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うまがスラムダンクの続き

うまがスラムダンクを勝手にアレンジ。
スラムダンクの続きを書かせていただいています。

#272 【いざ全国へ】

2010-02-17 | #10 湘北 番外編
「みなさん、お疲れ様でした。この合同練習は、私たちの想像をはるかに超えるものとなりました。
一人ひとりの成長が、チーム力を底上げし、より強いチームへと変えていきます。
この合同練習は、本日を持って、終了となりますが、これが最後ではありません。
全国大会や天皇杯が終了してもです。
みなさんは、まだまだ発展途上、今後も努力を惜しまず、個を磨き、チームを磨いてください。
みなさんの更なる成長を期待しています。」


安西と田岡を取り囲むように、両チームの選手が立っている。


「よくぞ、厳しい練習に耐えてきた。
全くの別チームが一つのコートで、ともに汗を流し、刺激し合い、成長し合った結果、
お互いが今までにない跳躍を遂げたと私は思っている。
今日を最後に、両校は、別の目標を成し遂げるため、別々の道に進むのだが、
私はまた、君たちとこうして、この体育館で会いたいと思う。
湘北が、そしてわれわれ陵南が、目標を達成できたその日、また一緒にやろう。
健闘を祈る。」




6週に渡り、行われた湘北・陵南の合同練習は、本日を持って、終了となる。


来週から、湘北は福岡に乗り込み、全国制覇に向けて、発進する。


陵南は、年始の天皇杯に備え、再び、血の滲むような努力を続けるのであった。



「越野君、一言どうぞ。」

安西が、陵南キャプテン越野に一言を促す。


「あっはい。正直、湘北は嫌いだ。態度も悪い、頭も悪い、無愛想。」


「なぬ!」

宮城らの眼が鋭くなる。


「だが、練習相手としては最高の相手だった。俺たちも必ず目標を達成する。
お前らもぜってー優勝しろよ!」


「ふん、小僧にいわれなくても!」


「ったりめーだ!湘北が優勝して、俺がNo.1キャプテンだ!」


「全員ぶっ倒して、俺が日本一になる!!」


(てめーじゃ無理だ。)


「その言葉、忘れるな!!」


越野と湘北の掛け合いは、両校のモチベーションをあげる最高のものであった。


そして。



「宮城もどうだ。」

今度は、田岡が宮城に促した。


「あぁ。俺は、正直、陵南がきれーだ!
うるせーし、軽いし、澄ましていやがるし、監督うぜーし。」


「なぬ!」


「だがよ、今は少しだけ感謝してるぜ!最後の大会に、最高の気持ちで挑めるのは、陵南と湘北のみんなのおかげだ!」


「リョーちん、がらにもねぇな!」

「宮城さんらしくないね。」

桜木と柳が微笑む。


「宮城さんたら。」

「リョータもだいぶ成長したわね。」

晴子と彩子も笑った。


「ありがとな。仙道。」

「こちらこそ。」

宮城と仙道が握手を交わす。


「なぜ、仙道だ、普通俺だろ!」

と越野。

「いや、仙道がキャプテンぽいだろ!」

「それをいうな!」


「わははは!」

「あはははは!」

宮城、仙道、越野のやり取りに、そこにいたみんなが笑った。


「流川、沢北を倒して来いよ!」


『バシ!』


「っつう。」


仙道は、流川に声をかけ、握手を求めると、流川はその手を叩いた。


「そしたら、またてめーと勝負だ。」

「あぁ、待ってるぜ。」にこり。


そして、桜木にも声をかけた。


「桜木、天才Cを証明して来いよ!」


『バチン!』


「っつう!」


桜木もまた流川同様に手を叩く。


「そしたら、てめーを倒しにくるぜ!」

「あぁ、楽しみにしているよ。」にこり。

「おうよ!」




こうして、6週間に及ぶ、計12回の合同練習は終了した。


安西は、個のスキルアップや、2on2、3on3を中心とした指導を行い、
田岡は、5on5を中心に、組織力のアップを図る練習を行っていた。


両校ともに、個人スキル、速攻やスクリーンプレーの向上はもちろん、
ゾーンディフェンスやセットオフェンスなど、試合における動きも県予選時よりも
完成度は確実に上がっていたが、
お互いが同じように、スキルアップしていったため、彼らには、その実感や手応えを感じることはなかった。


ゆえに、彼らがその実感を味わうのは、もう少し先となる。

また、期間中、両校では、多くの練習試合が行われた。


1ヶ月間、白田不在の湘北は、インサイドで陵南に圧倒され、湘北4勝、陵南10勝と大きく負け越していたが、
白田復帰後は、少しだけ盛り返し、最終的には湘北9勝、陵南13勝という結果に終わった。



陵南高校からの帰り道。

宮城と彩子の2人が先頭を歩き、その後ろを桜木らが歩いていた。


「おい!ヤス!なんか、あの2人、いい雰囲気だな。少し、邪魔し・・・。」

「ダメだよ、桜木!せっかくなんだから、もう少しあのままにさせてあげなよ!
桜木だって、晴子ちゃんとのを邪魔されたら、いやだろ?」

「うむ。確かに・・・。しょうがねぇな。」




宮城と彩子の会話。

「アヤちゃん、さっきはあんなこといったけど、本当は俺、自信がな・・・。」

「リョータ!また、そんなこと言って!!それじゃ、IHのときと同じじゃない!
キャプテンのあんたがそんなんでどうするの!!」

「アヤちゃん・・・。」




「なんかリョーちん、怒られているみたいだな。」

「いいの!ほっといてあげろって。」

桜木が楽しそうに、宮城らの様子を伺っている。




「あんたは、相手をバカにしているくらいが丁度いいの!わかった!!
また、弱気なこといったら、怒るわよ!!」

宮城はIHを思い出す。

「・・・。そうだな。もうIHのときのようなことは、まっぴらだ!ありがとう、アヤちゃん!」

「そうよ、あんたはキャプテンなんだから、自分だけじゃなく、みんなも盛り上げるのよ!いいわね!」

「あぁ!それに、アヤちゃんと挑む最後の大会だ。全国制覇して、最高のプレゼントをアヤちゃんにあげるぜ!」

「ふっ、その意気よ。ただ。」

「ただ??」

「これは最後の大会じゃない・・・。」

「なんだよ、それ?」




「また、リョーちんが落ちた!」

「桜木君!」

「ハルコさん!」

「邪魔しちゃダメよ!」

「はい!!」




「リョータにはまだいっていなかったけど、あたしは、将来スポーツジャーナリストになるのが夢なのよ。」

「はっ初耳・・・だ。」

「だから、学生のうちに、もっとスポーツのことや、体のことを勉強しようと思っているの。」

「うん。わかった。でも、それと大会、なんの関係があるの?」


「あたし、神奈川体育大学が第一志望なのよ。」


「神奈川体育大学!!!アヤちゃん、それって!」


「そう、リョータと同じ大学よ。」

「マジかよ!!アヤちゃんと同じ大学かよ!!」




「おっ!リョーちんが一気にハイテンションになった!告白が成功したか!」

「ホント?ホントだったら、嬉しいな!!」

「晴子ちゃんまで、のらないの。」

叱る安田。




「あたしは、一般だから、まだ決まったわけじゃないけど、そうなってほしいわ。
そうしたら、マネージャーは出来ないけど、試合の応援にはいくから。」

「うぉーーー!!アヤちゃん、俄然やる気が出てきたぜ!!
ぜってー、選抜で優勝して、大学でも優勝してやる!!」




『ガシ!』


「リョーちん、やけに楽しそうだな!」

溜まらず、宮城の肩を抱く桜木。


「花道!!ぜってー優勝するぜ!!俺はアヤちゃんに、花道は晴子ちゃんに最高のプレゼントをするんだ!!」


「トーゼン!!!」


「走るぜ!花道!!」

「おうよ!!」


(リョータ、頑張ってね。)

