ざっくばらん(パニックびとのつぶやき)

詩・将棋・病気・芸能・スポーツ・社会・短編小説などいろいろ気まぐれに。2009年「僕とパニック障害の20年戦争出版」

水と空

2019-04-30 09:02:04 | Weblog
あなたは水のような人だ

泥と交われば泥水となり

砂漠と交われば希望にもなる

ただし、あなたそのものは無色透明で

声高に自らの居場所を叫ぶことはない

だから人はあなたを忘れがちになる

かけがえのないあなたのことを



あなたは空のような人だ

くるくると色を変えながらも

浮かべているものは変わらない

下界のねたみや祈りは

空の耳に届くのだろうか

うつむいてばかりいては

いつになってもあなたには会えないね



雨が降ってきた

子守唄を口ずさむような調子で

人々はそれぞれに色鮮やかな傘を咲かせ

街は輝きにまぎれて泣いていた
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平成の歌姫・アイドル女優

2019-04-29 08:09:00 | Weblog
平成も残り2日。明後日はいよいよ令和元年か。今日は平成の歌姫・アイドル女優を振り返ってみたいと思います。

すでにアイドル人気が陰りを見せていた平成元年に「ザ・ベストテン」が終了し、いよいよ昭和的なソロのアイドルという分野が消えかけていました。ベストテン番組が終了し、音楽に飢えた人々がCDを購入し、売り上げ枚数は飛躍的に伸び、ミリオンセラーが続出したのですが、アイドルがそこに加わることはなく、冬の時代が続きました。

個人的には平成初期の歌姫はZARDの坂井泉水です。坂井さんはテレビ出演など露出が少なく、どちらかというと謎に包まれていましたが「負けないで」「揺れる想い」などミリオンヒットを飛ばしました。彼女は自分の素直な感情をそのまま歌詞にしていましたね。また坂井さんほど美しい女性ミュージシャンもそうはいないと思います。その意味でも平成の歌姫でした。美人薄命。若くして亡くなったのは残念ですが、彼女の伸びやかな歌声は今も耳に残ります。

アイドル苦境の平成初期。ここからアーティストとアイドル女優という分野に分かれていきます。アーティストの代表が安室奈美恵、浜崎あゆみ。そしてアイドル女優の代表がヒロスエこと広末涼子でした。広末さんの人気は凄かった。曲を出せば飛ぶように売れるし、大学入学の時も、すごい騒ぎでしたね。人気のヒロスエに対して、実力派のアイドル女優もいました。桜井幸子、中谷美紀や菅野美穂です。広末さんのアイドルとしての人気を不動にしたのがドコモのポケベルのCMだったのに対し、例えば菅野さんだと「イグアナの娘」でした。僕もそれまでは菅野さんの顔と名前が一致するか微妙なところでしたが、その演技を見てこんな凄い若手女優がいるんだと驚きました。そんな彼女も今や二児の母。女優としてももう一花咲かせてほしいところです。

アイドルはその後、男女問わずグループばかりがメジャーになる時代に入りました。女性アイドルではモーニング娘。AKB48が代表格ですかね。そして平成に入って10年が過ぎようかというころ、宇多田ヒカルという歌姫が彗星のごとく出現しました。若干15、6歳の少女が歌い手としてばかりでなく、これだけの歌詞、曲を作れるものかと驚きました。ファーストアルバムの売り上げ枚数の記録はいまだに破られていません。同時期に生まれた歌姫として倉木麻衣、椎名林檎が挙げられます。倉木さんは美少女でしたし、アイドルとしての側面もあったと思います。椎名さんはパンチのある言葉、独特の世界観が印象的です。

その後、アイドル女優として登場したのが深田恭子、上戸彩、綾瀬はるかでした。深キョンが今や美魔女的な扱いを受けていることに時の流れを感じます。上戸彩は演技では「3年B組金八先生」での性同一性障害の役柄が印象的です。綾瀬はるかは今や国民的女優になりましたね。そして新垣結衣、堀北真希へと続いてゆきます。どちらかといえば、新垣さんはアイドル性が高く、堀北さんは女優的な部分を押し出していました。

