人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

2014年クラシック・コンサート「マイ・ベスト3」発表

2015年01月01日 13時42分05秒 | 日記

1日(木・元日)その2。よいこは「その1」から見てね 

今朝8時半頃、何気にテレビを点けたら、ウィーン楽友協会大ホールらしき会場で、女性指揮者シモーネ・ヤングがワーグナーの楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」第1幕への前奏曲を指揮していたので驚きました ま、まさか、オケはウィーン・フィルか?・・・・と思って注意深く見ると、どうも女性奏者の数が半端ない多数で、これはウィーン・フィルじゃないと気が付きました テレビのリモコンで番組内容を調べてみたら、放送していたのは東京MXテレビで、内容は2014年4月19・20日にウィーン楽友協会大ホールで開かれたウィーン交響楽団のコンサートであることが分かりました 冷静に考えたら、何もウィーン楽友協会はウィーン・フィルだけが演奏する訳ではないし、シモーネ・ヤングは2005年に女性で初めてウィーン・フィルを振っており、その後も何度か振っています。不思議でも何でもなかったのです 日本では2010年アルトゥーロ・トスカニーニ国際指揮者コンクール第2位の三ツ橋敬子の活躍に目覚ましいものがありますが、これからも女性指揮者は増える傾向にあるのでしょうね

 

  閑話休題  

 

昨年1年間に聴いたコンサートのマイ・ベスト3を発表します 最初はベスト10を、と思ったのですが、4位以下はそれほど差がないことからベスト3にしました。昨年は179回クラシック・コンサートを聴きましたが、特に印象に残ったコンサートを時系列に沿って上げると次の18公演になりました

〇新国立オペラ コルンゴルト「死の都」(3月12日・新国立劇場)

 

          

 

〇トヨタマスタープレイヤーズ・ウィーン(4月16日・サントリーホール)ベートーベン「交響曲第3番」ほか

 

          

 

〇モイツァ・エルトマン・ソプラノリサイタル(4月30日・東京オペラシティ)プッチーニ「私のお父さん」ほか

 

          

 

〇イェイン・チェ+リス+ウラル・フィル演奏会(5月4日・国際フォーラムA)ブラームス「ヴァイオリン協奏曲」

 

          

 

〇クニャーゼフ+リス+ウラル・フィル演奏会(5月5日・国際フォーラムA)ドヴォルザーク「チェロ協奏曲」

 

          

 

〇都響定期演奏会(5月27日・サントリーホール)メンデルスゾーン「ピアノ協奏曲第1番」、コルンゴルト「交響曲」

 

          

 

〇パシフィカ・クァルテット他(6月17日・サントリー「ブルー・ローズ」)メンデルスゾーン「八重奏曲」

 

          

 

〇萩原麻未ピアノ・リサイタル(6月27日・紀尾井ホール)ジェフスキ―「ウィンズボロ・コットン・ミル・ブルース」ほか

 

          

 

〇インバル+都響(7月21日・サントリーホール)マーラー「交響曲第10番」

 

          

 

〇メータ+イスラエル・フィル(10月29日・NHKホール)マーラー「交響曲第5番」ほか

 

          

 

〇ユリアンナ・アヴデーエワ・ピアノリサイタル(11月14日・東京オペラシティ)ショパン「24の前奏曲」ほか

 

          

 

〇HJリム・ピアノリサイタル(11月22日・第一生命ホール)ベートーヴェン「悲愴・月光・ワルトシュタイン・熱情」

 

          

 

〇都響プロムナードコンサート(11月30日・サントリーホール)チャイコフスキー「ピアノ協奏曲第1番」(P=HJリム)ほか

 

          

 

〇ジョナサン・ノット+東響(12月7日・ミューザ川崎)マーラー「交響曲第8番」

 

          

 

〇パーヴォ・ヤルヴィ+ドイツ・カンマーフィル(12月10日・東京オペラシティ)ブラームス「交響曲第1番」ほか

 

          

 

〇HJリム・ピアノリサイタル(12月12日・ヤマハホール)J.S.バッハ「平均律クラヴィーア曲集第1巻」

 

          

 

〇カプソン+ユジャ・ワン演奏会(12月15日・トッパンホール)ラフマニノフ「チェロ・ソナタ」ほか

 

          

 

