大野威研究室ブログ

おもにアメリカの自動車産業、雇用問題、労働問題、労使関係、経済状況について、最近気になったことを不定期で書いています。

英メイ首相、在宅介護をうける人に自宅売却を義務化で支持率低下

2017年06月04日 | 日記

 今週の木曜日(2017/6/8)にイギリスの下院選挙がある。当初はメイ首相率いる保守党の圧勝とみられていたが、ここにきて保守党と労働党の支持率が縮まってきている

 その大きな理由が、メイ首相が高齢化を理由に打ち出した介護の自己負担アップである。

 テレグラフ紙によれば、イギリスにおける介護施設(老人ホーム)の入所料は月平均30万円ぐらい(1ポンド=140円で計算)。

 これまでイギリスでは、不動産を含め2万3,250ポンド(約330万円)以上の資産がある人が施設に入る場合、お金がなければ不動産を売却して費用(の一部)を支払う義務があった。

 ただし在宅介護の場合、不動産を売却する義務はなかった

 ところがメイ首相は、あらたに在宅介護の人も含め不動産を入れて10万ポンド(約1400万円)以上の資産をもつ人は、お金がなければ不動産を売却して費用(の一部)を支払わなければならない(ただし在宅介護の場合は、死後に自宅の売却をおこなう)仕組みを導入すると発表。

 以降、本来は保守党支持者が多い高齢者を中心に保守党への批判が強くなっている。

 支持率低下をうけてメイ首相は、生涯に支払う介護費用に上限を設けることを急きょ発表したりしているが、その上限金額を含め詳細は不明なままである(インデペンデント紙 2017/5/22)。

 このほかにも、メイ首相が党首討論を拒否していることや、低所得者向けの暖房費補助の削減を打ちだしたことなども保守党の支持率低下につながっているとみられている。

 ついさきほどロンドンで大規模テロがおこったというニュースが飛び込んできたが、この影響も含め選挙結果がどうなるか不透明感がつよまっている。

 今週木曜日の結果が注目される。



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