宇多田後の歌姫というとやや小粒感が否めないと思います。引退した西野カナなど歌姫と呼ばれた人は何人かはいましたが。アイドル女優の方は平成生まれに移り、能年玲奈、有村架純、そしていま朝ドラに主演している広瀬すずなどソロで活動するなら歌手より女優という流れは固定化しました。AKB系のアイドルたちの多くが女優を目指すのも当然なのかもしれません。

歌姫の方ですが、もう平成には宇多田クラスの歌姫は生まれない雰囲気でしたが、ここにきてあいみょんという新たな歌姫が登場しました。歌詞、曲、歌唱力すべてが高いレベルにあり、現代社会に背を向けるような歌詞に象徴されるように個性が強く、それでいてどこか懐かしい。それが彼女が幅広い世代から指示を受ける理由だと思われます。






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僕の平成

2019-04-27 19:39:48 | Weblog
平成が明けた空はよく晴れていた
僕はその眩しさを忘れない
二度と見ることはなかった眩しさを

突然、僕の頭上に雷が落ちた
僕は死ななかった
壊れたまま生きていた

その日から常に重たい雨雲が垂れ込めていた
短い間隔で激しい雨に打たれる
冷たく痛く傘もない

僕は次第にどこに行けば激しく打たれるかを知り
あらゆる場所に立ち入らなくなり
少しでも豪雨を避けるための場所を探し続けた

ついに平成が終わる
意義や価値など見い出せないまま
死が怖いという理由で生き延び続けた平成が

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藤井・高見戦 人と人が対局する素晴らしさ

2019-04-25 07:54:00 | Weblog
昨日の竜王戦4組準決勝は藤井聡太七段が高見泰地叡王を127手で下しました。激戦でしたね。終盤はやや高見叡王リードの局面もあったようですが、藤井七段が劣勢をしのぎ、最後は見事に高見玉を寄せ切りました。これで藤井七段はデビュー以来、竜王戦3期連続昇級となります。

それにしても熱戦でした。振り駒の結果、珍しく藤井七段の先手。やっぱり藤井君はやればできるんだ(笑)今期の彼の課題は振り駒の勝率を挙げることではないでしょうか。本人の力でどうにもなるものではないですが。

戦型は角換わりを目指す藤井君に対し、後手番の高見叡王が受けて立つ展開に。前日の名人戦とは違い、しばらく角が互いの駒台でおとなしくしていました。先に角を打ち込んだのは藤井七段でこのあたりから激しい攻め合いになり、どちらの速度計算が正しいかという戦い。この読み合いは高見叡王に分があったようで、そのまま終盤戦にもつれ込みました。しかし、高見有利とは言っても具体的にさらに差を広げる手順が難しかったようで、やや攻めあぐねている隙をついて藤井君が逆襲に転じます。最後は叡王が2二銀というただ捨ての銀を打ち込み、執念を見せましたが、藤井七段が冷静に寄せ切り熱戦に幕を下ろしました。

白熱の終盤戦を見ながら、亡くなったマラソンの小出義雄監督のことが脳裏をよぎりました。3月まで現場主義を貫き、亡くなる少し前「いい人生だった」と話していたそうです。いかにも小出さんらしい。高橋尚子、有森裕子らを熱心に暖かく指導する小出監督の姿を思い出していました。シドニーオリンピックで金メダルを獲得したQちゃんはゴール直後「とても楽しい42.195キロでした」と笑顔で、アトランタオリンピックで銅メダルを獲得した直後、有森さんは涙ぐみながら「初めて自分で自分を褒めたい」との言葉を残しました。

