人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

小林研一郎 ✕ 小林愛実 ✕ 東京フィルでモーツアルト「ピアノ協奏曲第20番」、スメタナ「わが祖国」より「高い城」「モルダウ」他を聴く ~ 文京シビック”響きの森クラシックシリーズ

2024年06月09日 00時01分20秒 | 日記

9日(日)。わが家に来てから今日で3435日目を迎え、国連のデュジャリック報道官は8日、今月公表する予定の子どもと武力紛争に関する年次報告書で、グテーレス事務総長がイスラエルを「子どもの人権を侵害している国」と認定していることを明らかにしたが、イスラエル側は反発している  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

     

     ハマスの壊滅を大義名分に ガザ地区の子供たちを殺してるイスラエルは テロ国家だ

         

昨日、文京シビックホールで「響きの森クラシック・シリーズ 第80回演奏会」を聴きました プログラムは①モーツアルト「ピアノ協奏曲第20番 ニ短調K.466」、②スメタナ:連作交響詩「わが祖国」より「高い城」「モルダウ」「シャールカ」「ボヘミアの森と草原から」です 演奏は①のピアノ独奏=小林愛実、管弦楽=東京フィル、指揮=小林研一郎です

本公演は新シーズン第1回目です。席も新しくなりましたが、最悪です 本シリーズは年間セット券(全4公演)申込時に座席指定できない大欠陥システムのため、希望する席が取れません 指定されたのは右からも左からも通路側から一番奥に入った席です コロナ前は座席指定できたのに、どうして改悪するのか理解できません どうも「ぴあ」が絡むとこういう改悪が為されるような気がします まあ、年4回なので我慢するしかありませんが

     

オケは10型で、左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスといういつもの東京フィルの並び コンマスは依田真宣です

1曲目はモーツアルト「ピアノ協奏曲第20番 ニ短調 K.466」です この曲はウォルフガング・アマデウス・モーツァルト(1756-1791)が1785年に作曲、同年2月の予約演奏会でモーツアルト自身の演奏により初演されました この曲の大きな特徴は、初めて短調を基調として書かれた協奏曲である点です 第1楽章「アレグロ」、第2楽章「ロマンツェ」、第3楽章「ロンド:アレグロ・アッサイ」の3楽章から成ります

ピアノ独奏の小林愛実は山口県宇部市出身。3歳からピアノを始め、7歳でオーケストラと共演、9歳で国際デビューを果たす フィラデルフィアのカーティス音楽院でマンチェ・リュウ教授に師事。2021年に第18回ショパン国際コンクール第4位入賞

小林愛実が白のエレガントな衣装で登場、コバケンの指揮で第1楽章に入ります 冒頭はオーケストラによって二短調特有のデモーニッシュな音楽が奏でられます そして、小林のピアノがスッと入ってきます。彼女のピアノは一音一音の粒立ちがクリアで美しく響きます カデンツァはブラームス作か?  第2楽章はどこまでも優しく美しいメロディーが奏でられますが、中間部では短調特有のほの暗く激しい音楽が展開します 小林のピアノはこの切り替えが見事です 短調のデモーニッシュな曲ですが、予約演奏会で演奏するための曲なので最後の第3楽章はニ長調で明るく終わります この辺は聴衆の期待を裏切らないモーツアルトのしたたかさを感じます

満場の拍手とブラボーが飛び交う中、小林はアンコールにシューベルト(リスト編)「春のおもい 作品20-2」を心を込めて演奏、再び大きな拍手に包まれました

     

プログラム後半はスメタナ:連作交響詩「わが祖国」より「高い城」「モルダウ」「シャールカ」「ボヘミアの森と草原から」です この曲はスメタナ(1824-1884)が1872年から1879年にかけて順次完成され、1882年11月にプラハで一括初演されました この曲はチェコを象徴する作品として親しまれ、現在でも、スメタナの命日の5月12日に開幕する「プラハの春」音楽祭の初日に演奏されます なお、2002年の同音楽祭では小林研一郎が東洋人で初めて「わが祖国」の指揮をとり、万雷の拍手を浴びました。第1曲「ヴィシェフラド(高い城)」、第2曲「ヴルタヴァ(モルダウ)」、第3曲「シャールカ」、第4曲「ボヘミアの森と草原から」、第5曲「ターボル」、第6曲「ブラニーク」の6曲から構成されています 

オケは12型に拡大し、ハープが2台ステージ下手にスタンバイします

第1曲「ヴィシェフラド(高い城)」では、冒頭の2台のハープによる抒情的な演奏が素晴らしかった ホルンも素晴らしい 第2曲「ヴルタヴァ(モルダウ)」ではフルート、クラリネットをはじめとする木管楽器がよく歌います 第3曲「シャールカ」ではシャールカが兵士たちに酒を飲ませて眠らせた後の、兵士たちの”いびき”を表すファゴットの演奏がユーモラスで、思わず笑ってしまいました シャールカを表すクラリネットのアレッサンドロ・ベヴェラリの演奏が迫真に満ちていて素晴らしかった 第4曲「ボヘミアの森と草原から」ではオケの総力によりボヘミアの雄大な森の様子が描かれましたが、中盤における速いテンポの弦楽セクションのフーガ(Vn ⇒ Va ⇒ Vc ⇒ Kb)が素晴らしかった

終演は、まるで測ったかのようにジャスト5時でした

満場の拍手とブラボーが飛び交う中、カーテンコールが繰り返され、コバケンはセクションごとに立たせて賞賛します そして、いつものようにマイクを持ってトークに入ります

「今日は新シーズン最初のコンサートに満員のお客様にお越しいただき ありがとうございました 東京フィルの皆さまの渾身の演奏、お楽しみいただけたでしょうか 本番プログラムのための練習で精一杯で、アンコール曲のための時間が取れませんでした」と、やんわりと「アンコールは無し」というメッセージを発信します しかし、そこはサービス精神旺盛なコバケンのこと 「でも、何か演奏してほしい曲がありますか?」と客席に問いかけます(会場・笑) すると「ダニーボーイ♫」「ボヘミアの森と草原から♬のフィナーレをもう一度」の声がかかりました コバケンは依田コンマスに「ダニーボーイは用意していませんでしたね」(聴衆・笑)「でも、出来ませんというのは嫌なので、私がピアノでダニーボーイを演奏します」と言って、ステージ上手に片づけられていたピアノのところに行って、ゆったりとしたテンポで、曲の歌詞の解説を交えながら最後まで弾き切りました 会場は やんややんや の大喝采です   これに気を良くしたコバケンは、依田コンマスとコソコソ相談、「ボヘミアの森と草原から♬」のフィナーレをもう一度演奏、再々度 満場の拍手を浴びました コバケンは再びマイクを持って話し始めましたが途中で言葉に詰まり、急に「依田君、ひと言お願いします」とムチャブリします 依田君は「まさか、こっちに振られるとは思ってませんでした」と焦りながらも、「本当は『わが祖国』を全6曲演奏したかったのですが、(時間の関係で出来ず)残念でした 本日は大勢のお客さまにお聴きいただき嬉しかったです ありがとうございました」と、160名の日本一の楽団員数を誇る東京フィルのコンマスとしての優等生的な挨拶をして喝采を浴びました

その後、コバケンの音頭で、楽員全員で客席に一礼しました これは東京フィルに限らず、コバケンが指揮をするコンサートでは必ず実行する締めくくりのパフォーマンスです コバケンの「お客様が第一」という姿勢には毎度 感心します その意味では指揮界のエンターテイナーと言えるでしょう コバケンのコンサートは予測不能で面白いぞ

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

新国立劇場から次シーズンのオペラ公演チケット届く / 堤未果著「国民の違和感は9割正しい」を読む ~ 原発事故が起きたら逃げ場がない、なぜガザの建物は全て破壊され、住民は追い出されるのか?

