ざっくばらん(パニックびとのつぶやき)

詩・将棋・病気・芸能・スポーツ・社会・短編小説などいろいろ気まぐれに。2009年「僕とパニック障害の20年戦争出版」

死と生

2019-03-30 18:40:30 | Weblog
仕事で富も名声も得て
笑顔の絶えない家族を持ち
よき友に恵まれ
長寿を全うして安らかに天国へ旅立つ
羨ましいほど薄っぺらい人生

恥の多い生涯は送りたくないが
それは紛れない真実の人生
いつの日か同類相哀れんでみたい
この世かあの世か知らないけれど

桜の潔さを愛でながら
人間ドックは欠かさない
死にたいと願いながら生き続け
生きたいと願いながら死んでゆく
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藤井聡太、薄氷の勝利

2019-03-28 20:09:13 | Weblog
昨日、藤井聡太七段の今期最終局がありました。対戦相手は中田宏樹八段。将棋の王道とも評される矢倉の戦型になりました。藤井七段も奨励会の三段リーグに上がるまでは矢倉を得意としていたそうですが、やはり40近く年長の中田八段と比べては経験値は遠く及びません。中盤、中田さんが歩の突き捨てからペースをつかみ、巧みにリードを広げ終盤へ。

最終盤、藤井君が放った銀のただ捨てという苦し紛れの、しかし最善の一手が実り、急転直下、逆転勝ちとなりました。天性の勝負術こそ見せましたが、藤井君側から見ると将棋で負けて、勝負に勝ったといったところです。本人も当然納得はいかない内容なのは間違いないでしょう。しかしこうした苦しい勝負を積み重ねて藤井将棋は着実に進歩するのだと思います。

今年度の最終成績は45勝8敗。8割4分9厘。歴代最高記録には惜しくも及びませんでしたが、史上3位の勝率は見事です。朝日オープン連覇の快挙あり、順位戦の昇級を惜しくも逃し、タイトル挑戦にも届かず藤井君としては喜び半分、悔しさ半分といった2018年度というところでしょうか。

東京での対局の時、デビュー当時から藤井君の胃袋を満たした「みろく庵」が今月末で閉店するそうです。惜別の気持ちがあったのでしょう。昼食も夕食もみろく庵から注文したらしいですが、夕食は局面が緊迫してくる頃ですから、味がしなかったかもしれないですね。それでも藤井君にとっては激動の2年半、利用してきた店への思いは案外、深いものがあるのかもしれません。藤井君は4月から高校2年。新たな戦いが幕を開けます。別れと決意。3月とはそうした季節です。あとは詰将棋解答選手権。またまた周囲を驚かせる結果となるんでしょうね。

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イチロー引退

2019-03-23 19:31:24 | Weblog
ついにこの日が来てしまいました。3月21日、イチローは引退を表明しました。寂しさはありますが、仕方ないですね。オープン戦で全く結果を残せませんでしたから。

東京ドームでの開幕シリーズ。シアトル・マリナーズのイチローは変わらぬ体型、打席内での雰囲気を保ったまま日本に帰ってきてくれました。ノーヒットで終わったのは残念でしたが仕方ありません。全盛期の脚力ならば、内野安打になりそうな打球もありましたが判定は冷徹にアウト。世界一ヒットを打ってきた選手が、最後は一本のヒットの難しさを表現したと言えるかもしれません。スタンドは超満員。「人寄せパンダ」という人もいるでしょう。ただ、プロ入りして約1万日。そのうちの2日くらい彼に至福の時を与えてあげてもいいのではないでしょうか。

僕の記憶でイチロー選手のホームランを最初に見たのは1992年、ルーキーイヤーのジュニアオールスター。まだその時はいわゆる振り子打法でもなく、本名の鈴木一朗でプレーしていました。イチローが誕生したのは3年目の1994年。恩師、仰木彬監督が命名しました。そして一躍大ブレーク。イチロー流にいえば一気に番付を上げました。もし仰木監督との出会いがなかったら、土井監督のままだったら今のイチローは存在していなかったでしょう。誰に出会うかで運命は変わりますね。この頃、競馬の武豊、将棋の羽生善治とともに平成に出現した若き勝負師の代表格として扱われることが多かったのをよく覚えています。

2001年にメジャーリーグに渡り、安打数にまつわる数々の記録を打ち立てました。そして2011年の38歳のシーズンに初めて3割を下回ります。彼はこの時「衰えと思われるのが悲しい」との言葉を残しました。しかし、これ以降3割には一度も復帰できずに引退の日を迎えました。いまだに衰えを認めないイチローの反骨心の凄さは常人には想像のつかないものがあります。変わらないグラウンドでの動作、雰囲気。

では何が衰えたのか?それは動体視力を含めた反応力や感覚でしょう。今だって、練習では軽々とスタンドに放り込む。パワーは鍛え方次第では衰えにくいですからね。しかし、反応力や感覚はどうにもならない。イチロー選手の場合、ボールの真芯か上半分をミートすることで高打率を保ってきましたが、バットが思ったところに出なくなり、ボールの下半分を叩いたり、思ったより差し込まれてしまったりというケースが増えていったものと推測します。