マラソンを走り終えた直後は本音しか出せないと思います。それと同じように肉体と脳との違いこそあれ、朝から晩まで死力を尽くして対局した棋士も本音しか出ないでしょう。立派だと思ったのは高見叡王が投了直後、ほとんど間を置かず、藤井七段に盤面を指さしながら話し掛けていたことです。なかなか20代半ばの若者にできることではありません。記者の質問に丁寧に答えながら、感想戦を進める二人を見て、少し胸が熱くなりました。いくらAⅠとの実力差が広がっても、感情のある人間でなければ表現できないものは確実にありますね。

藤井君は平成最後の対局をいい形で飾れてよかったと思います。令和の時代の中心は藤井君中心に回るのでしょうか。敗れた高見君は叡王戦では挑戦者の永瀬七段が手強いので0-2からの逆転は難しいと思いますが、少なくとも一度は勝って将来につなげてほしいですね。
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名人戦第2局。藤井聡太対局

2019-04-24 07:46:38 | Weblog
昨日、名人戦第2局が行われ、挑戦者の豊島将之二冠が佐藤天彦名人を107手で破りました。これで豊島さんが2連勝。名人はかなり苦しくなりました。戦型が角換わりになるか横歩取りになるか注目でしたが、研究の深さに定評があり、勝率も高いであろう豊島さん先手での角換わりを天彦さんが受けて立ちました。交換した角を互いに早めに自陣に打ち込み、じっくりとした展開になりましたが、最終的には豊島さんの角がよく働いた将棋でした。

豊島連勝での幕開けとなった名人戦。第3局が大きな勝負になりそうです。佐藤名人の先手番を豊島二冠がブレークして3連勝となれば、9割がた決着がついた形になりますが、天彦さんが名人の意地を見せれば、心理的には互角に近いところまで持っていけるのではないでしょうか。第3局は名人の奮起を期待していますが、シリーズ全体で考えると、第2局の立会人だった谷川浩司九段以来の関西からの名人誕生も現実味を帯びてきました。豊島さんの対局姿勢の美しさは谷川さんを彷彿とさせます。名人を含めた3冠となると格の上では他の棋士を大きく引き離す存在となります。

そして今日は藤井聡太七段が登場します。竜王戦4組準決勝。対局相手は高見叡王。相手は手強いですが、この勝負に勝てば3組への昇級が決まります。負けられない一戦ですね。現在の将棋界の3強は渡辺二冠、豊島二冠、永瀬七段だと思います。藤井君はその3人を追いかける佐藤名人、広瀬竜王などの第2グループのに含まれているという見方が現実的ではないでしょうが。1年前の群雄割拠の状態から見ると、随分絞られてきていますね。第1グループに追いつき追い越す可能性が最も高いのは、やはり最も若い藤井君だと思います。おそらく今日が平成最後の対局となるのではないでしょうか。「次の時代は俺が背負う」ぐらいの力強い将棋が見たいところです。今日の藤井七段の勝利の確率は60%から70%と予想しておきます。
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消費税は上げるべきではない

2019-04-20 07:35:52 | Weblog
本題に入る前にまた高齢者運転による痛ましい事故が起こりました。池袋で87歳のドライバーの運転する乗用車が暴走。母子2人が死亡、8人が重軽傷を負いました。高齢ドライバー側の反論としてよく聞くのが、近くにスーパーなどがなく生活が成り立たないというのがあります。しかし、池袋ですからね。事故を起こした本人にとっても人生の締めくくりの時期に二人の命を奪った犯罪者となるのは不幸だと思うのですが。少なくとも都市部は75歳位での免許返納を義務付けるべきでしょう。

自民党の萩生田幹事長代行が消費増税延期を匂わせる発言をしました。政府としても世間の様子を伺う意図があったのでしょう。現実的にはとても上げられる状況にはないと思います。しかし、財務省は今度こそ延期は許さないという姿勢で臨むはずです。安倍総理はその板挟みとなっている状況と推測します。

