温故知新~温新知故?

音楽ネタが多いだろうけど、ネタのキーワードは、古きを訪ねて新しきを知ると同時に新しきを訪ねて古きを知るも!!

欲望の資本主義読了〜GDPはいらない、悪が存在しない楽園や天国で人間は幸せになれるのか〜

2017-05-05 10:17:59 | 
先日、以下に示すようにBSで「欲望の資本主義2017 ルールが変わる時」を見たと投稿し、本も買ったと書いたが、数日前に本も読了したのでその内容について投稿する。
2017年4月22日のブログ記事一覧-温故知新~温新知故?
BS1スペシャル「欲望の資本主義2017 ルールが変わる時」を見た。すごく面白かった。トランプ政権や利益や効率優先の時代は20世紀で終わりで21世紀は違う価値観が生まれると思ったけど、2017年になってもまだ、その兆候は感じなかったけど、このドキュメンタリーを見て、目からウロコの感じがした。

本も実に面白かった。もし私の投稿を読んで気になった方は以下のリンクから是非本を購入して下さい。

目次は以下に示すように主に安田洋祐氏と3名の方との対談である。
欲望の資本主義 | 東洋経済
目次
序文 トップランナーたちとの対話が生む多様な視点 安田洋祐
第1章 「アダム・スミスは間違っていた」“近代”経済学の巨人・スティグリッツ
第2章 「資本主義は成長がマストではない」異端の奇才・セドラチェク
第3章 「資本主義は完璧じゃない。労働のない社会が来る」未来をクールに見る投資家・スタンフォード
特別対談 セドラチェク×小林喜光
「成長資本主義が世界の不安定化を招いている。GDP至上主義と決別せよ!」
「欲望」とは? そして問いは反復される--あとがきにかえて 丸山俊一

対談相手のプロフィールは以下の通り。
NHK「欲望の資本主義」でインタビューした5人のプロフィールと補足ツイート&番組感想まとめ。 - NAVER まとめ
NHK「欲望の資本主義」でインタビューした5人のプロフィールと補足ツイート&番組感想まとめ。

ジョセフ・スティグリッツ
ジョセフ・E・スティグリッツ
経済学者。コロンビア大学教授。1943年、アメリカ・インディアナ州生まれ。イェール大学はじめオックスフォード、プリンストン、スタンフォード大学で教鞭をとる。93年、クリントン政権の大統領経済諮問委員会に参加、95年より委員長に就任し、アメリカ経済政策の運営にたずさわった。97年に辞任後、世界銀行の上級副総裁兼チーフエコノミストを2000年1月まで務める。01年、「情報の経済学」を築き上げた貢献によりノーベル経済学賞受賞。主な著書に『世界の99%を貧困にする経済』(楡井浩一、峯村利哉訳/徳間書店)など。


出典
nes.jane.or.jp
スコット・スタンフォード
「アイデアに価値などない」、米国の敏腕VCは起業家の“情熱”を優先
米シェルパキャピタル 共同創業者のスコット・スタンフォード氏
「アイデアそのものには価値なんてない。それを実現できるかどうか。それが問題なんだ」――。米シェルパキャピタル共同創業者でベンチャーキャピタリストのスコット・スタンフォード氏は断言する

トーマス・セドラチェク(Tomas Sedlacek)
1977年生まれ。チェコ共和国の経済学者。同国が運営する最大の商業銀行の一つであるCSOBで、マクロ経済担当のチーフストラテジストを務める。チェコ共和国国家経済会議の前メンバー。「ドイツ語圏最古の大学」と言われるプラハ・カレル大学在学中の24歳のときに、初代大統領ヴァーツラフ・ハヴェルの経済アドバイザーとなる。
 2006年には、イェール大学の「イェール・エコノミック・レビュー」で注目株の経済学者5人に選ばれた。本書はチェコでベストセラーとなり、刊行後すぐに15の言語に翻訳された。2012年にはドイツのベスト経済書賞(フランクフルト・ブックフェア)受賞

内容についてまとめてみると、スティックリッツ氏は、
GDPは経済パフォーマンスを測るのに適した指標とはいえない。現代は利息に重点を置いた目先のことだけに人々が夢中になってしまうような短期主義のルールに書き換えられた。そして、GDPに代わる新たなルールを造る必要があるということ。
また、イノベーションによる生産性の上昇は認められない。おカネをモチベーションとしない人が必要。と説く。
GDPに意味があるかという話題は最近あちこちで言われているが、論理だって色々指摘されていて興味深い。

