大野威研究室ブログ

おもにアメリカの自動車産業、雇用問題、労働問題、労使関係、経済状況について、最近気になったことを不定期で書いています。

日経平均のPERは14倍ではなく17倍という驚愕の事実

2017年06月30日 | 日記

 重要な経営指標にPER(株価収益率)がある。これは現在の株価が一株あたりの利益の何倍かを表している(注)。

 一般にPERが高くなるほど株価は割高だと判断される。

 そして、日経平均の現在のPERは14倍で、アメリカのダウ30平均の17倍より低く割安だとよく言われている(たとえば7月1日の日経)。

 しかし日経平均のPERはアメリカと異なるかわった方法で計算されており、アメリカと同じように計算すると17倍になるということを最近知ってかなり驚いている。

 ロイターによるとアメリカの場合、株式の合計を30社のEPS(1株利益)の合計でわってPERが算出されている。これに対し日本の計算では、株価については額面50円に調整したものが使われる一方、利益は調整なしにそのまま計算に使われている。

 そうなったいきさつは調べてみないとわからないが、それにしても株価だけ額面調整するというのは理解に苦しむ。

 私は研究のため企業業績の比較をおこなっている最中なのだが、こうしたことを知らなければPER17倍の会社について平均(14倍)より高いと誤った評価をしてしまうところだった。

 日経新聞社は、参考値として株価と利益の両方を額面調整したPERあるいはアメリカのように両方とも調整なしのPERの公表をしてほしいと思う。

(注)たとえば発行株式数が100株の株式会社が100万円の利益を上げた場合、1株あたりの利益は1万円。これに対して株価が2万円ならPERは2倍、株価が10万円ならPERは10倍となる。

2017年7月1日追記

 こうしたことが海外でも少しずつ知られてきているようで、たとえば6月30日のウォール・ストリート・ジャーナルの記事では日経平均のPERが17倍と正しく記されている。

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米上院、オバマケア改廃案の採決延期へ

2017年06月28日 | 日記

 先に書いた通り、上院共和党は先週木曜にオバマケア改版案を発表。

 先週のブログに書いていなかった新しい内容としては、

(1)メディケイド(貧困者を対象とした公的医療保険)の受給者が生涯に受けられる連邦政府の補助金に上限を設ける(上限を超えて以降は、すべて州の負担となる)。

(2)医療保険がない人が新たに保険に加入するときは6か月待たなければならない仕組みを導入する。

 一時、上院は下院案を大幅に見直すとの報道もあったが、出てきた案は基本的に下院案とあまり変わらないものだった。

 トランプ氏が大統領に就任してから、共和党が前職だった4つの下院補欠選挙ですべて共和党候補が勝利。トランプ氏の支持率が低迷する一方、民主党への支持も伸び悩んでいることが明らかになってきた中での法案発表だった。 

 しかし月曜に議会予算局(CBO)が、上院案が実現すると10年間で赤字が3210億ドル(35兆円:1ドル=110円)減る一方、2,200万人の人が新たに無保険になるとの影響分析を公表すると、その影響の大きさにアメリカ中が騒然となった。

 こうした中、政府補助金のさらなる削減を求めるクルズ氏ら保守強硬派だけでなく、州への(メディケイド用)補助金削減に憂慮する穏健派からも批判が噴出。

 とくに3人の穏健派議員は、法案審議を始める投票にも反対すると明言しており、今週木曜に予定されていた上院本会議での投票は延期となった。

 今後は、法案に反対する議員の賛成を取り付けるために法案修正がおこなわれる予定。その修正内容が注目される。

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米上院、来週、オバマケア改廃案の採決か

2017年06月20日 | 日記

 2017年6月19日(月)のウォールストリート・ジャーナル(WSJ)は、米上院は今週末にオバマケア改廃案の公表をおこない、早ければ来週の木曜日(29日)にも上院本会議で採択がおこなわれる可能性があると報じた。来週はじめには議会予算局(CBO)による影響分析も出る予定。

