司法書士内藤卓のLEAGALBLOG

会社法及び商業登記に関する話題を中心に,消費者問題,司法書士,京都に関する話題等々を取り上げています。

登記原因証明情報 for 金融機関

2005-03-02 15:04:45 | 司法書士(改正不動産登記法等)
 ご質問にお答えして。なお、意見にわたる部分は私見に基づくものであること、実際の運用にあたっては、管轄法務局及び司法書士等と入念な打合せをしていただくよう、念のため申し添える。


1. 設定登記関係
①従来型の設定契約書でも基本的にはOK。施行日に併せて、慌てて改訂する必要まではない。
②差入形式でもよい。
③委任状の文言中、「登記原因証書たる~」を「登記原因証明情報たる~」と変更するのが望ましいが、改訂の際でよい。
④住宅金融公庫は、設定契約書とは別に登記原因証明情報を設定者から徴求し、登記申請に利用する模様。他の金融機関も追従するであろうと思われる。
⑤登記原因証明情報は、登記所に保存され、利害関係人に対して閲覧(きわめて厳格な取扱がなされる見込みであるが)に供されるので、その旨設定者に説明し、同意を得ておく必要があると思われる。

2.抹消登記関係
①従来原因証書を利用する金融機関は少なかったが、改正後は必ず必要となるので対応が必要。
②登記原因証明情報としては、登記済証(設定契約証書)に、「本抵当権は、平成17年4月1日弁済により消滅した。」旨の奥書をして、代表者等の記名押印をする形式でもよい。
③施行日前に既に抹消書類を交付済み(但し、原因証書は交付されていない。)の債務者が、施行日後に登記申請をしようとして、登記原因証明情報が必要となるケースの多発が予想されるので、金融機関の適切な対応が望まれる。

3.変更登記、元本確定登記関係
①債務者の住所移転、商号変更等による変更登記の際は、変更を証する住民票、履歴事項証明書等が登記原因証明情報として扱われる。
②根抵当権の元本確定登記において、単独申請による場合は、元本確定請求を行った際の内容証明郵便及び配達証明書が登記原因証明情報として扱われる。共同申請による場合は、登記原因証明情報を作成する必要がある。
③取扱店の変更については、従来登記原因がないとして、登記原因日付の記載を要しない取扱であったが、例外規定が設けられていないので、登記原因証明情報を作成し、登記申請書に添付する必要があると思われる。内容は自己証明形式でよいと思われる。

4.移転登記関係
①合併による移転登記においては、合併を証する履歴事項証明書等が登記原因証明情報として扱われる。
②会社分割による抵当権移転登記においては、抵当権の移転が分割契約書または分割計画書の内容によることになるので、登記原因証明情報を作成する必要があると思われる。
③会社分割による根抵当権移転登記においては、法律上当然の準共有であり、会社分割を証する履歴事項証明書等が登記原因証明情報として扱われる。しかし、省略を認めた通達の関係もあり、みずほグループのケースのような場合には登記原因証明情報を作成することも検討する必要があるのではないかと思われる。

5.結びに代えて
 登記原因証明情報が必要的提供となったので、従来から原因証書によっていたもの以外については、その内容に関して、個別に検討することが必要となる。実務が落ち着きを見せるまでには、ある程度時間を要するであろう。全銀協も会員各行宛に情報を発信しているようであり、正確な情報に基づき、適切な対応をお願いしたい。
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京都消費者契約ネットワーク

2005-03-02 14:40:12 | 消費者問題
 特定非営利活動法人京都消費者契約ネットワークが、消費者団体訴訟制度における団体訴権の担い手として注目を集めている。

http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/kyoto/news001.htm

 私も会員。あまりお役に立ってないので、せめてPRを。
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全銀協通達「改正不動産登記法に関する確認事項について」

2005-03-02 11:44:00 | 司法書士(改正不動産登記法等)
 金融法務事情3月5日号に、「改正不動産登記法に関する確認事項について」(全国銀行協会平17.2.15全業会第7号)の解説記事が掲載されるようだ。

 なお、同通達については、既に日司連から単位会に配布済み。

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