話は変わりますが、昨今ドラマなどで俳優以外のタレントを起用するケースが増えています。僕が見た中で俳優以外で一番演技が上手かったのは他でもないイチローです。「古畑任三郎」で本人役で出演した時の演技は役者顔負けでした。この時に僕は思いました。「鈴木一朗はイチローを演じているのだ」と。

「好きな野球漫画はキャプテン」「余力を残して3割打つ人よりも、力を出し切って2割8分の人のほうが好き」。そして引退会見で愛犬の一弓について「老犬でもうフラフラなんですが、懸命に生きようとする姿には心を打たれるものがある」。これらはイチローではなく、鈴木一朗が人としてどこに重きを置いているかをよく表しているら言葉だと思います。

今日から春の選抜高校野球が始まりました。全員21世紀生まれだそうです。貴方は第二次ベビーブーム世代の星でした。イチローさん、お疲れさまでした。
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悪意

2019-03-21 19:39:11 | Weblog
この星は水で満ちている
酸素で満ちている
アルコールで満ちている
あるところでは金で満ちている

そして悪意で満ちている
それは国と国の衝突から小さな教室の隅々まで

一人密室に閉じこもっても
まだまだ悪意はたじろがない
インターネット
そして彼自身
自分の毒には鈍感で他人の毒には敏感な
人なる生き物

子供から大人になるためのお祝い品
絹の綺麗ごとで丁寧に包まれた
得体の知れぬ重たい悪意ひと箱
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近況

2019-03-16 19:38:26 | Weblog
ここでは僕と名乗っているが
生活の中で僕は僕とは名乗らない
俺、または自分、少しかしこまって私
自分の呼び方さえ定まらない僕なのだ

若く見られる体質なのだろう
周りの人たちからはお兄さんと言われ
そのたびに自分の年齢を思い、ため息をつく

いつもの病院で血液検査を受け
中性脂肪や血糖値が初めての危険数値
中年化が確実に進んだことを知る
だからさよならチョコレート

働き盛りの人々の貯金状態を知り
自分は中流じゃないかと錯覚する
しかし僕は家族も背負っていないし
金を使うエネルギーがないだけのこと

年は取りたくはない
若い頃にも戻りたくはない
今は今で苦しみの日々

やはり僕には居場所がない
こんなに長く生きてきたのに
100年前に帰りたい
100年後に飛び立ちたい

お元気ですか?
僕は相変わらず元気がありません

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藤井聡太は完成品なのか?

2019-03-15 21:41:59 | Weblog
昨日のB級1組を最後に今期の順位戦は終了しました。若手に上がってほしかったので、斎藤慎太郎王座に期待したのですが、残念でした。また来期ですね。個人的には谷川浩司九段が素晴らしい内容で橋本崇載八段を下した対局が印象的でした。終盤、あえて桂馬をならなかったり、最終盤での敵の歩の頭への金打ちなど谷川将棋の魅力が詰まっていました。皆さんもぜひご覧になっていただければと、って見ないか(笑)

さて、順位戦の昇級は惜しくもならなかった藤井聡太七段。こないだ注目していた対局がありました。棋聖戦二次予選での久保九段戦です。朝日杯ではタイトルホルダーやA級棋士などそうそうたる相手を次々と倒している藤井君ですが、果たして持ち時間の長い勝負でトップクラスの棋士とどのような将棋を見せるのかという興味がありました。これまでサンプルが少ないですからね。結果は残念ながら藤井七段は敗れました。互角の勝負だったようですが最後にミスが出てしまい、それが敗着になりました。

藤井聡太を評価する上でよく出てくるキーワードは完成度が高い。裏を返せば、年齢ほどには伸びしろが少ないのではないかという意見もあるでしょう。確かに完成度は高いですね。そうでなければ、いかに天才と言えども29連勝や朝日オープン連覇ができるはずはありません。史上最強の16歳であることは間違いないでしょう。問題はこれまでの中学生棋士のように10代後半で大きな成長を遂げられるかどうかです。

どうなんですかね。藤井君は今も最年少プロ棋士ですから、最も伸びしろがあると思いたいです。勝率最高記録は絶望的になりましたが、それでも昨年とほぼ同じ勝率を残したことが何よりの成長の証です。昨期と比べて強い棋士との対戦が増えてこの成績ですから。人間的にも聡明な少年ですし、また将棋への情熱も人一倍だと思います。あどけなさを残した顔で頭を小刻みに揺すりながら盤上を凝視する姿は心を打つものがあります。その姿勢を続ける限り、まだまだ成長していくと思います。はるか遠くに行けるはずです。

来期はいよいよタイトル挑戦を実現させたいところです。出来れば渡辺二冠は避けたい(笑)個人的には谷川さんとの年の差40歳対決を楽しみにしています。僕にとってのゴールデンカードですから。激戦を期待します。
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さよならチョコレート