その2人の姿を、彩子は嬉しそうに見つめるのであった。


「彩子さん、OKしたんですか?」

「ちっ違うわよ。そんな話じゃないわよ。」


翌週、湘北高校バスケットボール部は、福岡に乗り込んだ。







#10 湘北 番外編 終了
#11 湘北 選抜編 に続く。

#271 【代表2】

2010-02-16 | #10 湘北 番外編
彦一による全国強豪校のレクチャーが続いている。

練習開始まで、残り30分。



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■愛知県代表 【名朋工業】


決勝戦で、全国の常連校愛和学院を粉砕した名朋工業が、2度目の全国制覇に名乗りをあげる。

愛和学院の織田さん、今村さんとともに、国体優勝を果たした森重君は、いまや最強Cの呼び声が高い。

昨年IHを制覇したPG中島さん、SF大石さんも最後の大会とこの大会にかける情熱はひとしおや。

準決勝で、山王とあいまみえることとなったが、正直どっちが勝つかわからへん。

再び、全国を制覇してもおかしくない最要注意校や。


★★★★★★★★★☆


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『ビシ!』


「ぬわ!なにすんですか?桜木さん!!」


「デカ坊主が最強Cだと!!」

「では、俺はなんだ!!」


「!!」


(森重君を最強と謳ったもんやから、怒ってはるんやな。)


「さっ桜木さんは、天才Cや!」


「天才C・・・。ふむ、その通りだな。ちゃんとわかっておるではないか!ハッハッハ!!」


(ふー、うまく逃げれたで。)


(単純・・・。)

体育館にいる全ての人間が思った。



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■大阪府代表 【大栄学園】


昨年ベスト8、IHベスト8の強豪校。

昨年のスタメンに名を連ねたPGの桜井さん、PF青島さんを中心にまとまったチーム。

大栄学園伝統のバランスオフェンスも健在や。

爆発力はあらへんが、底力は最上位クラス。非常にやっかいな存在。


★★★★★★★☆☆☆


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「大栄はまた名朋のブロックっすね。」

「リベンジといけますやろか?」

「森重をどこまで抑えられるか、勝負の行方を左右するのは、この1点だな。」

「ダイエーにはデカ坊主は抑えられん。あいつを抑えらるのは、俺くらいだ!!」

「でも、国体のとき、桜木はこの大栄陣に巧く抑えられていたよな?」


「ぬっ。」


「そうや。大栄の鉄壁な2-3を用いた大阪代表に、桜木さん手も足も出てへんかった!
もし、あのディフェンスが更にようなっとってたら、もしかするで。」


「おのれ、彦一!余計なことをいいおって!!天才の裁き!!」


『ビシ!』


「いったーー!!」

桜木の理不尽なチョップが彦一の頭に炸裂した。


「ほんまのことゆうただけやのに・・・。しかも、2連続やで・・・。ぐすん。」



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■沖縄県代表 【神海】


フリースタイルのバスケットボールを展開する新しい形のチームや。

アメリカ人との混血選手が3名、スタメンに名を連ね、平均身長190cmと今大会最も高いスタメンとなった。

デビット・平良、ケビン・比嘉、知念裕樹ジュニアの3人が、インサイドを支配し、
得点、リバウンドを量産する。

個人技、オフェンス主体のチームのため、ディフェンスに問題ありや。


★★★★★★★☆☆☆


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「個人技主体のチームか、この桜木を中心にまとまった湘北の敵ではないな!」


「いや、花道中心じゃねーし。」

「むしろまとまってねーし。」

「バラバラ・・・。」

桜木に、宮城、柳、流川の順で突っ込む。


『ピクピク!』


「ぬっ!沖縄3兄弟はこの桜木が叩き潰してやるぜ!」


「いや、花道一人じゃ無理だし。」

「むしろ叩き潰されそうだし。」

「どあほう・・・。」

再び、桜木に宮城、柳、流川の順で突っ込んだ。


(山王ブロックだし、たぶん当たらないから・・・。)

冷静な白田。


対する桜木。


『ピクピク!』


『プチッ。』


「こらぁーー!!流川!!表でろーー!!!」

怪獣のように暴れる桜木を安田らが必死に止めている。


「ガルルルルルル!」


(なぜに流川さんだけにキレる??)

不思議がる白田。


(どあほう。)

「ふぅーー。」

一呼吸置いて、流川はシュート練習に入った。


『スタスタスタ・・・。』


「おのれーー!!!流川!!!!」

それから、5分間桜木の興奮は収まることはなかった。



「以上が、注意すべき全国の出場校となっております。
そして、これが姉ちゃんの週刊バスケットボールの寸評と注目選手です。」

そういうと、彦一が再び、A4用紙を配った。



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AA 【山王工業】 沢北出場で優勝候補筆頭。4連覇に視界良好。◎沢北栄治


AA 【名朋工業】 最強C森重の調子次第で、逆転優勝も可能。◎森重寛 


A 【青森酒田】 パウエル加入により、一気に全国強豪クラスに。◎B・パウエル


A 【博多商大附属】 ホームの利を生かし、全国制覇にあと一歩。◎井上幸水


A 【湘北】 IH覇者の陵南を破った力は本物。再びキセキを起こせるか?◎流川楓


B 【喜多島】 抜群のスピードを誇る北陸の新勢力◎速水かける


B 【大栄学園】 ディフェンス能力は随一。得意のスローテンポに持ち込めば。◎桜井丈


B 【神海】 スタメン平均身長190cmは脅威。個人よりチームを優先したい。◎D・平良


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「なんだとーー!!天才バスケットマンことリバウンド王の桜木を差し置いて!!なぜ、流川だーー!!」

しばらく大人しくしていた桜木が再び吼える。


「なんだとーー!!No.1ガード、No.1キャプテンの俺を差し置いて!!なぜ、流川だーー!!」

宮城も桜木同様に吼える。


「なぜに、流川なんだ!流川ぁーー!!」

2人が同時に流川を呼びつける。


『クル。』 


シュート練習をしていた流川が振り向く。



「ふぅーーー。」

2人を見て、ため息をついて、再びシュート練習を再開した。


「ごらぁ!!無視すんな!!!」

息の合った宮城、桜木。


「あはっ。面白いな。湘北は。」

笑う仙道。


「なんでこんなめちゃくちゃのチームに負けたのか、納得できねぇ。」

と越野が呆れる。


(俺も名前が載りたい。)

