シネマと虎とグルメたち

犬童一心監督作品に「ジョゼと虎と魚たち」があった。オイラは「観た映画が面白くて、美味いもの食って阪神が快勝」を望んでる。

桜の季節

2023年03月27日 | 映画

散歩道の一つである桜並木の桜が8分咲きとなっている。
去年の今頃は孫たちの中学受験にコロナ騒ぎで大変だったことを思い出す。
そんなこともあって母親の33回忌が出来ず今年に行うことになった。
29日は母の本命日。
いつのまにやら年数がたっていたのだなと思う。
友人が4月に母親の3回忌で大阪に帰ってくる。
その機会に昔の仲間が集まることになった。
故人が生存者を引き合わしてくれる。
それもまた輪廻かな・・・。
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エブエブ

2023年03月11日 | 映画
よくわからない映画を見てきました。

「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」 2022年 アメリカ


監督 ダニエル・クワン / ダニエル・シャイナート
出演 ミシェル・ヨー ステファニー・スー キー・ホイ・クァン ジェームズ・ホン
   ジェイミー・リー・カーティス タリー・メデル ジェニー・スレイト ハリー・シャム・Jr

ストーリー
アメリカで頼りない夫とコインランドリーを営む中国移民のエヴリン。
仕事ではただでさえ経営が厳しいのに、国税局から納税申告の不備を指摘され、家では頑固な父親の介護に追われる中、反抗的な一人娘ジョイが女性の恋人というやっかいな問題を持ち込もうとしていて、すっかり疲れ果てていた。
そんな中、突然夫に“別の宇宙の夫”が乗り移り、強大な悪の存在によって危機に直面した全宇宙を救ってほしいと語り、いきなり世界の命運を託されてしまうエヴリン。
しかも巨悪の正体は娘のジョイとのこと。
困惑しながらも、平行宇宙へジャンプする技術によってカンフーの達人となった“別の宇宙のエヴリン”の力を得て、ジョイの暴走を止めるための過酷な戦いへと身を投じていくエヴリンだったが…。


寸評
見ている間は何が何やらわからぬままに目はスクリーンにくぎ付けとなっていた。
そして見終った時に、ああ、これは家族愛と平凡な人生を選んだ女性への賛歌だったのだなと納得した。
いや、正直な気持ちを言えば納得せざるを得なかったのだ。
つまり僕は未だにこの映画を理解できないでいる。
多元宇宙が存在していて、エヴリンはその別世界へワープして戦いを挑んでいく。
エヴリンはもともと能力が高い女性だが、現実には平凡な男と結婚してコインランドリーをきりもりしている。
娘とは意思疎通を欠いており、娘は同性愛者のようで、エヴェリンはそのことも悩みの種となっている。
エヴェリンは別宇宙で戦っているが、戦っている相手は娘だ。
それは現実の家庭で起きていることの拡大解釈である。
戦いに勝利したエヴェリンは現実世界に戻り、家族そろって国税局に赴く。
国税局に認められた彼らは幸せそうな一家になっているし、娘の恋人女性とも打ち解けている。
最後に見せるエヴェリンの姿は、平凡な主婦を選んだけれど能力を発揮して一家を支え、家族を愛して結局幸せな生活を得たのだと言っているように思えた。
あくまでも勝手な僕の解釈である。
でも僕はこの手の作品はあまり好きになれない。
原因は僕の理解力不足とイマジネーションの衰えによるものなのだろうと思う。
歳はとりたくないものだ。
コメント (2)
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逆転のトライアングル

2023年03月02日 | 映画
昨日は忙しい一日だった。
早朝から病院での定期検査を受ける。
終わった後で梅田に出て映画「逆転のトライアングル」を見た。
帰宅した夜は町内の方のお通夜に参列。

「逆転のトライアングル」 2022年 スウェーデン / ドイツ / フランス / イギリス


監督 リューベン・オストルンド
出演 チャールビ・ディーン  / ハリス・ディキンソン / ウディ・ハレルソン
   ズラッコ・ブリッチ  / ヴィッキ・ベルリン / ドリー・デ・レオン
   ヘンリク・ドルシン / ジャン=クリストフ・フォリー / イリス・ベルベン