〇古典四重奏団演奏会(12月31日・東京文化会館小ホール)ベートーヴェン「弦楽四重奏曲第12番、第13番」

 

          

 

以上18公演をジャンル別に見ると①オーケストラ9、室内楽2、リサイタル(デュオ含む)6、オペラ1という分類になります。なお、全179回のジャンル別・会場別の集計結果は昨日のブログに書いた通りです

さて2014年のマイ・ベスト3は次の通りです

第1位:パーヴォ・ヤルヴィ指揮ドイツ・カンマー・フィルによるブラームス「交響曲第1番」ほか。12月10日・東京オペラシティコンサートホール。

第2位:HJリム(ピアノ)、垣内悠希指揮東京都交響楽団によるチャイコフスキー「ピアノ協奏曲第1番」ほか。11月30日・サントリーホール。

第3位:新国立オペラ、コルンゴルト「死の都」3月12日・新国立劇場。

ヤルヴィ+ドイツ・カンマー・フィルは少数精鋭の室内オケながら迫力ある演奏を聴かせてくれました ヤルヴィは2015年度からNHK交響楽団の首席指揮者に就任するとのこと。楽しみです

HJリムは前年に次いでベスト3に入りました(前年は第1位「ベートーヴェン・ツィクルス」)。演奏の印象が薄いピアニストが多い中で強烈に自己を主張する超個性的なピアニストです

第3位のコルンゴルトの「死の都」は、前々から生で観たいと思っていたオペラです カスパー・ホルテンの演出のもと、パウルにトルステン・ケール、マリエッタにミーガン・ミラー、フランクにアントン・ケレミチェフを配し、キズリンク指揮東京交響楽団をバックに上演されましたが、強く印象に残りました

さて、あなたのベスト3はどんなコンサートだったでしょうか

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ベートーヴェン「弦楽四重奏曲」を聴く~クァルテット・エクセルシオ&古典四重奏団~渾身の演奏

2015年01月01日 09時00分55秒 | 日記

2015年1月1日(木・元日)その1。皆さま 明けましておめでとうございます。わが家に来てから96日目となり、初めての新年を迎えたモコタロです 

 

          

           あけまして おめでとうございます ことしも よろしくね!

 

  閑話休題   

 

昨年、もとい昨日、上野の東京文化会館小ホールでベートーヴェン弦楽四重奏曲≪8曲≫演奏会を聴きました 弦楽四重奏曲7番~9番(ラズモフスキー第1番~第3番)をクァルテット・エクセルシオが、第12番、第13番(大フーガ付き)を古典四重奏団が、第14番、第15番、第16番をルートヴィヒ弦楽四重奏団が演奏します 公演チラシによると、終演は午後9時半となっていたので、古典四重奏団まで聴いて帰宅することにしました。大晦日の夜は年越しそばを食べることになっているのです

 

          

 

自席はG27番、中央右ブロック右通路側です。会場は9割方埋まっている感じです。1年の最後の日に、ベートーヴェンの弦楽四重奏曲を聴くために約600名ほどの人達が集まってくるのですから驚きです すぐ隣の大ホールではコバケンによるベートーヴェンの交響曲全曲演奏会が一足早く午後1時半から始まっています。こちらもチケットは完売と聞いています。ベートーヴェンの人気はすごいものがあります

小ホール午後2時からのトップバッターはクァルテット・エクセルシオです。「ラズモフスキー第1番~第3番」を演奏します メンバーは第1ヴァイオリン=西野ゆか、第2ヴァイオリン=山田百子、ヴィオラ=吉田有紀子、チェロ=大友肇です       

 

          

 

4人のメンバーが登場します。女性陣は赤系統の衣装で統一しています 左から第1ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、第2ヴァイオりンという態勢をとります。このあと演奏する古典四重奏団とは異なる態勢です

この日演奏されるのはラズモフスキー第1番から第3番ですが、ラズモフスキーというのはロシアの貴族で、長い間ウィーンの駐在大使を務めた伯爵で、この3曲はラズモフスキー伯爵の依頼によって作曲されました。ベートーヴェンの”中期”を代表する充実した作品です

