人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

新国立オペラでヴェルディ「椿姫」初日公演を観る ~ 中村恵理、グスターボ・カスティーリョ、リッカルド・デッラ・シュッカ、新国立劇場合唱団にブラボー!

2024年05月17日 00時59分14秒 | 日記

17日(金)。わが家に来てから今日で3412日目を迎え、北朝鮮の金正恩総書記は、戦術ミサイルの生産現場を視察し、これらが軍に配備されれば「戦争準備で画期的な変革をもたらす」と強調した  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     さすがは我らの将軍様! いつもミサイル開発・軍拡最優先で 国民の生活は二の次

 

         

 

昨日、夕食に「麻婆茄子」「生野菜サラダ」「大根の味噌汁」を作りました 麻婆茄子は何とか美味しくできました

 

     

 

         

 

昨夜、新国立劇場「オペラパレス」でヴェルディ「椿姫」初日公演を観ました 出演はヴィオレッタ=中村恵理、アルフレード=リッカルド・デッラ・シュッカ、ジェルモン=グスターボ・カスティーリョ、フローラ=杉山由紀、ガストン子爵=金山京介、ドゥフォール男爵=成田博之、ドヴィ二ー侯爵=近藤圭、医師クランヴィル=久保田真澄、アンニーナ=谷口睦美、ジュゼッペ=高橋康晴、使者=井出壮志朗、フローラの召使=上野裕之。合唱=新国立劇場合唱団、管弦楽=東京フィル、指揮=フランチェスコ・ランツィロッタ、演出=ヴァンサン・プサールです

 

     

 

「椿姫(ラ・トラヴィアータ)」はジュゼッペ・ヴェルディ(1813-1901)が1853年に作曲、同年ヴェネツィアのフェニーチェ劇場で初演された全3幕4場から成るオペラです

パリの高級娼婦ヴィオレッタは、富豪の息子アルフレードからの求愛に ためらいながらも、真摯な愛に心を開く    二人はパリ郊外で一緒に暮らすが、アルフレードの父ジェルモンがヴィオレッタを訪れ、自分の娘の縁談のためにも二人の関係を終わらせるように頼む   ヴィオレッタは涙を呑んで身を引く   これを裏切りと捉えたアルフレードは夜会で彼女を罵倒するが、やがて誤解と分った時はすでに遅く、ヴィオレッタは病床で愛するアルフレードに看取られ息絶える

 

     

 

私が新国立オペラ「椿姫」を観るのは2002年、2004年、2008年、2011年、2015年、2017年、2019年、2022年に次いで今回が9回目です また、ヴァンサン・プサールの演出で観るのは5回目です

ヴィオレッタ役の中村恵理は大阪音楽大学・大学院修了、新国立オペラ研修所第5期修了のソプラノです 2008年英国ロイヤルオペラにデビュー。2010年~16年はバイエルン州立歌劇場専属歌手となり「フィガロの結婚」スザンナ、「魔笛」パミーナ役などに出演。ウィーン国立歌劇場、ベルリン・ドイツ・オペラなど主要歌劇場で活躍し、新国立オペラでは「蝶々夫人」タイトルロール、「トゥーランドット」リューなどに出演しています 2022年の新国立オペラ「椿姫」では、アニタ・ハルティヒの代役として出演し大成功を収めています 今回のヒロイン役はその時の実績を踏まえての出演と思われます

今回は過去の実績が自信になったのか、中村恵理に余裕が窺えました 第1幕のアリア「ああ、そはかの人か ~ 花から花へ」、第2幕でのジェルモンとの長大な二重唱、第3幕のシェーナ「さようなら、過ぎた日よ」をはじめ、卓越した声量コントロールにより、長いパッセージもモノともせず完璧に歌い上げました ヴィオレッタ役を任せられるのは、歌唱力、演技力に加え、体力も備えた歌手だけです 今回の公演で中村恵理はこの「3つの力」により、この役を「自分のもの」にしたように思います 彼女は小柄な女性ですが、実力に身体の大小は関係ないことを証明しています

 

     

 

アルフレード役のリッカルド・デッラ・シュッカはイタリア出身のテノールです 2017年にミラノのアドリアーナ・マリポンテ国際声楽コンクール、アンジェロ・ロフォレス国際オペラコンクールで優勝 現在、イタリアの歌劇場を中心に活躍しています 歌唱に無理がなく、自然に美声が出てくる印象があります

ジェルモン役のグスターボ・カスティーリョはベネズエラ出身のバリトンです エル・システマで音楽教育を受け、2016~18年ミラノ・スカラ座アカデミーメンバーとなる。ボローニャ歌劇場などで活躍しています 声に独特の艶があり、威厳のある落ち着いた歌唱により存在感を示しました 第2幕でのヴィオレッタとの二重唱、そしてアリア「プロヴァンスの海と陸」はバリトンの魅力が十分発揮された素晴らしい歌唱でした

特筆すべきは新国立劇場合唱団の迫力のあるコーラスです 第1幕での「乾杯の歌」をはじめ、力強い合唱により存在感を示しました また、ローマ出身のフランチェスコ・ランツィロッタ指揮東京フィルは、歌手に寄り添いつつ、ヴィオレッタの悲しみを、アルフレードの悔しさを、ジェルモンの親心を歌い上げました

ヴァンサン・プサールによる演出・舞台つくりの特徴は、床面と左右両サイドの壁を鏡張りにしていて、幻想的な世界を表出していることです 第2幕第2場でアルフレードがヴィオレッタを罵倒するシーンで、背景の壁が奥の方に倒れる演出は斬新です また、第3幕では手前のヴィオレッタと他の登場人物の間に巨大な薄い幕(レースカーテン)が下ろされていて、ヴィオレッタはすでに死の世界にいることを暗示しているように見えます 何回観ても分からないのは、第2幕のパリの屋敷で、空中に浮いている白いパラソルです あれはいったい何を意味しているのか? とてもシュールです

満場の拍手にカーテンコールが繰り返されましたが、ヒロインの中村恵理に一層大きな拍手とブラボーが浴びせられました 聴衆の熱狂的な反応を見る限り、初日公演は成功裏に終わったと言ってもよいと思います 終演は21:55でした

 

     


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