セドラチェク氏は、
株式市場や人生の価値は「美人コンテスト」にすこしにている。一番を当てることが勝者であれば、勝ちたいと思えば、自分の好みの女性を探すのではなく、他の審査員たちの好みを予想する。私はFBのいいねや、連休中に特定の場所が混むなどは、この自分の意志でない共有間の強調を示している例だと思う。株式だって、実績とは別に人気株が高値をつけるのもその例だろう。
また、成長は必要ではないと説く。「子供は成長しますが、大人は成長しない。大人を無理やり成長させようとすれば、背が伸びるのではなく、醜く太るだけです。」とも言う。成長崇拝で、財政赤字がGDPの3%で、GDP成長率が1%であれば、1%の成長を3%の借金で買ったのと同じだとの指摘は、全くそのとおりだと思う。
さらに悪も必要だという、欲望は充たされることを望まない。欲望が望むのは増殖だとその危険性を説く。
そして、最古の小林氏との対談で「善と悪に関していえば、私は、善が上で悪が下というよりは、善と悪は平等だと思います。悪は悪としての役割があるからそこにあるのです。私は最近、神話やおとぎ話などを調べて、悪が存在しない楽園や天国で人間は幸せになれるのかについて研究しています。」と言う。私も悪は必要だと思う。みんなで「いいね」「いいね」と言い合って同じ価値観だけを共有している状況は危険だと思う。

スタンフォード氏は、
失業率が30~40%近くになる日も来るかもしれない。そして、多くの人がそれは悪いことではないと考えるようになる日がくる。そうなったら、今の労働人口の約半分が働いていないとなると、今とは異なった社会のシステムが必要と説く。
これまでにあったモデルAとモデルBのどちらかを選ぶかっていう議論ではなく、新たなモデルCを模索することになるという。

あえて、簡単にまとめると上のようになるが、以下に本書を読みながら、なるほどと思ったところをチェックした部分を下に抜き出したので、長文となるが参考にして欲しい。この本およびTV番組は、私の限られた人生に少なからず影響を与えそうだ。今後の人生を、いろいろと考え直すキッ変えを与えてくれた。非常に面白かった。

スティックリッツ
過去のような成長を取り戻すには政府の政策転換が必要。p23
GDPは経済パフォーマンスを測るのに適した指標とはいえない。p26
所得の大幅な増加の見込みなしに、力強く、活力のある経済を保てるかと、聞かれたら、私の答えは「イエス」です。成長自体は目的ではありません。所得の増加が見込めない状況下でも、新しいアイデアやイノベーションを生み出し、新しい娯楽や環境保護につなげることは可能です。新しいアイデアで挑むのです。p26
”その目指すべき社会ですが、特に最近の若者の間では、消費浴や物質主義に対する考え方が変わってきているようです。例えば共有型経済(シェアリング・エコノミー)が広がりを見せています。”安田p28
そう、「ホモ・エコノミクス」といいますね。自己利益の欲求が強くなりすぎて、理論や証拠、歴史を無視してしまうのです。p30
大きな転換点となったのは、18世紀後半から19世紀初頭におきた産業革命でしょう。p32
(アダム・)スミスは「自己利益の追求が”見えざる手”のごとく、社会全体を良い方向に導く」と唱えました。p32
市場は独力では効率的に社会を良い方向に導くことはできないので、政府がインセンティブを正しい方向に導く必要があります。p34
アイデアは大学大学から生み出されています。ところが、優秀な大学はすべて非営利の市立か公立です。利益を追求しているわけではありません。p36
目先のことだけに人々が夢中になってしまうような短期主義のルールに書き換えられたのです。p37
ですから、我々はルールを再び書き換えなければなりません。p38

