選挙前日、インディペンデント紙は保守党のリードが10%に広がり、保守党が過半数を大きく超える可能性が高まったと報じた。
イギリスの世論調査の信頼性のなさはよく知られている。
ただブリグジットの時は、世論調査はEU残留派の勝利を予想しながらも結果は僅差になるとしていた。またメディアは同じように、EU残留を予想しながらも、EU離脱になった場合の影響を事細かに論じていた。
しかし今回、もっとも直近の世論調査が10%という大きなリードを報じた。さすがに10%のミスはないだろう。
またイギリスの主要紙をこの数日チェックしているが、労働党が政権を取った場合の影響を詳しく報じるものがほとんど出てきていない。
こうしたことを考えると、テロの影響がどれだけあったかわからないが、労働党が勝利する可能性はかぎりなく小さくなったと思われる。
結果に注目したい。
★ 追記
保守党のリードがどのぐらいになるか、世論調査の間にかなりの差がある。
若い人ほど労働党の支持が多いが、一般に若者の投票率は低い。
若者の投票率をどの程度と見込むかによって、保守党のリードはかなりかわってくる(保守党と労働党の差を小さく予想しているものは、若者の投票率を他の調査より高く予想している)。
投票率、とくに若者の投票率が結果に大きな影響を及ぼしそうだ (Wall Street Journal 2017/6/7)。
投票率が予想より高くなった場合、労働党が予想より善戦することもありそう。
★ 追記 2017/6/10
またしても事前の多くの予想に反して、保守党が330から318に議席を減らし過半数(326)を失った。
背景には投票率とりわけ若者の投票率の大幅上昇があったようだ。
投票率は前回(2015年)の66.2%から68.7%に2.5%上昇(テレグラフ)。
とくに労働党支持が多い18-24歳の投票率は44%から72%に大幅上昇したとされている(BBC)。
イギリスは完全な小選挙区制なので全体の投票率(支持率)が議席数に反映されるわけではないが、イギリスの世論調査はふたたび大きく信用を失った。