福田が静かに思った。


(やれやれだぜ・・・。)

流川は澄ましてシュート練習を続けていた。


「まぁまぁ、宮城さんも桜木さんも、練習前やし、そんな怒らんといてください。」


「ぬっ!!」

「あっ!!」


『ギクッ!』


「もとはといえば、てめーの姉ちゃんが書いた記事じゃねぇかよ!!」

「そうだ!リョーちんのいうとおりだ!!悪いの彦一だ!!」


『ビシ!!』


『バシ!!』


「いったーーー!!」

再び、宮城と桜木から、理不尽な暴力を受ける彦一であった。


「ぐすん。わいが悪いんやないのに・・・。しかも、4回もはたきおったで・・・。ぐすん。」








続く。

#270 【代表】

2010-02-12 | #10 湘北 番外編
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■青森県代表 【青森酒田】


今年、全国初出場となる青森県代表青森酒田高校。

IH後に、セネガルより、身長202cmのCバリス・パウエルを留学生として迎え、
秋季に行われた東北大会にて、前代未聞の事件が起こった。

準決勝 秋田県代表山王工業を7点差で破る快挙を達成し、東北大会を初制覇。

パウエルは、山王柳葉君を抑え得点王、同じく山王河田美紀男君を抑えてリバウンド王、
そして、MVPの3つの称号を得た。

間違いなく、山王工業と肩を並べる強豪校として、脅威的な存在となった。


★★★★★★★★★☆


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「山王に勝ったチームがあったんや!!」

驚く彦一。

「いや、俺たちも去年勝ったぜ!」

と桜木。

「俺たちも優勝した。」

福田もいう。

「違いねぇ。」

宮城が締める。


「彦一、きた、いや沢北は、その東北大会に出場していたのか?」

「えーと、沢北さんはアメリカ留学中のため、出場していません。
今回の選抜県予選も出場していませんでした。」

彦一は、仙道の問いに答えた。


「うーん。そうか・・・。それじゃ、一概に山王より強いとは言えないな。」

「関係ねぇ。全員、ぶっ倒すまでだ!」



「彦一!それ、週バスで見たぜ!」


「俺も!」

「俺も!」


「なんやて!!」

「なぬ!」

結局、青森酒田の快進撃を知らなかったのは、宮城、桜木、仙道、福田、彦一の5名だけだった。


(しまった。小遣いなくて、週バス買えへんかったときか・・・。えらい恥かいてしまったで。)



「他の出場は、どんなふうになってんだ?」

宮城が聞いてみると、

「よくぞ聞いてくれました!!次のページを開いてみてください。」

彦一は、宮城らに資料の2ページをめくらせた。



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■秋田県代表 【山王工業】


2年エースSF柳葉敏、同じく2年生Cの河田美紀男を中心に、4連覇を狙う山王工業。

東北大会では、まさかの第3位という結果に終わったが、
秋田県予選では、全試合100点ゲームを展開し、王者の貫禄を見せた。

いまや伝説のSFと呼ばれている沢北栄治さんは、今回またしても予選には出場せず、
本大会からの出場と予想されている。

その沢北さん抜きで、IH準優勝ということを考えると、やはり今大会も優勝候補筆頭や。

沢北さん不在の山王をまとめ上げるのは、キャプテンのPG加藤さん。

深津イズムを継承した加藤さんは、若いチームの精神的な支柱になっている。

現時点で、PG、SF、Cで最高ランクの選手が揃っているとゆえる。


★★★★★★★★★☆


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「ヤマオーか。丸男とは、4回目の戦いだな。」

「兄雅史さんとは違い、1年時からCの動きのみを叩き込まれた美紀男君のポストプレーは、
誰も止めることができないといわれていまっせ。」

「ふん、この天才桜木がとめてやるぜ!」

「ですが、桜木さん。美紀男君は、今212cmに達したとか・・・。もう壁でっせ。」

「ぬっ!デカけりゃ、いいってもんじゃねぇぜ!!」


(沢北。)

と流川。


「今回でどっちがNo.1ガードか最後の決着をつけてやる!」


(どっちにしても、俺が。加藤を!)


(沢北を!)


(丸男を!)


(とめれば、勝てる!!)

宮城、流川、桜木が同じことを思っていた。



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■福井県代表 【喜多島】


IHベスト8に食い込んだ北陸の新勢力。

平均身長182cmと小柄なチームだが、そのチームスピードは、群を抜いている。

「足を使い勝つ」という典型的なチーム。

全ての選手が外角を得意としている厄介なチームともゆえる。

喜多島に勝つためには、走り負けへん体力が必要や。


★★★★★★★☆☆☆


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「IHで対戦したときは、もっと高かったような気がしたんだけど。」

と植草。

「それは、3年生です。今大会、3年生は全員引退し、2年生だけで県予選を勝ち抜き、全国出場を決めてきました。
若いチームですが、侮れまへんで。」


「スピードと体力勝負ね。是非、戦いたいな。」

と柳が少し微笑んだ。

「でも、相手が博多じゃ、勝ち上がるのは難しいだろうな。」

上杉が答えた。


その喜多島がベスト4をかけて戦うことになる博多商大附属。


「新庄のダンナが抜けても、レベルが落ちねぇとは、ホント層の厚さに驚かされるぜ。」

宮城は、新庄の在籍している神奈川体育大学に推薦が決まっている。

そのため、初対面した県予選準決勝から、敬意を込めて、新庄のダンナと呼んでいた。



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■福岡県代表 【博多商大附属】


九州で磐石なチーム力を誇る博多商大附属。

去年の徳永さん、牧瀬さん、新庄さんのようなビッグ3はおらんが、その分チームが組織だっており、
基本に忠実な、堅実なチームと変貌した。

IHは、新チームの完成度も低かったが、夏以降、着実に力をつけ、その勢いは、九州のみならず、本州も脅かす。

ホームというアドバンテージもあり、昨年2位のリベンジを果たしたい。


★★★★★★★★☆☆


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「ラーメンやろうたちだな。この桜木が、また食い倒してやろう。ハッハッハ!」