少子高齢化により、もはや経済成長は望めない状況にあります。高齢化社会が進むことは昔からわかっていましたから、20世紀のうちに少なくとも10%には上げておくべきでした。その頃なら増税の副作用に耐えられる体力がまだありましたが、今はそれがありません。たとえ10%に上げたところで財政健全化には程遠く、デメリットの方がはるかに大きいのは間違いありません。

政府は当面、大企業の埋蔵金に頼るべきでしょう。しかし、根本的には少子高齢化を食い止めなければなりません。安倍政権も発足当初とは違い、幼児を持つ家庭を補助する方向に変わりつつあります。就職氷河期世代の救済にも乗り出しました。すでにベーシックインカムの理念を取り入れ始めているという見方もできます。今は人手不足ですが、人工知能社会は確実に進みますから、いずれはホワイトカラー、ブルーカラー問わず会社に残れるのは一部の人のみになっていくでしょう。今後も子供のいる家庭を中心に手当していく流れを加速させることが、長い目で見た経済の立て直しにつながると思われます。
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球春到来 OPSで見る平成の強打者

2019-04-18 07:35:59 | Weblog
プロ野球も開幕して15試合前後消化したところですかね。広島の最下位低迷は意外ですが、やはり丸選手が抜けた穴は埋まりません。彼は出塁率が高い選手なので、チームへの貢献が高かった。緒方監督はまず守りからの立て直しを考えていると思われます。パリーグに目を移すとソフトバンクが主力選手にけが人が続出し、しばらくは我慢の展開が続きそうです。メジャーリーグは菊池雄星投手がデビューしましたが心配です。かつて阪神から渡米した井川投手がダブるんですよね。それに雄星投手はソフトバンクにほとんど勝てなかった。エースの条件の一つはライバルチームに勝てることですが、彼にはそれがなかった。まあ、こうした懸念を吹き飛ばして10勝はしてもらいたいです。


ここからはOPSで平成の打者を振り返っていきます。昭和入団の選手でも主に平成に活躍した選手は含めました。落合さんは対象外、秋山幸二選手は対象内とおおよその目分量です。日本で通算4000打数以上の日本人選手が条件です。

1位は松井秀喜選手で9割9分6厘。イチロー選手は4000打数未満でしたが、松井選手は含まれました。もちろん、入団から10年でメジャーに渡ったのである意味いいとこ取りではありますが、それでも王貞治に次ぐ数字は立派です。通算成績だと高い順位にはランクインしない松井選手ですが、OPSで見るとその凄さがわかります。

2位は小笠原道大選手の9割2分9厘。3位は松中信彦選手の9割2分5厘。4位は清原和博選手の9割9厘。ここまでが9割以上です。小笠原選手といえばフルスイングですが、常に打率上位でしたし、長打力もありました。そして出塁率も高くレベルの高い中距離打者でした。松中選手に関してはもっと高く評価されていい選手だと思いますけどね。清原選手はホームランバッターのイメージが強いですが、四球の数が多く、出塁率は小笠原選手とほぼ同じで、それがOPSの高さにもつながりました。


以下、5位に和田一浩、6位に現役の福留孝介、7位に金本知憲と続きます。金本選手の順位は少し意外です。もう少し上位かと思っていましたが、長くプレーした選手は率では不利に働くのでその辺が原因かなと思います。和田選手は打撃の名人といってもいいくらい卓越した打撃技術を持っていました。福留選手は中日時代に高い数値を残しているのではないでしょうか。

OPSから見ると、通算成績とはまた違った名前も挙がってきて興味深いところです。この数値が高いということはチームへの貢献度が高い証でもあるので、これからますます重要視されるようになるのは間違いないでしょう。

