大野威研究室ブログ

おもにアメリカの自動車産業、雇用問題、労働問題、労使関係、経済状況について、最近気になったことを不定期で書いています。

クライスラーが再上場する理由

2013年09月27日 | 日記

 先日、クライスラーが再上場するとの報道があった。しかし、その理由を正しく理解していない日本の新聞が多いようだ。

 日経新聞(9/24朝刊)などは、今回の上場を、クライスラーの経営再建がここまで進んだという象徴的な出来事として伝えている。

 しかしNYTやWSJあるいはAutomotive Newsなど米自動車専門紙は、次のように述べている。

 現在、クライスラーの発行済み株式の58.5%を伊フィアットが、41.5%をUAW(全米自動車労組)の退職者医療保険基金が保有している。フィアットは、業績好調が続くクライスラーの全株式保有を狙っているが、株の買い取り価格を巡ってUAWと話し合いがつかないでいる。フィアットが提示する株価を、UAWが低すぎると拒否しているのである。

 これを解決するための手段が、今回の株売却(再上場)である。市場に売りに出して、株価をつけてもらおうというわけである。これが、今回、再上場がおこなわれる理由である。

 そもそもフィアットは、クライスラーの全株保有を望んでおり、現在のところ保有株の売却(再上場)による外部資金を必要としていないし、また外部者が株主として経営に影響力を持つことを望んでいない。

 以上、気になっていたので書いておく。

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バーナンキFRB議長の米雇用にかかわる発言

2013年09月19日 | 日記

 9月18日、連邦準備制度理事会(FRB)は量的緩和をこれまでどおり継続すると発表した。記者会見で、バーナンキFRB議長はその理由として

1)雇用などに改善はみられるが、まだ十分な水準とはいいがたい

2)(現段階での)緩和縮小はまだ十分ではない経済や雇用の改善ペースをさらに遅くする危険がある、ことなどを挙げている。 

 

 なおバーナンキFRB議長の、米雇用にかかわる発言は次のような感じ。

 

・昨年の9月に現在の量的緩和(QE3)をはじめてから、失業率は8.1%から7.3%に下がったが、まだ人々が受け入れられる水準ではない。

 

長期失業(27週間以上の失業者:米定義)や不完全就業(おもにフルタイムで働きたいが、仕事がない等の理由でパートで働いている人)は高い水準にとどまっている。

 

・労働力率(働いているか仕事を探している人の割合)が、過去1年で0.3%減少した。高齢化の影響もあるが、仕事が見つからず仕事探しをやめた人が多いと考えられる。(こうした人は失業率にカウントされないため、現在の失業率は実態より良い数字になっている)

 

・したがって、(以前には、年内に量的緩和の見直しをはじめ、来年に失業率が7.0%になった時点で量的緩和を終了すると発言していたが)、失業率はそのままで量的緩和を見直す絶対的な(great)基準ではありえない。

 

・失業率は、2013年中は7.3-7.1%、それが2014年は6.8-6.4%まで低下し、2016年には5.9-5.4%まで低下すると予測している。(ゼロ金利は、少なくとも失業率が6.5%になるまでは継続)

 

・過去1年で、週の労働時間は2.4%増加したが、実質賃金(インフレを差し引いた時給)に変化は見られない。

 

 なお、いまならFRBのHPで、記者会見の動画および発言全文(PDF)がみられるので、関心のある人はどうぞ。

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テネシーのVW工場、UAW承認選挙へ?

2013年09月15日 | 日記

 ロイターやWSJ(ウォール・ストリート・ジャーナル)によれば、UAW(全米自動車労組)は、テネシー州にあるVW工場で、労働者の過半数から授権カードへの署名を獲得した。

 

 自由に労働組合を結成し、労使交渉をおこなうことができる日本と異なり、アメリカでは、労働者の過半数の支持を受けた場合のみ、労働組合が労働者を代表して企業と労使交渉を行なうことができる仕組みになっている(正確には、企業に労使交渉が義務化される)。これは、「多数決に基づく排他的な団体交渉制度」と呼ばれる。
 過半数の支持を得ているかどうかを判定する選挙を「組合承認選挙」という。選挙は、全国労働関係局(National Labor Relation Board)の監督のもと行なわれる。この選挙を実施するには、あらかじめ30%以上の労働者から授権カードへの署名を集めなければならないと決められている。

 

 なおボブ・キングUAW委員長は、(雇用を守るため)生産性向上にも積極的に協力するとしており、UAWも以前とはずいぶんかわってきている。

 しばらく事態の推移を見守りたい。

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同窓会

2013年09月14日 | 日記

 昨年の夏に計画した論文が昨日ようやく完成した。これでようやく夏休みだと思ったら、もうほとんど残りがない。やれやれ。

 

 しばらく忙しくてブログが書けなかったが、その間にあったことを書いておきたい。

 祇園祭りのとき、2012年に卒業したゼミ生たちとの飲み会があり、遠くは名古屋からかけつけてくれた。みなもうすっかりたのもしい社会人になっていて、これからの活躍が楽しみだ。長時間労働でたいへんな人もいたが、体にはどうか気をつけてください。みなさん、ぜひ、また会いましょう。

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