共同通信記事
http://www.kyoto-np.co.jp/politics/article/20110810000067
政府が,保有するJT株を放出する意向であるようだが,日本たばこ産業株式会社が自己株式の取得&消却を進めれば,政府が保有する割合が相対的に上昇するので,政府が,保有する株式の一定数を漸次売却することが可能である。
以前,政府が保有するNTT株が,同様に,「埋蔵金」として注目されていた。
cf. 平成22年11月10日付「自己株式の取得」
記事中「売却するには,政府に50%以上の出資を義務付けたJT法の改正が必要」とあるが,ややわかりづらい内容である。
日本たばこ産業株式会社法は,政府が保有する株式は,発行済株式の総数の3分の1を超えるものでなければならない(法第2条第3項)としているが,NTTの場合と異なる点として,別に「50%」という制限(法第2条第1項)がある。
日本たばこ産業株式会社法
(株式)
第2条 政府は、常時、日本たばこ産業株式会社(以下「会社」という。)の成立の時に政府に無償譲渡された会社の株式の総数の二分の一以上に当たる株式を保有していなければならない。
2 前項に規定する株式については、株式の分割又は併合があつた場合は、その株式の数に分割又は併合の比率(二以上の段階にわたる分割又は併合があつた場合は、全段階の比率の積に相当する比率)を乗じて得た数をもつて、その株式の数とする。
3 政府が前二項の規定により保有する株式は、会社の発行済株式の総数の三分の一を超えるものでなければならない。
4 【略】
法施行時の第2条の規定は,「政府は、常時、日本たばこ産業株式会社(以下「会社」という。)の発行済株式の総数の二分の一以上に当たる株式を保有していなければならない」であったが,現行の内容に改正(平成14年4月19日施行)されている。
http://warp.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1022127/www.mof.go.jp/singikai/zaiseseido/siryou/zaisanb140422a.pdf
したがって,法改正が必要であるのは,「成立の時に政府に無償譲渡された会社の株式の総数の二分の一以上に当たる株式を保有していなければならない」(法第2条第1項)の緩和である。
成立の時に政府に無償譲渡された会社の株式の総数は,200万株であるが,2006年4月1日,株式の分割により,発行済株式の総数が200万株→1000万株となっていることから,政府は,500万株以上に当たる株式を保有していなければならない(法第2条第2項)。
http://www.jti.co.jp/investors/press_releases/2005/pdf/20060227.pdf
現在の発行済株式の総数は,1000万株であり,政府が保有しているのは,500万1345株である。
したがって,「売却するには,政府に50%以上の出資を義務付けたJT法の改正が必要」は,適切ではなく,「売却するには,政府に500万株以上の保有を義務付けたJT法の改正が必要」が正しい。
とまれ,NTT株と同様に「埋蔵金」として売却するには,法第2条第1項及び第2項の改正が不可避なのである。
ただし,政府保有の株式の処分には,その年度の予算をもって国会の議決を経る必要がある(法3条)。
日本たばこ産業株式会社法
(政府保有の株式の処分)
第3条 政府の保有する会社の株式の処分は、その年度の予算をもつて国会の議決を経た限度数の範囲内でなければならない。
http://www.kyoto-np.co.jp/politics/article/20110810000067
政府が,保有するJT株を放出する意向であるようだが,日本たばこ産業株式会社が自己株式の取得&消却を進めれば,政府が保有する割合が相対的に上昇するので,政府が,保有する株式の一定数を漸次売却することが可能である。
以前,政府が保有するNTT株が,同様に,「埋蔵金」として注目されていた。
cf. 平成22年11月10日付「自己株式の取得」
記事中「売却するには,政府に50%以上の出資を義務付けたJT法の改正が必要」とあるが,ややわかりづらい内容である。
日本たばこ産業株式会社法は,政府が保有する株式は,発行済株式の総数の3分の1を超えるものでなければならない(法第2条第3項)としているが,NTTの場合と異なる点として,別に「50%」という制限(法第2条第1項)がある。
日本たばこ産業株式会社法
(株式)
第2条 政府は、常時、日本たばこ産業株式会社(以下「会社」という。)の成立の時に政府に無償譲渡された会社の株式の総数の二分の一以上に当たる株式を保有していなければならない。
2 前項に規定する株式については、株式の分割又は併合があつた場合は、その株式の数に分割又は併合の比率(二以上の段階にわたる分割又は併合があつた場合は、全段階の比率の積に相当する比率)を乗じて得た数をもつて、その株式の数とする。
3 政府が前二項の規定により保有する株式は、会社の発行済株式の総数の三分の一を超えるものでなければならない。
4 【略】
法施行時の第2条の規定は,「政府は、常時、日本たばこ産業株式会社(以下「会社」という。)の発行済株式の総数の二分の一以上に当たる株式を保有していなければならない」であったが,現行の内容に改正(平成14年4月19日施行)されている。
http://warp.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1022127/www.mof.go.jp/singikai/zaiseseido/siryou/zaisanb140422a.pdf
したがって,法改正が必要であるのは,「成立の時に政府に無償譲渡された会社の株式の総数の二分の一以上に当たる株式を保有していなければならない」(法第2条第1項)の緩和である。
成立の時に政府に無償譲渡された会社の株式の総数は,200万株であるが,2006年4月1日,株式の分割により,発行済株式の総数が200万株→1000万株となっていることから,政府は,500万株以上に当たる株式を保有していなければならない(法第2条第2項)。
http://www.jti.co.jp/investors/press_releases/2005/pdf/20060227.pdf
現在の発行済株式の総数は,1000万株であり,政府が保有しているのは,500万1345株である。
したがって,「売却するには,政府に50%以上の出資を義務付けたJT法の改正が必要」は,適切ではなく,「売却するには,政府に500万株以上の保有を義務付けたJT法の改正が必要」が正しい。
とまれ,NTT株と同様に「埋蔵金」として売却するには,法第2条第1項及び第2項の改正が不可避なのである。
ただし,政府保有の株式の処分には,その年度の予算をもって国会の議決を経る必要がある(法3条)。
日本たばこ産業株式会社法
(政府保有の株式の処分)
第3条 政府の保有する会社の株式の処分は、その年度の予算をもつて国会の議決を経た限度数の範囲内でなければならない。