シネマと虎とグルメたち

犬童一心監督作品に「ジョゼと虎と魚たち」があった。オイラは「観た映画が面白くて、美味いもの食って阪神が快勝」を望んでる。

検査と映画

2024年02月29日 | 映画
月日が経つのは早い。
定期検査の日がまたやってきたので病院へ。
出かけたついでに映画館へ。

差し当たり見る映画もなく、時間的に丁度良かった「梟ーフクロウー」を観る。
朝鮮王朝史の一端だったが、北野武版「座頭市」でもあった。
ロビーではシネ・ヌーヴォで行われる特集上映のポスターが掲示されていた。
高峰秀子さんは私が最も気にっている女優さんである。

今日は4年に1度の肉の日であるが、昨日は一日早い「牛めし」1400円を買って帰った。
昨日は大谷がホームランを打ち、女子サッカーは北朝鮮に勝ちオリンピック出場を決めた。
今日は山本由伸がオープン戦で2回を投げ3奪三振のデビューを飾ったようである。
喜ばしい。
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PERFECT DAYS

2024年02月17日 | 映画
過日に早朝より行ってきました。

PERFECT DAYS (2023) 日本 / ドイツ

監督 ヨルゴス・ランティモス
出演 役所広司 柄本時生 中野有紗 アオイヤマダ
   麻生祐未 石川さゆり 田中泯 三浦友和
   水間ロン 原田文明 三浦俊輔 古川がん
   研ナオコ モロ師岡 あがた森魚 安藤玉恵
ストーリー
東京スカイツリーが近い古びたアパートで独り暮らしをする、中年の寡黙な清掃作業員・平山(役所広司)は、一見、判で押したような日々を送っている。
毎朝薄暗いうちに起き、台所で顔を洗い、ワゴン車を運転して仕事場へ向かう。
行き先は渋谷区内にある公衆トイレで、それらを次々と回り、隅々まで手際よく磨き上げてゆく。
一緒に働く若い清掃員・タカシ(柄本時生)はどうせすぐ汚れるのだからと作業は適当にこなし、通っているガールズ・バーのアヤ(アオイヤマダ)と深い仲になりたいが金がないとぼやいてばかりいる。
平山は意に介さず、ただ一心に自分の持ち場を磨き上げる。
仕事中はほとんど言葉を発することがないが、それでも平山は日々の楽しみを数多く持っている。
たとえば、移動中の車で聴く古いカセットテープ。
休憩時に神社の境内の隅に座ってささやかな昼食をとるときは、境内の樹々を見上げる。
その木洩れ日をみて笑みをうかべ、一時代前の小型フィルムカメラを取り出してモノクロ写真を撮る。
仕事が終わると近くの銭湯で身体を洗ったあと、浅草地下商店街の定食屋で安い食事をすませる。
休日には行きつけの小さな居酒屋で、客にせがまれて歌う女将(石川さゆり)の声に耳を傾けることもある。
家に帰ると、四畳半の部屋で眠くなるまで本を読む。
ある日、平山の若い姪・ニコ(中野有紗)がアパートへ押しかけてくる。
平山の妹(麻生祐未)の娘で、家出してきたという。
平山の妹は豊かな暮らしを送っていて、ニコに平山とは世界が違うと言われているらしい。
ニコは平山を説き伏せて仕事場へついてゆく。
公衆トイレを一心に清掃してゆく平山の姿にニコは言葉を失うが、休憩時、公園で木洩れ日を見上げる平山の姿を見て、ニコにも笑顔が戻ってくる。
しかし平山の妹がニコを連れ戻しにやってくると、平山は捨ててきた自らの過去と向き合うことになる…


