流川 9
仙道 9
100を越える瞳が、煌びやかに光る体を映す。
体育館の窓から、差し込む陽の光が、汗を眩く光らせている。
右手のスナップとともに、跳び散る汗も、また輝いていた。
放物線を描くボールは、綺麗な回転を見せながら、リングへ向かう。
静寂の一時に聞こえる一瞬の音。
『パサ!』
ボールは、リングを通過し、ネットに優しく、包まれた。
誰より、高く。
誰より、速く。
誰より、美しく。
そのシュートは、体育館にいた全ての人を魅了した。
対戦した男でさえ、それは同じだった。
決着。
「はっ晴子ちゃん。」
彩子は、肘で晴子を促す。
「えっ。あっ、はい。」
その光景を呆然として見つめていた晴子が、苦渋の表情を浮かべながら、声を発する。
「勝者。仙道さん。」
「流川君に勝った!!さすが、仙道さんやー!!アンビリーバブル!バブル!!」
「あのジャンパーを決められるのは、仙道しかおらん!!よくやったぞ!!仙道!!!」
彦一と田岡のテンションは、MAXを迎えていた。
「悔しいだろうな。流川さん・・・。」
柳の声は、若干トーンダウンしている。
「純粋な1on1には、相当の自信を持っていたからな。」
と宮城。
「リョーちん。サル風。まだまだあめー。キツネの性格をわかっちゃいない。
あいつの性悪根性を・・・。」
「ん!?」
「花道?」
「お疲れ。」
仙道が流川に声をかける。
「・・・。」
無反応の流川。
「・・・。」
覗き込む仙道。
「ふっ。合同練習は、まだ始まったばかり。また勝負してやるよ。」
そういうと、仙道は流川に背を向け、コート外へ歩き出した。
流川は笑っていた。
(ふっ。上等だ!)
去り行く仙道の背中に向かって、流川は拳を突きつけた。
(流川は、明確な目標を打ち出すことができた。仙道を越えるというな・・・。そして、仙道も・・・。)
と田岡。
仙道もまた、自身に課題を打ち出す。
(負けるわけにはいかない。)
その光景を見ていた安西が、小声で一言。
「仙道君。ありがとう。」
流川 9
仙道 10
第1試合 ×流川 ○仙道
続く勝負は、黒川対宮城。
ともに、苦手とする相手であった。
パワーの黒川。
スピードの宮城。
宮城は、黒川の力と高さの前に、なす術なく、得点を奪われる。
黒川は、宮城のスピードとクイックネスに、得点を奪われる。
第1試合同様に、熱い攻防を見せていた。
だが、宮城の起死回生のドリブルスティールが炸裂する。
「ドリブルは得意じゃないようだな。奪ったぜ!!」
「・・・。」
その裏の宮城のオフェンス。
「!!!」
予選決勝、仙道をも抜き去った、宮城のカットインが試合を決めた。
「黒川。うちには、お前よりももっと力強く、ゴリラのような先輩がいたんだ。
その人に比べりゃ、まだまだだ。」
「1年で、その人を超えてみますよ!!」
「へっ。俺を認めさせたければ、死ぬほど練習して来いよ!!」
「おっ!?」
(俺の言葉。)
と仙道が少し苦笑い。
「仙道さんと宮城さんの準決勝か。チェックせなあかんな!!」
黒川 1
宮城 2
第1試合 ×流川 ○仙道
第2試合 ×黒川 ○宮城
続いて、緑川と山岡がコールされた。
「シュータータイプの1on1か。」
「うーん。どう考えても、山岡さんだな。」
上杉と柳の会話。
そして、予想通りの決着となった。
「えーと、緑川ちゃん?」
「あっはい。」
「いいもん持ってるんだから、自信をもたなきゃ。そして、自分を信じようよ。」
「はっはい。」
「シュートは、自信が必要さ。なんちゃって。」
(自信か・・・。)
安西が柳に下した緑川への自信の植え付け。
悩む柳の一方で、それは、ひょんなところから、急展開をみせた。
(自信って、どうすれば・・・。桜木先輩を見習えばいいのかな・・・。)
だが、あらぬ方向に加速する。
そして、2回戦最後の試合。
桜木対潮崎
桜木が全力のダンクを決める。
潮崎の不意打ちの3Pも、桜木には通用せず、叩き落した。
「シオ、わりーな。天才は、負けるわけにはいかんのだ!ハッハッハ!」
桜木圧勝。
4強が出揃った。
第1試合 ×流川 ○仙道
第2試合 ×黒川 ○宮城
第3試合 ×緑川 ○山岡
第4試合 ○桜木 ×潮崎
続く。
仙道 9
100を越える瞳が、煌びやかに光る体を映す。
体育館の窓から、差し込む陽の光が、汗を眩く光らせている。
右手のスナップとともに、跳び散る汗も、また輝いていた。