2024年06月08日 00時01分25秒 | 日記

6日(木)。新国立劇場から「2024/2025シーズン オペラセット券」が届きました 全10公演ですが、うち1公演はダブルビルなのでチケットは9枚です   例によってチケットホルダーが同封されていましたが、せっかく送ってもらっているのに全く使用していません 読響やN響のも溜まっているので出番がないのです 下の写真は最近7年分のチケットホルダーですが、右に行くにしたがって新しいシーズンになっています ちなみに一番右の最新ホルダーの写真はロッシーニ「セヴィリアの理髪師」ロジーナ役の脇園彩さんです

     

あらためて手帳にオペラの日程を書き入れたのですが、10月3日(木)は3公演がダブっていることが判明しました ①新国立オペラ「夢遊病の女」(18:30~)、②読響名曲シリーズ(19:00~)、③東京シティ・フィル定期公演(19:00~)の3公演です このケースは振り替え先のない東京シティ・フィルを優先して、オペラと読響を他日公演に振り替えるしかありません 8月頃に検討して手続きしたいと思います

ということで、わが家に来てから今日で3434日目を迎え、林官房長官は7日、機関砲らしきものを搭載した中国海警局の船4隻が尖閣列島周辺の領海に一時侵入したことについて、中国海警局に所属する船舶の領海侵入は国際法違反であるとして、外交ルートを通じて厳重に抗議した  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

     

     大国と勘違いしてる中国・習近平政権の 覇権主義的態度が 露骨に表れた出来事だ

         

昨日、夕食に隔週金曜日のローテにより「鶏の唐揚げ」を作りました 今回は4時間くらい栗原はるみ先生のレシピによる「旨味醤油」に漬けておいたので、味がよく浸み込んで美味しく出来ました 唐揚げにはビールと決まっているので、断酒を一時解除してサッポロCLASSICを飲みました 今日から再び断酒します

     

         

堤未果著「国民の違和感は9割正しい」(PHP新書)を読み終わりました 堤未果は国際ジャーナリスト。ニューヨーク州立大学大学院国際関係論学科修士号取得。国連、米国野村証券などを経て現職。「ルポ 貧困大国アメリカ」で日本エッセイスト・クラブ賞、新書大賞受賞 「デジタル・ファシズム」ほか著書多数

     

 

著者は「はじめに」の中で次のように書いています

「脱税している人が納税を呼びかけ、法律を守らない人が憲法改正を訴え、戦争に行かない人が戦争の準備をせっせと進める今の日本を、おかしいなあと感じている人は、どんどん増えているのです SNS企業と政府が情報を囲い込み、異なる意見は封じられ、全体主義の空気がじわじわと迫る中、疑問を持たず問うこともせず、黙って言われるまま従っていれば、気づいた時には主権を失い、ディストピアに生きているかもしれません けれども私たち国民が、違和感を決して見逃さず、思い込みを外し、冷静に問い立て、意図的に行動を起こすなら、自分と家族だけでなく、祖国や地球の未来まで、必ず守れることでしょう

本書は次の5章から構成されています

第1章「災害の違和感 ~ 立ち止まれますか?」

第2章「『戦争と平和』の違和感 ~ お金は嘘をつかない」

第3章「『命は大切』の違和感 ~ 虫の声が聞こえますか?」

第4章「『真実とウソ』の違和感 ~ 先入観を外せますか?」

第5章「『民は愚かで弱い』の違和感 ~ 未来は選べる」

第1章「災害の違和感 ~ 立ち止まれますか?」の中で「なるほど」と思ったのは「原発事故が起きたら逃げ場がない」という指摘です 著者は石川県の志賀原発を取り上げ、「再稼働の審査条件には『避難計画』がチェック項目にないことを指摘しています 国は避難計画を自治体に丸投げしていると非難します

第2章「『戦争と平和』の違和感 ~ お金は嘘をつかない」では「ガザにある宝の山をみんな狙ってる」と「なぜガザの建物は全て破壊され、住民は皆追い出されるのか?」が驚きでした 著者は次のように書いています

「イギリスのBG(ブリティッシュ・ガス)は1999年にガザ沖、水深603メートルのガザマリン油田にある天然ガスが最大1兆立方フィート(約200億立方メートル)眠っていることを突き止めた 金融業界の人間なら、ガザの天然資源と港を100%自国が押さえるために、パレスチナの住民は邪魔だと思うでしょう 人がいなくなれば、ガス田開発もできなくなり、エネルギーで自立したパレスチナ国家の成立も防げます

イスラエルの強硬な姿勢の裏には、人道問題以前に”資源問題”が優先されていることが良く分かります

第4章「『真実とウソ』の違和感 ~ 先入観を外せますか?」で参考になるのは、「ニュースから個人を取り除くと、先入観が外れる」です 著者は次のように書いています

「より短く、単純化された、感情に訴える大量の情報に高速で接することで、私たちの注意は分散させられ、立ち止まる時間は与えられず、大きな悪事や大事なことが、他の瑣末なニュースに埋もれて、すぐ忘れられてしまう」「反射的に判断せず、冷静に考えるためにはどうしたらよいか? 例えば、メディアが事実より個人に焦点を当てていたら、判断するのをやめて、まずは頭の中で『このニュースから個人を取り除いたら、印象はどう変わるだろう?』と考えるとよい 例えば、『イーロン・マスク氏が所有するX社に、バイデン政権が検閲の圧力をかけた』という情報から、固有名詞を外してみるのだ 『米国在住の50代の男性が所有するソーシャルメディア企業に、某国の政府が連絡して・・・』というように。最初に聞いた時と、少し印象が変わっていないだろうか これを、何回か繰り返し、脳内のフィルターを1枚ずつ剝がしながら、そのニュースを誰かに説明し直してみてほしい

とても全てはご紹介できませんが、以上のほか、日常生活の中で寅子のように「はて?」と疑問に思っていることが取り上げられており、参考になります 広くお薦めします

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

シャルル・デュトワ ✕ 新日本フィルの公開リハーサルを見学する ~ 「ペトルーシュカ 」&「ダフニスとクロエ」第2組曲から / 葵トリオでベートーヴェン、フォーレ、スメタナの「ピアノ三重奏曲」を聴く