金利に投資調整機能はあるのか?p39
ケインズをはじめ多くの近代経済学者たちは、調整機能としての金利の役割を強調しすぎています。中小企業にとっては、金利よりも信用を得ることのほうが重要です。p40
本当の問題はマイナス金利ではなく、中小企業が資金を調達できないことにあります。p41
日本経済が低迷している大きな理由は人口減少です。日本の生活水準が安定している限り、低成長に問題ありません。p45
(シリコンバレー)新しいものを創造することで社会に貢献し、社会をより良くしたいと考えているように見受けられたのです。~つまり、自己利益の追求に執心しています。しかし個人レベルで観察すると、確かに、そこで働く人々は創造力に突き動かされて働いているように思います。~ラーニングの大きなモチベーションとなるのが、新しいアイデアに出合ったときの本能的な喜びです。p48
経済学者が用いてきた「個人」のモデルが間違っていたと気づいたことです。そのモデルとは、人は生まれながらに確かな趣向を持ち、合理的に予測し、行動するというものです。p50
人々が憧れるような人がマールボロを吸っていると思わせ、購買意欲を刺激するためです。p51
現代の資本主義における金融制度の悪用は、プロテスタント、カトリック、ユダヤ教、仏教など、どの宗教の倫理とも相容れないものです。p52
イノベーションによる生産性の上昇は認められないということについてです。『筆者注、たしかに大ヒットしたウォークマンは生産性向上につながっていない』
広告は目的達成の手段に過ぎず、経済の核にはなり得ない。p54
昔ながらの手紙に比べて電子メールは人々を幸せにしたのでしょうか?p55
「イノベーションによる生産性の上昇は認められない」p55
利益が奪われる・・・・・、いや、ある場所から別の場所へ利益が移行するのです。p56
おカネをモチベーションとしない人が必要なのです。~新しいアイデアや考え方を模索する人、地球温暖化を懸念する人、資本家が働かないか、社会に害を与えないか、銀行家が過去に行ったような悪事を働かないかを監視する人たちが必要です。p62

