」
「!!」
『ガン!!』
外れた。
「あちゃ!!」
『トン。』
こぼれたボールにしなやかな手が触れた。
「!!」
『ストッ。』
リバウンドをティップで追い込んだのは、跳び込んできた福原であった。
「しまったぁーー!!!オフェンスリバウンドを許してしまったーー!!」
憤慨する桜木。
「さっきのミスは、これで帳消しですね。」
「ふっ、生意気な。」
微笑む沢北。
山王 73
湘北 69
笑顔がこぼれる沢北。
疲労の表情を隠せない流川。
2人を見つめている桜木。
『スタスタ・・・。』
流川に詰め寄る桜木。
『ドガッ!』
流川を蹴り跳ばす桜木。
「さっ桜木君!!」
『バコッ!』
仕返す流川。
「流川君!!」
(また始まった。)
呆れ顔の宮城。
「元気あるじゃねぇかよ。」
「ったりめーだ。てめーこそ、リバウンド取られてるじゃねぇか。」
「なぬ!元はといえば、てめーが小坊主にシュートを打たれるからだろ!!」
いつもと変わらぬいい争い。
だが、桜木の不器用な激励が、再び流川に力を与える。
そして、桜木はある選択をする。
変わらない4点差。
山王 73
湘北 69
続く。