霜後桃源記  

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「社会の変え方  日本の政治をあきらめていたすべての人へ」 その一

2023-02-13 06:32:27 | 社会
 市長として辣腕を振い大きな実績を挙げている明石市の泉市長が暴言の責任を
とって「政治家引退」を表明している。 
 まだ59歳という若さなので惜しまれてならないが、その泉市長が本を上梓し
たとのことなので、早速注文することにした。
 本は未だ届いていないが、内容の一部を文春オンラインが紹介しており、感動
と共に読んだ。
 長文なので更に抜粋して一部を紹介したい。




(「文春オンライン」特集班/Webオリジナル(特集班)2023.2.12)

「貧乏人をバカにしやがって!」「六法全書に赤ペン入れて直したろか!」
怒れる弁護士時代の泉房穂市長

「なぜそんなセコい発想になるんやろ」「見るべきは親の所得ではなく子ども
自身」泉房穂明石市長が“所得制限”に断固反対する。
 岸田文雄首相が最重要項目として掲げた「異次元の少子化対策」。
 しかし具体的な政策はなかなか提示されず、子育て世代を中心に批判する声
も多い。一方で、東京都、福岡市、大阪市が子育て支援にかかる所得制限の撤
廃を掲げるなど、異次元の少子化対策は国に先んじて地方自治体から広がり始
めている。
 こうした動きの“はじめの人”として注目を集めているのが明石市の泉房穂市
長だ。

 “暴言”が取沙汰されて政治家引退を表明したが、その豪腕で明石市を改革して
きたのもまた事実だ。所得制限なしであらゆる子育て支援策を実施。高齢者や
障害者、LGBTQ+のための条例も整備している。結果、10年連続で人口増、
出生率は2021年度に1.65(国は1.3)を達成した。

 既得権益層からの猛烈な反発のなか、なぜこうした政策を実施したのか。

 泉市長は瀬戸内海に面した小さな漁師町に生まれ、「それなりに貧乏だっ
た」。そして4つ下に障害を持った弟がいたことで、幼少の頃から「冷たい社
会」の理不尽さを目の当たりにしてきたという。

 社会を変えるため、猛烈に勉強して東京大学に進むも、学友たちの多くは
裕福な家庭に育った現状維持思想の持ち主ばかり。NHKに入局後も、社会問題
を実際に解決していくことができない歯がゆさを抱えた。

 そこで出会ったのが、政治家になる前の石井紘基元衆議院議員(2002年に
右翼団体幹部により殺害)。石井氏の選挙活動を手伝うなかで、石井氏から
弁護士になるよう強く説得され、弁護士になる。
 その後、“ある大きな事件”から政界へ足を踏み入れることになるのだ。

 1月31日に上梓した『 社会の変え方 日本の政治をあきらめていたすべての
人へ 』から一部を編集して抜粋する。

 冷たい条文に激怒「貧乏人をバカにしやがって!」
 20代半ばにして法律と向き合うことになりましたが、初めて六法全書を開い
て、条文を読み始めたときのことは忘れられません。思わず口から文句が飛び
出るほど、憤りを覚えました。

「誰や! こんな冷たい条文を書いたのは! 貧乏人をバカにしやがって!」

 条文をいくら読み進めても、障害者や犯罪被害者といった社会的弱者への
思いやりがほとんど感じられなかったのです。

 子どもの権利ですらどこにも書かれておらず、財産権ばかりが過度に保護さ
れており、お金持ちにばかり有利なように書かれている。強盗の処罰は厳しい
のに、強姦の処罰はあまりにも軽い。極めて不公平な内容が次々と目に飛び
込んできました。

 理不尽な冷たい条文があたかもあたりまえのように存在し続けていること
に、驚きを通り越して腹が立ってきました。にもかかわらず、司法試験の受験
生らは必死にそれを丸暗記しようと励んでいる。そして、自分もその1人である
ことが情けなくて仕方ありませんでした。

「赤ペン入れて直したろか!」と怒りながら勉強する日々がしばらく続きまし
たが、あるときを境に発想を切り変えることにしました。こう考えることにし
たのです。

「世の中の理不尽の正体、言い換えれば、子ども時代から感じてきていた社会
の冷たさの原因の1つは、法律にある。間違っているこれらの法律を変えてい
くためには、まずはその法律を知る必要がある」と。

 そう思い直し、司法試験に臨むことにしました。

 もっとも司法試験は甘いものではなく、結局4回目の挑戦での合格となりま
したが、私が司法試験に通ったことを知った石井さんは、花束を抱えて駆けつ
けてくださいました。あの笑顔は、今でも目にしっかりと焼きついています。

 弁護士になり、その後独立。2000年には地元の明石で、法律事務所を設立
しました。

 弁護士の使命は「人助け」と「世直し」
 赤ペンを入れたいことの多い法律ではありましたが、中には美しい条文も
ありました。たとえば、弁護士法の第1条です。そこには、こう書かれてあり
ます。
「第1条(弁護士の使命) 弁護士は、基本的人権を擁護し、社会正義を実現する
ことを使命とする」

 わかりやすく言えば、「基本的人権の擁護」とは「人助け」、「社会正義の実
現」とは「世直し」のこと。「そんな使命が弁護士にはあるのか!」と、
感動したことを覚えています。以来、その使命に従い、行動してきたつもりで
す。

 目の前に困っている人がいれば、お金に関係なく仕事をしました。とりわけ社会
的に弱い立場にある依頼者については、他の弁護士が見捨てても自分だけは見捨て
ないとの思いで弁護士活動を続けました。 
                          (以下省略)

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