2019-03-11 08:50:05 | Weblog
雲間からこぼれた光が春先の声を照らす
蕾たちが開花するタイミングにときめいている

時の薬は悲劇の人々を救えたのだろうか
地球の自転は彼らが立ち直るのを待ってくれない

学生たちは社会の歯車への坂道の途中で足を止め
しばし友との別れを惜しんでいる
ずっとその場にいることはできないと知りながら

さよならチョコレート
優しい言葉は全部君にあげる
もう僕には必要なくなった
そもそもが不要なものだった

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清原、厚労省の依存症啓発イベントに登場

2019-03-07 09:00:46 | Weblog
昨日、厚労省主催の依存症啓発イベントに清原和博さんがゲスト出演しました。有罪判決を受けて以来、約3年ぶりの公の場だそうです。

「自分は逮捕されて3年になるんですが、こつこつと治療をしてきて、それが厚生労働省に認めていただいたと思うと、すごくうれしい気持ちでした。自分のように苦しんでいる人のためにと思って、すぐに(参加を)決めました」


清原さんはイベントの終わりに特別ゲストとして登場し、薬物依存研究の専門家と対談。清原さんの姿を見る限りでは、血色もよく体型もそれほど変わらず元気そうに見えました。現在は2週間に1回病院に通い、薬物についての勉強をしているそうです。個人的には前向きに依存症を治していこうという姿勢が見えて、少し安堵しました。

それにしても皮肉というか、まだ新人時代だと思うのですが、当時の厚生省ポスターの「覚せい剤を打たずにホームランを打とう」というメッセージのポスターに起用されていた清原さんが、約30年後、自らが覚せい剤所持違反で逮捕されるとは、ポスターに起用した厚生労働省も夢にも思わなかっただろうし、人生はわかりません。

しかし、こればかりは清原さんの自己責任で、難しいことでしょうが薬物依存と向き合っていくしかありません。幸いにも清原さんの周りには本音をさらけ出せる人もいるようで、それは大事なことですよね。起こしてしまった事実は変わりません。しかし、大きなダメージと引き換えに引退後に見いだせなかった生きる目的が生まれたともいえるのかもしれません。「自分と同じように依存症と苦しむ人たちのためになれば」という本人の言葉もありましたが、今後もこの姿勢を続けてそういった方々に勇気を与えることが彼の使命なのかなとも思います。現役時代も自分のためよりチームのために打席に立ったほうが結果が出るタイプの選手でしたからね。

平成を代表するホームランバッターが覚せい剤に手を出してしまったという衝撃は球界にとっても大きなダメージでした。今、急激に子供の野球人口が減少しているというニュースを聞きます。色々な理由が考えられますが、清原さんの影響も決して小さくはなかったように思います。これだけのスーパースターなわけですから。依存症との戦いはまだまだこれからも続くでしょう。現役時代、清原ファンだった者として裏切られた気持ちもありましたが、少しでもいい方向に進むよう願うばかりです。
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藤井聡太昇級ならず

2019-03-06 19:19:41 | Weblog
昨日、C級1組11回戦が行われ、8勝1敗で並んでいた近藤誠也五段、杉本昌隆八段、船江恒平六段、藤井聡太七段は全員が勝利し、順位が上位だった近藤五段、杉本八段がB級2組への昇級を決めました。

それにしても藤井君残念でした。若手強豪の都成五段を見事に破ったのですが、あと一歩届きませんでした。師匠の杉本さんも自身の昇級が嬉しいのは間違いありませんが、弟子の手前あまり喜びを表に出しにくいでしょうね。藤井君の昇級は十分ありうると予想できても、自身の昇級は予想していなかったと思われます。

しかし藤井君も近藤君との直接対決で敗れているので、その地点である程度昇級は諦めていたでしょう。近藤君は20代前半の同世代で若手実力者の増田六段を激戦の末に下して見事に昇級を決めました。そして同時に六段への昇段も決めました。昨日の対戦相手だった増田君を天才とすると近藤君は大器という印象です。増田君は竜王戦で藤井君を倒した時のような才気あふれる将棋を指しますが、同時に天才特有の波の激しさがあるような気がします。それに対し、近藤君は安定感、懐の深さを感じますね。長時間の対局にも強いので将来のA級は間違いないと思われます。

天才と大器。どちらも兼ね備えているのが藤井聡太でしょうが、その藤井君ですら順位戦での連続昇級は難しかったという結果になりました。また来期と言いたいところですが、彼には今年度にまだ1つ達成できる記録が残っています。中原16世名人の最高勝率です。あと残り何戦あるのかわかりませんが、近いうちに久保九段との対局が組まれているようなので、ここが記録達成へのポイントになると思います。

3月1日に行われたA級順位戦では豊島二冠が見事に自力で名人戦挑戦を決めました。平成生まれの名人戦登場は豊島さんが初めてです。平成の終わりに相応しい挑戦者なのかもしれません。新人王戦で藤井君と決勝で対局した出口若武三段が熾烈な三段リーグを勝ち抜き、四段昇段を果たしました。春が来ましたね。そして来期の最大の注目はやはり藤井君のタイトル戦登場、そして獲得があるのかどうかということになりそうです。
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