寸評
役所広司ワールドである。
判で押したような日々を送っていることを示すために、何度も同じようなシーンが繰り返される。
その間、平山の役所広司はまったく言葉を発しない。
見ていて飽きが来そうなものだが不思議とそうはならない。
トイレに入っていた迷子の子供に「どうした?」と一言かけるまで随分と時間を要し、そこから再び無口な平山の姿を延々と追い続け、石川さゆりのやっている居酒屋の場面になって、やっと会話らしい会話をするようになる。
カメラはその間も一心にトイレ掃除を行っている平山を追い続けるのだが、人々はそんな平山を気にかける風でもない。
母親は子供を見つけてくれた平山に挨拶もせず去っていく。
清掃中の札があっても平気で入ってきて無言で去っていく人もいる。
公園でとる昼食時にいつも出会う女性とは目を合わせてもおア互いに話しかけることはない。

無口な平山だがいろんな人たちと出会っているのだ。
言葉を交わさない上記の人たちとも出会っていることになるし、変な老人の田中泯のことも気にかけているのだ。
わずかな言葉しか交わさない行きつけの食事処の店員や写真店の主人。
これは人と人との係わりを描いた作品なのだと思う。
同僚のタカシはいい加減な男だが、平山とはそれなりの信頼関係を築いているようで、平山は金を貸してやっている。
タカシが思いを寄せるアヤは平山の人柄が気に入ったのか、ホッペにキスをして去っていく。
驚く平山の様子に場内から笑い声が起きた。
そして姪のニコだ。
母親と違っておじさんが気に入っているらしく、家出して久しぶりの対面を果たしている。
平山の仕事ぶりを見て驚くが、やがて仕事を手伝うようになる。
ニコの母親でもあり、平山の妹でもある麻生祐未とは疎遠であったが、最後には二人して抱き合う。
良かったと思うが、父親とのわだかまりは解けておらず、施設へ訪ねることを拒否しているから、肉親と言っても人間関係は難しい。

平山は眠ると日中に見た景色や人々をモノクロで思い浮かべる。
影は重なっても濃くならないが、平山の中でそれらは色濃くなっていく。
石川さゆりの元夫の三浦友和は平山と景踏みをして戯れる。
その後のラストシーンは平山のアップの長回しだがセリフはない。
ただ満足げな平山の表情をとらえ続けるこのシーンに耐える役所はいい。
一日の中で一瞬の出会いがある。
単純な毎日に見える平山の一日だが、彼にとってはその一期一会の出会いに喜びを感じる充実した一日なのだろう。
僕にもやがてそんな日々がやってくるような気がする。
平山の磨く便器はいつもピカピカなのだが、汚れている便器をピカピカにするシーンがないのはなぜなのだろう。
平山の仕事を伝えるにはあっても良かったように思うのだが・・・。
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哀れなるものたち

2024年02月02日 | 映画
「哀れなるものたち」


監督 ヨルゴス・ランティモス
出演 エマ・ストーン マーク・ラファロ ウィレム・デフォー
   ラミー・ユセフ ジェロッド・カーマイケル ハリー

ストーリー
ある夜、不幸な女性が橋から身投げをし、自ら命を絶った。
ロンドンに住む若き医師のマックスは、風変わりな天才外科医ゴッドから助手の誘いを受け、喜んでその申し出を受け入れた。
彼に与えられた仕事は、不思議な女性ベラの観察記録をつけることだった。
実はベラは、自殺した女性に胎児の脳を移植して作られた人造人間だった。
ベラの学習スピードは凄まじく、様々な物事を驚異的なスピードで吸収していき、それは性的な事柄にも及んだ。
ベラを愛するようになったマックスは、結婚してもベラと一緒にゴッドの屋敷に住みつづけるという条件でゴッドの承諾を得た。
契約書を作成するため、ゴッドは弁護士のダンカンを家に招いた。
遊び人の彼はベラを一目で気に入り、一緒に外の世界を旅しようと誘い、家に閉じ込められていることに不満を感じていたベラは、ダンカンと一緒に旅立った。
ダンカンとともにポルトガルのリスボンを訪れたベラは、外の世界を知っていく。
一方で、ダンカンは性的な事柄に強い興味を持ちながらも貞操観念のない彼女に心を乱されるようになる。
彼はベラをトランクに入れ、無断で豪華客船での船旅にくり出す。
しかし船内である老婆とハリーという男性に出会ったベラは、知的な彼らの影響を受け、急速に成熟していく。
あるとき、ハリーはベラにアレクサンドリアの町を見せると、そこでは貧しさから命を落とす子どもが数多くいた。
厳しい現実を目の当たりにしベラは、ダンカンがギャンブルで勝った金を「貧しい人たちのために使ってほしい」と、すべて船員に渡してしまう。
無一文になった2人はパリで船から放り出されることになった。
ベラはゴッドが持たせてくれていた緊急用の金をダンカンに渡して帰国するように言い、自分は娼館で働くことを決意した。
様々な人との交流を通してベラはますます知識をつけ、聡明な女性になっていった。
ゴッドが危篤との知らせを受けたベラは、ロンドンに戻った。
彼女はゴッドから自分がどのようにして生まれたかを聞き、マックスとの結婚を決意する。
しかし結婚式に思わぬ人物が乱入してきた・・・。