「ネーミングがださい。」

と福田。

「なぬ。フク助の分際で。」

「ぬっ。福田さんと呼べ。先輩だ。」

「ふん。」


「どあほうが2人。」

流川が小声でボソっといった。


「うるせー!負けキツネ!」

怒鳴る桜木。


「俺に勝ったからといって、いい気になるな。」

1on1の敗戦を未だに根に持つ福田であった。








続く。

#269 【対戦校】

2010-02-10 | #10 湘北 番外編
週末限定の湘北・陵南の合同練習が始まってから、1ヶ月が経過した。


湘北では、白田も復帰し、全員揃っての練習参加となっていた。


両校が、お互いを意識し、刺激し、「昨日よりも今日、今日よりも明日」というように、貪欲にバスケットに打ち込み、
両校の選手は、着実に成長をしていた。


安西の発案により、実現した合同練習は、狙い通り大成功といえた。

そして、田岡もまた納得のいくものであった。



湘北で行われた日曜日の練習後のミーティング。

「彩子君。あれを。」

「はい。晴子ちゃん、ちょっと手伝って。」


安西の指示に、彩子と晴子が、大きな模造紙を体育館の壁に貼り付けた。


「おおぉーー!!」

湘北、陵南選手、ともに声が上がる。


「見てのとおり、選抜のトーナメント表です。」


『カキカキカキ・・・。』

彦一が早速マル秘ノートに書き写す。

「ふむふむ。そうか、そうか。これは凄いで。要チェックせなあかん!」


「いい組み合わせだな。」

と越野。

「順調にいけば、決勝まではいけそうっすね。」

と山岡。


「山王と名朋は、反対のブロックか。」

と宮城。

「けっ、両方ともぶっ倒してやろうと思ったが、残念だぜ!なぁ、ハクタス。」

「そうですね。ダブルリベンジは、また次回。」

「とりあえず、決勝で勝ち上がってきたほうを倒しましょう。」

「おうよ!」

桜木が柳に答える。


「沢北は、決勝までおあずけだな。早くやりたかったろ?」

「順番は関係ねー。全員ぶっ倒すまでだ。」



「安西先生、今回は組み合わせに恵まれましたね。」

「知名度を優先するならば、そう考えられるかもしれません。
ただ、全国には埋もれた選手がたくさんいます。油断はできません。」

「そっそうですね。」

(しっしまった。指導者という立場であるのに、安西先生を前でなんたる失言を・・・。)


「湘北の諸君!組み合わせに恵まれたからといって、油断はしてはならんぞ!!」


「??」

「あっ!?」


「なにいってやがる。じじい!」

「油断なんかしてねぇよ!」

噛み付く桜木と宮城。


「どんな選手がいるかわかりませんからね。」

と柳。


「どあ・・・。」

流川はすんででとめた。


「なっ!!」

(再び、失言!!)

そっと、安西を見る田岡。


「ほっほっほ。」

にこやかに笑っている。

(私としたことが・・・、不覚。)




第39回全国高等学校バスケットボール選抜優勝大会


12月下旬の1週間ほどで行われる全国大会であり、高校バスケ3冠最後の大会である。

前回の東京大会は、山王工業が決勝で博多商大附属を撃破し、3連覇を果たした。

3位には、愛和学院、そして、4位には、神奈川県勢の海南大附属が名を連ねた。

今回は、九州に場を移す。

全国大会出場連続25年 九州の雄 博多商大附属のホーム福岡県で行われる。



注目の組み合わせ。



神奈川代表は、2回戦から姿を現すことになる。

下馬評どおりなら、3回戦で青森県代表 青森酒田高校と対戦することとなる。

その後、1つの試合を勝利すると、ベスト4となり、逆サイドから、博多商大附属が勝ち上がってくると考えられ、
反対ブロックでは、山王と名朋の勝者が、決勝に進出するとの大方の予想であった。




翌週。

陵南高校の体育館。


合同練習のため、湘北が陵南高校を訪れていた。

練習が始まる1時間前。

安西と田岡の姿はまだない。



「えらいこっちゃ!えらいこっちゃ!!」

彦一は、焦っていた。

「今日は、ちゃんと報告するで!!」


体育館に来るなり、彦一は大声でみんなを集める。

「宮城さん!宮城さん!聞いてもらってええですか?」

「なんだ?彦一!?そんなに大騒ぎしやがって!!」


「騒々しいぞ!」

越野が一喝する。


「調べさせてもらったんですわ!!
とりあえず、3回戦で対戦することになるであろう青森酒田をそうしたら、えらいことがわかったんや!!」

「早く言え!彦一!!」

と桜木。

「はい!!まずは、これを見てください!!」



湘北、陵南選手に配られるA4用紙。

そこには、こう書かれている。



【彦一 極秘資料 湘北勝利への道!! 全国大会編】 



これは、彦一が昨年海南のためにも作成した、選抜大会湘北用の対戦相手の資料であった。








続く。

#268 【優勝者決定】

2010-02-09 | #10 湘北 番外編
決勝戦

仙道×桜木




仙道の放ったフェイダウェイシュート。


ボールは、桜木の指を越えた。




「!!!」

「!!」

ボールの行方を見守る選手たちの多くは、決まったと思った。


ボールは、一直線にリングを目指し、落下を始める。



『ガッ!』



「!!」にっ。


「・・・。」


ボールは、リングの奥にぶつかり、小さく手前に弾きかえる。


「リバウンドは譲らねぇ!!」


『バチン!!』




「うわーー!!!」

「仙道さんが外した!!」

「しかも、リバウンドは桜木だーー!!」

「もしかしたら、もしかするで!!」


「まさか、仙道さんが外すとは・・・。」

「桜木さんのプレッシャーか・・・。」

上杉と黒川の話に、山岡が加わる。

「桜木の手が仙道さんの視界を遮ったんだよ。
フェイダウェイは、通常のジャンプシュートに比べ、距離感が極端に掴みにくい。
いくら仙道さんといえども、リングが見えない状態で、フェイダウェイを決めるのは、難しかったってことだよ。」

「そういうことですか・・・。」

「結果的には、桜木さんが仙道さんのシュートを防いだことに変わりはありませんね。」

「偶然かもしれないけどね。ははっ。」

(とはいえ、俺たちには、仙道さんの視界さえ遮ることは無理・・・。やるな桜木。)

と密かに桜木のファインプレーを称える山岡。




「どうだ!俺様の目隠しチェックは!!」

「たいしたもんだ。桜木のチェックも計算してシュートを打ったんだけど、少しだけ距離感が狂ったようだ。」

「ぬっ。負け惜しみをいいおって。キツネと変わらないな。
さぁ、次は俺の番だ!!これで、終わらせてやるぜ!!」

「そう簡単にいくかよ。」



攻守が変わり、桜木のオフェンス。


『バシ!』



「のわーーーー!しまったーー!!」

「いただき。」にこり。




「あぁーーぁ。」

「せっかくのチャンスをあっさり奪われるとは・・・。」

「やっぱり、仙道さんだ。」

「一瞬でも桜木に期待した俺がバカだった・・・。」




仙道は、桜木のドリブルをあっさりスティールした。

桜木のドリブルが仙道に通用するはずはなかった。


「さぁ、俺の番だ。」

「ふん。また止めてやるぜ!!」



再び、仙道のオフェンス。


「桜木。これは、とめられるわけにはいかない。」


仙道は、今までのにこやかな表情から一変し、険しい表情を見せた。


桜木は、仙道の体からオーラのようなものが発せられたように感じた。


(来る!!)