2024年06月07日 00時01分53秒 | 日記

7日(金)。わが家に来てから今日で3433日目を迎え、ロシアのプーチン大統領は5日、欧米諸国はウクライナに兵器を供与することで「非常に深刻かつ危険な措置」を取っていると警告し、ロシアから欧米の敵国に兵器を供給する可能性もあると示唆した  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

     

     北朝鮮から武器を輸入しているほどなのに そんな余裕があるとはとても思えないね

 

         

昨日、夕食に「豚肉と茄子の重ね蒸し」「生野菜とアボカドのサラダ」「シメジの味噌汁」を作りました  「豚肉~」は初めて作りましたが、紫蘇を乗せると一段と美味しいです

     

         

昨日、午前10時半からすみだトリフォニーホールで新日本フィル「第657回定期演奏会」の公開リハーサルを見学し、午後7時からサントリーホール「ブルーローズ」で葵トリオ「ピアノ三重奏の世界:第4回」を聴きました

新日本フィルの公開リハ―サルは10時30分から12時45分まで、15分の休憩を挟んで正味2時間でした 指揮はシャルル・デュトワです

開場時間の10時ジャストにホールに着くと、すでに長蛇の列が出来ていました さすがはデュトワ人気です 許可された座席は1階席15列目以降のため、1階17列28番、右ブロック左から2つ目をかろうじて確保しました

オケは16型で、左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスという いつもの新日本フィルの並び   ステージ下手にはピアノの阪田知樹がスタンバイします コンマスは崔文洙、隣は西江王子というダブルトップ態勢を敷きます

10時半ジャストにデュトワが指揮台に上がり、演奏に入ります    リハーサルの曲目は当日まで知らされていなかったので、演奏が始まって初めて知りました ストラヴィンスキー:バレエ音楽「ペトルーシュカ」です 最初に曲の途中からリハーサルが始まりましたが、特にこだわりをもって練習したのは木管楽器です クラリネット、フルート、オーボエなどは、曲を止めてはパートごとに演奏させます 同じパートでも一人一人別々に演奏させ、最後に揃えて吹かせたり、最初に遅いテンポに落として吹かせ、次にテンポを上げて吹かせ、最後に正しいテンポによりパート全員を揃えて演奏させたりしていました これは木管楽器に限らず、弦楽器も金管楽器も同じような方法で進めました このように、デュトワのリハは極めて細かく、納得いくまで繰り返し練習を求める厳しいものでした

1時間経過したところで15分の休憩が入り、11時45分からリハーサルが再開されました 「ペトルーシュカ」の続きです 最初の10分程度は途中で止めることなく演奏を進めましたが、その後は、前半と同様、かなり細かくパートごとに練習を求めていました 一番驚いたのは、サスペンデッド・シンバルの練習です 打楽器奏者が1度バチで叩いて音を出すと、デュトワは首を振り「その音は違う」という合図を送ります 奏者が別のバチに代えて叩くと、またも首を振り「やはり違う」と合図を送ります 別の打楽器奏者も総動員でいろいろとバチを変えて試していましたが、どうやら満足のいく音がでなかったようです 本番までに対策を講じることになるでしょう フィナーレの部分を終えて、12時27分頃からラヴェル「ダフニスとクロエ」第2組曲のリハーサルに入りましたが、オーボエセクションを繰り返し練習、弦楽セクションのアンサンブルを仕上げ、予定通り12時45分に公開リハーサルを終了しました

正味2時間のリハーサルを見学して感じたのは、デュトワのリハーサルは極めて緻密で、まるで精密な設計図に沿って建造物を造り上げていく建築のようだということです

本番は8日(土)と11日(火)の2日間ですが、パトロネージュ部・西さんの話によると両日ともチケットは完売とのことです 私は11日のサントリー公演を聴きに行きますが、本番が楽しみです

     

         

午後7時からサントリーホール「ブルーローズ」で、「サントリーホール・チェンバーミュージック・ガーデン」参加公演「葵トリオ『ピアノ三重奏の世界:第4回』」を聴きました   プログラムは①ベートーヴェン「ピアノ三重奏曲第4番 変ロ長調 作品11 ”街の歌”」、②フォーレ「ピアノ三重奏曲 ニ短調 作品120」、③スメタナ「ピアノ三重奏曲 ト短調 作品15」です

葵トリオはヴァイオリン=小川響子(名古屋フィル・コンマス)、チェロ=伊東裕(都響首席)、ピアノ=秋元孝介の3人で構成されています ミュンヘン国際音楽コンクール優勝以来、内外で演奏活動を展開しています 3人とも東京藝大出身で、サントリーホール室内楽アカデミー第3期(~第4期)修了生です なお、葵(あおい)トリオの命名は3人の名前の頭文字を取ったものです

     

自席はLb9列12番、左ブロック最後列の1列前の右端です。会場はほぼ満席です    

1曲目はベートーヴェン「ピアノ三重奏曲第4番 変ロ長調 作品11 ”街の歌”」です この曲はルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(1770-1827)が1797年に作曲しました なお、 ”街の歌”という愛称は、当時ウィーンで流行っていた宮廷楽長ヨーゼフ・ヴァイグルのオペラ「船乗りの愛または海賊」のアリア「仕事の前に」のメロディーを、この曲の第3楽章のトリオに採用したことに因んでいます また、この曲は元々クラリネットとチェロ、ピアノのための三重奏曲でしたが、クラリネットの代わりにヴァイオリンで演奏されることも多い作品です 第1楽章「アレグロ・コン・ブリオ」、第2楽章「アダージョ」、第3楽章「アレグレット・コン・ヴァリアツィオー二」の3楽章から成ります

作曲当時27歳だったベートーヴェンの意欲を感じさせる溌溂とした演奏が展開しました 特に第3楽章の愉悦感に満ちた演奏が印象的でした

     

2曲目はフォーレ「ピアノ三重奏曲 ニ短調 作品120」です この曲はガブリエル・フォーレ(1845-1924)が1922年から23年にかけて作曲、1923年にパリで初演されました 第1楽章「アレグロ・マ・ノン・トロッポ」、第2楽章「アンダンティーノ」、第3楽章「アレグロ・ヴィーヴォ」の3楽章から成ります

この曲では第1楽章から小川のヴァイオリンを中心にフォーレらしい浮遊感に満ちた演奏が繰り広げられました 第2楽章では伊東のチェロが良く歌っていました 第3楽章では秋元のピアノが雄弁に語っていました 3人の躍動感あふれる演奏でフォーレらしい華やかなフィナーレを飾りました

     

プログラム後半はスメタナ「ピアノ三重奏曲 ト短調 作品15」です この曲はベドジフ・スメタナが1855年に作曲、同年11月にプラハで初演されました 第1楽章「モデラート・アッサイ」、第2楽章「アレグロ・マ・ノン・アジタート」、第3楽章「フィナーレ:プレスト」の3楽章から成ります

小川のヴァイオリンによる悲痛の極みとでも言うべき衝撃的な演奏で開始され、「これは只事ではないぞ」と思いました しかし、そればかりではなく、時に明るさも見え、希望が残されていることが窺えます 第2楽章は実質的にスケルツォだと思われます 第3楽章は高速のアグレッシブな演奏により輝かしいフィナーレを飾りました

