祖母は、シーボルトの娘おいねさんに憧れていたが、明治時代の片田舎では女学校より上の学歴を得ることは禁忌であり、親の意に従ったが くすぶり続けるエネルギーは子供達に降り注いだ。村の学識者の指導を受けさせ、県庁所在地で名ある小学校&旧制中学・女学校へ通わせ、 ”教科書以外は 本ではない!” の母親だったそうな。 文字通りの総領の甚六であった父は勉強が嫌い、オオッ 遺伝は恐ろしい!私も大嫌い!
父は、若き日 マザーの意に反した結果の日々を頭のどこかで悔やみつつも?、私共兄弟には本を買い与えてくれた。
言葉のアクセントの異なる疎開っ子&焼け跡に出来た繫華街の片隅で活きんが為に暮らす親の虚弱体質子、私は本が友達であった。
中学生になり、貸本屋を知った。三文小説類は一日5円だったと思う。毒にも薬にもならぬ どちらかと言うとその年頃には些か毒の多い本を借りた。発熱で学校を休んだ日は、家にあった僅かな本=戦前出版のフリガナの付いた落語全集?と 数刊の欠けがある吉川英治の宮本武蔵を繰り返し読んだ記憶がある。
中学3年のある日、アンケートが配られた。 高校生の兄がこっそり読んだ雑誌を、兄に知られぬようにこっそり眺めていた私は、”そうか!受験期の息子さんがエロ本を読むことを心配する父兄からの要望に応じたものだ” 今更ーーーの感と共に、こんな名前の本もあるんだ~ 機会があったら読みたいな
子が生まれ、自営業も一息ついた頃、子に漫画本にも劣ると言われた文庫本を読むに読んだ。今日しなくてもよい事は明日でも明後日でもいいじゃん 気に入ればお風呂の中にも持ち込んだ。そして思った、本の好きな女との結婚は一考せねば
この頃、新聞の広告に、本好きの心を揺さぶる広告が増えてきた。買いに走ろうか 待て待て 飛蚊症・白内障・老眼鏡・集中力ゼロが本を購入しても多分確実に読み終わらない 数年後に?何年後?かに歩いて行ける所に図書館が出来るそうな そこで借りて読もうかな その時、歩いて図書館に行けますように&アンタサンドナタになっていませんように。