そう思ったときには、仙道の体は、桜木の体に並びかけていた。



「!!!」



振り向くと、仙道はすでにボールを掴み、一歩目のステップを踏み込んでいた。


そして、放つ仙道のレイアップシュート。


それは、リングに手が届くほど、高く綺麗なレイアップシュートであった。



『スト。』



ボールは、リングに触れることなく、ネットを通過した。



「さぁ、桜木の番だ。」




「なっなにが起こったんだ・・・。」

「一瞬やった、一瞬で桜木さんを抜きよったで・・・。さすが、仙道さん・・・。」


「なんだ、あの鋭いドライブは・・・。」

宮城のその言葉に反応する流川。


(やろー。まだ、あんなのを・・・。)

流川戦では見せず、桜木戦で見せた仙道の音速ドライブ。


(あいつのほうが、上だっていいてぇのか。)

納得のいかない表情で、流川は仙道を睨んだ。


それに気付く仙道。

(プライドを傷つけたかな。だが、それでいい。)にこり。


(今のは、見えた。見えたけど、動けなかった。
つまり、眼で見てから動いてはダメだということだ。感覚で動かねぇとダメなんだ。感覚で・・・。)

桜木に動揺はなかった。


むしろ、すぐに対応、対策案を考えていた。


今まで、急成長を成し遂げていたのは、桜木のそのアグレッシブさにあった。


「センドー。今のは、たいしたことなかったぜ。俺がもっと凄いの見せてやるよ。」

「そうか、そりゃ期待してるよ。」にこり。



仙道 1
桜木 0




対峙する桜木と仙道。


静まり返った体育館。


時が止まったように思えた。


聞こえる2人の息遣い。


桜木の眼は鋭い。


仙道も負けずと眼光を放つ。



『タン。』


「!!!」


気付くと桜木の姿は、仙道の前から消えていた。


平常心の中から、繰り出した桜木のドライブ。




「わぁーーー!!」

「はえーーー!!!」

「はっ速すぎる・・・。」

「あの仙道が動けなかった・・・。」

「すげーーー。」




(今のは・・・。)


仙道は、桜木がネットを揺らしているものと確信して、振り向く。


だが、ボールは見当たらない。


「えっ。」



「ミッミスった・・・。」


仙道の眼に頭をかく桜木だけが映った。




「えっ!?」

「のわーーー!!」

「またやったーー!!!」

「やっぱり!!!」

「どあほう。」

騒ぐ湘北選手たち。


それは、湘北の春の紅白戦で、流川との1on1時に見せたドライブと同様であった。

桜木は、ドリブルで抜いたのではなく、仙道を体だけ抜き去ったのである。

自分の速さに、ドリブルがついていけず、ハンブルをした桜木。



ここで、晴子が声を出す。


「優勝は仙道さんです!!」

(おしかったね。桜木君。)



仙道への拍手、賞賛が送られた。

「どーも。」




「確かに速かったが、ドリブルがつけないようでは意味がない。だが・・・。」

(あの速さ、流川以上・・・。いかん、いかん、そんなことは断じてありえん!)

と田岡。



(まだまだ成長の余地、十分。選抜、期待してるぜ。)にやり。

笑う宮城。



仙道は思う。

(でも、成功していたら、全国でもトップ5、いや最高レベルのドライブだった・・・。
これからも楽しみなやつだよ。ホント。)にこり。




(やはり、仙道君が優勝しましたか。それだけで、このトーナメントを開催した価値は十分にありました。)

流川、桜木を見つめる安西。


流川と桜木は、ともに「打倒仙道!!」という明確な目標を打ち出すことで、
吸収心、向上心、競争心は、更なる高まりを見せた。



こうして、1on1トーナメントは下馬評どおり、仙道が優勝を飾った。

そして、合同練習1日目が終了した。








続く。

#267 【全日本…】

2010-02-08 | #10 湘北 番外編
第1試合 ×宮城 ○仙道

第2試合 ×山岡 ○桜木




決勝戦は、仙道対桜木となった。


「これは、いやな予感だ・・・。」

「危険なにおいがする・・・。」

と湘北選手らがざわついている。


「まぐれと運にもほどがあるぜ!」

「リョーちん、自分が負けたからと言って、負け惜しみを言いおって。当然の結果だ!ハッハッハ!」

「てめーじゃ無理だ。」

ボソっと流川がいった。

「負けキツネの頬骨だな!ハッハッハ!」

「桜木さん、それをいうなら、負け犬の遠吠えですよ。」

「ぬっ。」

白田の突っ込みに湘北選手らは大きく笑うのであった。




対する陵南。

「結果は見えてるな。」

「万に一つも桜木が勝てる要素はない。」

仙道楽勝ムードが漂っている。


「な?仙道もそう思うだろ?」

「さぁな。」

「お前の優勝は間違いねぇよ。」


(桜木のリバウンドは、正直脅威だ。身長差、跳躍力を考えれば、ワンショットで確実に決めることが絶対条件。)

気楽な陵南選手たちとは反対に、仙道は真剣な戦略を練った。




「安西先生、予想外の対戦となりましたね。まさか、桜木が決勝に上がってくるとは。」

「私は、そうは思っていませんでしたよ。あのトーナメント表なら、妥当な決勝戦だと思います。」

(ぬぬ。やはり、安西先生は、桜木に大きな期待をかけている。
だが、今現在、桜木が仙道に勝てる要素は、万に一つもない!この勝負は、絶対に仙道が勝つ!)




「では、決勝戦を始めます。仙道さんと桜木君、コートに入ってください。」



「おうよ。」


『ドガドガ!』

大きく腕を振るい、コートに足を運ぶ桜木。


「さて。」

腰をあげ、静かにコートに足を踏み入れる仙道。


対照的な2人。



「センドー!いよいよ、来たな!!」

「死ぬほど練習してきたか?」

「トーゼン!!!」

「なら、俺も全力でいく。」

「あぁ、その挑戦受けて立とう!!」




「バカ!なんで、花道が王者風を吹かせているんだ!どう考えても、お前が挑戦者だろ!!」




「ふん。センドーや流川たちとは器が違う!俺は、全日本の10番を受け継ぐ男だぜ!!」



「!!!」

「!?」

「全日本の10番・・・。」

陵南選手は、初めて聞くその言葉を真剣に捉えた。




「なっなんですか?全日本の10番って?」

「ほっほっほ。こちらの話ですよ。」




だが、この男は、対等に答える。

「んじゃ、俺は、全日本の7番をもらう。だから、負けるわけにはいかないな。」にこり。




「!!!!」

「!!!」

この仙道の発言に驚く湘北、陵南選手たち。



そして、この男も激しく反応する。

(全日本の7番だと・・・。)


現在、湘北の7番をつけている流川。

安西より、仙道を超え、神奈川の7番を自分のものにしろと言われていた。


(おもしれー。)


流川の終着駅は変わったが、根本的な部分は変わらない。

神奈川の7番から、全日本の7番へ。

そして、仙道超え。



(俺は・・・、4番がいい・・・。)

全日本の4番をつけ、観衆の声援を受けている自分を想像する福田。

「・・・。」ぷるぷるぷる・・・。

震えていた。




「ジョートーだ!」

「さぁ、やろうか。」



「では、仙道さんのオフェンスで始めます。」



仙道にボールが渡される。

体育館に緊張が走る。

仙道のそのプレーを眼に焼き付けようと、体育館の全視線が仙道の挙動を見守った。




(桜木が相手だろうと・・・。)

(ジャンパーで仕掛けるに違いない・・・。)

(あのシュートは、とめられない・・・。)




仙道は、フェイク、ピボットを踏むことなく、おもむろにドリブルを始めた。


桜木の腰が落ちる。


(さぁ、きやがれ!!)