満場の拍手とブラボーが飛び交うなか、3人はアンコールにマルティヌー「ピアノ三重奏曲第1番”5つの小品”より第2楽章を鮮やかに演奏、再び大きな拍手に包まれました 鳴りやまない拍手に3人は、ラヴェル「ピアノ三重奏曲イ短調」より第2楽章を色彩感豊かに演奏し、聴衆を歓喜の渦に巻き込みました

さて、この日、ステージには3人の演奏者のほかにもう一人のプロがいました それはピアニストの後方で控えていた譜めくりの女性です 1歩、2歩と前に進み、左手で譜面を瞬時にめくり、1歩、2歩と”後ろを見ずに”戻り、静かに腰を下ろす。この動作を繰り返すわけですが、私は最初から最後まで彼女の動作に釘付けになっていました 5月25日(土)夜のNHKテレビ「突撃!カネオ君」のオーケストラ特集で紹介された「譜めくりのプロ」その人でした なぜ彼女だと分かったかというと、譜めくりの後で”後ろを振り返らずに下がり”椅子に腰かけたからです 彼女の一連の所作はとても機能的で美しく見えました 葵トリオの素晴らしい演奏とともに、譜めくりのプロの所作が見られたことが、この日の大きな収穫でした

     

本日、toraブログのトータル閲覧数が880万 P V を超えました( 8,801,245 PV。トータル訪問者数は 2,853,419 IP )。これもひとえに普段からご訪問下さっている読者の皆さまのお陰と感謝しております これからも1日も休むことなく根性で書き続けて参りますので、モコタロともどもよろしくお願いいたします

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ラジ・リ監督「バティモン5 望まれざる者」を観る ~ パリ郊外で、行政によって排除される移民家族を描いた作品

2024年06月06日 06時53分52秒 | 日記

6日(木)。わが家に来てから今日で3432日目を迎え、車の大量生産に必要な「型式指定」を巡る認証不正があった問題で、国土交通省は前日のトヨタ自動車に続き5日朝、道路運送車両法に基づき、ヤマハ発動機の本社に立ち入り検査に入った  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

     

     自動車業界は 不正やらリコールやら 飽きずによくやってるね 技術立国はどこへ?

         

昨日、夕食に「肉じゃが」「生野菜サラダ」「ワカメの味噌汁」を作りました 「肉じゃが」はハッシュドビーフの肉が余ったので使いました 肉じゃがは ちょっとしょっぱかったので、次回の反省材料とします

     

         

昨日、新宿武蔵野館でラジ・リ監督によるフランス・ベルギー合作映画「バティモン5 望まれざる者」(105分)を観ました

労働者階級の多くの移民家族が暮らすパリ郊外の一画にある通称「バティモン5」では、再開発のため、老朽化が進んだ団地の取り壊し計画が進められていた そんな中、市長の急逝により臨時市長に就任した元小児科医のピエールは、汚職を追究されていた前任者とは異なり、クリーンな政治活動を行う若き政治家で、バティモン5の復興と治安改善を政策に掲げ理想に燃えていた 一方、「バティモン5」の住人で移民たちのケアスタッフとして働く西アフリカ・マリ共和国にルーツを持つフランス人女性アビ―は、行政の怠慢な対応に苦しむ住人たちの助けになりたいと考えていた 彼女は友人ブラズの手を借りながら、住民たちが抱える問題に向き合う日々を送っていた 日ごろから行政と住民との間には大きな溝があったが、団地で発生した火災をきっかけに、「バティモン5」の治安改善のため強硬な手段を取る市長ピエールは、「老朽化した建物は危険である」として、安く買い叩いた金で即刻退去するよう求めたことから、長年にわたり高いローンを払い続けてきた住民が反発し、激しい抗争へと発展していく

     

映画の冒頭は、「バティモン5」の一室で老婆が死亡したことから、柩を階下まで降ろす様子が描かれています エレベーターが故障したままの中、住民の荷物が置かれた狭い階段を スマホの光を頼りに何人かの男たちが柩を苦労しながらやっと地上階まで降ろすシーンは、移民たちがどれほど悲惨な生活環境で暮らしているかを如実に表しています

アビーの友人ブラズは、不当に安い価格で住居を買い取り、クリスマスイブの当日に5分以内に荷物を持って出て行け、という理不尽な要求を突き付けられて我慢できなくなり、市長の家に押しかけてクリスマスイブの準備をしている市長の家族に対し、「クリスマスに出て行けと言われることがどんなことか、思い知らせてやる」と怒りをぶつけ、部屋の中を荒して部屋にガソリンを撒きます そこに連絡を受けたアビーが現われ、ブラズは火を点けることを断念します この時のブラズの怒りに満ちた態度こそ移民たちの心情を代弁していると言えます

さて、パリ2024夏季オリンピックは、開会式の2日前の7月26日から競技が始まります ラジ・リ監督はオリンピック開催の直前に公開するもくろみはなかったようですが、「結果的には良かったかもしれない」と朝日新聞のインタビューに答えています(5月24日付朝刊)。国際的なイベントの開催に伴って現実のパリでも、貧困地区の老朽化した建物を壊して住民を立ち退かせる再整備計画が加速したと言われています どこの国でも、大きなイベントが開かれる際には、裏で表面化しない”不都合な真実”が起こっているということでしょう

私は毎日のように池袋に買い物ついでに出かけていますが、池袋駅構内を歩いていると、すれ違う人の半分はアジア・中東系の外国人ではないかと思うことがしばしばです この人たちの全てが移民であるとは言えないものの、少子高齢に伴う労働力不足の日本社会の現状を見ると、日本で働く、あるいは暮らす外国人は年々増加の一途をたどることは火を見るよりも明らかです お互いに安全で住みやすい社会にしていきたいと思うばかりです

     

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

エリアフ・インバル ✕ 東京都交響楽団でブルックナー「交響曲第9番ニ短調」(2021-22年SPCM版・第4楽章付き)日本初演を聴く ~ 都響 第1000回定期演奏会

2024年06月05日 00時01分33秒 | 日記

5日(水)。わが家に来てから今日で3431日目を迎え、トランプ前米大統領は、フロリダ州の私邸で4月に開催した晩餐会で、参加した石油産業の経営者らに対し、自身をホワイトハウスに返り咲かせるために10億ドル(約1570臆円)を献金すれば、バイデン大統領による環境関連の規制や政策を 就任直後に速攻で撤回し、新たな規制を阻止すると約束したとワシントン・ポストが報じた  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

     

     私利私欲のトランプを大統領にすれば 地球の環境破壊が急激に進行するのは明らか

 

         

昨日、夕食に「鮭の西京焼き」「生野菜サラダ」「ワカメの味噌汁」を作り、「真鯛の刺身」と一緒にいただきました 魚はヘルシーでいいですね

     

         