大友肇のチェロによりラズモフスキー第1番の第1楽章「アレグロ」が始まります 聴いていると、同じ時期に作曲された英雄交響曲のような”勇壮な”音楽を感じます 音楽が前へ前へグングン進められていきます。一転、第3楽章「アダージョ・モルト・エ・メスト」に入ると”悲しみの世界”に浸ります。これはアダージョの傑作です

第2番は3曲の中で唯一短調(ホ短調)で書かれた曲です。短調特有の魅力を湛えた曲想です。最後の第3番は、第1番と第2番を合わせた集大成とでもいうべきベートーヴェンの不屈の精神に満ちた音楽です とくに最終楽章「アレグロ・モルト」のフィナーレは壮大なフーガで、圧倒的な迫力で迫ってきます

結成20年を迎えたクァルテット・エクセルシオの演奏は全体的にソフトというか、がなり立てないというか、落ち着いたアンサンブルが心地よく響きます

「ラズモフスキー」と言えば、小林秀雄のエッセイを思い出します。タイトルは忘れましたが、彼が銀座の楽器店(多分ヤマハ)に行ってレコードを注文する時のことを書いたものです。こんな風でした

小林「ラズモフスキーをくれ」

店員「何番にしましょうか?」

小林「全部くれ」

それだけのものですが、忘れられずに覚えています

かくしてエクセルシオの演奏は午後4時半頃に終了し、4人はロビーの片隅で花束やらプレゼントやらに囲まれていました。超人気者

休憩後に登場するのは古典四重奏団です。第12番作品127と第13番作品130番(大フーガ付き)を演奏します。メンバーは第1ヴァイオリン=川原千真、第2ヴァイオリン=花崎淳生、ヴィオラ=三輪真樹、チェロ=田崎瑞博です

4人のメンバーが登場しますが、女性陣はエンジと黒を基調とする衣装で統一しています 左から第1ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、第2ヴァイオリンという態勢をとります。エクセルシオと比べるとヴィオラとチェロの位置が逆になっています。もう一つの特徴は、かれらの前には譜面台がないということです。つまりどんな大曲でも暗譜で弾き切るということです

 

          

 

1曲目の第12番作品127の演奏に入ります。ベートーヴェンの弦楽四重奏曲は作曲年代から前期(第1番~第6番)、中期(第7番~第11番)、後期(第12番~第16番)に分けられますが、この12番は後期の最初を飾る曲です。年齢で言えばベートーヴェンが54歳の時に完成しました

古典四重奏団のメンバーは楽譜を見ないで演奏している訳ですが、第12番を聴きながら、いったいどういう風にお互いの間合いをとったりしているのか、と気にかかります。約30分の曲を記憶を頼りに弾くわけで、他のメンバーとのコミュニケーションどころか自分のことで精一杯だと思うのですが、実際彼らの演奏を聴く限りではアンサンブルの乱れはほとんどありません それどころか非の打ちどころのない見事なアンサンブルです 結成から28年、同じメンバーで演奏してきたことからくる”阿吽の呼吸”というのがあるのでしょう

さて、最後の第13番作品130です。6楽章形式で、当初は終曲に巨大なフーガを置いた形式で完成され、初演もされましたが、一部の不評を買い、フーガの代わりに新たな終曲を書いています この日の演奏は、最初にベートーヴェンが作曲したとおり終曲に「大フーガ」を置くスタイルで演奏されます

この曲はそれぞれの楽章に魅力がありますが、特に印象的なのは第5楽章の「カヴァティーナ」でしょう これはベートーヴェンの神への祈りの音楽です。このカヴァティーナを含めて、ベートーヴェンは緩徐楽章(アダージョ)が最も素晴らしいと思うのは私一人ではないでしょう

古典四重奏団はこの「カヴァティーナ」の後、間を置かず「大フーガ」を衝撃的に開始しますこの楽章は作曲当時から極めて難解で、演奏も困難を極めた難曲だったと言われています 今でこそ演奏技術は進んでいますが、そこに魂を込めるのは困難なことでしょう。その意味で、古典四重奏団は渾身の演奏を展開しました 目の前に楽譜があるなしに関係なく、ベートーヴェンの核心に触れる演奏だったと思います

ルートヴィヒ弦楽四重奏団の演奏を聴けなかったのは残念ですが、今年聴いてきた179回のコンサートの最後に古典四重奏団の「大フーガ」が聴けて本当に良かったと思っています

 

          

 

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