『ダムダム!』


『ダムッダム!』


時折、リズムの変化をするドリブルが、緊張感を増幅させる。


『ダム!』


叩きつけるドリブル。


『キュッ!』


仙道の体が、左右に揺れる。


『キュッキュ!』


即座に反応する桜木。


『ダム!』


一旦静止をする仙道。




「やるな。桜木のやつ。」

「仙道さんの突破をとめたで!」




「へへっ、どうだ。」にや。

「まだまだ。」にこり。


『ガシ!』


「ぬっ!」


『ダムダム!』




「パワードリブル!!」

「ポストアップで勝負をする気か!」

「あえて、桜木の舞台で倒すか!」




コントロールドリブルで、台形内まで、押し込んだ仙道。


「ゴール下で、俺に勝てると思うなよ!!」

「・・・。」


『ダムダム。』


リングと桜木を背にして、仙道はドロップステップを踏む。

桜木も一歩引いて、対応した。


その瞬間、仙道は、半回転し、大きく後ろに跳んだ。


身長差、桜木の跳躍力を計算し、フェイダウェイを狙った仙道。



「打たせーーん!」


「!!!」


「!!」


腕を懸命に伸ばし、桜木はブロックに跳ぶ。


後方に跳びながら、腕を伸ばし、シュートを放つ仙道。



『シュ!』


打点の高いフェイダウェイ。


ボールは、仙道の計算どおり、わずかに桜木の指を越え、ゴールに向かった。








続く。

#266 【仙道イズム】

2010-02-05 | #10 湘北 番外編
第1試合 ×宮城 ○仙道




コートに立つ山岡と桜木。

「すぐに終わらせてやるぜ!」

「そうっすね。早く仙道さんとやりたいし。」

「そんなもんは明日やれ!」

「いや、ここでやる!!」



山岡のオフェンス。

様子を見る山岡。


『キュッキュ!』


2、3歩のピボットを踏む。

素早く反応する桜木は、一瞬の隙も見せない。

シュートフェイクには微かな反応をみせるが、引っかかる様子はない。




「こうして、距離をとってみるとわかるが、花道のやつ、ディフェンスも巧くなったな。」

「確かに・・・。まだムラはあるけど、集中したときのゴール下のディフェンスは、
お兄ちゃんと同等と言っていいかも。」

「それは言い過ぎだわ、晴子ちゃん。そんなこといったら、赤木先輩に悪いわよ。」

「経験の蓄積が、身体を動かすようになってきたか。」




(わかるぜ!山猿!お前の動きが!いつでも、叩き落してやらぁ!!)


『キュ!』


(口だけじゃないようだな。んじゃ、本気で行くよ!!)


『キュ!』


「きやがれ!!」


『ダムダム!!』


山岡のドリブルが始まった。

小刻みなフェイントから、繰り出すドリブルに、桜木は100%の反応を見せる。




「ふっ。桜木のやつ。やるな。」

「仙道さんも認める桜木のディフェンス!!要チェックや!!」




『ダム!!』


力強いフロントチェンジが、桜木のディフェンスの上を行く。


(もらったぁ!)


踏み込んだ1歩目で放つレイアップシュート。




「ループシュート!!」

「拓真のやつ、得意な外角ではなく、敢えて切れ込んできたで!!」




(決まった!)



だが。



「わかってたぜ、山猿!へなちょこシュートを打つってな!!」


「えっ!?」



『バチィン!!!!』



完璧なタイミング。

桜木は、渾身の力を込めて、叩き落した。


「なっなんでわかったーー!!」

「お前は、サル真似しかしねぇからな。必ずセンドーのへなちょこシュートを打ってくると思ったぜ!!」

「・・・。」

(抜群の身体能力と野生の勘・・・。)




「花道のやつ、勘だけは鋭いな。」

と宮城。

「・・・。」

(勘・・・。)

無言の流川。




まさかの山岡のオフェンス失敗。

そこには桜木の成長と経験が映し出されていた。



「さぁ、交代。今度は、俺が守ってやる!」

「ふっ、生意気な小僧だな。」

「同級生だろ!」

「ん。そうか。山猿も2年か。」

「つべこべ言わず、早く攻めてきなって。」

「ふん、行くぞ!」



桜木のオフェンス。


ドリブルには自信があった。

入部時より、彩子に鍛えられ、そして復帰後もゴール下のシュートともに、繰り返してきたドリブル。

G陣ほどではないが、スピードもキレもあった。

だが、山岡もまた、ディフェンスに定評がある。

Cの桜木がそう簡単に抜ける相手ではない。


桜木は考えた。


(センドーなら・・・。)


対峙する桜木と山岡。

見守る選手たち。


体育館に爽やかな風が通り過ぎる。


桜木の瞳が、左に動く。

山岡は、桜木の左、自分の右に意識を集中させる。

ごく僅かに反応した足の筋肉の動きを桜木は見逃さなかった。


『キュッ!』


桜木は、右へのドリブルを発動する。


(やべ!!)


1歩目で、山岡に並んだ。


足首を回転させ、サイドステップで桜木を追う。


『ダムダム!』


桜木の大きな歩幅は、一気にゴール下へとその体を運んだ。



「おぅりゃーー!!」


(届かない!)


山岡も必死の追撃を試みたが、すでに桜木の足はコートから離れている。



『シュパ。』



静かなレイアップが決まった。



「・・・。」

無言の桜木。


山岡が一言。

「ナイッシュ。」




「うぉーーー!!!」

「山岡に桜木が勝ったーーー!!!」

「奇跡に近い!!」



「あの場面で、レイアップか。」

「桜木さんなら、一発かましてもおかしくない状況でしたで。」

(ふっ、俺の真似か・・・。)

仙道は微笑んだ。




(センドーなら、自信のあるプレーで、一瞬で決める。)


桜木は、仙道、宮城同様に、今一番自信のあるプレーで勝利を掴んだ。


それは、スラムダンクでもなく、ジャンプシュートでもなく、レイアップシュート。


より確実な、より自信のあるシュートを選んだ。


山岡も理解していた。




「桜木こそ、仙道さんの真似を。」

「ふん、センドーと一緒にするな。勝ったのは、俺の実力だ。」

「いや、敗因は、桜木を見くびっていた俺。得意の外角で勝負すればよかったよ。少し悔いが残るな。」

「ふん、何度でも、勝負してやる!山猿の納得行くまでな!」

「さんきゅ。」




(山岡、わかったか。お前のムラは、その精神的な軽さにある。真剣勝負から眼をそらすな。
来年は、お前がチームを支えるんだ!)

