株式会社タカチホのプレスリリース
https://www.release.tdnet.info/inbs/140120100903004206.pdf
分配可能額を超えて配当を行ってしまった株式会社による経緯の説明である。
「本件配当にあたり,資本準備金を減少させその他資本剰余金を増加させれば適法に分配可能額を作出することは可能であったことなどを総合考慮すれば,会社債権者に対するマイナス要因もそれほど大きくはないものと判断する・・・本件関与者の報酬の減額及び返上により,あくまでこの限度においてではあるが,会社財産の回復も見込まれる」として,事後的に資本準備金の額を減少させることで,取締役の填補責任等を免除するようである。
しかし,会社法上,配当を受領した株主については,通常の業務執行として免除することができるが,配当等の職務を行った取締役等については,会社法第462条第3項の規定により,分配可能額を超える部分については,総株主の同意があっても免除することはできない(相澤哲他編著「論点解説 新・会社法」(商事法務)519頁)。
関与した取締役等は,その職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明した場合にのみその責任を免れ得る(会社法第462条第2項)が,「4.本件の発生原因の分析」の列挙事由をみれば,取締役等の任務懈怠は,歴然であるから,「その職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明した」場合に当たらないことは,火を見るより明らかである。
「本件配当に関与した取締役全員の報酬を平成22年9月から2ヶ月間にわたり3割減額し,本件配当に関与した常勤監査役も月額報酬の3割を2ヶ月分にわたって自主返上する」ことによる会社財産の回復を,填補責任等の履行と解することが仮にできるとしても,「分配可能額を超える部分」に満たなければ,さらに屋上屋を重ねることになるが,大丈夫であろうか?
cf. 平成22年8月17日付「分配可能額を超えた剰余金の配当」
https://www.release.tdnet.info/inbs/140120100903004206.pdf
分配可能額を超えて配当を行ってしまった株式会社による経緯の説明である。
「本件配当にあたり,資本準備金を減少させその他資本剰余金を増加させれば適法に分配可能額を作出することは可能であったことなどを総合考慮すれば,会社債権者に対するマイナス要因もそれほど大きくはないものと判断する・・・本件関与者の報酬の減額及び返上により,あくまでこの限度においてではあるが,会社財産の回復も見込まれる」として,事後的に資本準備金の額を減少させることで,取締役の填補責任等を免除するようである。
しかし,会社法上,配当を受領した株主については,通常の業務執行として免除することができるが,配当等の職務を行った取締役等については,会社法第462条第3項の規定により,分配可能額を超える部分については,総株主の同意があっても免除することはできない(相澤哲他編著「論点解説 新・会社法」(商事法務)519頁)。
関与した取締役等は,その職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明した場合にのみその責任を免れ得る(会社法第462条第2項)が,「4.本件の発生原因の分析」の列挙事由をみれば,取締役等の任務懈怠は,歴然であるから,「その職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明した」場合に当たらないことは,火を見るより明らかである。
「本件配当に関与した取締役全員の報酬を平成22年9月から2ヶ月間にわたり3割減額し,本件配当に関与した常勤監査役も月額報酬の3割を2ヶ月分にわたって自主返上する」ことによる会社財産の回復を,填補責任等の履行と解することが仮にできるとしても,「分配可能額を超える部分」に満たなければ,さらに屋上屋を重ねることになるが,大丈夫であろうか?
cf. 平成22年8月17日付「分配可能額を超えた剰余金の配当」