放物線を描くボールは、綺麗な回転を見せながら、リングへ向かう。
静寂の一時に聞こえる一瞬の音。
『パサ!』
ボールは、リングを通過し、ネットに優しく、包まれた。
誰より、高く。
誰より、速く。
誰より、美しく。
そのシュートは、体育館にいた全ての人を魅了した。
対戦した男でさえ、それは同じだった。
決着。
「はっ晴子ちゃん。」
彩子は、肘で晴子を促す。
「えっ。あっ、はい。」
その光景を呆然として見つめていた晴子が、苦渋の表情を浮かべながら、声を発する。
「勝者。仙道さん。」
「流川君に勝った!!さすが、仙道さんやー!!アンビリーバブル!バブル!!」
「あのジャンパーを決められるのは、仙道しかおらん!!よくやったぞ!!仙道!!!」
彦一と田岡のテンションは、MAXを迎えていた。
「悔しいだろうな。流川さん・・・。」
柳の声は、若干トーンダウンしている。
「純粋な1on1には、相当の自信を持っていたからな。」
と宮城。
「リョーちん。サル風。まだまだあめー。キツネの性格をわかっちゃいない。
あいつの性悪根性を・・・。」
「ん!?」
「花道?」
「お疲れ。」
仙道が流川に声をかける。
「・・・。」
無反応の流川。
「・・・。」
覗き込む仙道。
「ふっ。合同練習は、まだ始まったばかり。また勝負してやるよ。」
そういうと、仙道は流川に背を向け、コート外へ歩き出した。
流川は笑っていた。
(ふっ。上等だ!)
去り行く仙道の背中に向かって、流川は拳を突きつけた。
(流川は、明確な目標を打ち出すことができた。仙道を越えるというな・・・。そして、仙道も・・・。)
と田岡。
仙道もまた、自身に課題を打ち出す。
(負けるわけにはいかない。)
その光景を見ていた安西が、小声で一言。
「仙道君。ありがとう。」
流川 9
仙道 10
第1試合 ×流川 ○仙道
続く勝負は、黒川対宮城。
ともに、苦手とする相手であった。
パワーの黒川。
スピードの宮城。
宮城は、黒川の力と高さの前に、なす術なく、得点を奪われる。
黒川は、宮城のスピードとクイックネスに、得点を奪われる。
第1試合同様に、熱い攻防を見せていた。
だが、宮城の起死回生のドリブルスティールが炸裂する。
「ドリブルは得意じゃないようだな。奪ったぜ!!」
「・・・。」
その裏の宮城のオフェンス。
「!!!」
予選決勝、仙道をも抜き去った、宮城のカットインが試合を決めた。
「黒川。うちには、お前よりももっと力強く、ゴリラのような先輩がいたんだ。
その人に比べりゃ、まだまだだ。」
「1年で、その人を超えてみますよ!!」
「へっ。俺を認めさせたければ、死ぬほど練習して来いよ!!」
「おっ!?」
(俺の言葉。)
と仙道が少し苦笑い。
「仙道さんと宮城さんの準決勝か。チェックせなあかんな!!」
黒川 1
宮城 2
第1試合 ×流川 ○仙道
第2試合 ×黒川 ○宮城
続いて、緑川と山岡がコールされた。
「シュータータイプの1on1か。」
「うーん。どう考えても、山岡さんだな。」
上杉と柳の会話。
そして、予想通りの決着となった。
「えーと、緑川ちゃん?」
「あっはい。」
「いいもん持ってるんだから、自信をもたなきゃ。そして、自分を信じようよ。」
「はっはい。」
「シュートは、自信が必要さ。なんちゃって。」
(自信か・・・。)
安西が柳に下した緑川への自信の植え付け。
悩む柳の一方で、それは、ひょんなところから、急展開をみせた。
(自信って、どうすれば・・・。桜木先輩を見習えばいいのかな・・・。)
だが、あらぬ方向に加速する。
そして、2回戦最後の試合。
桜木対潮崎
桜木が全力のダンクを決める。
潮崎の不意打ちの3Pも、桜木には通用せず、叩き落した。
「シオ、わりーな。天才は、負けるわけにはいかんのだ!ハッハッハ!」
桜木圧勝。
4強が出揃った。
第1試合 ×流川 ○仙道
第2試合 ×黒川 ○宮城
第3試合 ×緑川 ○山岡
第4試合 ○桜木 ×潮崎
続く。
仙道さんは柔らかな強さのイメージがありますよね。ゴリ押しのメンツが多い中で、ひときわ魅力を感じます。
今回のお話、前半部分は少女漫画的キラキラ度
お久しぶりです。
そうですね、柔らかい強さ、仙道さんにピッタリの言葉ですね。
最初の部分は、少し抽象的な雰囲気を出してみました。いい言葉が浮かんだら、またやってみます!