田岡は力強く山岡を見つめるのであった。

そして、気付く。

(ん!?経験・・・。可能性・・・。安西先生の考えは、こういうことなのか・・・。)



山岡 0
桜木 1




第1試合 ×宮城 ○仙道

第2試合 ×山岡 ○桜木








続く。

#265 【一点集中】

2010-02-04 | #10 湘北 番外編
4強が出揃う。

流川、福田の姿はないが、納得のいくメンバーであった。



IHMVP仙道。


スピードキングこと宮城。


三井を目指すシューター山岡。


自称天才リバウンド王桜木。



「ハルコさん!天才の名にかけて、必ず優勝します!!
そして、負けキツネにこの桜木の本当の力を見せ付けてやりますよ!!」

「たまたまだろ。どあほう。」

「ふっ。負けキツネが吼えてなさい!ハッハッハ!!」




選手らと少し離れた場所にいる安西と田岡。

「様々なタイプの選手が揃いましたね。」

「はぁ。」

浮かない表情で安西に言葉を返す田岡。


「安西先生、今一度お聞きしてよろしいですか?なぜ、このような試合をさせたのでしょうか?」

「彼らには可能性がある。様々な選手と立ち会うだけで、その可能性は更に拡がります。」




選手ら。

「センドー。どっちが上か決着をつけてやる。」

「あぁ。楽しみにしている。だが、うちの拓真に勝てたらな。」

「ふん。山猿なんぞ、この天才の敵じゃねぇ。」

「甘くみてると痛い眼見ちゃうよ。」

仙道と桜木の会話に入ってくる山岡。

「庶民が天才に勝とうなどとは。てめーもセンドーもぶっ倒す!!」

「ふっ。」

「いざ、全力勝負ってか。」




再び、安西ら。

「それは試合中でもできるのではないでしょうか・・・。」

「試合では、対戦が叶わない対戦もあります。
仙道君と宮城君の純粋な1on1は、ここでしか見られませんよ。」

「そっそうですけど・・・。」

選手らを眺める田岡。




「おいおい、花道。それじゃ、まるで俺が負けるみてぇじゃねぇかよ!!」

「おっ。すまぬ。リョーちん。」

(まぁ、流川が勝てない仙道に、俺が勝てるとは思わねぇけどな。そして、花道も・・・。)

「宮城。楽しみにしているよ。」

「スピード勝負ならぜってー負けねぇからな。」

「あぁ。」




「彼らに必要なものは、経験です。今のうちにありとあらゆる経験をさせておきたい。
経験は、裏切らない。この先、ずっと・・・。」

「・・・。」

(安西先生は、かなり先を見据えておられる・・・のか。)




(桜木に勝てば、仙道さんと真剣勝負ができる。勝つしかないっしょ!)

珍しく気合が乗る山岡。


(あーは言ったが・・・、さて、どうするか。)

少しだけ、困惑の表情を見せる宮城。


(俺が負けたら、あいつに悪いよな。)

流川をチラっとみる仙道。


(優勝はこの俺だ!!)

根拠のない自信を見せる桜木。




「では、準決勝を始めます。宮城さんと仙道さん、お願いします。」

晴子が、コートに2人を呼ぶ。


「リョーちん。少しは、意地見せろよ!!」

「うるせー。」


流川は、興味なさそうに、隅でボールを回している。


仙道は静かに、コートに足を踏み入れた。



仙道のオフェンスから。



『ザシュ!!』


仙道が、流川戦で見せたジャンプシュートをあっさりと、瞬く間に決めた。


「・・・。」

無言の仙道。


「・・・。」

無言の宮城が、ボールを持つ。




「宮城は相手じゃないといわんばかりのジャンプシュートだな。」

と潮崎。

「違うよ。リョータを相手に、最高のプレーで応えたんだ。仙道の敬意の表れととってもいい。」

安田が答えた。




「ありがとうよ。」

「あぁ。」

宮城は、仙道を前に、礼をいう。


距離を離して守る仙道に挑む。


(俺の全てを仙道にぶつける!!)



『キュ!!』


『ダムダム!!』


「!!」


得意のクイックネスを生かしたドリブルを発動する宮城。




「稲妻ステップ!!」

「いや、読まれている!!」




仙道に並びかけ、跳躍力に任せた強引なレイアップシュートを放った。

ボールは、仙道の腕をスルリとよけ、リングに向かう。




「強引だ!!」

「いや、軌道はいい!!」




『クルンッ。』



宮城の放ったレイアップシュートは、リングを半回転し、落ちた。



ネットを通過せずに。




「うわーー!おしぃーー!」

「あと少し!!」




「さすがに1on1じゃ敵わなねぇーよ。」

「誰にも負けるわけにはいかないからな。」


お互いの最高のプレー、自信のあるプレーで挑んだ1on1。

流川×仙道戦のように、長時間、息を飲む白熱した攻防ではなかったが、ワンプレーに一点集中した両者。

そのレベルの高さは、見ているもの誰もが、納得するものであった。



「リョーちんの仇は、俺がとってやる!!」

「あぁ、期待しているぜ。」

「なっなんだ、その適当な返しは!!」

「花道には、わからねぇんだよ。仙道の凄さを!」

「ふん。俺にはわからねぇ!なぜなら、天才だから!!ハッハッハ!」


踏ん反り返る桜木を遠くからみる緑川。

(あの自信が、僕に必要なのか・・・。)




宮城 0
仙道 1




大方の予想通り、仙道が決勝に駒を進めた。


第1試合 ×宮城 ○仙道




続いて、行われる山岡対桜木の対決。

予想は、山岡優勢が、若干上回っていた。








続く。

#264 【4強出揃う】

2010-02-03 | #10 湘北 番外編
流川 9
仙道 9




100を越える瞳が、煌びやかに光る体を映す。


体育館の窓から、差し込む陽の光が、汗を眩く光らせている。


右手のスナップとともに、跳び散る汗も、また輝いていた。


放物線を描くボールは、綺麗な回転を見せながら、リングへ向かう。


静寂の一時に聞こえる一瞬の音。



『パサ!』



ボールは、リングを通過し、ネットに優しく、包まれた。



誰より、高く。


誰より、速く。


誰より、美しく。


そのシュートは、体育館にいた全ての人を魅了した。

対戦した男でさえ、それは同じだった。



決着。




「はっ晴子ちゃん。」

彩子は、肘で晴子を促す。

「えっ。あっ、はい。」

その光景を呆然として見つめていた晴子が、苦渋の表情を浮かべながら、声を発する。



「勝者。仙道さん。」




「流川君に勝った!!さすが、仙道さんやー!!アンビリーバブル!バブル!!」

「あのジャンパーを決められるのは、仙道しかおらん!!よくやったぞ!!仙道!!!」

彦一と田岡のテンションは、MAXを迎えていた。


「悔しいだろうな。流川さん・・・。」

柳の声は、若干トーンダウンしている。

「純粋な1on1には、相当の自信を持っていたからな。」

と宮城。

「リョーちん。サル風。まだまだあめー。キツネの性格をわかっちゃいない。
あいつの性悪根性を・・・。」

「ん!?」

「花道?」




「お疲れ。」

仙道が流川に声をかける。

「・・・。」

無反応の流川。

「・・・。」

覗き込む仙道。

「ふっ。合同練習は、まだ始まったばかり。また勝負してやるよ。」

そういうと、仙道は流川に背を向け、コート外へ歩き出した。


流川は笑っていた。

(ふっ。上等だ!)