セドラチェク

「どうしてぼくを選んだんですか?ぼくは顎からミルクを滴らせているような若造ですよ。」って。すると彼はこう言いました。「その通り。でもそのミルクは新鮮だ。」って。p77
『善と悪の経済学』では、これまでの経済学に代わる、異なる見方を示すことを試みたのです。私は哲学、社会学、心理学、神話学、神学などの分野が大好きなので、そうした観点から、グラフや数学を使わずに経済学を語っています。p78
私の基本的な方法は、最新の経済統計を若干の疑いの目を持ちつつ真剣に捉え、過去の経済モデルを真剣に考察することです。p79
例えば、不況のときは皆が景気を促進しようと奔走します。私は、「その対応は正しい。でも不況(鬱状態)のときに景気を促すのなら、好況(躁状態)のときはブレーキをかけるべきだ」と説明します。p81
ケインズは、株式市場や人生の価値は「美人コンテスト」にすこしにていると言います。ただし、このコンテストでは、美女たちではなく、審査員が競います。優勝する女性に投票した審査員が勝者です。~では、どうしますか?勝ちたいと思えば、私は自分の好みの女性を探すのではなく、他の審査員たちの好みを予想します。他の審査員も私の好みを予想する。『筆者注、FBの「いいね」獲得目指すのと同じだ。私は多くの人が良いねとか好きだというものを選ぶのではなく、自分の絶対基準が大事だと思う』p86
ですから、もし、時が流れて、皆の好みが鼻の高い女性に変わったとしても(欧米では鼻の高いのはコンプレックスだそうだ)、それが表面化する調整メカニズムはありません。高い鼻が新たな美として、人々の固定観念にならない限り、私たちは、固定観念に縛られて「いかにも」な女性に投票してしまうからです。p88
数学が完全無欠で洗練されていたとしても、その答えは常に片足で飛んでいるようなものだということです。数学に含めることのできない価値もあるからです。~数学は大事ですが、自分たちが思っているモノを正確には表していないと認識しておくべきなんです。p90
私たちが生きている社会は『資本主義」なのかそれとも「成長資本主義」なのか?私は「成長資本主義」だと理解しています。p91
経済が成長し続けるという前提で、経済活動を行ったり、製作を立案したりするのは、毎日順風が吹くという甘い前提で船を造るようなものです。それでは良い船は造れない。凪でも嵐でもうまく航行できるのが良い船でしょう。p93
私の論敵は成長するのが当然だとよく言いますが、それは間違いです。子供は成長しますが、大人は成長しない。経済は子供ですか?大人を無理やり成長させようとすれば、背が伸びるのではなく、醜く太るだけです。
民主主義の意義は「自由」にある。p95
例えば、日本の場合だったらGDP成長率の天井を1%にして、成長率がそれ以上になったら成長を抑制し、余ったエネルギーを不況に備えて蓄えておくべきだと言いたいんです。p100
(アダム・スミスの)『道徳感情論』の冒頭では『人間がどれほど利己的なものだとしても、人間には自分が得るものが何もなくても、他人の幸せを気にかけるという生まれもった性質がある」主張しています。~私たちは他人に対しても苦しんでほしいとは思いません。「良い一日を」と挨拶しますよね。p101
アダム・スミスは「社会には2本の足がある」と言っているのだと私は解釈しています。一つは、「自己中心性」で、もう一つは「共感」です。もしも片足だけで立とうとすれば、何か大切なものを失うことになる。p102
過労死は世界で最も裕福な国の一つで起きています。これは、「成長がなければ良い人間ではない」「成長がなければ良い経済ではない」というおかしな考えに起因しています。p105
つまり、豊かな人がより豊かになっても、それによって貧しい人の受ける恩恵は多くないのです。p108
利子はお酒にちょっと似ていますね。~お酒はエネルギーを生み出しません。ただ、土曜の朝の分のエネルギーを金曜の夜にタイムトラベルさせているだけです。p112
問題は二日酔いではなく、金曜の夜の躁状態です。二日酔いで頭痛がするとき、何が悪かったのか、どう対処すれば良いのかと誰もが考えますが、遅すぎます。過ちは前の晩に起こっていたんです。p116
財政赤字がGDP成長率の3倍もある時、GDP成長率に意味はない。財政赤字がGDPの3%で、GDP成長率が1%であれば、1%の成長を3%の借金で買ったのと同じです。p118
私たちの社会が最も大切にしている自由とは、かつて、「ものからの自由」を意味しました。しかし、今やそれは「消費の自由」に変貌してしまった。p125
自由な時間ができたら何をします?ジョギングしたり、狩りをしたりする。庭の手入れもします。特にチェコではね。料理をすることもある。アリストテレスにとってはこれは仕事です。でも私たちにとっては娯楽です。p131
AIが興味深いのは、誰もが危険を察知し、私たちを破滅させる危険性があると恐れ、開発を止めさせなければと思っても、止められないことです。インターネットと同じです。インターネットを止めるのはほぼ不可能です。非常に危険で破壊的だとわかっていても、続けてしまう分野が世の中にはあるのです。p134
もちろんAIが生み出す利益を社会全体で所有することも可能です。これは新たに話すべきことです。p136
”それらの要素が「禁断の果実」だとおっしゃいましたが、問題はそれを禁じる効果的な方法がないことですね。(安田)”そう、ない。非常に強力なモノを創り出しておいいて、それを禁じることができなくなる。「フルスロットル破産」と同じです。p137
マンデヴィルは『緑の寓話』で、個人の悪徳が公の利益になると主張しています。全く同意はしませんが、とても挑発的でうまく書かれた寓話です。マンデヴィルは、人は欲望を満たすために生きていると信じています。しかし、欲望には少なくとも2つの問題があります。よく考えればわかりますが、欲望は充たされることを望みません。欲望が望むのは増殖です。人間の欲望の本質は、欲望の対象を手に入れることではなく、手に入れた後、新たにもっと良いものを欲することです。p138
「現状に不満を持つことで猛烈に働くことはできるけれども、いつまでも充たさてない」方を選ぶか、反対に「現状に満足してリラックスする」方を選ぶか、選択肢は2つです。p140
「成長しなくてもやっていける経済が望ましい」p141
発明も、最初の目的はビジネスではないことがほとんどですね。~それらをマーケティングして売るのは副次的な行為であって、ビジネスマンの役目です。ビジネスマンは発明家ではありません。イノベーターであったとしても、発明家ではない。
~繰り返しますが、進歩することに反対はしていません。私の主張は、GDPの平均成長率がゼロまたは低い率でも揺るがない経済を築くべきだということです。p142

