今日、展示のホームページの方を更新し、展示の為のキュレーター・ステートメントとして書いた文章
「戦争の世紀からの脱却 - ヨーロッパ近代の超克としての憲法第9条」
をアップロードしました。これは、できるだけ多くの方々と問題意識を共有したい、という思いから、公開を決意し、アップロードしました。ヘッドラインは、
日本国憲法第9条をテーマとする美術展制作に当たって
敗戦後、大日本帝国憲法から日本国憲法へ
秘密裏に進められたマッカーサー草案
アトミック・サンシャイン会議とは?
9条は誰が発案したのか
9条の戦後における役割
第二次世界大戦に至ったヨーロッパの国家とその規定について
第二次世界大戦が生んだレヴィナスの他者の哲学
近代の問題として - ドイツにおける歴史家論争と日本における靖国論争
9条の21世紀における可能性
という感じです。
なお、カタログの方、販売を開始しました。送料込みで1冊2500円です。素晴らしいデザインです。
A4サイズ、68ページフルカラー 英語、細部のみ日本語 (Printed in Japan)
デザイン: 相澤幸彦(Aizawa Office)
でして、寄稿者は
"Your Fears, My Hopes" on Vanessa Albury
by Jan Van Woensel (independent curator, Senior Studio Professor at New York University)
"Matsuzawa Yutaka’s Vanishing Act"
by 富井玲子 (美術史家、キュレーター)
"三島は今も生きている"
by 鈴木邦男 (政治批評家、新右翼団体「一水会」創設者)
"憲法とは何であるかを考えた一日 - ベアテ・シロタ・ゴードンとの出会い"
by 伊藤剛 (ジャーナリスト,GENERATION TIMES編集長)
"The Emperor’s New Clothes in Old Photos: Oura Nobuyuki’s Holding Perspective and the Culture and Politics of 1980s Japan"
by 加治屋健司 (広島市立大学准教授)
"Interpretations at War and Peace: Article 9, Okinawa, Japan" on Yuken Teruya
by 前嵩西一馬 (コロンビア大学文化人類学Ph.D.候補 早稲田大学研究員)
"Citizens, Sovereigns, and Mirrors: Article 9 in the Postwar Era"
by Matthew Black (Ph.D. student in Anthropology at Columbia University focusing on the issues of Japanese post-war period)
などなど盛りだくさん!カタログには、このステートメント以外にも、かなり豊富な文章によって構成されています。ぜひ、皆様の購入の方をお待ちしております。
なお、展示期間中の特別イベントとしまして、
1月19日土曜日 5PM- (無料)
ドキュメンタリー・フィルム上映会 「White Light, Black Rain」
ステーィブン・オカザキ監督による、広島・長崎への原爆投下に関するドキュメンタリー
+ 舞踏パフォーマンス(Vangeline Theater Co.)
1月25日金曜日 7PM-
アコースティック・・ライブ・ミュージック
羽鳥美保 + Special Guest
を開催します。
このドキュメンタリー映画、アメリカの地上波として初めて原爆投下について触れた、大変優れたドキュメンタリー映画です。きっと、展示に来場してくださった皆様に、広島と長崎への原爆投下、という事件について、より深く理解して頂ける機会になることと思います。また、上映後には、NYをベースとした多国籍舞踏団体、Vangeline Theaterによる舞踏パフォーマンスが開催されます。
また、羽鳥美保さん(元チボ・マット、Gorrilaz)のアコースティック・ライブですが、羽鳥美保さまの方に了解を頂、アコースティック・ライブという形で開催しようと考えております。また、展示において、9条を語る上で外せない、沖縄のコンテクストが強いのですが、それをもう少しでも理解して頂けないかと思い、羽鳥さんの方には沖縄民謡もいつくか歌って頂こうと希望しておきました。とても楽しみです。
それでは、皆様のご来場をお待ちしております。失礼します。
渡辺真也