昨夜、サントリーホールで東京都交響楽団「第1000回定期演奏会Bシリーズ」を聴きました プログラムはブルックナー「交響曲第9番 ニ短調 WAB109」(2021-22年SPCM版・第4楽章付き)日本初演です 指揮は都響桂冠指揮者エリアフ・インバルです 「SPCM版・第4楽章」とは、二コラ・サマーレ、ジョン・A・フィリップス、ベンヤミン=グンナー・コールス、ジュゼッペ・マッツーカの4人の頭文字を取った「SPCM」により研究されてきた改訂の最新ヴァージョンです

この曲はアントン・ブルックナー(1824-1896)が1887年から94年にかけて第3楽章まで作曲、未完のまま1903年2月11日にウィーンで初演されました その後、2021から22年にかけてSPCM版第4楽章が完成し22年11月30日に初演されました 第1楽章「荘厳に、神秘的に」、第2楽章「スケルツォ:動きをもって、生き生きと」、第3楽章「アダージョ:ゆっくりと、荘厳に」(以上:ノヴァーク版)、第4楽章「フィナーレ:神秘的に、速すぎずに」(SPCM版)から成ります

改訂者の一人、ジョン・A・フィリップスの解説によると、「ブルックナーがフィナーレ楽章のために書き残した490ページの手稿譜の中にはオーケストラ・スコアが存在し、最初の3つの楽章に劣らない完成された内容になっていた フィナーレの約3分の1は完璧に仕上げられており、その他にインク書きの弦楽器スコアや、インクもしくは鉛筆書きによる管楽器の重要な出だし部分が残されている 非常に残念なことだが、ブルックナーの死後に彼のアパートを訪れた人々は、他の手稿譜とともにこのスコアのバイフォリオを何枚も持ち去ってしまった」とのことです

     

エリアフ・インバルは1936年エルサレム生まれの88歳 これまでフランクフルト放送響首席指揮者、ベルリン・コンツェルトハウス管首席指揮者、フィニーチェ劇場音楽監督、チェコ・フィル首席指揮者などを歴任。都響には1991年に初登場以来、2回にわたるマーラー・ツィクルスを挙行し大成功に導くなど、大曲を中心に指揮をとり好評を博している

「完売」とのことで、文字通りほぼ満席です 休憩がないので開演前の男子トイレに列ができていました

オケは14型で左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、その後ろにコントラバスという並び コンマスは山本友重、隣は水谷晃というダブルトップ態勢を敷きます

     

これまで慣れ親しんできた第1~第3楽章を聴いた印象としては、都響の自慢の分厚い弦楽セクションと重厚な管楽器を中心にスケールの大きな演奏が展開しました インバルの指揮はエネルギッシュで、都響の面々をグイグイ引っ張っていきます 本当に88歳か と疑問に思うほど精力的な指揮ぶりでした    全体的にテンポは速く弛緩するところは全くありませんでした ちなみに私の時計では 第1楽章=約22分、第2楽章=約11分、第3楽章=約22分で合計=約55分でした 参考までに、同じノヴァーク版によるバーンスタイン指揮ウィーン・フィルの演奏(1990年録音)は 第1楽章=約27分、第2楽章=約12分、第3楽章=約27分で合計=約66分となっています

     

さて、問題は第4楽章です インバルの指揮で演奏に入りますが、冒頭から違和感を感じました 第3楽章までの流れの延長線上に乗っていないように思いました いわば”音のパッチワーク”のように断片と断片をムリに繋ぎ合わせて曲を組み立てている感じです その感覚は後半で第1楽章のテーマが回想される箇所まで続きました それ以降はフィナーレに向けて大管弦楽による音の大伽藍を構築するようなスケールの大きな音楽が繰り広げられ、ブルックナーらしさが感じられました この楽章は約18分で、トータルでは約73分でした

ということで、日本初演だった第4楽章の一部には疑問を感じたものの、演奏自体はインバル ✕ 都響らしい重心の低い重量感に溢れたスケールの大きな演奏でした

満場の拍手とブラボーが飛び交う中、カーテンコールが繰り返され、スタンディングオベーションも見られました

     

     

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

新日本フィル「室内楽シリーズ」のチケット(2025年1月~3月)を取る / 垣谷美雨著「七十歳死亡法案、可決」を読む ~ 義母の介護疲れで家出した主婦と残された家族の物語

2024年06月04日 00時01分02秒 | 日記

4日(火)。新日本フィル「室内楽シリーズ」のチケットを3枚取りました 2024年10月 ~ 2025年3月の4公演のうち次の3公演です

①1月20日(月)浅間信慶(オーボエ)プロデュース編

②2月17日(月)桂田光理(ヴィオラ)プロデュース編

③3月21日(金)山川永太郎(トランペット)プロデュース編

なお、10月24日(木)の「村松裕子(コントラバス)プロデュース編」は、同日 別のコンサートの予定が入っているので諦めました

このシリーズは@3000円で室内楽が楽しめるということもあって、毎回 結構な客入りが続いています 最近は早めにチケットを手配しないと希望の席が取れないこともあるので、急いで取りました

     

     

ということで、わが家に来てから今日で3430日目を迎え、不倫口止め不正処理をめぐり有罪判決を受けたトランプ前米大統領は、「(実刑を言い渡された場合)人々が受け入れるかどうか分からない。おそらく人々には受け入れがたいだろう。ある時点で限界点に達するかもしれない」と述べた  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

     

     そういう発言が 支持者らを煽って暴動を起こす原因となることを 知ってるはずだ

         

昨日、夕食に「ハッシュドビーフ」と「生野菜とアボカドのサラダ」を作りました ハッシュドビーフは久しぶりに作りましたが、美味しかったです

     

         

垣谷美雨著「七十歳死亡法案、可決」(幻冬舎文庫)を読み終わりました 垣谷美雨(かきや みう)は1959年兵庫県生まれ。明治大学卒。ソフトウェア会社勤務を経て、2005年「竜巻ガール」で第27回小説推理新人賞を受賞しデビュー 「定年オヤジ改造計画」「老後の資金が足りません」など著書多数

     

高齢者が国民の3割を超え、破綻寸前の日本政府は「七十歳死亡法案」を強行採決した 施行まで2年、わがまま放題の義母の介護に追われた15年間を振り返り、宝田東洋子は喜びをかみしめていた 法案のお陰でやっとお義母さんが死んでくれる しかし、能天気な夫は繰り上げ退職して友人と3か月の海外旅行に出かけてしまう 一流大学を出て一流銀行に勤めた息子は人間関係がうまくいかず退職して引きこもり生活を続けている 介護で苦労する母親の二の舞になりたくない娘は、家を出て一人住まいをして特別養護老人ホームで働いている 誰も彼もが自分だけに義母の介護を押しつけて勝手なことばかりやっている 「いい加減にしてちょうだい」と切れた東洋子は遂に家出を敢行する

政府の「七十歳死亡法案」というのは、「日本国籍を有する者は誰しも70歳の誕生日から30日以内に死ななければならない 例外は皇族だけ。政府は安楽死の方法を数種類用意する方針で、対象者がその中から自由に選べるように配慮する。施行は2年後の4月1日」というもので、すでに70歳以上の者は2年後の4月1日以降に死ななければならないというものです