スタンフォード
「資本主義は完璧じゃない。資本主義は労働を前提としたシステムだ。労働のない社会、モデルCを考えるべきなんだ」p157
ぼくたちは日々の議論の中で「GDP」や「雇用率」という言葉を使うことはないですね。ぼくたちが話し合うのはトータル・アドレサブル・マーケット(有効市場)のことです。p162
もう一つ、はっきりさせておきたいのは、ぼくたちが投資しているのは5億ドルですけど、その資金のほとんどはぼくたちのおカネじゃなくて、出資してくれているパートナーたちのおカネです。
シャービンとぼくはこの仕事を一生続けていこうと思ってます。なぜかって?情熱ですよ。儲けるためじゃないです。儲かるのもいいですが、それだけではなく、テクノロジーが好きなんです。~ですから、仕事のモチベーションは?と訊かれたら、答えはシンプルにテクノロジーが好きだということです。p186
さっき、経済理論について質問されましたよね?市場を考えてみて下さい。ウーバーは需要と供給の最もいい例です。需要と供給の効率的な調和への挑戦です。p188
(ウーバー)大切なのは、運転手に満足してもらえる最低の水準を探すことです。運転手が満足しすぎれば顧客の金銭的負担が大きすぎるってことです。だから、その損益分岐点を見極めるのが大事です。ぼくたちはすべてのビジネスでこの作業を行っています。成功への秘訣の一つです。p191
イーロン・マスクは「場所によっては自分の車を運転するのが違法になる日が来るだろう」と予測しています。「運転が違法に?」(安田)「ええ、違法です。安全ではないからです。」p193
グローバル社会の人間として、テクノロジーが進歩して、人間が働かなくてもよくなってしまう社会のことも、この先10年間で話し合っておくべきです。p197
ポイントはAIです。次の”種”です。シリコンバレーがずっと繰り返しビジネスを革新しよう、変化させようと試みてきたのと同じように、多くの人たちがAIを革新させ変化させようとチャレンジしています。p200
今起こっている、経済が人間の労働力を基本としたシステムから、機械化によって高度に自動化されたシステムへと根本的に変化していく過程で、資本主義の有効性が問われるときが必ずやってくると思います。
失業率が30~40%近くになる日も来るかもしれません。そして、それはそういうもので、悪いことではないと多くの人が考えるようになる日が、きっとやってきます。ですが、今の労働人口の約半分が働いていないとなると、今とは異なった社会のシステムが必要ですよね。p202
これまでにあったモデルAとモデルBのどちらかを選ぶかっていう議論ではなく、新たなモデルCを模索しなくてはならないと思います。p203

しかし、物事を前進させようとする人々の前に障害を設けることは、答えじゃないと思うんです。近道のように見えるかもしれませんが、違います。p204
何に一番満足を感じるかは人それぞれですよね。確かに、おカネはその一つでしょうけど、有名になるのが生き甲斐の人もいっぱいいますよね。”いいね!”を欲しがる人がたくさんいるのは自然なことだと思います。
おカネのほかにも、なにかあると思いますよ。社会へのインパクトを数値化するような”通貨”があったら面白いと思いませんか?
「テクノロジーの進化は止められないし、止めるべきではない」p208

セドラチェックX小林喜光

トータルな経済量(z)は「z=a+bi 」(aは物質のアトム、bは情報のビットあるいはバイト、iは虚数単位で、bがインターネットを通じて動くイマジナリーパートであることを示す。)という複素数の式で表すことができます。p222
論理に関する『道徳感情論』と富に関する『国富論』を著したアダム・スミスのように、定性と定量の2つの面のバランスを保つべきです。
私は、企業の安定のために3つの軸を念頭に置いた経営を考えてきました。ROE(自己資本利益率)・資本効率向上のX軸、イノベーション創出のY軸、CO2(2酸化炭素)削減など環境保全・社会貢献のZ軸の3つです。(小林)p224-225
つまり、裕福であることにGDPは無関係です。
日本には、売り手よし、買い手よし、世間よし、という近江商人の三方よしの考え方があります。(小林)p226
善と悪に関していえば、私は、善が上で悪が下というよりは、善と悪は平等だと思います。悪は悪としての役割があるからそこにあるのです。
私は最近、神話やおとぎ話などを調べて、悪が存在しない楽園や天国で人間は幸せになれるのかについて研究しています。p227
資本主義の危機は資本主義から私たちが得るものがなくなったのではなく、私たちがもらいすぎたことに問題があるのではないでしょうか。p229

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