もぐ菜のみっしり茶匣(はこ)院

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微熱 (11) 鬼畜眼鏡 片桐 end No.11その後偽造編 佐伯×片桐

2009-11-09 23:15:37 | 腐女子の御伴
         *ご注意*



*腐女子や同人誌の意味が解らない方や気分を害される恐れのある方は此処で御帰院してくださいませ。*


一個人の妄想なのでSprayとは一切関係ありません。腐女子や同人誌の意味をご理解頂けた方だけ此処から先へどうぞ。









         微熱 (11)



こうして夜と同じく朝も片桐は佐伯に珈琲を煎れるのが、日課となり佐伯が泊まりに来ると煎れる。片桐の煎れた珈琲に敵う珈琲はなく夜と朝では珈琲豆の種類が違いまた薫りと味わいが異なりより食欲を促す。

佐伯が珈琲豆を挽いて貰い珈琲を煎れてくれて飲んで居ると取引先で偶然に話題になり会話をしたら、取引先が気を利かせて珈琲豆を佐伯に渡して来た。普段は佐伯はこう言う贈呈物は断るが珈琲豆を貰って片桐に煎れて貰い飲んだ。

佐伯とは信頼した取引先であるので、佐伯の好みを熟知し希少価値のあるブルーマウンテンの珈琲豆だった。取引先の相手とその珈琲豆屋とは長い付き合いで珈琲豆屋の容姿は一見風変わりだっが珈琲豆にかける情熱と品定めは一流との言うお墨付きである。

佐伯からギフトとして包まれた珈琲豆を渡されて、その一見風変わりでこだわりの珈琲豆屋の事を聞いた。ラッピングされた包装紙に小さい楕円形のシールが貼られており見ると碧岾堂と電話番号が表記されていて驚く。

近衛はどうやら珈琲愛好家には有名な人物らしいと片桐は思った。早速に戴いた珈琲豆挽き珈琲を煎れるとそれは近衛が自分用に特別に持参してきている珈琲と同じ薫りがした。

後日にその珈琲豆屋にブルーマウンテンの珈琲豆を佐伯が購入しに行くと余りにも値段が張るので、佐伯は驚いたが何故に値段が張るのかを店主から蘊蓄を聞かされて納得をした佐伯であった。そして佐伯にこう言った。

「どんな高級で値段が張るからと言って美味しいと購入しても、煎れる人の腕前でドブの様な珈琲になる。この珈琲豆はね、飲む人を選ぶじゃないんだ。煎れる人を選ぶ珈琲豆と存じて戴きたい。僕がこのブルーマウンテンの珈琲豆をほんとうに美味しく煎れられる人は僕の知っている限りでは2人だけだ。僕はね、自分では美味しく煎れられないから煎れて貰って戴いているよ。」

店主はなんだかやに自信たっぷりに煎れて飲めるモノなら、飲んでみろと言わんばかりに佐伯にそう言い売った。佐伯もそんな珈琲豆屋に言う。

「煎れて貰い俺が飲んで満足したから購入しに来たまでだ。飲んで満足出来るか分からない値段が張る珈琲豆なんて誰が買うものか。」

流石の珈琲豆屋を佐伯は沈黙させた。







クロワッサンにハムと卵を挟んだのを3個にほうれん草のベーコンサラダにキヌサヤと豆腐のお味噌汁にヨーグルトがダイニングテーブルに並べられて食べる。

特に必要以上な会話がないが、こうして朝食を2人で食べる。佐伯と一緒に食べる時の朝食は米飯ではなくパン系である。

5月も半ばを過ぎてあっと言う間に明日で6月になる、部長に昇進をして様々な責任を任される事もあり業務も確かに忙しいがやり甲斐はある。

疲れる事もあるが片桐のアパートに通うと、ごく普通に休むよりも何故か落ち着き心が和む。片桐はラジオの天気予報を聞いている。

「今週からお天気が良いみたいでお天気は、6月になるともう梅雨空模様になるみたいですね。」

片桐はやや淋しいそうに佐伯に言うので、佐伯は片桐を見つめる。

「雨の日は嫌いですか??」

「洗濯をしても思う様に乾せないのと、掃除が思いきり出来ないから退屈なんですよ。」

そう片桐は言う……理由はそれだけではない。佐伯は察して雨が降る事は気にもしてないので、そうですか。と返事をする。

珈琲を一滴の残さず飲み干しダイニングテーブルの椅子から、佐伯は立ち上がりコーヒーカップを手に持ち流し台へ置く。

「片桐さん、ご馳走様でした。では、行ってきます。」

「気をつけて行ってらっしゃい。」

佐伯は鞄を持ち玄関へ向かい靴を履き扉を開けて出社して行く。 片桐はダイニングテーブルの椅子に座り窓からの空模様を見ると空は曇り空で、晴れ間が広がりそうには思わない。

一人ぼっちの時は雨が降ってもそんな淋しく感じなかったが、佐伯と再会してからは雨が降ると別れの時が差し迫って来ていると思うと淋しく感じる。

もう、失うモノはないと想うまた勘違いをして佐伯に見離されるのが怖い。今なら痛手を負う事はないだから、佐伯もそろそろ気が済んで自分との関わりを断ち切る様にその事を佐伯にそう伝えたいと考えている。

また、一人ぼっちになるけどあの日と同じ勘違いをしたくない。 だから佐伯にどうして自分のアパートに通うのかも理由も聞いてないのは聞いたら佐伯が来なくなると思うから聞けない。

自分でも狡いと思う佐伯にアパートには来ないで欲しいとも言えない。 佐伯にはどう思われているか分からないが、静御前を保護して連れて来てくれた事を感謝している。

もう終わらそう… 雨がほんとに嫌いになる前にそう片桐は思う。




微熱 (13)
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