今後の実務対応について,検討してみた。基準時があいまい不明確であることもあり,なかなか厄介である。登記実務に与える影響も大であるので,可及的速やかに,民事局長通達が発出されることが期待される。家裁実務においても,何らかの指針が示される必要があろう。
○ 基準時(平成13年7月▲▲日)以降に開始した相続について
本件規定を前提としてされた遺産の分割の審判その他の裁判,遺産の分割の協議その他の合意等により確定的なものとなった法律関係は,覆らない。
法律関係が確定的なものとなっていないものについては,本件規定を適用することはできない。
可分債権又は可分債務に関して,債務者から任意に支払を受け,又は債権者に任意に弁済をした事案については,「法律関係が確定的なものとなった」とみることはできず,消滅時効が完成しない限り,不当利得返還請求が可能である。
したがって,これから遺産分割協議等をする場合には,もちろん本件規定は「無効」であることを前提に行うことになる。例えば,遺産分割協議を経ずに,法定相続分で登記をしようと申請されたものが,本件規定によっている場合には,当該登記申請は,受理されない。
○ 基準時(平成13年7月▲▲日)前に開始した相続について
最高裁決定は,何ら判断していない。
本件規定を前提としてされた遺産の分割の審判その他の裁判,遺産の分割の協議その他の合意等により確定的なものとなった法律関係は,覆らないと推認される。
法律関係が確定的なものとなっていないものについては,本件規定は「推定合憲」であるとして実務を行うべきであるが,訴訟等により争うことはもちろん可能であり,最高裁が新たな決定をする等により,当該相続開始の時点において「違憲無効」であったとされ,「基準時」が繰り上がる可能性がある。
可分債権又は可分債務に関して,債務者から任意に支払を受け,又は債権者に任意に弁済をした事案については,「法律関係が確定的なものとなった」とみることはできず,消滅時効が完成しない限り,不当利得返還請求が可能である。
したがって,これから遺産分割協議等をする場合には,本件規定は「推定合憲」であることを前提に行うことになるが,訴訟等により争われる余地があると考えておく必要がある。例えば,遺産分割協議を経ずに,法定相続分で登記をしようと申請されたものが,本件規定によっている場合,当該登記申請は,受理されるが,後日の訴訟で「基準時」が繰り上がって「違憲無効」の射程が及ぶことになる場合等には,「錯誤」により抹消の登記をしなければならない可能性がある。
○ 基準時(平成13年7月▲▲日)以降に開始した相続について
本件規定を前提としてされた遺産の分割の審判その他の裁判,遺産の分割の協議その他の合意等により確定的なものとなった法律関係は,覆らない。
法律関係が確定的なものとなっていないものについては,本件規定を適用することはできない。
可分債権又は可分債務に関して,債務者から任意に支払を受け,又は債権者に任意に弁済をした事案については,「法律関係が確定的なものとなった」とみることはできず,消滅時効が完成しない限り,不当利得返還請求が可能である。
したがって,これから遺産分割協議等をする場合には,もちろん本件規定は「無効」であることを前提に行うことになる。例えば,遺産分割協議を経ずに,法定相続分で登記をしようと申請されたものが,本件規定によっている場合には,当該登記申請は,受理されない。
○ 基準時(平成13年7月▲▲日)前に開始した相続について
最高裁決定は,何ら判断していない。
本件規定を前提としてされた遺産の分割の審判その他の裁判,遺産の分割の協議その他の合意等により確定的なものとなった法律関係は,覆らないと推認される。
法律関係が確定的なものとなっていないものについては,本件規定は「推定合憲」であるとして実務を行うべきであるが,訴訟等により争うことはもちろん可能であり,最高裁が新たな決定をする等により,当該相続開始の時点において「違憲無効」であったとされ,「基準時」が繰り上がる可能性がある。
可分債権又は可分債務に関して,債務者から任意に支払を受け,又は債権者に任意に弁済をした事案については,「法律関係が確定的なものとなった」とみることはできず,消滅時効が完成しない限り,不当利得返還請求が可能である。
したがって,これから遺産分割協議等をする場合には,本件規定は「推定合憲」であることを前提に行うことになるが,訴訟等により争われる余地があると考えておく必要がある。例えば,遺産分割協議を経ずに,法定相続分で登記をしようと申請されたものが,本件規定によっている場合,当該登記申請は,受理されるが,後日の訴訟で「基準時」が繰り上がって「違憲無効」の射程が及ぶことになる場合等には,「錯誤」により抹消の登記をしなければならない可能性がある。