ストーリー
インフルエンサーとしても活躍する売れっ子モデルのヤヤは豪華客船のクルーズ旅に招待され、モデルの恋人カールと一緒に参加することに。
彼ら以外の乗客はロシアの新興財閥や武器商人をはじめいずれ劣らぬ大富豪ばかり。
そんな超絶セレブたちの豪華クルーズは、高額チップのためならどんな無理難題も笑顔で従う客室乗務員たちと、料理や清掃を担当する裏方スタッフたちによって支えられ、ゴージャスで快適な旅になるはずだった。
しかしやがて、アルコール依存症の男が船長を務める船は、激しい嵐の中を進んでいくことになる。
船長主催のキャプテン・ディナーが催され、揺れ動くクルーズ船に船酔い客が続出する。
やがて客船は海の藻屑となり、生き残った人たちは無人島に漂着したのだが・・・。


寸評
資本主義の行き過ぎ、所得格差による悲哀、人種差別や職業に対する偏見などへの警告が、ブラック・ユーモアで描かれているが、少々アクが強い。
サバイバル状態になってからは、有事における人間性と欲望が皮肉を込めて描かれ、今まで存在していた序列が逆転してしまう様をコメディ風に描いて笑いを誘うのだが、この作品に乗れるかどうかは極端に現れるような気がする。

レストランでは、女の方が稼いでいても必ず男が支払う。
僕が当然と思っているこの行為をめぐって冒頭から議論が伯仲し、ヤヤとカールの間に不穏な空気が流れる。
男の僕にはカールの主張が分からぬでもないが、男性より女性の方が稼ぎが多いと、男性側のプライドもあってカップルに隙間風が吹くのかもしれない。
資本主義社会にあって所得格差による暮らしの違いは致し方のないところもある。
豪華客船の客はみな白人だし、彼らの目に入るクルーも白人だけで、有色人種は見えない部署を受け持っている。
その筆頭がトイレ係りのアビゲイルで、彼女は後半で重きを置く人物になる。
格差社会の是正や男女平等といった、リベラルが喜びそうなテーマを笑い飛ばすようなエピソードの数々が秀逸だ。
セレブな乗客たちはカネの力を見せびらかし、クルーはみなそれにひれ伏す。
無理難題を言われても、お客様は神様とばかりに要求を受け入れる。

カールとヤヤがランチの席でロシアの富豪夫妻と相席し親しくなる。
ロシアの富豪はクソで大もうけしたと言っているが、肥料会社で蓄財したのだろう。
他の客も軍事産業で財を成した大金持ちなどセレブ揃いである。
カールは居心地の悪さを感じているが、美貌を武器にするヤヤは楽しんでいる。
カールは労働者にあいさつしたヤヤをなじり、その労働者をクビにしてしまうのだが、それは嫉妬から生じたものなのか、彼のような労働者階級になりたくないという中流を意識する気持ちからだったのだろうか。
乗船客の中で彼だけはセレブとは言えない存在なのだ。
船長とロシア人は酔っ払って社会主義謳歌を始めると、それを良く思わないどこかの組織が駆逐しに来る。
それに軍需産業が乗っかることで客船は遭難し、カールとヤヤを含む乗客乗員8人が無人島に漂着することになる。

サバイバル生活が始まり、そうなると最下層だった掃除婦のアビゲイル能力を発揮しだす。
生きるためには彼女にすがるしかなく、船長に代わり彼女がキャプテンとなる地位と権力の逆転が起きる。
すると浴びゲイルは若いカールに夜の務めを命じ、カールは後ろめたさを覚えながらも食料のためと従うことになる。
人種が違えど、権力を握れば同じことをやりだすものなのだろう。
自己主張をして権力者に睨まれるよりは大人しくしていた方が生きていくのには都合が良いとカールの選択がいっているようなのだが、本当にそれでよいのか。
最後は観客の想像に任せているのだが、長い時間を割いてきてこの結末には割り切れぬものがある。
いや、何か事が起きると、自分たちの先に起きることは分からないのだと言っているのかもしれない。
自分の行動を決めるのは自分しかいないのだ。
ただし、食後に見る映画ではない。
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