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神様を見た日


7歳の夏の終わり
父に連れられ、初めてプロ野球をスタジアムで見た
あの日の後楽園球場の美しさは忘れられない
その試合で王貞治はライトスタンドへ799号を打った

あなたを尊敬し
やがてあなたを敬遠し
そしていま改めてあなたの巨大な足跡を想う

あの時代の少年は王貞治の息子です
僕は出来の悪いほうだろうなあ
あなたは偉大すぎて、厳格で
いつかあなたに顔向けできるような人間になれたらいい


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空の喫茶店

2019-04-17 21:52:59 | Weblog
レンタルの雲のかけらに腰掛けて
温かなコーヒーを飲みながら新聞を手にしたら
少し雲椅子が傾いて
活字が紙面から滑り落ちてしまった

のっぺらぼうの新聞をパラパラとめくる
それなりに難しかったけど
言わんとしている事はおおよそ理解できた

コーヒーを飲み終え
少し頭が良くなった気がした上機嫌な僕は
釣りはいらないといった調子で
雲のかけらを空へ返した
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現在地

2019-04-13 18:39:06 | Weblog
幸せに生きても
不幸せに生きても
すべては過ぎ去っていく虚しさ

今日という日は不思議だ
振り返って眺めると最も老いていて
前を見据えると最も若い

昔、砕け散った夢も随分ぼやけてきたけれど
動物や植物の後先考えぬ逞しさは永遠に手に入らない

地図の上で片隅に置かれた僕は
自分を中心にして頬杖ついている
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名人戦、波乱含みのスタート

2019-04-11 22:28:23 | Weblog
平成から令和への架け橋ともいえる第77期名人戦は1日目から千日手という思いもよらぬ幕開けとなりました。佐藤天彦名人に豊島将之二冠が挑戦するフレッシュなカードになりましたが、先手の佐藤名人が角換わりから積極的に仕掛けたものの後続手を見いだせず、同一局面を4回繰り返す千日手が成立しました。名人戦での千日手は16年ぶりだそうです。

千日手としてしまった佐藤名人の代償は大きく、2日目は先後入れ替えで豊島二冠の先手となる上、消費時間も豊島さんのほうがかなり多い条件でのスタートとなりました。後手の佐藤名人が得意戦法の横歩取りに誘導しましたが、結果は73手で豊島二冠の勝利となりました。

豊島さんは名人戦、嬉しい初勝利。対する天彦さんは不本意な内容だったと思われます。立て直して第2局に臨んでほしいところです。個人的には2人とも好きな棋士なのでどちらが勝っても構わないのですが、もう少し手に汗握るような内容を期待したいです。投了図を見ても、豊島玉は全く手つかずでしたからね。

一方で豊島さんが新名人になるのも悪くないかなとも思っています。ひとつには天彦さんは名人戦でのここ3年の戦いぶりは見事なのですが、他の棋戦での活躍が物足りません。名人以外のタイトルも取ってほしかった。だから豊島さんが名人を取れば三冠となりますし、今後も名人に相応しい活躍が見込めます。そういった意味で天彦さんが名人位を手放して、もう一度、厳しいA級順位戦を勝ち抜いて這い上がってほしい気持ちもあります。勿論、今期防衛に成功すれば通算4期となり、永世名人に王手をかける大事な戦いであるのはわかりますが。

段位の基準でいうと、名人は1期で九段、竜王は2期で九段、他のタイトルは3期で九段です。つまり名人には竜王を除く他のタイトルの3倍の価値があります。勿論、数値化せずとも名人位に特別な権威があるのは将棋を知っている人ならば皆知っています。そうした考え方をすれば、天彦名人にとって今年は試練の一年になると思います。たとえ今回、防衛に成功したとしてもやはり名人に相応しい活躍をそろそろ見せてほしい。能力の高い棋士なので彼ならばそれができると思います。

随分、天彦名人に厳しい意見を述べましたが、僕は天彦さんも豊島さんも好きな棋士なので、7局戦ってほしいですね。だから2局目は名人に踏ん張ってほしいと思います。二人が自らの力を存分に発揮出来ることを願っています。



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