 法案の詳細は明らかになっていないが、WSJは次のような法案内容を伝えている。

(1)メディケイド(貧困層向け医療保険)に対する連邦政府の補助金を下院案よりさらに大幅に削減する。

(2)ただし会社から医療保険を提供されていない人がマーケットで医療保険を買う場合に連邦政府がおこなう税額控除(補助金)については、下院案より低所得者医療保険コストが高い地域(辺境地)に住む人に手厚い仕組みを導入する。

 みたところ、財政緊縮をもとめる保守強硬派と、トランプ氏の大きな支持層である白人低所得層(メディケイドを受給できるほど低所得でないが、自分では医療保険を買えない人々)の両方に配慮した内容になっている印象だ。

 なお上院案が公表された後、これに反対する個々の共和党議員と交渉がおこなわれ(法案の修正がおこなわれ)、過半数の支持が確認されたのち採択にかけられる予定。

 上院の共和党は52議席(全100議席)をゆうしている。

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英保守党、過半数を失う: 若者の投票率が大幅上昇

2017年06月10日 | 日記

 またしても事前の多くの予想に反して、保守党が330から318に議席を減らし過半数(326)を失った

 背景には投票率とりわけ若者の投票率の大幅上昇があったようだ。

 投票率は前回(2015年)の66.2%から68.7%に2.5%上昇(テレグラフ)。

 とくに労働党支持が多い18-24歳の投票率は44%から72%に大幅上昇したとされている(BBC)。

 ところでイギリスの大学の授業料は公私立ともかつては年2-30万円程度だったが、近年は120万円を超える水準にまで急高騰している(EU圏外からの学生の授業料は別建て)。

 労働党は大学授業料の無料化などを公約に掲げ若者の支持を大きく集めている。

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 英下院選挙、保守党が大勝か? (2017/6/8)

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英下院選挙、保守党が大勝か?

2017年06月08日 | 日記

 選挙前日、インディペンデント紙保守党のリードが10%に広がり、保守党が過半数を大きく超える可能性が高まったと報じた。

 イギリスの世論調査の信頼性のなさはよく知られている。

 ただブリグジットの時は、世論調査はEU残留派の勝利を予想しながらも結果は僅差になるとしていた。またメディアは同じように、EU残留を予想しながらも、EU離脱になった場合の影響を事細かに論じていた。

 しかし今回、もっとも直近の世論調査が10%という大きなリードを報じた。さすがに10%のミスはないだろう。

 またイギリスの主要紙をこの数日チェックしているが、労働党が政権を取った場合の影響を詳しく報じるものがほとんど出てきていない。

 こうしたことを考えると、テロの影響がどれだけあったかわからないが、労働党が勝利する可能性はかぎりなく小さくなったと思われる。

 結果に注目したい。

★ 追記

 保守党のリードがどのぐらいになるか、世論調査の間にかなりの差がある。

 若い人ほど労働党の支持が多いが、一般に若者の投票率は低い。

 若者の投票率をどの程度と見込むかによって、保守党のリードはかなりかわってくる(保守党と労働党の差を小さく予想しているものは、若者の投票率を他の調査より高く予想している)。

 投票率、とくに若者の投票率が結果に大きな影響を及ぼしそうだ (Wall Street Journal 2017/6/7)。

 投票率が予想より高くなった場合、労働党が予想より善戦することもありそう。

 

★ 追記 2017/6/10

 またしても事前の多くの予想に反して、保守党が330から318に議席を減らし過半数(326)を失った

 背景には投票率とりわけ若者の投票率の大幅上昇があったようだ。

 投票率は前回(2015年)の66.2%から68.7%に2.5%上昇(テレグラフ)。

 とくに労働党支持が多い18-24歳の投票率は44%から72%に大幅上昇したとされている(BBC)。

 イギリスは完全な小選挙区制なので全体の投票率(支持率)が議席数に反映されるわけではないが、イギリスの世論調査はふたたび大きく信用を失った。

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