もぐ菜のみっしり茶匣(はこ)院

ようこそ腐女子の匣喫茶へ お好みのモノをどうぞ、召し上がれ。 日々を書き連ね、妄想をこよなく愛でます

鬼畜眼鏡 偽造メガミド gentle Darin??mix.(4)

2010-05-06 01:24:36 | 腐女子の御伴
         *ご注意*




*腐女子や同人誌の意味が解らない方や気分を害される恐れのある方は此処で御帰院してくださいませ。 一個人の妄想なのでSprayとは一切関係ありません。*



         gentle Darin??mix.(4)



宮阪がアクワイヤアソシエイションに、順調に勤め出し一週間経ったある日の事だった。

御堂はデスクチェアーに座り宮阪が提出した、緊急連絡先の書類を見て目を止めた。連絡先と携帯電話は三人で三つ記載されていて、三つ目に記載された見覚えのある、氏名と会社名である…‥


さっきまでの会話はごく普通で御堂を驚かせる事はないと思い宮阪は不安になり、御堂の表情を見るがどことなく余り宜しくない様にも見える。

宮阪は御堂のデスクの前に立って居る。


(霧島秋彦────── まさか、偶然だろう?? いや、MGNで同姓同名は居ないはずだ。)

御堂は深呼吸をし書類から、顔を上げると正面の宮阪は不安げな瞳を湛(たた)え小さく縮こまり今にも泣き出しそうだ。

(霧島の息子?? でも、確かに霧島にも似ていると言えば、似ているし夏貴さんにも似ている───── いや、霧島と夏貴さんの間には子供は居ないはず。新人であるのに、仕事の仕方が安定感があると思ったが。気のせいか??)

御堂が夏貴に会ったのは、たった一度だけで、霧島は面会を断って居た。霧島の許可を得ずに無断で霧島の同僚達が面会に行くとなり、二十代後半の年若い御堂なら夏貴からの面会許可は下りると言う先輩社員達の無謀な結論により、七月半ばで天候が悪く雷雨であったのに無理矢理に夏貴が入院して居る病院へ連れて行かれた。


面会をしようとすると、タイミング良く霧島が現れて阻止された。

「許可のない面会は、許しておりませんよ。ご足労(そくろう)でしたが、お引き取りください。」


個室のドアが開き車椅子に乗り、パジャマ姿で夏貴が出て来て御堂だけが面会が許された。

「待って、秋彦さん。私が決めるわ。御堂さんは、居らしゃいます??」

「御堂は、私です。」


そう言うと、御堂は夏貴の前に行く。


霧島の同僚は病棟の談話コーナーの隅に、霧島に連れて行かれて同僚達は霧島から説教をぎっちりと頂いた。




その時に個室で御堂は夏貴から白の封筒を渡され、霧島について聞かされたが~



御堂は夏貴を、ただ空想好きな奥さんと思い片付けた。



それから一ヶ月後に夏貴は他界した。二度目に夏貴を見たのは、葬儀(そうぎ)の遺影(いえい)であった。




「あの…‥ 御堂代表────」

宮阪の心配げなか細い声で名前を呼ばれ、御堂はハッとし宮阪を見つめ返答をした。

「あぁ、仕事柄つい会社名を見ると反応してしまう。連絡先は三つだが、順番的に言うと一番がキーパーソンで良いのかな。」

「えぇ、ダーリンは…‥」

「ダーリン??、君は」

「あっ、すみません。緊急連絡は黒川、文月、霧島で連絡をお願いします。僕、仕事に戻ります。失礼します。」

御堂の次の言葉を遮り宮阪はそう言うと足早に、御堂のデスク前から去って行き自分のデスクへ戻る。 宮阪がデスクチェアーに座ると、先輩社員から次の仕事の指示を聞き仕事を始めてしまう。


(霧島────── 長く一緒に勤めて居たと言うのに、私は霧島が何処(どこ)に住んで、誰と暮らして居たのかも一切知らなかった。霧島の、携帯電話でさえ知らなかった。)

霧島が宮阪と他二人と、同居して居るのを初めて知った。勤め先が違うだけで黒川、文月、霧島が同じ住所であるのをもう一度、御堂は確認しスーツ上着の内ポケットから手帳を、取り出し霧島の携帯電話番号を書き移し、霧島の名前と勤め先である、MGNの見覚えのある受付の電話番号と専務執務室直通電話番号と携帯電話番号を修正テープで三重に塗り潰した。

何でそんな事をする必要があるのか、御堂自身も一瞬疑問に思うが……


(私を何を~ 私の過去の事で克哉に、仕事以外で必要以上に気苦労をかけたくないだけだ。)


パートナーであり、最愛の恋人である佐伯が知れば宮阪に何を言うのか不安でもあるのも理由の一つでもあり──────

霧島に会いたい、今ならもっと良く話せる気がした。 あの時は自分本意で廻りの事を気にもせず突き進み、手段を選ばず若くして部長と言う席に着いた。

(過去には興味はないが、ただ、会いたい…… 話しをしたい。)

こんな都合主義な自分に霧島は会ってくれるのか、些(いささ)か不明だっが心の中で渦巻く感情はそれをはっきりと言えない。

御堂は宮阪の連絡先表を社員個人情報のファイルに収めると、デスクチェアーから立ち上がり社員個人情報ファイルを手にし棚へ戻しに向かう。



佐伯は海外進出をする食品会社のプロジェクトコーディネーターを請け負い、ここ数ヶ月は出張と言うよりも単身赴任に近い。

会話も仕事のことばかりで、いっときの恋人気分は無く───────── 御堂は佐伯を思えばこそこうして、お互い共に働いて居ると自分に言い聞かせた。




微妙にすれ違う感情に、お互い気づくのはまだ先の事である。




gentle Darin??mix.(5)

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