うまがスラムダンクの続き

うまがスラムダンクを勝手にアレンジ。
スラムダンクの続きを書かせていただいています。

#338 【変わらない4点差】

2010-07-26 | #11 湘北 選抜編
山王 67
湘北 65



タイムアウトがあけた。

泣いても笑っても残り時間は5分とない。


山王のオフェンス。




「このタイムアウト後の1本は重要よ。両チームにとってね!」

「はっはい!!」




流川は、沢北への執拗なマーク。

だが、呼吸は乱れ、動きは機敏さを失われつつあった。


「はぁはぁ。」


(タイムアウト後だというのに、この呼吸。だいぶ、疲れているようだな。)

ここだと判断した沢北。


サイドからサイドへ。


コートを走った。


流川の追走が遅れた瞬間。


『パシ!』


矢のような加藤からのパスが渡った。



「4点差!」


沢北は叫びながら、ジャンプシュートを放つ。



『スパッ!』


「!!」




「やっぱり、沢北だーー!!!」

「やつを止めることはできないのかーー!!」



山王 69
湘北 65




「おい、相当疲れてんじゃねぇか!」

「・・・。」

「だが、手加減はしねぇぞ。」

「・・・。」



『キュ!!』


「!!!」


鋭いVカット。

流川は力を振り絞る。

一瞬にして、沢北のマークを外す。


『パシ!!』




「今度は流川君!!」

「そうこなくっちゃな。」

と仙道。




「打ちやがれ!流川!リバウンドは全て獲ってやる!!」


(外すか!)


『クイ!』


流川の強引なスナップシュート。


『ザッシュ!』


ボードにバンクし、ネットを揺らす。




「流川も負けてねぇーー!!」

「なんていう戦いだーー!!」

「凄すぎる!!」




「沢北さんに比べ、流川さんは少し強引ですね。」

と上杉。

「桜木の存在。」

と福田。

「桜木のリバウンドに信頼を寄せているんだろう。」

と田岡。

「あの2人が信頼ですか・・・。ないような・・・。」

と黒川。

(本当は認め合っているんだよな。お前らは。)

仙道は、密かに思うのであった。



山王 69
湘北 67




「今度はインサイドだーー!!」




加藤から直接河田に供給した。



『ドン!』


パワードリブル。


「ぐっ。丸男め。」

桜木を押し込む。


「ぐぐぐっ。」 

耐える桜木。



『クルッ。』


河田は回転、ゴールを向いた。

その瞬間、桜木の体勢が崩れた。




「巧い!!!」

「打てー!美紀男!!」




『バス!』


河田のゴール下が決まる。 




「また4点差!!」

「なんだ、このラン&ガンの展開は!!!」



山王 71
湘北 67




息もつけぬ乱打戦。

観客は、ヒートアップ。

冬だというのに、体育館は、燃えるような暑さになっていた。



『キュッキュ!』


流川への沢北の容赦ないディフェンス。

マークは外れない。



(流川へのマークが厳しい。いや、流川の運動量が落ちたか・・・。
となればここは・・・。負けっぱなしというわけにはいかねぇよな!花道!!)


山王同様に、宮城から1本のパスで桜木へと渡った。


「花道!仕返しだ!」

「おうよ!!」


「来い!桜木さん!!」

「良い度胸だ!丸男!!」



『キュ!』



「合宿シュート!!」



「!!」



「と見せかけて、庶民シュート!」



「!!」



「と見せかけて、クラッチシュート!!」



河田の腕を交わす、桜木のダブルクラッチが炸裂。



『スポ。』 



「ハッハッハ!丸男ごときにこの天才は止められんぞ!!」

「まぐれ。」

「うるせー!」




「桜木のダブルクラッチ!」

「明らかに巧くなっている!!」




「うぉーー!!桜木さん、ダブルクラッチを完成させておる!」

「やるな。」にこ。

笑う仙道。




山王 71
湘北 69




残り3分30秒で2点差。

漂う緊張感は、観客にも伝わっている。


『ゴク。』

唾を飲むもの。

言葉が出ないもの。

食い入るように見つめているもの。

様々であったが、全ての人の視線が、コートに注がれていた。



山王のオフェンス。




「・・・。流川は、まもなく限界を迎える。」

堂本がいった。




同じく。


「ここまで、よく沢北と渡り合ってきたが、もう限界だ。」

田岡がいった。




『グッ。』

安西が拳を握る。

(流川君、あと少しです。踏ん張りなさい。)




容赦ない沢北のオフェンスが流川を襲う。



『ズバッ!!』


流川は思うように動かない足を懸命に前に出し、沢北に追走する。

だが、沢北は、カバーに来る白田とともに、あざ笑うかのようなスクープシュートを放った。



「決まった!」にや。


「!!」


「!!」



『ガン!!』



外れた。



「あちゃ!!」



『トン。』



こぼれたボールにしなやかな手が触れた。



「!!」



『ストッ。』



リバウンドをティップで追い込んだのは、跳び込んできた福原であった。



「しまったぁーー!!!オフェンスリバウンドを許してしまったーー!!」

憤慨する桜木。



「さっきのミスは、これで帳消しですね。」
 
「ふっ、生意気な。」

微笑む沢北。



山王 73
湘北 69




笑顔がこぼれる沢北。

疲労の表情を隠せない流川。

2人を見つめている桜木。



『スタスタ・・・。』


流川に詰め寄る桜木。


『ドガッ!』


流川を蹴り跳ばす桜木。




「さっ桜木君!!」




『バコッ!』


仕返す流川。




「流川君!!」




(また始まった。)

呆れ顔の宮城。



「元気あるじゃねぇかよ。」

「ったりめーだ。てめーこそ、リバウンド取られてるじゃねぇか。」

「なぬ!元はといえば、てめーが小坊主にシュートを打たれるからだろ!!」

いつもと変わらぬいい争い。

だが、桜木の不器用な激励が、再び流川に力を与える。

そして、桜木はある選択をする。




変わらない4点差。


山王 73
湘北 69







続く。