隊長のブログ

元商社マン。趣味:ヒップホップダンス、ジャズダンス、日舞(新舞踊)、旅行、映画、スポーツ観戦。阪神タイガースのファン。

上海城市新聞 Vol.6 『地下鉄値上げ』

2012年02月09日 | 上海城市新聞

上海に住んでいた当時、上海の街の様子や、中国各地の旅行記を「上海城市新聞」と名づけ、メールで配信していました。帰国後も配信を続けていて、最新号は2011年12月1日付けのVol.19 『武漢・信陽旅遊』です。

これまで配信した「上海城市新聞」を漸次、ブログにアップしていきます。第6回目は2005年9月23日発行の『地下鉄値上げ』です。

尚、全記事をA4サイズの、PDFファイルで作成しています。ご希望の方は、メッセージにてご連絡下さい。メール添付にてお送りいたします。

又、写真をクリックすると拡大画像が表示されます。

上海城市新聞 Vol.6 『地下鉄値上げ』 2005年9月23日

 SHANGHAI CITY NEWS Vol.6 “SUBWAY FARES WERE RAISED”   2005/9/23

=中国語で城市はCity,新聞はNewsの意味(日本語の新聞は英語では報紙と書きます)= 

=従って城市新聞はCITY NEWSの意味です=

中国では10月1日から国慶節(建国記念日)の7連休が始まります。冬の春節(旧正月)、5月の労働節(メーデー)の7連休と年3回の民族大移動の季節になります。ちなみに中国でもこれらの大型連休をゴールデンウィークと呼んでいます。

今回は移動に欠かせない交通機関の値上げの話題をお送りします。

 

【上海の地下鉄】

上海の地下鉄は1号線、2号線、3号線、5号線と4路線が既に開業しており、今年末に4号 線がオープンすると、総延長は112キロに達します。将来的には9路線が開業の予定です。

この地下鉄の料金が9月15日から、これまでの初乗り2元(約28円)が3元(42円)に50%も値上がりしました。日本の感覚からすれば、まだまだ安いでしょうが、中国では飛行機を除く列車、タクシー、バス等の公共交通の運賃は物価水準を考慮しても安く、その中での50%の値上げは庶民には大打撃です。

値上げの理由が混雑緩和の為と言うのですから驚きです。1号線の利用者だけで1日100万人を越え、開業済みの4路線で200万人の利用者が有ります。特に市中心部の区間は常にラッシュ状態で、値上げによる利用者減で混雑を解消しようと言うのです。確かに冷房バスの料金が2元(冷房無しは1元)で、バス路線と競合する地下鉄区間では渋滞で時間が読めないバスより地下鉄利用者が多いようです。値上げによりバスへの利用者の移動を見込んでいる様です。

 

Photo

【地下鉄駅の入口(後方は東方明珠塔)】 

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【地下鉄路線図】

                   

値上げ当日の9月15日は、値上げを知らない利用者からの苦情や、運賃表を覗き込む人で切符売り場の前は人だかりの状態でした。値上げから約1週間が経ちましたが、当局の思惑とは異なり相変わらず地下鉄は混雑しています。

 Photo_3 

 【乗り降り時には注意】

 Photo_4

 【2号線の車内(意外ときれいです)】

 

【文明乗車】

バスでも地下鉄でも上海の人は整列乗車が嫌いのようです。地下鉄が駅に到着するとドアが 開くと同時に乗客が乗り込んで来ます。その勢いやすざましく、私も一度地下鉄の車内か ら降りようとした時に、乗り込んで来た人に突き飛ばされて、掛けていた眼鏡を吹っ飛ば された事が有りました。当局でも対策として、ラッシュ時にはホームに整理員を配置して ハンドスピーカーで整列乗車を呼びかけたり、「先下后上。文明乗車。」(降りる人が先、 乗る人が後)と書かれた標語をあちらこちらに掲示していますが、効果は無いようです。

 

【ドアが直に開かない!?】

地下鉄が駅に到着してもドアは直には開きません。これはワンマン運転で車掌が乗務して いないので、運転手が駅に到着して運転席から一旦ホームに降りて安全を確認してからド アを開く為です。同様にドアを閉めて安全確認をしてから発車するためにドアが閉まって もなかなか発車しません。このドアの開閉に時間がかかり運転間隔を短く出来ないので、 ラッシュに拍車をかけているとも言われています。

  Photo_5 

 【自動改札機は非接触式のICカードにも対応】

 Ic

               

【子供の無賃乗車】

上海の地下鉄には通勤・通学定期も回数券も子供料金も有りません。料金体系は大人普通 運賃だけで実にシンプルです。身長1.2メートル以上の子供は大人料金が適用されます が、1.2メートル未満で有れば、大人1人に付き子供1人まで無料です。この大人1人、 子供1人と言うのも一人っ子政策の反映かも知れません。

地下鉄に乗り始めの頃は、駅の自動改札の回転式のバーの下を子供を潜らせて通す親を見かけて、子供に無賃乗車をさせている困った親だと思っていましたが、子供料金が無いのでこの方法でしか子供は自動改札機を通れないのだと後日わかりました。

 

【朝の人気者】

朝のラッシュ時の地下鉄のホームで乗客が争って何かを奪い取っていました。近づいて 見ると、それは無料のタブロイド版の新聞『時代報』の無人スタンドでした。フリーペー パーと言っても広告は少なく一般紙とほぼ変わりません。これでは、有料の朝刊の売上に も影響しているのではと心配になります。

 

 Photo_6 

 【ホームには「危険!飛込み厳禁」の表示も】

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  【無人新聞スタンドは人気者】

 

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Vol.5  2005/8/1  『コンビニ戦争』 http://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/cd5a61f452e787a62f5f0f705d40ebdf

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の記事から6年半近く経ちました。2005年末時点で5路線・総延長112kmだった上海の地下鉄は、現在12路線・425kmとなっています。世界一の地下鉄都市ではないでしょうか。

次回の「上海城市新聞」は2005年11月7日発行の『崇明島遊覧』です。お楽しみに! 


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