寸評
セックスシーンが多い映画だが、それらはベラが成長していく過程の出来事として描かれている。
ベラは、体は成人だが頭脳は幼児という姿で登場する。
フランケンシュタインのようなゴッド博士の屋敷にいるのだが、そこはモノトーンで描かれている。
ベラは食器を投げ捨てたり嫌いなものを吐き出したり幼児がとるような行動で我儘ぶりを見せているのだが、ある時、自慰行為を通じて幸せを感じ、このことは性を通じて成長していくだろうことを暗示していたと思う。
ゴッド博士の邸宅では鶏イヌなど不気味な動物が遊んでいる。
ベラがゴッドと呼ぶ博士は神(ゴッド)の化身で、神はあらゆる動物を生み出したということで、ベラもその動物の一つなのだろう。
冒頭、博士は教壇で動物と人間の違いは何なのかと問いかけていたが、食べて、寝て、交尾をする姿を思うと違いはない。
家に閉じ込められていることに不満を感じていたベラは外の世界を知っていく。
ここからはカラーとなり、我々に映像体験をもたらせてくれる。

ダンカンはベラの自慰行為を見て外の世界へ連れ出すが、彼にとってベラは性欲の対象者なのだ。
しかし、ベラは娼婦館での経験などを通して男の欲求のはけ口から脱却し、自らを開放して自我に目覚め主体性を獲得していく。
手助けをしてくれたのは客船で出会った老婆だろう。
老婆はベラの性行為に関する投げかけに、すべて経験済みのこととして優しく受け流しているのだ。
大海原を航海する豪華客船で出会ったこの老婆とハリーという男性は魅力的だった。
無一文となったベラは娼婦となって金を稼ぐようになるが、そこで彼女は客が女を選ぶのではなく、女が客を選ぶという意識を持つようになっている。
見終ると、彼女はこの娼館で主体性獲得したのだと思える。
ベラとマックスの結婚式の時にアルフィーという支配欲に固まった男として登場する。
この男の登場で衝撃の事実が明かされ、僕はベラ誕生の秘密に驚きを隠せなかった。
ベラはゴッドの死に立ち合ってゴッドと同じ解剖学の医師を目指す。
彼女も同じ道を歩んでゴッド(神)となったのだろう。
身体と頭脳が一致してベラは美しい笑顔を見せる。
ベラによってアルフィーも変わった動物となっている。
神の前では人間も動物も同じということなのかもしれない。

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今年初の映画へ

2024年02月01日 | 映画
今年も早や2月になった。
1月はいきなり能登の大地震が起き、2日は飛行機事故があり、散々な年明けだった。
政治は混乱を極め情けなくなってくる。
気分転換。
コロナ騒動が起きてから映画館への足が途絶えがちだったので、今年は真面目に通おうかと思って、2月になった今日イオンシネマに出かけた。
映画は「哀れなるものたち」
スゴイ映画だったなあ・・・。
この内容で2時間以上が苦にならなかったのだから、やはり作品には引き付けるものがあったのだろう。
じっくり振り返りたい。

帰りにイオンモールに入店していたミスタードーナッツでゴディバとのコラボドーナツを買って帰る。
330円はミスドにあっては高額な品であった。
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