本書はタイトルが衝撃的ですが、著者が主張したいのは法案の是非ではなく、少子高齢化問題や、若者の就職難やブラック企業の実態、介護職の過酷な現状など、日本社会が抱える諸問題のしわ寄せが主婦に来ているという事実です 介護を含めた家事労働の過酷さと家族の無理解にキレた主婦が家出したことで、家族は混乱に陥るが、主婦に集中していた”労働”を少しずつ家族が分担することにより、家族の意識が変わっていき、主婦も新しい人生を歩み始めるという物語です

本書は女性読者に圧倒的に受け入れられるだろうな、と思います

ところで巻末の「解説」をフリーライターの長江朗さんが書いていますが、家族の中における長江さんの立ち位置は私と似ているな と思い、共感を覚えました

本書を読んで思い出したのは、早川千絵監督による2022年製作映画「プラン75」です 満75歳以上から生死の選択権を与える制度「プラン75」が国会で可決・施行され、78歳の角谷ミチ(倍賞千恵子)が同制度に申し込むという内容です    映画の内容と感想は2022年7月1日付toraブログに書きましたので、興味のある方はご覧ください

     

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

出口大地 ✕ 前田妃奈 ✕ 東京交響楽団でモーツアルト「ヴァイオリン協奏曲第4番」、同「交響曲第39番」、アリアーガ「幸福な奴隷」序曲を聴く ~ 第58回モーツアルト・マチネ

2024年06月03日 00時01分07秒 | 日記

3日(月)。時事通信によると、世界三大音楽コンクールの一つ、エリザベート王妃国際音楽コンクール(ヴァイオリン部門)の最終審査がベルギーのブリュッセルで1日までに行われ、吉田南さん(25)が6位に入賞しました

彼女は現在 MINAMI の名で活動していますが、一層の活躍を期待したいと思います

ということで、わが家に来てから今日で3429日目を迎え、韓国軍合同参謀本部は2日、北朝鮮が1日から風船を韓国に向けて約600個飛ばしたが、風船に取り付けられた袋には煙草の吸殻や排紙、ビニールなどのゴミが入っていた  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

     

     韓国からの風船にはDVD等が付けられてた やはり両国の経済格差は歴然としてるね

【その2】

     

     ゴミは分別して自国に出して下さい!  そうしないから ”分別のない国” と言われる

         

昨日、ミューザ川崎シンフォニーホールで、ミューザ川崎 ✕ 東京交響楽団の「第58回 モーツアルト・マチネ」公演を聴きました プログラムは①アリア―ガ「幸福な奴隷」序曲、②モーツアルト「ヴァイオリン協奏曲第4番ニ長調 K.218」、③同「交響曲第39番 変ホ長調 K.543」です 演奏は②のヴァイオリン独奏=前田妃奈、指揮=出口大地です

出口大地は第17回ハチャトゥリアン国際指揮者コンクール指揮部門で日本人で初めて優勝 関西学院大学、東京音楽大学で学び、2023年ハンスアイスラー音楽大学ベルリン指揮科修士課程修了

 

     

オケは10型で、左奥にコントラバス、前に左から第1ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、第2ヴァイオリンという対抗配置をとります コンマスは小林壱成です

1曲目はアリア―ガ「幸福な奴隷」序曲です この曲はスペイン生まれのフアン・クリソストモ・デ・アリア―ガ(1806-1826)が1819年に作曲した同名オペラの序曲です

自席は1階センターブロック右側ですが、チューニングが終わるころ、自席の後方でケータイ着信音が鳴っているのが聴こえます しかし止める気配がありません するとそのすぐ前の席の男性が後ろを振り返って「何やってんだよ」と注意しました。しかし音は鳴りやまず、遂に指揮者が指揮台に上がり演奏を開始しました 出口は緊張で着信音が耳に入っていなかったと思われます 演奏開始後にやっと鳴りやみましたが、これはハッキリ言って「演奏妨害」です 出演者に対して失礼であると同時に周囲の聴衆を不愉快にします コンサートではスマホ、ケータイの電源を切るのは最低限のマナーです 今さら こんなことをいちいち書かなければならないなんて、情けないです

さて演奏です   出口の指揮によりゆったりしたテンポで開始され、後半はテンポアップして軽やかな音楽が展開します 弦楽器や木管楽器がよく歌い、まるでロッシーニの歌劇の序曲を聴いているようです 20歳で生涯を終えた作曲家の14~15歳の時の作品だとは思えない閃きを感じる作品でした

     

2曲目はモーツアルト「ヴァイオリン協奏曲第4番ニ長調 K.218」です この曲はウォルフガング・アマデウス・モーツァルト(1756-1791)が1775年に作曲した作品です 第1楽章「アレグロ」、第2楽章「アンダンテ・カンタービレ」、第3楽章「ロンド:アンダンテ・グラツィオーソ ~ アレグロ・マ・ノン・トロッポ」の3楽章から成ります

ヴァイオリン独奏の前田妃奈は2022年の第16回ヘンリク・ヴィエニアフスキ国際ヴァイオリンコンクールで優勝。2019年に日本音楽コンクール第2位、20年に東京音楽コンクール第1位 全国各地でリサイタル、オーケストラと共演を重ねている。現在、東京音楽大学に特別奨学生として在学中

協奏曲のため、オケは8型に縮小し、前田を迎えて演奏に入ります 前田の演奏の良いところは、喜びに満ちた音楽を身体全体で表現していることです 第1楽章と第2楽章のカデンツァは鮮やかでした 第2楽章では弦楽器のアンサンブルが美しく響きました 全楽章を通して、出口 ✕ 東響がしっかりソリストを支えました

大きな拍手に前田は、アンコールにヨアヒム「スコティッシュ・メロディ」を鮮やかに演奏、再び大きな拍手に包まれました

     

最後の曲はモーツアルト「交響曲第39番 変ホ長調 K.543」です この曲は1788年夏の3か月間に第40番、第41番とともに作曲されました 第1楽章「アダージョ ~ アレグロ」、第2楽章「アンダンテ・コン・モート」、第3楽章「メヌエット:アレグレット」、第4楽章「アレグロ」の4楽章から成ります    私は、モーツアルトの交響曲の中で一番好きな「第39番」の一番好きな第3楽章「メヌエット」の「トリオ」の部分をどのように演奏するかが楽しみで聴きにきたようなものなので、期待が高まります

オケは10型編成に戻ります

出口の指揮で第1楽章が堂々たる序奏で開始され、徐々にテンポアップします 硬いマレットで打ち込まれるティンパニとトランペットが曲に推進力を与え、祝祭的な雰囲気を醸し出します 第2楽章では弦楽セクションのアンサンブルが美しい そしていよいよ第3楽章です。出口は比較的速いテンポで開始し、快速のまま演奏を進めます そして「トリオ」に入ると極端にテンポを落とし、クラリネット、フルート、ファゴットによる「トリオ」をじっくりと歌わせました これにはシビレました 私にとっては理想のテンポです これをアーノンクールみたいに超高速で演奏されると興ざめします そして第4楽章に入りますが、弦楽器同士のやり取り、木管楽器同士の対話による快速テンポの演奏が展開し、爽快感溢れるフィナーレを築き上げました 文句なしの素晴らしい演奏でした 私の中で出口大地の高感度が 大幅にアップしました

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

METライブビューイングでプッチーニ「つばめ」を観る ~ エンジェル・ブルー、ジョナサン・テテルマン、エミリー・ポゴレルツ、ベクゾット・ダブロノフにブラボー!