去り行く仙道の背中に向かって、流川は拳を突きつけた。




(流川は、明確な目標を打ち出すことができた。仙道を越えるというな・・・。そして、仙道も・・・。)

と田岡。




仙道もまた、自身に課題を打ち出す。

(負けるわけにはいかない。)




その光景を見ていた安西が、小声で一言。

「仙道君。ありがとう。」



流川 9
仙道 10




第1試合 ×流川 ○仙道




続く勝負は、黒川対宮城。

ともに、苦手とする相手であった。

パワーの黒川。

スピードの宮城。


宮城は、黒川の力と高さの前に、なす術なく、得点を奪われる。

黒川は、宮城のスピードとクイックネスに、得点を奪われる。

第1試合同様に、熱い攻防を見せていた。


だが、宮城の起死回生のドリブルスティールが炸裂する。


「ドリブルは得意じゃないようだな。奪ったぜ!!」

「・・・。」



その裏の宮城のオフェンス。


「!!!」


予選決勝、仙道をも抜き去った、宮城のカットインが試合を決めた。


「黒川。うちには、お前よりももっと力強く、ゴリラのような先輩がいたんだ。
その人に比べりゃ、まだまだだ。」

「1年で、その人を超えてみますよ!!」

「へっ。俺を認めさせたければ、死ぬほど練習して来いよ!!」



「おっ!?」

(俺の言葉。)

と仙道が少し苦笑い。




「仙道さんと宮城さんの準決勝か。チェックせなあかんな!!」




黒川 1
宮城 2




第1試合 ×流川 ○仙道

第2試合 ×黒川 ○宮城




続いて、緑川と山岡がコールされた。


「シュータータイプの1on1か。」

「うーん。どう考えても、山岡さんだな。」

上杉と柳の会話。


そして、予想通りの決着となった。


「えーと、緑川ちゃん?」

「あっはい。」

「いいもん持ってるんだから、自信をもたなきゃ。そして、自分を信じようよ。」

「はっはい。」

「シュートは、自信が必要さ。なんちゃって。」

(自信か・・・。)



安西が柳に下した緑川への自信の植え付け。

悩む柳の一方で、それは、ひょんなところから、急展開をみせた。


(自信って、どうすれば・・・。桜木先輩を見習えばいいのかな・・・。)


だが、あらぬ方向に加速する。



そして、2回戦最後の試合。


桜木対潮崎



桜木が全力のダンクを決める。

潮崎の不意打ちの3Pも、桜木には通用せず、叩き落した。


「シオ、わりーな。天才は、負けるわけにはいかんのだ!ハッハッハ!」


桜木圧勝。



4強が出揃った。




第1試合 ×流川 ○仙道

第2試合 ×黒川 ○宮城

第3試合 ×緑川 ○山岡

第4試合 ○桜木 ×潮崎








続く。

#263 【流川×仙道】

2010-02-01 | #10 湘北 番外編
『ザシュ!』



『ダムダムダム・・・!』


『キュッ!』


『キュッキュ!』


『ダム!』


『シュパ!!』



体育館に響き渡る音。

固唾を呑んで見守る選手たち。

2回戦第1試合が開始してから、10分が経とうとしていた。



『ゴクッ。』

宮城がつばを飲む。


『タラッ。』

福田の額から汗が垂れる。


「・・・。」

そして、桜木も、一言も言葉を発することなく、眼の前で起きている光景をただただ見つめていた。




「流川。」

「!!」

「ちょっと、いいか?」

「試合中だ。」

「まぁ、いいじゃないか。
随分ディフェンスが良くなったな。腰も落ち、動きも速くなった。感覚が鋭くなったようだ。」

「うるせー。」

「午前中に比べると、よく動けてるし、勝敗を決める勝負となると、更に集中力が増す。」にこり。

「いいから、早くきやがれ。」


「だが、北沢はもっと成長しているんだろうな・・・。」

「沢北だ。どあほう。」

「ん!?そうか。必ず、その、きた、沢北を倒して来いよ。」

「ったりめーだ。」


「そうすれば、今、ここでお前を倒した俺がNo.1だ!」


「!!!」


「さぁ、いこうか!」



現在、お互いに2回のオフェンスを失敗し、11回の裏の仙道のオフェンス。


流川 9
仙道 8




『キュッ!』


『ダン!』


力強く叩きつけられるボールが、仙道の右手に張り付く。


『キュ!』


(バックロール!)


仙道が、左足を軸に回転。


『サッ!』


流川は、仙道の進行方向左を塞ぎにかかる。



「!!」


『ダム!』




「巧い!!」

思わず宮城から声が上がる。


(流川君!)

心の中で叫ぶ晴子。




仙道は、バックロールの途中で戻し、逆回転をした。

流川が守る反対の右方向から、抜きにかかる。

一瞬反応が遅れる流川は、足の筋肉を伸縮させ、サイドキックでコートを蹴り込んだ。



『ダム!』


対する、仙道。

逆サイドから、跳んでくる流川を冷静に捉え、左足を一歩引く。

そして、ボールを自身の体へ引き寄せ、クロスオーバードリブル。



(!!!)


流川もこれには、対応できなかった。

仙道は、流川の右手を掠めるように抜き去ると、静かにレイアップシュートを決めた。


一連の動きを見守っていた選手たち。


言葉はない。




『パチパチ・・・。』


「??」

どこからともなく拍手が聞こえた。



安西であった。



『パチパチパチ!!』

それにつられ、陵南、湘北選手問わず、大きな拍手が、2人に送られる。



(さぁ、流川君。やり返す番ですよ。)

安西の拍手は、仙道への賞賛と、流川への鼓舞であった。


「・・・・・・。」

桜木は、武者震いをしていた。


2人の次元の違う動きを肌身で感じていたのである。



ボールを拾い上げる仙道が流川へ放る。


「追いついたぞ。」

「・・・。すぐに、離してやる。」



流川 9
仙道 9




12回目のオフェンスとなる流川。

このトーナメント最長試合になることはもちろん、どの試合よりも白熱していたことは、言うまでもない。


雰囲気は、決勝戦のようである。


ただならぬ緊張感が漂う体育館。


再び、バッシュの音が響き渡る。



『キュッ!!』


流川が繰り出す高速ドライブ。


仙道の細胞が反応する。


スピードとスピードとのぶつかり合い。


パワーとパワーとのぶつかり合い。


キレとキレとのぶつかり合い。


流川が、ボールに魂を込める。


仙道が、その魂に応える。


そしてこの日、流川は、最高のジャンプシュートを見せる。




「!!!!」


(なんてやつだ・・・。仙道と同等のジャンパーを・・・。)

驚愕する田岡。


『グッ。』

安西は、小さく拳を握る。




宙を舞う2つの体。


仙道が、振り向き、ボールを行方を確認する。



『ガァン!!!』


「!!!」

「!!!」



ボールは、リングに嫌われた。


『パン!』


そして、リングに近い仙道がボールを掴み獲った。



「ふー。」

と一息をつく仙道。


流川は、仙道に一言。


「触ったか。」

「かろうじて。」




(あのジャンプシュートに触れたか。仙道もまたなんてやつだ!!正しく天才!!)

と田岡。


宮城と柳の会話。

「流川は、厳しくなったな。」

「えぇ。仙道さんのここ一番の集中力はハンパないですから。」




がけっぷちに立たされた流川。


仙道のオフェンスが静かに始まる。



流川 9
仙道 9







続く。