2024年06月02日 00時05分26秒 | 日記

2日(日)。わが家に来てから今日で3428日目を迎え、元不倫相手への「口止め料」を巡って有罪判決を受けたトランプ前大統領は5月31日、「不正な裁判だ。我々は控訴する」との意向を明言したが、評決後に集まった小口現金は3480万ドル(約54億円)にのぼり、トランプ陣営としての1日の記録を更新した  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

     

     敗訴しても金集めをする 商魂逞しさは見上げたものだが 裁判費用に消えゆく運命!

 

         

昨日、新宿ピカデリーでMETライブビューイング、プッチーニ「つばめ」を観ました これは今年4月20日に米ニューヨークのメトロポリタン歌劇場で上演されたオペラのライブ録画映像です 出演はマグダ=エンジェル・ブルー、ルッジェーロ=ジョナサン・テテルマン、リゼット=エミリー・ポゴレルツ、プル二エ=ベクゾット・ダブロノフ。管弦楽=メトロポリタン歌劇場管弦楽団、指揮=スペランツァ・スカップッチ、演出=二コラ・ジョエルです

     

「つばめ」はジャコモ・プッチーニ(1858-1924)がジュゼッペ・アダ―ミの台本により1913年から16年にかけて作曲した全3幕から成るオペラ(抒情喜劇)です 本作はウィーンの劇場からオペレッタの作曲を依頼されたことから手掛けられましたが、曲の完成間近になって第一次世界大戦が勃発し、オーストリアがイタリアの敵国になったため、初演は1917年3月に中立国モナコのモンテカルロ劇場で行われ、大成功を収めました

金持ちの銀行家ランバルドに囲われている高級娼婦のマグダは、ランバルドの友人の息子ルッジェーロと恋に落ち、ランバルドに別れを告げる コート・ダジュールで愛の生活を送る二人の元に、ルッジェーロの母から、マグダとの結婚を喜ぶ手紙が届く ルッジェーロは母に、二人の結婚を許してくれるよう手紙を送っていたのだ ルッジェーロは喜び、マグダに手紙を見せるが、自分の過去を悔やむマグダはためらう 彼女はルッジェーロに高級娼婦だったことを告白し、「あなたの家には入れない」と告げランバルドの元に戻っていくのだった

     

私は今回初めてこの作品を観賞しました プッチーニと言えば真っ先に「ラ・ボエーム」「トスカ」「蝶々夫人」「トゥーランドット」に代表される”泣かせるオペラ”を頭に思い浮かべますが、この「つばめ」は、それらの有名曲とは違う(誰も死なないし)、同じ高級娼婦を主人公にしたヴェルディ「椿姫」とも違う、喜劇的な要素と感傷的な要素をミックスした独特のオペラです

「つばめ」というタイトルは、第1幕でヒロインのマグダの手相を見ていた詩人プル二エが「貴女は恋に落ちて つばめのように海を渡り、恋が終わって 再びつばめのように舞い戻る」と予言する場面から取られています

マグダ役のエンジェル・ブルーは1984年カリフォルニア州生まれのソプラノです UCLAで音楽博士号を取得。2007~2010年にロサンゼルス・オペラの若手芸術家育成プログラムに参加後、欧州で国際的キャリアをスタートさせました METライブでは「カルメン」のミカエラ役が記憶に新しいところです 第1幕冒頭のアリア「ドレッタの夢」をはじめ、声に力があり、伸びのある美しい歌唱で聴衆を魅了しました

ルッジェーロ役のジョナサン・テテルマンは1988年にチリのカストロで生まれ、養子縁組の結果、ニュージャージー州プリンストンで育ったテノールです マンハッタン音楽学校とマスネ音楽学校で学びました 2021年にはドイツ・グラモフォンと専属解約を結びました 開演前にMETのピーター・ゲルブ総裁がステージに現れ、「テテルマンは花粉症に悩まされており不調であるが、本日は出演する。ご理解ください」とアナウンスしていましたが、実際に歌い始めると、まったく不調を感じさせない張りのあるテノールを聴かせてくれました

リゼット役のエミリー・ポゴレルツはミルウォーキー出身のソプラノです フィラデルフィアのカーティス音楽院を2018年に修了。ワシントン国立オペラの「キャンディード」でデビュー 2020年からバイエルン国立歌劇場のメンバーとして活躍しています 軽やかな歌唱と俊敏な演技で、マグダの小間使いリゼットを歌い演じました

プル二エ役のベクゾット・ダブロノフはウズベキスタン出身のテノールです 2021年にドミンゴ主宰「オペラリア」で第2位を獲得しました リリカルな歌唱で演技力もありました

     

メトロポリタン歌劇場管弦楽団の指揮をとったスペランツァ・スカップッチは1973年ローマ生まれの女性指揮者です 10歳でサンタ・チェチーリア音楽院に入学し、ピアノと室内楽を学び、ジュリアード音楽院で研鑽を積みました 2022年にイタリア人女性指揮者として初めてスカラ座の指揮台に立ち、25/26シーズンから英国ロイヤル・オペラの首席客演指揮者に就任します 彼女は帝王ムーティの愛弟子で、ムーティに所縁のある東京・春・音楽祭では2018年にロッシーニ「スターバト・マーテル」を、2020年にはプッチーニ「三部作」(「外套」「修道女アンジェリカ」「ジャン二・スキッキ」)を指揮しています 今回の「つばめ」でも、歌手に寄り添いつつ、ヒロインの悩み、悦び、哀しみをオケから引き出していました

【訂正】2020年のプッチーニ「三部作」はコロナ禍の影響で中止となりました。クラシックファンさんからご指摘がありました。お詫びのうえ訂正いたします(2日14:40)。

二コラ・ジョエルによる演出は、アールデコを基調とした洒脱な雰囲気満点の舞台で、とても美しく 見応えがありました METライブビューイングでは幕間に舞台裏の様子が映し出されますが、いかに大掛かりな装置が多くの人々によって準備され、片づけられ、模様替えされていくかが分かります オペラは「総合芸術」と言われますが、陽の当たる表のステージの裏では、名もない多くのスタッフが働いているからこそ成り立っているのだとつくづく思います

     

METライブビューイング「つばめ」の上映は休憩1回、出演者へのインタビュー等を含めて2時間44分です 新宿ピカデリーでは6日(木)まで上映されます

さて、次回の「METライブビューイング2023-2024」は 今シーズン最後のオペラ、プッチーニ「蝶々夫人」です ヒロインの蝶々夫人を歌うのは、”遅すぎるMETデビュー”のアスミック・グリゴリアン 6月21日~27日の上映が待ち遠しいです

 

     

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ステファニー・チルドレス ✕ 鳥羽咲音 ✕ 読売日響でエルガー「チェロ協奏曲」、ドヴォルザーク「交響曲第9番”新世界より”」、シベリウス「フィンランディア」を聴く

2024年06月01日 00時04分32秒 | 日記

6月1日(土)。月日の流れは速いもので、今日から6月です 6月と言えばジューンブライトですね、ってそれじゃ6月の照明だよ

ということで、わが家に来てから今日で3427日目を迎え、トランプ前米大統領が自身の不倫の口止め料を不正に処理したとして罪に問われている裁判で、陪審団は30日、同氏を34件の罪状すべて有罪とする評決を全員一致で下した  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

     

     米国に良心が残っていることが証明されたが 恥知らずのトランプは大統領選に出る

 

         

昨日、夕食に「鶏の山賊焼き」「生野菜とアボカドのサラダ」「ブナピーの味噌汁」を作りました 前回は豚肉で山賊焼きを作ったので、今回は鶏肉にしました 鶏肉は揚げ焼きにしてありますが、すごく美味しかったです

     

         

昨夜、サントリーホールで読売日響「第672回名曲シリーズ」を聴きました プログラムは①シベリウス:交響詩「フィンランディア 作品26」、②エルガー「チェロ協奏曲 ホ短調 作品85」、③ドヴォルザーク「交響曲第9番 ホ短調 ”新世界より” 作品95」です 演奏は②のチェロ独奏は鳥羽咲音、指揮はステファニー・チルドレスです

ステファニー・チルドレスは1999年ロンドン生まれ、25歳の女性指揮者 幼少期からヴァイオリンを始め、セント・ジョンズ・カレッジ(ケンブリッジ大学)で音楽を専攻し、指揮者としての活動を開始、2020年にパリで開催されたコンクール「ラ・マエストラ」で第2位を受賞し脚光を浴びる それ以降、世界各地のオーケストラに客演している 2024/25シーズンからバルセロナ響の首席客演指揮者に就任する

     

オケは14型で、左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスといういつもの読響の並び。コンマスは元神奈川フィル・コンマスの﨑谷直人、その隣は長原幸太というダブルトップ態勢を敷きます

1曲目はシベリウス:交響詩「フィンランディア 作品26」です この曲はジャン・シベリウス(1865-1957)が1899年に作曲、同年11月4日にヘルシンキで初演され、その後1900年に改訂、同年7月2日にヘルシンキで改訂初演されました なお、この曲は当初、1899年に上演された歴史劇の最後のシーン「フィンランドは目覚める」の付随音楽として発表されましたが、翌1900年にパリ万国博覧会に招かれたヘルシンキ・フィルのために、単独の交響詩に改訂されました

拍手の中、ステファニー・チルドレスが登場し指揮台に上がりますが、ショートヘアでスマートな体型の彼女は、見るからにクイーンズ・イングリッシュを話すクレバーなイギリス人女性というイメージがぴったりです

チルドレスの指揮で演奏に入りますが、ゆったりしたテンポで金管楽器を重量感たっぷりに歌わせます。そうかと思うと速いテンポに移ると一気にアクセルを踏んで、オケを煽り立てます ダイナミクスが明確で、見通しの良い演奏が繰り広げられます 読響のゴージャスなサウンドが生かされた爽快な演奏でした

2曲目はエルガー「チェロ協奏曲 ホ短調 作品85」です この曲はエドワード・エルガー(1857ー1934)が1919年に作曲、同年ロンドンで初演されました 第1楽章「アダージョ ~ モデラート」、第2楽章「レント ~ アレグロ・モルト」、第3楽章「アダージョ」、第4楽章「アレグロ ~ モデラート ~ アレグロ・マ・ノン・トロッポ」の4楽章から成ります

チェロ独奏の鳥羽咲音(とば さくら)は2005年ウィーン生まれの19歳。6歳から毛利伯郎に師事。国内外のコンクールで優勝・入賞を重ね脚光を浴びる 23年8月には読響サマーフェスティバル「三大協奏曲」に出演し絶賛される 22年からベルリン芸術大学でJ・P・マインツに師事

ソリストの鳥羽が 白を基調とした小さな花柄模様の華やかな衣装で登場、チルドレスの指揮で第1楽章の演奏に入ります   鳥羽の演奏を聴いて思うのは、研ぎ澄まされた弱音による抒情的な演奏が並外れて素晴らしいということです    第1楽章冒頭や第3楽章「アダージョ」においてその特徴がよく表れていました   一方、速いパッセージでは技巧を凝らして鮮やかに弾き、どこまでも気品のある演奏を展開しました

満場の拍手に鳥羽は、富岡廉太郎率いるチェロ・アンサンブルをバックに、まるでエリック・サティがタイトルを付けそうな、ドヴォルザーク「私にかまわないで」をチャーミングに演奏、再び大きな拍手に包まれました

昨年の「読響三大協奏曲」でドヴォルザーク「チェロ協奏曲」を弾いた時にも思いましたが、鳥羽は若手屈指の逸材で、将来が楽しみです

     

なお、音楽ライターの飯尾洋一氏が「プログラム・ノート」に次のように書いています

「この曲の初演はオーケストラの練習不足により失敗に終わったが、その時チェロ奏者として参加していたジョン・バルビローリはその後指揮者に転向し、1965年にジャクリーヌ・デュ・プレの独奏でロンドン交響楽団を指揮して同曲を録音した この録音がセンセーショナルな成功を収めたことで作品の真価が広く知れ渡ることになった

その録音が下の写真のCDに収録されています 1965年8月19日の録音です

     

プログラム後半はドヴォルザーク「交響曲第9番 ホ短調 ”新世界より” 作品95」です    この曲はアントニン・ドヴォルザーク(1841-1904)がニューヨークの私立ナショナル音楽院の院長としてアメリカ滞在中の1893年に作曲、同年ニューヨークで初演されました  第1楽章「アダージョ ~ アレグロ・モルト」、第2楽章「ラルゴ」、第3楽章「スケルツォ:モルト・ヴィヴァーチェ」、第4楽章「アレグロ・コン・フォーコ」の4楽章から成ります

この曲においても、チルドレスの指揮はダイナミクスが明快で、緩急強弱自在の指揮ぶりを発揮します 第2楽章「ラルゴ」では、予想通りイングリッシュホルンで「家路」のテーマを吹いた北村貴子が、”いいところ”を全部かっさらっていきました この楽章最後の弦楽トップによる八重奏はしみじみと素晴らしい演奏でした 第3楽章も第4楽章もかなり速いテンポですっ飛ばし爽快な演奏を展開しますが、第4楽章冒頭は、どうしても”鉄道オタク”ドヴォルザークの”ドヤ顔”を思い浮かべます どう聴いたって あの冒頭の音楽は、機関車が発車する時の推進力を表しています

満場の拍手とブラボーが飛び交う中、カーテンコールが繰り返されました この日も事前にレセプショニストに、カーテンコール時のスマホによる写真撮影がOKであることを確かめておいたので 写メしました 写メしながら、チルドレスも鳥羽咲音と同じようにまだ若いし、将来が楽しみだと思いました

     

     

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする